関東大学春季大会 5月17日 対東海大 神奈川・小田原市城山陸上競技場

夏を予感させる厳しい日差しの中、小田原の地で行われた関東大学春季大会(春季大会)・2戦目は、碧きジャージを身にまとう東海大との一戦だった。前半は向かい風が吹き付ける中でも、ロングキックを中心に試合を組み立てた。しかしながらゴール前でのディフェンスや重要な局面をつかみ切ることができず、わずか1トライ1ゴール差のリードで試合を折り返した。後半も両者一歩も譲らず手に汗握る展開が続く中、CTB名取凛之輔(スポ2=⼤阪桐蔭)を筆頭にBK陣のアタックの精度が光る。セットプレーや対応力などの課題が目立つ試合となったが、59ー42で勝利を収めた。

ディフェンスラインに接近するNO・8松沼
早大のキックから幕を開けた今試合は早速動きを見せる。前半2分、東海大のこぼれ球を見逃さなかったSO服部亮太(スポ3=佐賀⼯) が拾い上げ、左へと回りオフロード。名取が激しいハンドオフを見せるとFB植⽊太⼀(⼈3=神奈川・関東学院六浦)へとボールが渡り、そのまま先制トライを挙げた。続く8分は自陣ゴール前での危機から脱し、NO・8松沼寛治(スポ4=東海⼤⼤阪仰星) が体をぶつけWTB⼭下恵⼠朗(スポ3=早稲⽥佐賀) のステップから陣地を広げる。敵陣のゴール前まで前進した早大は、ラインアウトから渡ったボールをHO⽥中健⼼(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がインゴールに力強く置いた。勢いそのままに点差を広げるかと思いきや、東海大が牙を剥く。早大はディフェンスの間合いをつかみきれずに瞬く間に同点に追いつかれてしまった。その後も早大が得点する度に東海大が追いかけ、互いにディフェンスを固めきることなくシーソーゲームが続く。21ー21の同点で迎えた36分にはPR新井瑛⼤(教4=⼤阪桐蔭) やFL牧錬太郎(スポ3=神奈川・桐蔭学園) などのFW陣がゲインを重ねプレッシャーを与える。服部からパスを受けたCTB島⽥隼成(スポ3=福岡・修猷館)がギャップへと切り込みトライラインを駆け抜け、28-21で試合を折り返した。

トライを決めるSO服部
勝ち越して迎えた後半だが、1トライ1ゴールの差。後半4分にはその僅差はすぐに縮まり再び同点へ。苦戦を強いられる早大だが、攻撃の手を緩めることはない。7分、敵陣ゴール前でのラインアウトではモールを組まない選択。スローイングした田中が自らボールを受け取り内側へと切り込み、植木がラインブレイクで勢いづけると、SH川端隆⾺(スポ2=⼤阪桐蔭) のアタックのテンポを崩さない素早い球捌きから植木が再びボールを受け、そのままインゴールに持ち込んだ。さらには強風の中、服部の右足から放たれたボールは50:22を成功させ観客を大きくどよめかせたものの、東海大の堅牢なディフェンスに阻まれスコアは東海大が2点差でリードする。しかし再び流れは早大に。16分には敵陣10メートルライン右でのマイボールラインアウトから島田、植木へとボールが渡り、グラウンドを広く使うアタックを繰り広げる。名取へと繋がれたボールはWTB鈴⽊寛⼤(スポ4=岡⼭・倉敷) が山下にポップパス。得意のステップで東海大ディフェンスを崩し、得点を挙げた。その後は留学生に翻弄され再び逆転を許したものの、続けて服部、鈴木が立て続けに得点し逆転に成功し、スコアは54ー42。FL野島信太郎(教4=東海⼤⼤阪仰星) 、NO・8狭間⼤介(スポ4=福岡) の2人の声掛けをきっかけに、ペナルティーを多く許していたセットプレーに気合が入れ直される。ラインアウトから出されたボールはCTB森⽥倫太朗(スポ4=兵庫・報徳) 、服部から左へと展開されCTB藤井雄⼠(社3=北海道・札幌⼭の⼿) が大きくラインブレイクし一気に敵陣へと切り込んだ。駆け上がってきたWTB若林海翔(社2=東海⼤⼤阪仰星) がグラウンディングに成功し、リードを広げる形で59-42で早大が白星を飾った。

力強い突進をみせるCTB名取
結果として勝利で終えることができた今試合は、前日に行われた東海大との春季オープン戦2試合の敗戦を塗り替えるようであった。しかし結果とは裏腹に、強い風を受ける中でのラインアウトや、俊敏なプレーヤーに対しての反応速度、そして「何かを変えることができなかった」と米倉が語るように、停滞する状況から抜け出す対応力など、多くの課題が露呈したことも事実だろう。早大が追い求めるべきは単純な勝利ではなく、見る者をうならせるような勝利だ。春季大会はまだまだ続く。今大会を通じて戦術を洗練させていく早大から、今後も目が離せない。
(記事:伊藤文音 写真:吉田さとみ、池田健晟 取材:大林祐太、飯塚咲)
コメント
◆⼤⽥尾⻯彦監督(平 16 ⼈卒=佐賀⼯)
ーー本日の試合を振り返ってみていかがですか
よく我慢して勝ったなと思います。試合は本当に色々なことが起こるし、自分たちでコントロールできないこともあります。プレーに集中して、選手たちがよく戦ったなと思います。今日出た課題もしっかり上井草に持ち帰って、またチャンピオンチームになれるようにやっていきたいというふうに思います。
ーー4年生になってから『赤黒』を着れるようになった選手たちに対して、『赤黒』を着て送る出すという判断に至った理由を教えてください
試合に出場したら、しっかりやってくれるなという選手が4年生になってから赤黒を着ているのかなと思います。そういう意味では、今『赤黒』を着ているメンバーはしっかりとしたものを持っているし、それを発揮出来てるのではないのかなと思っています。
◆NO・8松沼寛治(スポ4=東海⼤⼤阪仰星)ゲームキャプテン

