【馬術】新体制で奮闘し団体総合3位! 中島主将は2年連続で優秀選手に

馬術

第78回東京六大学馬術競技大会 4月10日〜12日 JRA馬事公苑

 78回目を迎えた東京六大学馬術競技大会(六大学)が今年も馬事公苑にて開催された。今大会では、新人馬場馬術競技(新人馬場)、複合馬場と複合障害からなる複合馬術競技、学生章典馬場馬術競技(学典馬場)、新人障害馬術競技(新人障害)、一般障害馬術競技(一般障害)、中障害馬術競技(中障害)の6つの競技を実施。それぞれの競技で選手には個人順位に応じたポイントが与えられ、各競技での各大学の上位3名のポイントを合算して団体順位が決定する。昨年度団体準優勝を掴みとった早大馬術部は、新馬も迎え充実の体制で今大会に挑み、団体総合3位となった。

 雨が打ちつけ、風も吹き荒れた初日。新人馬場には早大から若松ひなた(人科3=大阪・プール学院)と稲炭が出場。11位という結果で、早大に47.5ポイントを持ち帰った。続いて学典馬場では細野光(スポ4=東京・桐朋)とブリタニア7、中島妃香留主将(スポ4=茨城・水戸葵陵)とココドロ、中田仁菜(スポ2=東京・東農大一)と如月、ライシャシレガル(基理3=インドネシア・Medan Independent School)とフィロソファーの4組が出場。細野は最終得点率61.914%の演技を披露し4位につけた。ライシャ、中島、中田もそれぞれ5位、6位、9位という成績で、早大は計210ポイントを獲得。明大、慶大に続く3番手につけた。

 汗ばむような陽気となった2日目は複合馬場が行われた。この競技には細野とジャズデミュリエール、中島と稲叶、中田と稲恋の3組が出場。前回大会で本競技優勝に輝いた細野は新馬とのコンビであったが、得点率68.0%と安定感のある演技で5位。中島、中田はそれぞれ11位、14位と伸び悩む。翌日の障害での巻き返しが期待される結果となった。

 多くの観客で賑わった最終日。まず行われた複合障害には、前日の複合馬場と同じ3組が出場した。中田と稲恋は総減点8.8で、馬場から順位を7つ下げる苦しい結果に。中島と稲叶は順調に障害物をクリアしタイム減点を0とするが、惜しくも最後の障害物のみ落下させ、総減点4で13位。複合馬場5位の細野とジャズデミュリエールも総減点4.4で8位と、3組いずれも順位を落とす結果となった。続く新人障害には加藤凱也(法4=埼玉・早大本庄)とジョルジオ・アルマーニが登場。しかし馬が障害物を前に2度反抗してしまい失権と、依然として苦しい展開が続く。残すは2競技となり、なんとか流れを挽回したい早大。そのようななか一般障害には植本裕尊(人科4=東京・筑波大付属)とイリスが出場した。「良いリズムで走ることができた」と、タイム減点、障害減点ともに0に抑える好走を見せた植本とイリス。見事この競技で優勝を果たし、早大に62.5ポイントをもたらした。勢いを取り戻して迎えた最終競技、中障害には細野とTHムーシェ、中島と稲叶、中田と稲恋の3組が出場。中田と稲恋は障害物の落下が目立ったものの、タイム減点は0とし6位につけた。細野とTHムーシェは総減点5でまとめ4位。そして早大勢でラストの出走となる中島と稲叶は本競技の前年度覇者。中島は2位の選手に6秒以上のタイム差をつけて走破すると、六大学出場者で唯一のクリアラウンドを達成し、鮮やかに3連覇を決めた。さらに、併催された東都学生馬術競技大会で総減点0となった2組と争うジャンプオフに突入。ここでも中島と稲叶だけが全ての障害物をクリアして総減点0。「結果も内容も良かった」と圧倒的な強さを示した中島は、昨年に引き続き大会優秀選手に選出された。しかし団体では明大、慶大とのポイント差をなかなか詰めることができず、団体順位3位で大会を終えた。

 全国の舞台で結果を残してきたエース細野、中島が引っ張る新体制となった早大馬術部。中島や植本が気を吐いた一方、新しい馬やコンビでの苦戦も見られるなど多くの課題を残した。今年は全日本学生馬術大会(全日本学生)のルールが変更され、少数精鋭の早大に団体優勝のチャンスが巡ってきている。悲願の団体優勝に向けて、どこまで完成度を高めていけるのか。課題を成長への原動力に変え、人馬一体となってさらなる高みへと走り出す。

(記事、写真 田邉桃子 取材 田邉桃子、井深真菜)

