【連載】スケート部ホッケー部門 インカレ前対談 第3回 清水朝陽×笹沼葵×高見澤英翔×樋口能乙

特集中面

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 第3回は、清水朝陽(社4=北海道・武修館)、笹沼葵(教3=東京・早実)、高見澤英翔(スポ2=埼玉栄)、樋口能乙(スポ2=青森・八戸)の4人による対談だ。落ち着いた様子で今季を振り返り、それぞれ内に秘めた、日本学生氷上競技選手権への思いを聞いた。

※この対談は12月9日に行われたものです。

 

ーー他己紹介をお願いします

清水→高見澤 2年の背番号22番、高見澤です。彼とは最近、同じセットでプレーしているんですが、スピードが持ち味で、テクニックもあってシュートも上手です。スコアに絡んでくれて、インカレに向けて本当にすごく楽しみな選手の1人です。普段はチームのムードメーカー的な存在で、みんなを和ませてくれるような空気を作ってくれて、キャプテンとしてもすごく助かっています。チームには欠かせない存在です。

高見澤→笹沼 笹沼葵さん、教育学部3年生です。自分は葵さんと同じセットで組んでいるんですけど、葵さんはテクニックがあって、目が何個ついているのか分からないくらい視野が広い選手です。自分がいるところに完璧なパスを出してくれるのでとてもやりやすいなと思っています。葵さんは日常生活では、突然ボケたりして場を和ませたり静かにさせたりと、多彩なギャグセンスを持っています。そういった面でも面白くて、頼りがいのある先輩だと思っています。

笹沼→樋口 背番号23番、FWのスポーツ科学部の樋口能乙です。すごくチームに対して献身的なプレーヤーです。秀でているところは、シュート力です。コースを突く早いシュートも得意で、結構ゴールも決めているイメージがあるので、チームにとって欠かせない存在なのかなと思っています。日常は、どこまで言っていいのか分からないんですけど、結構いろんな遊びをしていて。

樋口 違います。(笑)

笹沼 色々な遊びをしているらしくて、大学生として楽しそうだなと。僕も見習いたいです。

樋口→清水 背番号 27番、主将の清水朝陽さんです。ポジションはFWで、攻撃の面でも守備の面でもチームの核として、この1年間ずっと中心となってチームを作って、引っ張ってきてくれた存在です。プレーのどこをとっても、スキルは一級品です。今シーズンは残り1ヶ月ちょっとくらいしかないですけど、僕個人としては残りの1ヶ月朝陽さんのプレーを見て、学べるところはしっかり学んで、一緒に楽しくホッケーができればなと思っています。

ーー普段皆さんは、アイスホッケー以外で交流がありますか

高見澤 能乙とはゼミが同じなので一緒に授業を受けたりしています。

清水 自分は英翔とよく遊ぶので、部屋によく遊びにいったりご飯を一緒に食べにいったりしています。温泉とか旅行に行こうとか色々話しています。葵とは同じ部屋なんですけど、部屋でどっちも寝ているみたいな。あまり部屋の中で遊んだりはしないので、本当にただ寝ているだけです。綺麗な生活空間を生み出せています。

ーー今年ここまで試合を戦っていく中で、お互いの存在に助けられたなと思った場面はありましたか

笹沼 僕は朝陽さんです。今年度になって同じセットでやることが多いです。僕は体力が無いのですが、朝陽さんはセンターとして攻守どちらの面でもずっと走っています。ほとんど攻めしかしていない自分に対して、自分より攻めていて守っているみたいなことが多くて。朝陽さんがいるから、自分が好きにプレーできているみたいな部分があるので、そういう面で凄く助けられていると思います。

高見澤 自分は能乙です。キルプレーで一緒に出場することが多いんですけど、能乙は体を張ってシュートブロックしてくれることが多くて。明治戦では体を張って、シュートブロックして、ケガに繋がってしまいましたが、一緒にプレーしていると失点しないんじゃないかという気持ちにさせてくれるので、助かります。

清水 葵は夏からずっと一緒にセットを組んでいますが、やりたいことを体現する、イメージをプレーに起こすというのが上手いです。楽しくホッケーができているのは葵のおかげかなと。ホッケーですごくやりたいことができているなと思います。日常生活の場面でも2年間同じ部屋で、1学年違いますが、過ごしやすい環境だなと自分が感じるのは、葵がすごく気を使ってくれているところが大きいのかなと思っています。そういう面ですごく助けられていると思います。

樋口 自分は英翔です。さっき朝陽さんが言ったように、英翔は足が速いのが持ち味で他のスキルもレベルの高い選手なんです。試合中に走って、フォアチェックでパックを取ってチームに流れを持ってきてくれるし、スキルもあるのでしっかりスコアをしてくれます。ちゃんと自分の欲しい時にフォアチェックしてくれるので、すごく助かっています。

今季は副将を務める笹沼(写真中央)

