春季オープン戦 6月14日 対帝京大A 早大・上井草グラウンド

雲が空を覆い、汗ばむ陽気の中で繰り広げられた今試合。数々の名勝負を繰り広げてきた帝京大との一戦に、多くの観客が開門前から早大・上井草グラウンドに集い、声援を送った。前半開始直後からトライを挙げ、先制に成功。続く後半も流れを引き寄せ点差を広げていくも、帝京大Aの強力なスクラム、そしてターンオーバーからの素早いアタックによりテンポを崩された早大A。試合終了間際にはトライを許し、最終スコア32-33で悔しい敗戦を喫した。

攻守で存在感を放ったNO・8城
前半開始早々敵陣で展開。帝京大Aのハイタックルで早大Aボールのラインアウトに、モールで押し込みあうも、帝京大Aのコラプシングでアドバンテージを得た早大A。2分、SO服部亮太(スポ3=佐賀工)から素早いパスがつながり、LO米倉翔(スポ4=福岡・修猷館)が右サイドにトライ。5-0とし、先制点を挙げた。4分、服部のハイパントをCTB島田隼成(スポ3=福岡・修猷館)がキャッチ。島田自身も強みとしている部分が今試合も光った。6分、帝京大Aボールでファーストスクラムが組まれた。ヒットは帝京大Aに押され負けていたものの、その後押し返した早大A。9分、CTB名取凛之輔(スポ2=大阪桐蔭)が激しいコンタクトで相手を後退させる。10分、帝京大Aのハイタックルでペナルティーを獲得した早大A。タッチキックで敵陣左に蹴りだす。そのまま早大Aのラインアウトからモールで強く押し込み、FL久我真之介(文構3=東京・早実)がゴールラインを叩き割った。10-0とし、連続得点となった。13分、自陣で早大Aボールのラインアウトから、またも服部のハイパントから米倉、島田のアタックが展開された。早大Aの攻撃が続く。14分、名取からFB田中大斗(教3=東京・早実)、そしてWTB田中健想(社3=神奈川・桐蔭学園)へ華麗な球運びが続き、そのままゴールライン右に飛び込んだ。15-0とし、帝京大Aを突き放していく。19分、グラウンド中央で早大Aボールスクラムから、米倉の気迫あふれるアタックで帝京大Aのディフェンスを跳ね返すも、早大Aのノットリリースザボール。帝京大Aに自陣にて展開され、流れを引き渡してしまった。その後も、早大Aは反則を続けざまに許し、ラインアウトからモールで押し込まれそのままトライを許し、15-7。28分、帝京大Aの積極的なアタックを米倉とFL野島信太郎(教4=東海大大阪仰星)のダブルタックルで阻む好プレーが見られる。しかし、しばらく自陣のゴールライン際で帝京大Aに攻め込まれる時間が続き、前半43分には帝京大Aにトライ、コンバージョンキックを決められ、スコア15-14で、前半を終えた。

鋭いステップをみせるWTB山下
続く後半1分、早大Aのノックフォワードで帝京大Aボールのスクラムが組まれるも、帝京大Aのコラプシングで、早大Aに好機が訪れる。2分、敵陣ゴールライン際のラインアウトからゴールポスト右側へグラウディング。服部のコンバージョンキックも決まり、22-14とした。7分、帝京大AボールからNO・8城央祐(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がスティールに成功。服部が冷静にペナルティーゴールを沈めた。着実に点数を重ね、25-14。13分、敵陣左サイドのラインアウトからモールが崩れ、SH大賀雅仁(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が持ちだし、島田から田中大、田中健想で軽やかにボールを繋ぐ。田中健想うが今試合二つ目のトライを決め、32-14とした。だが、ここで再び厳しい時間が続く。ノックフォワードやコラプシングといった反則が続き、マイボールとしても繋がらない。後半19分、そして30分には帝京大Aが一気に早大A自陣へ攻め込み、連続で得点を許す。32-26と得点差を縮められた早大A。それでも、後半34分には相手選手の勢いを止める山下の低いタックル、37分には今春アタック・ディフェンス共に大活躍の名取の好プレーといった個人の強気なディフェンスが幾度も見受けられた。しかし、最後は帝京大Aボールのスクラムで押し負け、そのままノーサイド。最終スコア32-33で、今試合の幕は閉じた。

スペースを駆けるFB田中大
関東大学春季大会も残り少ない中行われたこの練習試合。敗戦となったものの、大きな収穫となったはずだ。ペナルティーが多く散見されたことについては改善が必要だが、接点において素早い強気のディフェンスは印象的だった。セットプレーでは、スクラムは後半に選手交代の影響で崩れたものの、序盤は互角に押し合うことができていた。そして、ラインアウトでは、HO清水健伸主将(スポ4=東京・国学院久我山)も「基本的なところを突き詰めたよいラインアウトだった」。と語るように、全体を通して安定感のあるプレーだった。疲れが重なってくる中で、後半にかけていかに泥くさく粘って対抗していけるか。チームとしても、選手個人としても、伸びしろがはっきりとした一戦になったのではないだろうか。次週の関東学院大戦や夏合宿、そして秋の関東大学対抗戦に向け、希望ある可能性を秘めた『赤黒』の戦士たちから目が離せない。
(記事:吉田さとみ 写真:大林祐太、伊藤文音)
コメント
◆HO清⽔健伸主将(スポ4=東京・国学院久我⼭)

