日本学生氷上競技選手権大会 12月26日 東京・ダイドードリンコアイスアリーナ
日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)での優勝を目指す早大。12月26日に行われた明治大戦は、その大きな鍵となる一戦であった。試合は第1ピリオド、明大に試合を支配されつつある展開となり、3失点してしまう。第2ピリオドでも明大に1点を許し、これ以上後がない展開に。しかしその後1点、第3ピリオドでもさらに1点を返し勢いがついたかに見えた。しかし試合終了間際に明大にダメ押しとなる追加点を許し、2ー5で敗北となった。ベスト4進出は、春からの大きな目標であったが、それには届かず、ベスト8での敗退となった。
試合開始直後から積極的にパックをキープしようとするが、明大が堅実にパックを保持し、チャンスがなかなか巡ってこない。早大はプレーヤーが1人多い状態、いわゆるパワープレーの時間に積極的に攻撃を仕掛けるが、得点には至らなかった。第1ピリオド前半は明大に数多くのシュートを打たれながら、GK大塚斗琶(スポ2=北海道・苫小牧中央)の好セーブもあり何とか無失点に抑えていた。しかし10分、明大に先制されてしまう。キーパーとネットの間のわずかな隙間を通されてのゴールだった。その後の17分に2点目、19分にも3点目を明大に許し、第1ピリオドを0-3で終えた。
第2ピリオドでも早大は攻めの姿勢を見せようとするものの、明大の堅実なパス回しにより、守備の時間が多く続いた。9分には、明大に4点目を取られてしまった。しかし以前より早大にも攻撃の機会が巡ってくるようになる。FW杉本大洋(スポ1=埼玉栄)が相手キーパーと一対一で対峙したり、FW飯塚創哉(教2=東京・早実)が鋭いシュートを放ったりした。

パックを運ぶFW飯塚
少ないチャンスで点を入れようとする中、19分、ついにFW清水朝陽(社4=北海道・武修館)、FW笹沼葵(教3=東京・早実)のアシストにより、DF共田野安(国教4=カナダ・George Eliot Secondary School)がシュートを決め、早大に待望の1点目が入った。会場は大いに盛り上がり、太鼓の鳴る音も聞こえた。

早大の初得点を決めたDF共田

得点が入り、喜ぶ選手たち
第3ピリオドでは明大の怒涛の攻撃に対し、G K大塚が手でパックをキャッチしたり膝で止めたりし、明大の追加点を許さない。16分、FW高見澤英翔(スポ2=埼玉栄)がゴールし、追加点を入れた。しかし19分、早大がキーパー不在で攻撃を仕掛けていた頃、その隙を突かれ、明大にダメ押しとなる5点目を許してしまった。

パックをキープするFW高見澤
試合後、集まる選手たち
2ー5で敗北を喫した早大。インカレでの準々決勝勝利、ベスト4進出は長らく達成できておらず、悲願であった。また、ここで強豪・明大に勝利することは、インカレ優勝が一気に近づくことも意味し、非常に重要な試合であった。抽選後からずっと意識していた明大はやはり強く、早大のベスト4への壁は高かった。ただ、早大の勝利への執念は、第3ピリオド終盤で、得点を入れたことや攻撃に徹した姿勢から感じることができた。
来年1月4日の早慶戦は、このチームとして挑む最後の試合だ。集大成として、今季のチームを象徴する試合を見せてくれるだろう。
(記事 栗原礼佳、写真 齋藤汐李)
◆コメント◆
FW清水朝陽主将(社4=北海道・武修館)
ーー今日の結果を振り返っていかがですか
負けてしまったことが正直悔しいです。試合展開でいうと、1ピリに3点入れられてしまうという状況でしたが、想定内ではありました。全員そこのコミュニケーションは取れていましたし、落ち着いてプレーに集中しようということを伝えて、それも皆やってくれました。
ーー今日はどのような対策をして試合に臨んでいましたか
ロースコアで試合を進めていきたいと思っていたので、先に3点を決められても「まだ3点」というのは私たちの頭の中にありました。精神的な面でいうと、試合自体に取り組む姿勢は、前日にマネージャーが作ってくれたモチベーションビデオがあったので、皆すごい良い入りはできたのかなと思っています。
ーー最後まで諦めず戦う姿が印象的でしたが、途中でチームメイトにどのような声かけをしていましたか
ミーティングの中で自分とアナリストの飯見(飯見拓未、社4=東京・早実)が話す機会がありました。飯見は「全然大丈夫。」と。「2ピリの最後で1点決めることができたから、このままプレーを続ければ絶対大丈夫。」と言っていました。自分自身も、「自分を信じて、仲間を信じて。」という話はずっとしていました。「絶対プレーを変えずに、このままいけるよ」という話はしていました。
ーーこれで早稲田の一員として戦う公式戦は引退です。今どのようなお気持ちですか
正直もっとやりたいなと思ってしまいます。4年間通して決勝という舞台に立てたことがなかったのですが、このままチームで一生懸命やることを続けていたら優勝が見えてくるチームを作れるので、自分もその場に立ちたいという思うはあります。ただこの4年間の中で積み上げてきたものは本当に間違いがなかったと思っています。
ーー主将として過ごした1年間を振り返っていかがですか
最初は春(関東大学選手権)は9位と、昨年と体制が少し変わった中でスタートにつまずいてしまいました。自分たちが本当にやりたいことを実際やれなかったりと、いろいろあった中で、それでも最終的には皆一つにまとまって。それを主将としてやらせてもらって、本当にたくさんの人の支えがあった中でここまで来れました。一つの財産になりましたし、仲間たち、関係者、コーチ、マネージャー、OBの方々など、そういった方々と、チームの中心に立てたことに感謝しています。
ーー最後に、来年1月4日の早慶戦への意気込みをお願いします
インカレ自体は負けて、ベスト8で終わってしまいましたが、冬の早慶戦も前回負けてしまっているのでそれを取り返すことを一つの目標としています。慶應さんも一生懸命やってくると思うので、自分たちもしっかり準備して絶対勝って1年を締めくくりたいと思います。
ーーありがとうございました!