2月上旬に負った全治2カ月の肉離れによるケガを乗り越え、今季リーグ戦に全試合出場中の阿部葉太(スポ1=神奈川・横浜)。「1番・センター」として早大の先頭打者を担うルーキーに、チームに合流してからの生活やここまでのリーグ戦、早慶戦への思いについて伺った。
※この取材は5月22日にオンラインで行われたものです。
チームから離脱した2カ月間

――ケガについてお伺いします。いつ頃、どのようなケガをされましたか
2月上旬の寒い時期、走っているときに左足のハムストリングとふくらはぎの2箇所を肉離れしました。全治は2カ月、6週から8週と言われました。
――そのような診断を聞いた時はどのような心情でしたか
最初は「マジか」と思いましたけど、(当初は)リーグ戦の3週目くらいには間に合う感じでした。ただ、バッティングや実践感覚はどうなるかなと思いました。
――練習には帯同できるような状態でしたか
完全に帯同できなくて、最初の4週間は走ることもできずという感じでした。
――ケガから回復し、練習する中で意識したことはありますか
いざ動けるという状態になっても、量はそこまでできなかったので、ケガした自分が悪いですけど、思うような練習はできなかったですね。なので、とりあえず質や考えてやるということは意識していました。
実戦復帰と待望の六大学デビュー

――4月上旬のオープン戦(JR東日本戦)で実戦復帰となりました。この試合に向けての目標はありましたか
この試合が行われた週から全体練習に帯同できるようになったので、時間がなかったです。その中で結果は出したかったですけど、そんな簡単に(結果は)出るものじゃないということは自分に言い聞かせて、そこまで張り切らないようにしましたね。
――対戦相手は社会人のチームでしたが、ご自身の中で調整不足は感じましたか
めちゃめちゃしました。また(相手が)社会人で、大学のさらに1つ上(のレベル)なので、全然勝負にならなかったですね。
――早大進学後初の実戦を終えて、わずか1週間でリーグ戦の開幕を迎えました。この短い期間はどのような練習を積まれましたか
リーグ戦に向けてとにかく実戦に慣れるというところで、練習でもシートバッティングをやりました。時間は待ってくれない中で、結果は出したいなとずっと思っていました。
――開幕戦からスタメン起用でしたが、スタメンを告げられた当時の心境を教えてください
やってやるぞという思いもありましたけど、ケガが明けてまだ1週間だったので、また全力で張り切りすぎて、怪我をすることだけは避けようとは思っていました。
――六大学デビューとなった東大1回戦では安打は無かったものの、四球や犠打でチームに貢献しました。振り返っていかがですか
まずは久しぶりの試合だったので、すごく楽しかったですね。でも、初戦は安打が出なかったので、早くヒットを打ちたいなという思いでした。ルーティーンとかも初めてだったので、早く場慣れをしていけたらなと思っていました。
――リーグ戦初安打は東大2回戦、通算7打席目で生まれました。変化球を捉えて、中前へ運びましたが、安堵感はありましたか
ヒットが1本出たので、すごくホッとしたというか、気持ち的には楽になりましたね。
「もどかしさ」を感じるリーグ戦

――今季のリーグ戦では1試合での複数安打は1度のみで、打率は2割ちょうどです。打撃低調の原因をご自身はどのように捉えていますか
バットも変わりましたし、レベルも2つ、3つくらい上がっているのは間違いないので、ケガを言い訳にはしたくないですけど、練習できなかったことはすごく痛かったなと思っています。
――また、今季はここまで単打のみで、長打が出ていません。その原因はどのように考えられていますか
長打の前に、まずヒットもあまり出てなかったので、バッティングフォームもそうですし、体重とか、色々関係していたなと思います。
――安打も多く出ない中、気持ちの浮き沈みはありましたか
浮き沈みというか、もどかしいというか。もっと(自分は)できるのではないかという思いもありましたね。それでも、小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)が使ってくれていたので、なんとかしたいなとは思っていましたね。
――リーグ戦でプレーする中で、何においてレベルが高いと感じますか
やはりピッチャーですね。特に変化球の精度です。
――変化球で空振りをする場面も多いですが
そうですね。ボール球に結構手を出していて、そこが1つの原因かなと思いますね。やはり変化球を見切って、強いまっすぐに対して、きちんとアジャストできるように秋に向けてやらないといけないと思いました。
――選球眼が必要になるということですか
そうですね。
スタメンを外れて、すごく悔しい、もどかしい気持ち

――5月に入ると、盗塁も記録するようになりました。余裕が出てきた面もありましたか
そうですね。ケガ(が回復して)から1カ月経ったということもありましたし、なかなか苦しい試合展開だったので、盗塁1つで流れを変えたいという思いもありましたね。
――立大2回戦では、失策を記録しました。あの場面を振り返ってください
試合展開的にも、やはりやってはいけないミスだったので、すごく恥ずかしかったです。
――明大2回戦では初のスタメン落ちとなりましたが、代打で結果を残しました。この試合を振り返ってください
スタメンを外れて、すごく悔しい、もどかしい気持ちはありました。ですが逆に明大の強力打線、実績のあるバッターのフォームや間合いなどをセンターからではなく、ベンチからという別の角度で見させてもらって、良い時間を過ごせたなという感じはありました。試合はすごく悔しかったですけど、今後のためになるような時間になったなとすごく思います。
――ご自身の中で勝負強さはあると感じますか
ここぞという場面で打つのがやはり良い選手だと思っています。なので、ここぞという場面で1本出したいとは思っています。
――ベンチからの視点とセンターからの視点は違いましたか
違いますね。(ベンチから)客観的に明大打線を見ることができました。
期待の1年生コンビ

――1年生のスタメンでは、川尻結大(スポ1=宮城・仙台育英)選手が挙げられます。お二人の関係性を教えてください
誕生日が一緒ですね。初めて知り合ったのは中学生の時だと思います。対戦した時にすごく強くて、川尻という存在を知りました。中学校の時に4回ほど対戦しましたね。
――同じ大学に進学した時はどのように感じましたか
捕手としては自分の代の中でもトップクラスの打撃も持っていますし、すごく楽しみでした。
――川尻選手の打撃センスはどのように見ていますか
軽く振っているようで(ボールが)飛んでいくので、やはり馬力は持っているなと思いますね。
――早慶戦ではどのような活躍をしたいですか
ここまで不甲斐ない、チームの原動力になれていなかったというのを感じます。なので、スタメンになるかはまだ分からないですけど、試合に出た場面でしっかりと結果を残したいなと思います。ここまで結果は出ていなかったですが、春季リーグ戦の最後で少しでも爪跡を残すことで、次の秋季リーグ戦に繋がってくると思うので、最後まで戦い抜きたいなと思います。
――慶大2回戦は天覧試合となりました。この点いかがですか
天皇陛下とは一生に一度とお会いできるかどうかだと自分は思っているので、そういう方の前で試合ができるのはすごく楽しみです。
――今後に向けての意気込みをお願いします
まずは早慶戦が残っています。絶対に負けられない相手でもあると思うので、ここまでの結果はリセットして、また新たな気持ちで挑みたいなと思います。
ーーありがとうございました!
(取材、編集 堤健翔)
◆阿部葉太(あべ・ようた)
2007(平19)年8月6日生まれ。180センチ 84キロ。神奈川・横浜高出身。スポーツ科学部1年。今季から早大カラーで施されたローリングス製の特注グローブを使用しています!