ーー今日の試合を振り返ってみていかがでしたか
強いチームは1つのミスをトライに繋げてくるなと感じました。
ーー逆に早稲田も相手のミスを確実にスコアに変えていたイメージがありましたが、その点についてはいかがですか
やっぱりそこをしっかり取り切らないといい試合にはなっていなったなと思います。良い収穫でした。
ーーターンオーバーからカウンターに取られたシーンが見られましたがいかがでしたか
そこが帝京大の強みかなと思います。意識が一瞬変わるのが早く、早稲田になくて帝京大あるものかなと思います。まだまだ伸びしろがあるので楽しみです。
ーー後半戦はスクラムが傾いていましたがいかがですか
自分たちのコントロールが効くところと効かないところをしっかり見極めて、どんどん勝負をしていけたらいいなと思っています。
ーーラインアウトも約90%の成功率でしたがその点についてはいかがですか
そうですね、良かったと思います。良い収穫だったなと思います。
ーー少し間を空けて投げることで崩していくシーンも多く見られましたがいかがですか
基本的なところを突き詰めた良いラインアウトだったと思います。
ーー良いアタックもあったが取り切ることが出来なかったという点についてはいかがでしたでしょうか
プレッシャーの中で取り切るところはやはりチャンピオンになるためには絶対に必要なところです。チャレンジャーとしての伸びしろの1つだと思います。
ーー展開的には前半も後半も後ろの方で相手にやられてしまいましたが、その辺りについてはどう思いますか
本当に強いチームの特徴だと思います。僕らもアタックマインドはありましたが、それ以上の帝京大の強みである規律の正しさやアタックが相手のスコアに繋がったのかなと思います。
ーー自分たちがというより相手が上回ったということですか
自分たちの伸びしろがまだまだあるのはもちろんです。
ーーキャプテンとしてはこれまでどのように過ごしてきましたか
早稲田らしさ、早稲田プライドを大切にしていました。昭和チックですが、現代において最も必要かなと思います。自分たちがいかに泥くさくできるか、仲間に対して要求できるかということを春シーズンを通して意識していました。
ーー具体的に練習のどういうところに拘りましたか
常々、勝負という言葉を言い続けることでチームとして勝負のマインドを大切にしていました。
◆LO⼩林光晴(⽂3=福岡)

ーー今日の試合のチームコンセプトを教えてください
今日のコンセプトとしては、「走り続けること」を強く意識して臨みました。泥臭く、足を止めない。そこを全員で徹底しようと話し合っていました。
ーー選手自身、久しぶりの『赤黒』での実戦となったかと思います。どのような思いでこの試合に臨まれましたか
『赤黒』に袖を通すのは本当に久しぶりだったので、特別な思いがありました。早稲田の『赤黒』を背負う以上、絶対に誰も走り負けてはいけない、走り続けないといけないと、そのプライドと責任を強く意識してピッチに立ちました。
ーー今日のセットプレーを振り返ってみて、手応えや課題はいかがですか
修正すべき点も含めてしっかりと振り返りを行って、次のステップへ繋げていきたいです。
ーー今後の意気込みをお願いします
この春のシーズンで出た課題を一つひとつクリアして、チームとしても個人としてもさらにレベルアップしていきたいです。
◆WTB⼭下恵⼠朗(スポ3=早稲⽥佐賀)

ーー今試合のコンセプトを教えてください
2試合空いての復帰戦ということもあって、WTBも新しい人がいろいろ出てきてる中で、自分の強みをアピールしようと思って望みました。
ーーチームとしてアタックの出来はいかがでしたか
自分たちのアタックしたら帝京にも結構通用してたと思うんで、小さなミスであったり、コミュニケーションの伝達ができてなかったとことかがあったんで、そこら辺をしっかりと修正すれば、もっと得点に繋げたかなと思います。
ーー個人のプレーについて振り返ってみていかがですか
アタックではそこそこ強み出せてたのかなとは思うんですけど、ディフェンスのCTBとのコネクトだったり、枚数の思い違いで行かれた部分があったんで、そこら辺はしっかり修正して次の試合とかに臨んでいきたいと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
怪我人とか結構出て、自分の出場シーンとかも多いとは思うんで、今のうちにアピールとかして、ディフェンスも夏までには修正して、もっと強みを目指していけたらと思います。
◆SO⽵⼭史⼈(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

ーー春のシーズン、現在の練習の手応えや、自分自身で感じている課題はいかがですか
判断のレベルやスピード感に関しては、今の自分に足りない部分がまだまだ多いなと痛感しています。今日のA戦も途中からの出場でした。ポジションは10番で、出場時間は10分ほどだったのですが、本当にフィジカルの強さと差を突きつけられたというか。ああいう短い時間の中でも、何か残せる選手にならないといけないなと思っています。
ーー10番といえば、チーム内にも強力なライバルがたくさんいるポジションですが、そのあたりの意識はどうですか
刺激になりますね。自分より上のレベルの選手が身近にいるというのは、本当にありがたい、いい環境だなと感じています。日々、色々なプレーを盗みながら学んでいます。でも、最終的には自分がしっかり10番を背負って試合に出たいという気持ちが強くあるので、日頃からそこを強く意識して取り組んでいます。
ーー先輩たちや、チームの雰囲気はいかがですか
先輩方はみんな本当に優しくて、すごく過ごしやすい環境です。現在は寮生活ですが、グラウンドやトレーニングルームからも近いですし、すぐにウエイトトレーニングができるので環境としては最高ですね。
ーーこれまでの環境と比べて、早稲田らしさというか、驚いた部分はありますか
すごく自由にやらせてくれるところです。高校時代も自由にやらせてもらってはいたのですが、今はより制限がなくて、自分の思い切ったプレーをやっていいよと背中を押してもらえてます。そういった意味では、すごくやりやすさを感じています。
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