ーー本日の試合を振り返ってみていかがですか
厳しいゲームでしたけど、まず勝ち切れたことをすごく嬉しく思います。試合が終わってメンバーに伝えたのは、試合の流れっていう部分でしっかり自分たちが乗り切りたい、我慢したいところで遂行できなかった点で厳しいゲームになったかなと思います。1発のチャンスをしっかり取り切る、そこのマインドセット、スキルの部分の向上を練習からしっかりして実践に繋げていきたいなというふうに思っています。
ーー急遽、ゲームキャプテンを務められたと思いますがチームにどのような声かけをしましたか、また今日のゲームコンセプトを教えてください
チームのコンセプトは繋がりっていう部分で、横としっかり繋がって我慢強いアタックディフェンスをやっていこうというのをテーマに掲げていました。個人としては急遽ゲームキャプテンを務めましたが、やることは変わらず普段からやっているチーム全体を見てまずは自分が1番体を張って仕事を仕切るっていう点にフォーカスしました。競ったゲームにはなったんですけど、誰もパニックにはなっていなくって、しっかり自分たちにフォーカスしてやり切ろうと同じ方向を向けていたので、良かったと思います。
ーーディフェンスの完成度はゲームキャプテンときていかがですか
今日はセットプレーのところと、ファーストフェーズのディフェンスで厳しい展開になってしまったので、次戦までに練習でしっかり磨きをかけていきたいと思います。
◆LO⽶倉翔(スポ4=福岡・修猷館)

ーー本日の試合を振り返ってみていかがですか
今日の試合は、取ってとられての試合で、試合中に何かを変えることが出来ず80分プレーをしてしまいました。そういう試合をしていると、決勝などの大切な試合で場の空気に呑まれてズルズル負けてしまいます。次の試合、その次の明治の試合までに修正して試合中に選手主体で修正出来る繋がりを持っている強いチームを作れるように僕自身努力していきたいし、チームも変えていきたいと思います。
ーー春シーズン始まる前に、全試合でスタメンで出ると目標を掲げていて、今全試合で『赤黒』を着続けられていると思いますが、ご自身のパフォーマンスを振り返ってみて、いかがですか
あまり自分自身の強みが表現できているわけではないため、毎回必死に取り組んでいます。怪我をしているメンバーが復帰してくる中で、自分の強みを出してチームの信頼を勝ち取って行くかということを考えながらやっているので、残りの春の試合全部スタメンで出れるように毎日努力していきたいです。
ーーラインアウトでプレッシャーをかけられていたかと思いますが、いかがでしたか
対策をしていたつもりでしたが、風などの難しい局面で相手のプレッシャーに負け自分たちの大切にしていた基本的な部分を疎かにしてしまって、取れなかった場面がありました。どんなプレッシャーでも自分たちのプレーが出来る練習をしていきたいと思います。
◆NO・8狭間⼤介(スポ4=福岡)

ーー今試合のゲームコンセプトを教えてください
今日の試合のコンセプトは繋がりです。アタックディフェンスともに横と繋がって目の前のプレーを遂行することをテーマに掲げていました。
ーー先週の早慶戦に引き続き、『赤黒』を着て出場されましたがいかがですか
去年と先週と早慶戦に出場させていただいたのですが、いずれもAチームの選手の怪我だったりメンバー調整だったりで自分の力で掴み取った赤黒ではありませんでした。今回の試合は初めて自分の力で掴んだ赤黒だと思っているので、素直に嬉しかったです。
ーー『赤黒』を着られた率直なお気持ちを教えてください
ずっと渇望してきた赤黒を着ることはできたんですけど、ここがゴールではありませんし、ここで満足かなという思いは一切ありません。メンバーに入れても試合に出れる時間もまだまだ数分で、もっと赤黒を着て試合に出続けたいですね。
ーー狭間選手の活躍は多くの人に希望を与えると思いますが、ご自身の活躍をどう見ていますか
才能の乏しい自分が、誰にでもできることを誰よりも丁寧に、徹底的にやり続けることでAチームが見えてくると信じています。早稲田のFLを背負うにはまだまだ力不足なので、これからも上井草の毎日を大切に励んでいきます。
ーー今後の意気込みをお願いします
まずは春シーズン、北九州で行われる早明戦に出場して、去年決勝の舞台で敗れた明治にリベンジを果たします。狹間がフィールドに立てば何かしてくれる、チームに勢いを与えてくれる、そんな風に皆から信頼される選手になれるように死に物狂いで努力します。
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