関東学生競技大会 6月20・21日、7月4~5日 東京・JRA馬事公苑ほか
6月から7月にかけて、計4日間にわたり第76回関東学生競技大会(関東学生)が行われた。充実の戦力をもって優勝を目指した早大馬術部であったが、団体3種目総合では日大、明大に次ぐ悔しい3位。しかしその確かな実力を示し、全日本学生大会(全日本学生)の出場枠を獲得した。
本大会では6月20日に関東学生賞典馬場馬術競技(馬場馬術)、21日に関東学生賞典障害馬術競技(障害馬術)を東京・JRA馬事公苑で開催。さらに舞台を変え、7月4・5日に山梨県馬術競技場で関東学生賞典総合馬術競技(総合馬術)が実施された。団体は馬場馬術、障害馬術、総合馬術の各種目上位3組の合計点で競われる。早大は馬場馬術で3位となったが、障害馬術では6位と苦戦を強いられた。巻き返しをかけた総合馬術では明大にわずか0.7点差まで迫る2位と健闘したものの、3種目を通じた総合順位は3位にとどまった。また、2日目には関東学生MD障害馬術競技(MD障害)も行われた。
悪天候の下行われた初日の馬場馬術には、中島妃香留主将(スポ4=茨城・水戸葵陵)と如月、中田仁菜(スポ2=東京・東農大一)とココドロ、シレガル・ライシャ(基理3=インドネシア・Medan Independent School)とフィロソファー、そして細野光(スポ4=東京・桐朋)とブリタニア7の4組が出場した。久々にコンビを組む如月と先陣を切った中島であったが、調整に悩まされ本来の力を発揮できず、得点率59.333%で16位に終わる。続く中田とココドロは60%を超える得点率を記録し、12位で団体戦に貢献。ライシャとフィロソファーは終始落ち着いた演技を披露し、得点率55.555%で馬場を終えた。早大で最後に登場したのは、昨年の全日本学生を制した細野とブリタニア7のコンビ。「馬のポテンシャルを引き出せなかった」としながらも60%を大きく超える得点率63.741%をたたき出し、6位に入った。各々が安定感を見せたが、団体結果は4位の慶大をわずか0.257%上回る3位にとどまり、高みを目指す早大にとってはやや不本意な滑り出しとなった。

演技を終えた細野とブリタニア7

演技を披露する中田とココドロ
2日目の障害馬術には中田と稲恋、細野とTHムーシェ、中島と稲叶の3組が出場した。早大勢で最初の走行は中田と稲恋。中田も全日本学生女子選手権を制した実力派だが、1走行目終盤の落馬でまさかの失権。3組で争う団体戦に早くも黄色信号が灯った。続く細野とTHムーシェは2走行の合計減点を12に抑え、12位につけた。中島と稲叶は、馬の調子が上がらない中でも1走行目で減点0の完璧な走行を披露。2走行目も減点4にとどめ、6位に入った。しかし失権が響き、早大はこの競技で団体6位に沈んだ。また、同日開催のMD障害には西岡弘稀(スポ1=三重・高田) とジョルジオ・アルマーニ、植本裕尊(人4=東京・筑波大付属)とイリスが出場した。西岡とジョルジオ・アルマーニは総減点25で9位。植本とイリスは落馬により失権となった。