ーー次に秋季リーグ戦(エイワ杯関東大学リーグ戦)についてお伺いします。振り返って全体的にいかがでしたか

清水 毎年同じ感じになってしまってはいるんですけど、結果としては目標に届かなかったというのがまず1つです。試合を通してチーム全体でやらなければいけないことだったり、自分たちができること、収穫と課題だったりをはっきりさせることができました。強豪校相手にこれからイメージを立てていく時に、対策や、自分たちがこれさえやれば勝てるかもしれない、というところを発見することができたので、収穫はあった秋季リーグだったのかなと思っています。

ーー印象に残った試合はありますか

高見澤 1週目の日大戦です。3ピリの残り5分ぐらいで同期の飯塚くんが決めて3-2になったのですが、最後に相手が6人で攻撃をして、ブザーが鳴る直前に失点しました。それで同点になって、 PSで結果的に負けてしまったという試合です。自分は最後の方はベンチにいましたが、正直勝てるなという気持ちがあったので、最後まで気を緩めてはいけないなと再認識させられる試合でした。

笹沼 僕も日大戦は印象に残っています。それ以外で言うと1週目の慶應戦です。セカンドリーグに残るために勝たなければいけなくて、1点差ギリギリで勝ちました。めちゃめちゃ危なかったよね。とりあえず勝って一番ほっとした試合でした。

樋口 自分は1週目の法政戦、0-5で負けた試合です。法政は、夏に自分たちが勝っている相手で。早稲田と法政の立ち位置としては、実力が拮抗している関係なんですけど、0-5で負けてしまいました。夏合宿でやってきたことが法政戦ではあまり出せずに悲惨な負け方をしてしまった試合で、そこで1回自分たちのやるべきことに立ち返って、また1からやっていかなければと認識させられました。今振り返ると良い糧になったんじゃないかと思います。

清水 自分は二週目の最後の法政戦です。結果としては負けてしまって、その試合を決めた最後の失点に自分が絡んでいたというのもあって、個人的には印象に残っている試合です。でも法政戦自体は、チームとしてみんなでやろうと言っていたことを、最後の最後までやれていました。1試合通してやりきるというところがすごく大切だったなとそれを痛感した試合だったかなと思っています。

印象に残った試合について語る高見澤(写真中央)

ーーリーグ戦を経て、今のチームの武器は改めて何であると考えていますか

樋口 フォアチェックを軸に自分たちはゲームを構成していくので、そこは1つ武器だなと思います。

ーーインカレに向けて準備をする中で、今のチームの状態はいかがですか

笹沼 先日の高麗大学との交流戦の2戦ではどちらも負けてしまったのですが、インカレで戦っていく相手のイメージはチーム全体で共有できています。多分雰囲気としても、シーズン終盤になるとだんだん良くなっていくと思います。

ーーインカレではどのようにチームに貢献したいですか

清水 自分は本当にこれが最後の大会なので、チームのみんながなるべく1試合でも多くできることを一番に考えたいかなと思っています。そのためにはやっぱりスコアを取るとか、フォワードとしてやらなければいけないこととか、センターなので守りの面でもすごく大きな役割があるので、攻守ともに一つ一つのプレーを大切にして、みんなとホッケーができる残りの時間をなるべく楽しみたいなと思います。

高見澤 自分は同じセットに3年生の葵さんと4年生の朝陽さん、先輩方2人と組ませてもらっているので、ちゃんとインカレ優勝という良い結果を残せるように、ひたすらフォアチェックをして、パックを出して得点に繋げるようなアグレッシブなプレーで臨みたいと思っています。

笹沼 僕はフォワードとしてチャンスの場面や得点が欲しい場面でしっかりと点を決めてチームに貢献できるようにしたいです。自分が入ってからのインカレは惜しくも負けてしまうということが多くて、惜しかった試合だねと終わるのは僕としては嫌なので、今年こそはフォワードとしてスコアを稼いでチームを勝たせるようにしたいなと思っています。

樋口 自分はポジションとしてセンターフォワードをやらせてもらっているので、守備でも攻撃でもしっかり周りに気を配って、セットを円滑に回せるようにしたいというところと、フォワードとして点を取るところでチャンスがあればそこはしっかり取り切るというところで貢献したいです。あとは、自分が入部してから今まで4年生の方からいろんなことを学ばせてもらったので、しっかりインカレで優勝という良い結果を残して、この部からちゃんと送り出したいという気持ちがあるのでしっかりやっていきたいです。

インカレへの意気込みを語る樋口

ーー自分以外で、注目の選手はいますか

清水 いや、いっぱいいます(笑)。

笹沼 僕はじゃあ、背番号30番の大塚斗琶(スポ2=北海道・苫小牧中央)で。彼は昨シーズンの全部でしたっけ、1人で始めたの。

清水 いや、途中からかな。

笹沼 シーズン途中からずっと1人でゴールを守ってきてくれて、来年は少し揃いそうなのですが、今年度はずっと一人でやってきてくれて、その集大成がインカレで。彼自身もゴールキーパーなので波はあったと思うんですが、すごく上手なキーパーで2年生ながら全然心配がないというか、安心して任せられる存在なので、インカレでも何失点ぐらいですかね(笑)。まあ2、3失点ぐらいで抑えてくれるんじゃないかなという期待は持っていて、自分たちフォワードがそれ以上取れば勝てるっていう信頼はしているので、そういう面でも注目選手だなと思っています。