結果

▽団体成績

優勝 明治大学 1024.0ポイント

準優勝 慶應義塾大学 884.5ポイント

3位 早稲田大学 691.0ポイント

▽新人馬場馬術競技

11位 若松、稲炭 最終得点率60.347% 47.5ポイント

▽学生賞典馬場馬術競技

4位 細野、ブリタニア7 最終得点率61.914% 75ポイント

5位 ライシャ、フィロソファー 最終得点率61.728% 69ポイント

6位 中島、ココドロ 最終得点率61.296% 66ポイント

9位 中田、如月 最終得点率59.198%

▽複合馬術競技 馬場馬術

5位 細野、ジャズデミュリエール 最終得点率68.0% 減点32.0 

11位 中島、稲叶 最終得点率65.4% 減点34.6

14位 中田、稲恋 最終得点率64.8% 減点35.2

▽複合馬術競技 障害飛越

馬場5位 細野、ジャズデミュリエール タイム76.10 タイム減点0.4 障害減点4 総減点4.4 

馬場11位 中島、稲叶 タイム74.42 タイム減点0 障害減点4 総減点4

馬場14位 中田、稲恋 タイム77.90 タイム減点0.8 障害減点8 総減点8.8

▽複合馬術競技(最終結果)

8位 細野、ジャズデミュリエール 69ポイント

13位 中島、稲叶 54ポイント

21位 中田、稲恋 32ポイント

▽新人障害馬術競技

加藤、ジョルジオ・アルマーニ E 2ポイント

▽一般障害馬術競技

優勝 植本、イリス タイム63.82 タイム減点0 障害減点0 総減点0 62.5ポイント

▽中障害馬術競技

優勝 中島、稲叶 タイム60.65 タイム減点0 障害減点0 総減点0、JOタイム40.79 タイム減点0 障害減点0 総減点0 100ポイント

4位 細野、THムーシェ タイム69.85 タイム減点1 障害減点4 総減点5 66ポイント

6位 中田、稲恋 タイム66.50 タイム減点0 障害減点12 総減点12 48ポイント

コメント

中島妃香留主将(スポ4=茨城・水戸葵陵)

――団体総合で3位という結果についてはいかがですか 

 今年は 全日本学生での団体優勝を目指しているなかで、新しい馬を導入し、新しい人馬で挑んだ初めての大きな大会でした。しかし思ったほどの成績が出せず、 3位に留まってしまったので焦りを感じています。

――個人成績についてお聞きします。中障害では見事連覇となりましたが、振り返っていかがですか 

 愛馬の稲叶は去年の全日本学生の前から足の調子が上がらず、しばらく休ませていました。稲叶は今回が復帰戦であり、初日は元気でしたが、3日目には急に大人しくなってしまいました。体力が落ちていた分、3日目は無理をさせてしまったと思います。それでも稲叶のポテンシャルで障害を落とさずにゴールへ来てくれたので、結果も内容も良かったと思います。ただし反省点もある結果です。

――関東学生(関東学生馬術競技大会)への意気込みをお願いします

 今回はそれぞれのコンビで足りない部分が見えた大会だったので、関東学生までにさらに練習方法を工夫して仕上げたいです。またコンビを変えるなど、新しいことにチャレンジしてもっと劇的に変化をつけたいです。関東学生の時には 3種目とも団体結果が残せるように頑張ります。

植本裕尊(人科4=東京・筑波大附属)

――一般障害で六大学優勝を飾りました。振り返っていかがですか

 イリスはリバプール(水濠のような障害)が苦手であり、110cm障害をまだ完走したことがありませんでした。ただ、素質も実力もあると思っていました。難しい馬でもあるので、今日はなんとか完走することができればという気持ちでした。

ーー今回完走できた理由として何かポイントなどはありますか

 イリスに今まで乗ってきた人たちの積み重ねがあると思います。また、中島が練習を見てくれたこともありました。今大会に良い状態で出場することができて良かったです。

――イリスとコンビを組んでみていかがですか

 イリスには新人戦から乗っており、そのときから良いコンディションを保つことができています。私が第5障害で手綱を離してしまうというハプニングもありましたが、第6障害を跳び終わった後は良いリズムで走ることができました。及第点は取れたと思います。

――今後の目標についてお聞かせください

 まだ、今後の試合にどう出るかは決めていません。ですが最後に早慶戦の中障害や小障害で優勝することは1年生のときから目標としています。イリスに乗るかは分かりませんが、他の馬に乗ることになっても優勝したいです。直近の試合としては関東学生がありますし、その先に選手権(全日本学生選手権)も控えています。そこで早大の優勝に貢献できるように、気合を入れて頑張ります。