【連載】『令和7年度卒業記念特集』第47回 大賀円太/ラクロス部男子

卒業記念特集記事2026

 「二年入部でも体育会に入れます。」その言葉が、コロナ禍でなんとなく大学生活を送っていた大賀の脳裏に強く焼き付いた。自ら新歓を調べ、気づけばラクロスの魅力に惹かれ、2年生での入部を決意。部活自体は入部した時から一年生として参加できたため、実質的なビハインドはほとんどなかった。ただうまくなるために、がむしゃらに日々の練習に励んだ。

 一年生の6月頃、自分の体格を活かそうと、ポジションをゴーリーに決めた。ゴーリーはゴールを守る最後の砦。責任感もある大事なポジションだったが、「(当時4年生だった)佐藤万祐(令5卒=千葉西)さんのようになりたい」とあこがれる気持ちがあった。

 2年生の時は、Aチームでの出場機会も与えられた。夢にまで見ていたAチームスタートに気持ちも前向きになり、「チームを優勝させるゴーリーになる。」と強く心に誓った。だが大賀は次第に、自分の理想と現実のギャップに直面する。成長を実感できていた2年生の頃とは一転し、3年生の時には失敗を恐れるようになっていった。スタメンである以上こうあらなければならないと自分を追い込むも、思うようにはいかない。ゴーリーとしての責任とスタメンに求められる技量。その重圧に追いつくことができず、「自分の現実を見たくないから練習から逃げてしまっていた」と大賀は当時を振り返った。

 ラストイヤーをこのままで迎えていいのか。そう考えた時に思い出した言葉が「今、ここ、自分」だった。与えられたBチームで自分の役目を果たすために、野澤組にとって自分のできることを考え、辿り着いたのがBリーダー。「Aチームの優勝のために、Bチームがその下積みにならなくてはならない。」と思い、強いBチームを作ることを決めた。上級生が少ない中での練習はそう簡単ではなかったが、自分の責務を果たそうと全力を尽くした。

 そして、最後に待っていた結果がBリーグ全学優勝。歓喜で沸いたその瞬間、大賀の胸に込み上げたのは喜びと同時に、Bリーダーをやり遂げたことに対する安堵感だった。しかしその一方で、「もう少し長くこのチームで試合をしたかった」と本音もこぼす。シーズン当初はまとまりのあるチームではなかった。それでも次第にみんなの思いが一つになり、最後は優勝という目標に向かって全力で駆け抜けた日々。その時間が大賀にとっては何より楽しかった。だからこそ、その日々が終わることにどこか寂しさも感じていた。

 Bリーダーとしての役目を果たした後はAチームで試合に出るために、日々の練習と向き合い続けた。その努力は、全日本大学選手権決勝の舞台で実を結ぶ。第3Qの途中に出場機会を得ると、襲いかかる相手の攻撃を確実に封じ込める。出場直後こそ緊張していたものの、「不思議と打たれる瞬間は緊張しなかった」と振り返った。そのセーブの一つ一つに、大賀の積み重ねてきた四年間が表れていた。

 悩み、苦しんだ四年間だったが、それでも大賀は最後まで諦めなかった。自分の置かれた場所で、自分を信じてラクロスと向き合い続け、「大学生活をラクロスに捧げたことに後悔はない」ときっぱり告げた。大きなことを成し遂げるためには、一日一日の積み重ねが欠かせない。部活動を通して正しい努力のあり方を学んだこの経験が、これから先の大賀の人生をきっと支えていく。

(記事 高津文音)