【野球】「打たないといけない立場」 新生早大打線に主砲・寺尾拳聖が語る責任感

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 昨秋、明大にリーグ戦4連覇を阻まれ、「天皇杯奪還」を合言葉に始動した香西一希主将(スポ4=福岡・九州国際大付)新体制。しかし初陣のハワイ大戦をノーヒットノーランで敗戦し、当初のスローガンからは「どん底からの」の一言が追加される事態となった。昨年から多くの主力が抜けた苦境の中、野手陣を引っ張るのは寺尾拳聖副将(人4=長野・佐久長聖)。レギュラー経験者としての責任感を持ちながら、ここまでの試合に臨んでいるようだ。

 昨年のレギュラー野手8人のうち7人が卒業する早大打線は、例年に比べて実績に劣ると言わざるを得ない。早大現役選手のリーグ戦通算安打数は計56安打。そのうち32本を寺尾が占めており、次点は岡西佑弥副将(スポ4=智弁和歌山)と投手の宮城誇南(スポ4=埼玉・浦和学院)の6安打に留まる。現状、実戦の経験値を持つ野手は寺尾1人だ。その不安を抱える中で、ここまでのオープン戦2試合は打線が沈黙。香西主将が振り返るように「不安が現実化した」結果だった。

 「経験を生かせるのは自分だけ。自分が打たないといけない立場」

 5ー1で敗れた東京ガス戦後、寺尾はこのように語った。昨年から4番を務める寺尾は、野手陣の中心的な存在。経験に乏しい野手陣を引っ張るための責任感と、現状への危機感を抱いていた。この日のインタビューで強調していたのは、自信のチャンスでの凡退に対する悔しさ。1安打でも満足からはほど遠く、主砲として結果にこだわる姿勢だ。

 寺尾自身も2年のデビュー時は不振に陥り、経験の差を身をもって実感した過去がある。しかしその苦悩を経た結果、3年時に打率4割を記録する大ブレークを果たした。自身が副将に任命した理由についても「経験を伝えられる役割を期待されたのかな」と分析する寺尾。新生稲穂打線にとって、実力だけでなく精神的な理由でも欠かせない存在となっている。

 今月23日から早大はアメリカ遠征に臨み、計5試合を戦う。さらにその直後には浦添キャンプが待っており、まさにリーグ戦前にいっそうの強化を図る絶好の機会だ。今年は「どん底から」這い上がる早大野球部。実戦の経験を積み、東伏見で進化した姿を見せたいところだ。

(記事 石澤直幸)