全日本大学選手権 決勝
12月21日 東京・スピアーズえどりくフィールド
| Team | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 早稲田大学 | 2 | 1 | 2 | 2 | 7 |
| 名古屋大学 | 1 | 2 | 1 | 1 | 5 |
得点者
1Q
吉田宗一郎、富田隼平
2Q
小川隼人
3Q
花井コルトンヘイズ、山田伊織
4Q
花井コルトンヘイズ、三戸優也
ついに迎えた頂上決戦。決勝戦のカードは伝統校・早大と新星・名大だ。会場には学生日本一をかけた熱い試合を一目見ようと、多くの観衆が集まった。これまでの歴史を振り返ると、早大は過去5回学生日本一を経験している。次は、野澤組がその歴史に名を刻む番だ。2019年、青木組以来となる王座奪還へ。準々決勝、準決勝と盤石な強さを見せつけてきた早大が、いよいよ最後の戦いに足を踏み入れる。

勝利を誓い、円陣を組む選手たち
緊張感に包まれる中、第1Q(クオーター)が幕を開けた。序盤はスピード感のある攻撃から相手に先制点を許すも、早大は一切動じない。DF野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)のフェイスオフ、DF中原健太副将(商4=東京・早大学院)の的確なボール運び、そして極め付けのAT吉田宗一郎(教3=東京・早実)の強打と、安定感のあるプレーで試合を振り出しに戻す。同点に追いついた直後、スタンドを沸かせたのはFO富田隼平(商3=神奈川・大和)だ。フェイスオフの勝負を制した次の瞬間、ゴールめがけて一直線に走り出す。そのまま迷いなくクロスを振り抜き、自らゴールを奪ってみせた。
第2Qは、相手の低めのショットに苦しめられる展開が続く。開始早々失点を喫し、再び同点に追いつかれるが、ここで頼れるオフェンスリーダー・AT小川隼人(政経4=東京・早実)の出番。ネット裏を巧みに使ったプレーからジャンプシュートを華麗に沈め、欲しい場面で確実に結果を残した。3ー2と再びリードを奪った早大だったが、その後は相手のスピード感あふれるオフェンスに苦戦を強いられる。G長田謙伸(政経3=埼玉・大宮開成)が2連続セーブでチームを救うが、わずかな隙をつかれて失点。3-3と同点のまま試合を折り返した。

仲間を鼓舞し続ける野澤主将
立ち上がりが重要な第3Q。だが、フェイスオフから得点を許し、試合の流れが一時相手に傾き始める。それでもここで、オフェンス陣を牽引してきた二人のビックプレーが炸裂。AT小川のボールがAT花井コルトンヘイズ(国教4=アメリカ・マッキントッシュ)へと渡ると、冷静にゴール前の勝負を制し、ネットを揺らした。AT花井はアシストでも躍動。フィジカルの強さが武器のAT山田伊織(国教3=早稲田佐賀)へ正確なパスを送り、これをAT山田が確実に決め切った。5ー4と依然として僅差の状況が続く中、アクシデントでゴーリーがG大賀円太(文構4=神奈川・光陵)へと代わる。G大賀は突然の出番にも動じることなく、与えられたプレータイムでしっかりとゴールを守り抜いた。
全てが決まる勝負の第4Q。序盤、相手がマンダウンとなり、早大にとっては有利な状況となる。オフェンス全員で我慢強く突破口を生み出し、最後はAT花井が確実に決め切った。6ー4と早大がやや優勢な場面。存在感を放ったのは、MF三戸優也(商3=東京・早実)だ。相手ディフェンス2人がつく中、それをものともせずゴール前まで走り抜き、自ら得点を決める。7-4と相手をさらに突き放した。それでも名大は最後まで諦めない。残り2分半に再び一点を返し、粘りのラクロスを見せる。しかし、勝敗を分けたのは守護神G長田の存在だった。連続して襲いかかる相手の攻撃を、ことごとく阻止。守護神の名に相応しいプレーを見せ、チームの勝利に大きく貢献した。その後早大は最後まで追加点を許さず、7-5で学生日本一の座をつかみ取った。

ついにつかんだ学生日本一
野澤主将を筆頭に歩んできた今シーズン。関東学生リーグ戦、FINAL4、FINAL。そして夢の全国。振り返ってみればあっという間で、言葉にできないほどに濃密な時間だった。たくさんの壁を乗り越え、それでも諦めることなく自分たちのラクロスを追い求めてきた選手たち。その積み重ねてきた想いが今ようやく実を結び、優勝という結果へたどり着いた。学生日本一、全カテゴリー優勝。華々しい結果の裏には、想像を絶するような努力があった。それでもここまで歩んでこれたのは、紛れもなく仲間の存在、そして応援してくれる家族や友人の存在があったからだ。多くの想いを背負い、最後まで戦い抜いた選手たち。たくさんの感動をありがとう。
(記事 高津文音 写真 石澤直幸、土橋俊介、永吉梨々子、西塚奏琉、大竹瞭、小畑萌)
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