障害を飛越する中島と稲叶
大会3日目と4日目、再起の期待がかかる総合馬術に出場したのは中島とデクスター、加藤凱也(法4=埼玉・早大本庄)と稲爽、中田とTHムーシェ、細野とジャズデミュリエールの4組。まず行われた馬場では細野とジャズデミュリエールが69.53%、中島とデクスターが68.53%、中田とTHムーシェが67.80%と、3組が70%に迫る高い得点率をマークした。加藤と稲爽は得点率53.13%を記録。この時点で早大は団体3位につけた。そして翌朝のクロスカントリーでも、前日好調だった3組が揃って減点0の好走を披露。団体2位の日大との差を0.2点まで詰める。最終種目の障害では中島とデクスター、中田とTHムーシェがともに減点0の安定した走りを見せ、細野とジャズデミュリエールも減点0.4でまとめた。総合馬術の個人順位では、活躍が光った3組が4位から6位に並ぶ形に。早大はこの競技で1位の明大にわずか0.7点差の団体2位。惜しくも優勝には届かなかったものの、各々が遺憾なく実力を発揮した。こうして全ての競技が終了。早大は3種目総合で昨年の4位を上回る3位入賞を果たし、全日本学生への切符をつかんだ。
今大会も馬場馬術、障害馬術、総合馬術と各競技で強さを見せた早大馬術部。しかし「今回の結果には全く満足していない」と中島は語る。悲願の全日本学生優勝へと飛躍を誓う彼らは、人馬ともに高みを目指しどこまでも進化するだろう。
(記事 田邉桃子、村井未歩、写真 田邉桃子、樋口万葉、石坂愛夏、後藤美湖)
結果
▽団体成績
優勝 日本大学
準優勝 明治大学
3位 早稲田大学
▽関東学生賞典馬場馬術競技(馬場馬術)
6位 細野、ブリタニア7 最終得点率63.741% 75ポイント
12位 中田、ココドロ 最終得点率60.445% 57ポイント
16位 中島、如月 最終得点率59.333% 45ポイント
26位 ライシャ、フィロソファー 最終得点率55.555% 23ポイント
▽関東学生賞典障害馬術競技(障害馬術)
6位 中島、稲叶 1回目タイム71.15 総減点0 2回目 タイム71.18 総減点4 75ポイント
12位 細野、THムーシェ 1回目タイム70.17 総減点4 2回目タイム70.36 総減点8 57ポイント
中田、稲恋 E 2ポイント
▽関東学生賞典総合馬術競技(総合馬術)
4位 細野、ジャズデミュリエール 3種目総減点30.9 81ポイント
5位 中島、デクスター 3種目総減点31.5 78ポイント
6位 中田、THムーシェ 3種目総減点32.2 75ポイント
加藤、稲爽 E 2ポイント
▽関東学生MD障害馬術競技(MD障害)
9位 西岡、ジョルジオ・アルマーニ 1段階目タイム27.59 2段階目タイム57.85 総減点25
植本、イリス E
コメント
中島妃香留主将(スポ4=茨城・水戸葵陵)
――団体3種目総合3位でした。この結果についてはいかがですか
優勝を目標に臨んでいたため、今回の結果には全く満足していません。今大会を通して、他大学が新しい馬やコーチを積極的に取り入れ、全体のレベルがさらに高まっていることを実感しました。私たちも現状に満足することなく、人馬ともにさらにレベルアップできる方法を模索し、成長していく必要があると感じています。
――最終種目の総合馬術に向けて2週間でどのようにチームを立て直しましたか
障害馬術、馬場馬術、総合馬術は同じ馬術競技ではありますが、それぞれ求められる内容が異なり、コンビを組む馬も違うことが多いです。私も総合馬術でコンビを組むデクスターとは、障害馬術や馬場馬術の馬と異なる調整を行ってきました。そのため、チームを立て直すというよりは、障害馬術・馬場馬術から総合馬術へ、自分の乗り方や感覚を切り替え、デクスターとのコンビに集中していく2週間だったという印象です。
――馬場馬術、障害馬術、総合馬術をそれぞれ振り返っていかがですか
馬場馬術について、今回コンビを組んだ如月とは、1年生のときに全日本学生に一緒に出場して、その後解散し、また急きょコンビを組むことになりました。20歳という年齢もあって動きが硬くなっており、調整がうまくいっていませんでした。試合の内容も結果もこれまでで一番ひどかったので、危機感を覚えています。障害馬術は昨年、一昨年と同じ稲叶という馬で、こちらもあまり調子が良くありませんでした。1走行目は無茶な指示を出してしまいましたが、満点で帰ってきてくれました。しかし、2走行目は馬を信じて1カ所何も指示しなかったら障害を落としてしまいました。後悔が残る結果です。総合馬術について、デクスターとは長くコンビを組んできましたが、とてもテンションが高い馬なので、毎回安定した演技や走行をすることが簡単ではありませんでした。これまで多くのミスや悔しい経験をしてきましたが、今回初めて3種目すべてを大きなミスなく終えることができました。順位や結果以上に、そのことが本当にうれしく、大きな達成感を感じています。また、団体を組んだ4頭のうち、THムーシェとジャズデミュリエールは経験豊富で安定感のある馬でした。その2頭の足を引っ張りたくないという思いが強くありましたが、その気持ちにデクスターも応えてくれたように感じています。
――今後に向けての意気込みをお願いします
馬術は、選手の実力だけでなく、馬の経験や能力も結果に大きく影響する競技です。そのため、自分の努力や技術だけでは思うような結果につながらないこともあり、モチベーションを保つことが難しい場面もあります。
それでも、結果だけが全てではないと思っています。今コンビを組んでいる大好きな稲叶とデクスターに出会えたことへの感謝を忘れず、私達らしいベストな演技と走行ができるよう最後まで努力していきます。
細野光(スポ4=東京・桐朋)
――馬場で個人6位、総合で個人4位でした。大会を振り返っていかがですか
馬場馬術では全く馬のポテンシャルを引き出せずに6位なので、修正できるように練習します。総合馬術は(ジャズデミュリエールと)コンビを組んで浅く、また馬自身も7歳でこれからなので、成長を感じます。
――エースとしてどのような思いで大会に臨みましたか
まずは全日本学生の枠を必ず確保することを考えていました。そしてチームの士気を上げられる結果を出すことを意識しました。
――安定して結果を出すことができている要因は何ですか
試合までの準備と、会場に入ってからの集中力を最近自分で高められるようになってきたことだと思います。
――今後に向けた意気込みをお願いします
全日本学生で団体優勝を狙えるポテンシャルがあることが再確認できたので、早大馬術部として初の3種目総合制覇を成し遂げたいと思います。頑張ります。