近大を下し3ー0の快勝!全員バレーで決勝進出を決めた

男子バレーボール

12月6日 全日本大学選手権 東京・大田区総合体育館

 全日本大学選手権(全日本インカレ)準決勝は近大との対戦。次勝てば決勝の舞台と、プレッシャーのかかる場面での試合だった。速さを武器とする近大に対し、下級生の多いチーム構成の早大は1セット目、7点差まで突き放される。しかし、途中出場の麻野堅斗(スポ3=京都・東山)のブロックが冴え渡り、窮地を脱する。そのままの流れで、2、3セット目を難なく取りきり、セットカウント3ー0(25ー23、25ー15、25ー22)で勝利した。

 第1セットは、OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)の鋭いクロススパイクで幕を開けた。しかし序盤から、相手のフェイントやサーブに苦しみ、中盤には10ー17と大きく点差が開いてしまう。ここで、OH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)が投入され流れを変えた。徳留の正確なレセプションからの攻撃を起点に、徳留、麻野堅斗(スポ3=京都・東山)、OP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)と立て続けにブロックが決まり、8連続ブレイク。一気に18ー18の同点に。相手の粘り強いプレーに苦戦したが、麻野のブロックでセットポイントとすると、最後は小野が相手ブロックを弾く強烈なスパイクで25ー23と第1セットを先取した。

ガッツポーズする菅原

 続く第2セット。序盤から麻野のクイックや小野のバックアタックなどで得点を重ねるが、互いにサイドアウトを取り合い、11ー11と拮抗した展開が続いた。しかし中盤、早大の猛追で5連続得点。18ー12と引き離すと、終盤も麻野の高いブロックで相手の攻撃を幾度も抑え込み4連続ブレイク。23ー14から勢いそのままに、最後は川野が高い打点から相手コートへ叩き込み、25ー15で大差をつけて、セットを奪取した。

スパイクを打つ小野

 第3セット。序盤から川野が躍動し、強烈なスパイクでブレイクを重ねた。セッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)の華麗なツーアタックで、9ー6とリードする場面も。中盤も前田がブロックカバーしたボールを小野が強打で打ち切り、3連続ブレイクで、12ー7と一歩リードした。その後も、菅原啓(教3=山形南)のクイック、前田のブロックなど、多彩な攻撃で21ー13と大きく相手を引き離した。その後はミスなどもあり、点差を縮められる場面もあったが、最後は川野が打ち切り25ー22でストレート勝利を飾った。

クイックを打つ麻野

 大きく崩れた1セット目、自分たちの力で逆転する力を見せ、どんな相手に対しても、どんな状況でも諦めないで戦い切る力を実感できた試合だった。明日はついに決勝。甲斐(専修大4年)率いる昨年王者の専修大を倒した国士舘大との対戦。勢いのあるチームだが、今の彼らなら全部を出しきり、悲願の優勝を叶えるはずだ。

セットカウント
早大

25-23
25-15
25-22

近大

スタメン

アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)
ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南)
ミドルブロッカー ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)
オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園)

途中出場

梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園)
板垣慧(政経4=京都・洛南)
麻野堅斗(スポ3=京都・東山)
徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)
中上烈(スポ1=京都・洛南)


コメント

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

――決勝進出が決まった今のお気持ちを教えてください
 学生たちが頑張ってきたので、自分たちの力が出せたということでほっとしています。
――試合を振り返っていかがでしょうか
 まず特設コートっていうことや、下級生が多くスターティングメンバーに入ってるってことがあったので、1セット目の出だしは悪いかなと思いました。予想以上にちょっと良くなかったので、流れを変えるというか、自分の中でもこうだったらこうと決めていたことがあって、スタートとベンチがで差がある選手たちではなかったので、思い切って変えてみようかなっていうことでどんどん変えたところ、上手く流れがこっちに来たので、それでみんなが落ち着いたんじゃないかなと思ってます。
――崩れてしまった原因としては、選手の緊張からくるものがあるのでしょうか
 近大さんは勢いよく向かってきたり、思いきってやってきたりするチームなので、それに対して受けてはないんだろうけども、結果的に見てると受けてたんじゃないかなというようなプレーがいくつか見受けられてたので、そういう面では積極的ではなかったのだと思います。
――明日に向けてっていうところで、選手にどのようなお声がけをしたいですか
 大学生と戦うのはもう最後の試合で、特に4年生は大学のバレーが最後なので、最後4年生のためにということで、みんながやってきたことを全部出してもらいたいと思います。

麻野堅斗(スポ3=京都・東山)

――決勝への進出が決まりましたが、今のお気持ちはいかがですか 

 去年はここで負けてしまって三位という結果に終わってしまったので、まず決勝の切符をつかめたってことはすごくうれしいですし、明日勝って優勝できるように頑張りたいなというふうに思います。 

――試合を振り返って 

 今大会は自分の出場機会がなかなかなくて、コンディション的にもあまり万全ではなかったのですが、チームの流れを変えるようなプレーが今日できたと思うので、明日も出番が来たらそういうプレーでいい流れを持ってこれるように頑張りたいなと思います。 

――7点差まで広がった1セット目を巻き返して取ることができた要因は何だと思いますか 

 一点一点みんなでチーム一体となって喜んだり、ブロックが起点になったかなというふうに思うので、そこから流れをつかめたかなと思います。 

――ブロックの完成度が高く感じましたが、どのような準備をされてきましたか 

 怪我が続いていて自分は練習になかなか入れていなくて、ブロックの練習もあまりできてなかったのですが、この試合で一本止め出してからリズムが良くなって自分的にも感触はすごく良かったので試合通して良くなったかなというふうに思います。 

――決勝への意気込み 

 どっちが来るかまだわからない状況ですけど、両チームとも大エースがいると思うので、そこを今日のようなブロックでしっかりチームに貢献できるように頑張りたいなというふうに思います。 

菅原啓(教3=山形南)

――決勝進出が決まった今のお気持ちを教えてください

 去年はこの準決勝で負けてしまって、3位という結果だったんですけど、今年は最終日まで残って決勝という舞台で戦えるということがまず1個嬉しいなと思います。

――今日の試合を振り返って

 個人としてはかなりクイックに対してブロックが厚いチームでなかなか決まらなかったのですが、自分の中では一個切り替えて、自分が決まらない分他が決まると思っていたので、そこはあまり決めることにこだわらず、ミスを出さないことを意識してやっていました。ブロックはだいぶ堅斗(麻野、スポ3=京都・東山)が止めてくれた分絞り込みやすくなっていたので、そこを自分とか堅斗とか聖(布台、スポ3=東京・駿台学園)が喋って、ディフェンスがチームとしても個人としても完成させられたのかなと思っています。

――1セット目崩れてしまった原因は

 昨日と違って3試合目だったり、アップの時間が違かったりということで、やっぱりそこの準備というところで少しバタバタしてしまったというのと、どうしても下級生は焦ってしまうとか、初めて全カレというところがあるので、そういったところでちょっと焦りとかが出てしまったのかなという風に思っています。

――その後立て直せた理由は

 メンバーチェンジとかも通して、代わりで出てきた選手が活躍することであったりとか、やっぱり自分だったり堅斗だったり凌吾さん(前田、スポ4=大阪・清風)だったりっていう上級生がしっかりコート内を落ち着かせてプレーできたのが良かったのかなと思っています。

――決勝への意気込み

 決勝はどっちが上がってくるか分からないですけど、自分たちが去年負けて一年間練習してきたことを全部出し切って、最後笑って終われるように頑張りたいと思います。