高見澤 自分が注目している選手は背番号28番、1年生の杉本大洋(スポ1=埼玉栄)です。大洋とは小学校・高校で一緒だったのですが、その時からずっと1番足が速くて、がめついアグレッシブな選手です。秋リーグの明大戦2週目でも1年生ながらフォアチェックを活かした得点をしていたので、このインカレ中でも多分明大キラーとして、準々決勝の明治戦で大きな功績を残してくれるんじゃないかなと思います。

樋口 僕の注目して欲しい選手は17番の榎本康生(文2=東京・早実)です。彼は今(寮で)一緒の部屋なのですが、遠くから見てもわかるくらいサイズが大きいので、そのサイズを活かした迫力のあるプレーと、特にシュートがすごいので見てほしいかなと思います。

清水 自分は背番号13番の伊藤慶(文2=早稲田佐賀)です。慶は今シーズンのセットって言ったらあんまり出場機会みたいなところはないのですが、やっぱり出た時に一生懸命プレーをしてくれるので、すごくそのプレーに鼓舞されて来たところもありますし、この1年間は自分と一緒にトレーニングをしているので、とても成長を感じる選手です。今シーズンの集大成であるインカレでその成果が少しでも出れば良いなというところと、すごく成長している分インカレでの期待が高まっています。

ーー清水選手は最後のインカレとなりますが、特別な気持ちはありますか

清水 最後の1年っていうのもあるのですが、やはり主将であることに加え、今回明治大の紙を引いたのも自分なのでその分の責任感はあるかなと思います。主将として拓未(飯見拓未、社4=東京・早実)だったり、同期の野安(共田野安、国教4=カナダ・George Eliot Secondary School)と真衣伽(山田真衣伽、商4=東京・早実)と、チームのミーティングで言ったら2年生の創哉とかの力を借りながら、今シーズンチームでやることを少しずつ決めていったので、本当にいろんな人の協力があって今の状態を作れたと思っています。なのであとはプレーの結果として残すだけかなと、最後の年というのもあってより一層緊張しますが、でも普通にやるだけかなと思います。

主将としてチームを引っ張ってきた清水

ーー最後に、インカレに向けて意気込みをお願いします

清水 インカレに向けてまだ準備の段階ですが、十分すぎるくらい、いつにも増してやっているかなと思っています。今年は東京開催というのもあって環境は普段と変わらず同じリンクですし、あとはやるだけかなと思います。

高見澤 今年のインカレについては、今年のチームの練習量や質が去年に比べても格段に上がっているのを感じているので、最後インカレでも今年やって来たことを全部出せれば早稲田が優勝できるチームである自信を持っています。また開催地は自分たちが住んでいる東伏見なので、東伏見全体に早稲田の活気を繰り広げたいと思っています。

笹沼 2人が言ってくれたように、今年は4年生を中心にすごくチームが変わった年だったので、やっぱり4年生の方々を最後まで試合させたいというのがあります。優勝に向けてやって来たことをやるだけっていうのはその通りです。僕個人としての意気込みだと、大事な場面で点を決めるということです。大事じゃない場面でも決めたいのですが、チームが勝てば良いかなというところはあるので、勝てる得点を決めたいなと思います。

樋口 今シーズンは4年生中心に本当に長い時間をかけてミーティングをして、チームビルディングをしていて、あとはトレーニングの面でも黒川トレーナー(黒川貴德、令6スポM卒=神奈川・追浜)中心に去年に比べて格段に強度が上がっていて、オンアイスでもオフアイスでも自分たちでちゃんとトレーニングをして来たので、そこに対する自信はチームみんなが持っていると思います。繰り返しにはなりますけど、今まで一生懸命やってきた4年生の皆さんを良い形で送り出したいという思いが本当に強いので、チーム一丸となってみんなで絶対に優勝したいなと思います。

ーーありがとうございました!

(取材 栗原礼佳  編集 齋藤汐李、栗原礼佳)

清水朝陽(しみず・あさひ) ※写真左

 2003年(平15)6月22日生まれ。170センチ。北海道・武修館高出身。社会科学部4年。主将FW。主将としてチーム導く頼もしい姿が見られるでしょう!

笹沼葵(ささぬま・あおい) ※写真右から2人目

 2004年(平16)5月24日生まれ。171センチ。東京・早実高出身。教育学部3年。副将FW。インカレでは、どれほど得点を入れてくれるのか注目です!

高見澤英翔 (たかみざわ・えいと) ※写真左から2人目

 2005年(平17)5月28日生まれ。175センチ。埼玉栄高出身。スポーツ科学部2年。FW。インカレでも、果敢にゴールへ攻め込む姿に注目です!

樋口能乙(ひぐち・よしと) ※写真右

 2005年(平17)4月23日生まれ。169センチ。青森・八戸高出身。スポーツ科学部2年。FW。攻撃・守備の両面での活躍が期待されます!