12月5日 全日本大学選手権 東京・大田区総合体育館
全日本大学選手権(全日本インカレ)準々決勝は秋季東海リーグ戦王者の中京大と対戦した。立ち上がりはリードを許すが、相手のミスをチャンスに変え、OP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)を中心に得点を重ねた。セットカウント3ー0(25ー20、25ー22、25ー18)でストレート勝利を果たし、明日の準決勝に挑む。
第1セット。MBローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)がクイックを2連続で決め、先制する。その後はお互いにサイドアウトを取り合うが、相手の緩急のついた攻撃で10ー12とリードを許した。しかし、ここから早大の猛追が始まる。OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)のパイプを皮切りに、6連続得点で一気に追いあげた。後半は早大優位に進んでいく。リベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)のパンケーキレシーブをセッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)がトスにし、OH佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)がレフトから打ちきる秀逸なプレーで見るものを魅了した。最後は川野がサイドラインギリギリに打ち込んだライトスパイクが決まり、25ー20でセットを先取した。

サーブを打つ梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園)
続く第2セットもローゼンのクイックで先制し、その後は取っては取られる展開に。佐藤、川野が相手スパイクをシャットし、ブロックでプレッシャーをかける。8ー6の場面では相手に3連続得点を許し、立場が逆転する。しかし、動揺することなく中盤戦へ突入した。前田の采配でサイド陣をうまく活用しながらブレイクを重ねる。18ー14のタイミングで小野から徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)に選手を交代。徳留は上がったトスを確実に打ちきり、その後の3得点に貢献した。終盤には麻野堅斗(スポ3=京都・東山)、菅原啓(教3=山形南)も投入され、菅原のブロック得点を最後に25ー22でセットを連取する。

ブロックをする小野、ローゼン、川野(左から)
相手の得点で始まった第3セット。序盤から川野が躍動した。バックアタック、ブロックアウトなど多彩な攻撃で相手を寄せつけない。前田のプッシュ攻撃を含め6連続得点で10ー6に。中盤には菅原のクイック、サービスエースでブレイクを獲得したが、その後はサイドアウトをお互いに取り合い点差を保ったまま終盤に入った。ブロックアウトを取られるなどうまくブロックを使われる場面もあったが、攻撃できる時に着実に決め、麻野のクイックが決勝点となりこのセットも取りきった。

レシーブをする麻野
初めて対戦する相手のため、データも少ない状態での対戦となった中京大戦。途中には疲れによるミスが増えた場面もあったが、相手のミスに救われる部分もあり巻き返すことができた。リードを許してしまう場面でも、布台の声がコート中に響き、チームを鼓舞し続けていた。強い気持ちを持ち続ける選手が支えとなって進み続けている早大。明日は昨年の全日本インカレ3位決定戦で勝利した近大と対戦する。慢心せず、常に挑み続ける姿を見届けたい。
(記事 井口瞳、写真 芦刈れい、末松花菜)
| セットカウント | ||||
|---|---|---|---|---|
| 早大 | 3 |
25-20 |
0 |
中京大 |
| スタメン | ||||
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アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園) |
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| 途中出場 | ||||
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梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園) |
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コメント
板垣慧(政経4=京都・洛南)
ーー試合を振り返って
昨日、日体大戦を終えて、次は中京大で、パワーバランス的にちょっと落ちるみたいな部分もあったのですが、昨日夜ミーティングした時に、みんなしっかり軸をぶらさずに、やってきたことをやろうという話をしていました。しかしそれが少しぶれてしまったかなという反省はありつつも、3セット目とかも点数を離せて、最後まで自分たちがやることができたのかなというふうに思っています。完璧ではなかったと思うんですけど、自分たちもいい形が少しは作れてるのかなというふうに思います。個人では、昨日は自分のプレーがよくなくて、1セット目終盤から菅原(啓、教3=山形南)に変わりました。昨日の反省を自分なりにして試合に臨んだのですが、いいとこもありつつ悪いとこもありつつみたいな、まだまだ出せなかったなという部分が自分の中で反省点としてあります。しっかりと明日の準決勝、決勝に向けて出せるようにコンディショニングしていきたいなというふうに思います。
ーー最後のインカレですが、どのような気持ちで臨まれていますか
チームとしてもこのインカレに向けてやってきたというのもありますし、4年生としても、1年生の頃から自分たちの代で優勝するっていうようなことをずっと言ってきていたので、それに向けて優勝する準備はもうできてるっていうような自負もありますし、個人としてもバレーボールを今まで続けてきて、一応節目みたいなかたちになると思うので、最後有終の美が飾れるようにやっていきたいなと思います。
ーー4年生として意識している部分はありますか
コート入ってても入ってなくても、緊張している選手もいるんですけど、ピリピリしすぎず、和ませながらもという部分は個人的には少し意識してるかなと思います。
ーー次戦への意気込み
近大も大産大もどっちも練習試合をしていて、その時に勝ち逃げされているので、その借りを返せるようにじゃないですけど、しっかりと勝って決勝に向けていきたいなと思います。
川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
ーー試合を振り返って
昨日の日体大戦で、あまり自分が決められず効果率が上がらなかったのですが、今日は、大事な場面でもスパイクを決めることができたので、明日も頑張っていきたいと思います。チームとしては、レセプションもしっかり入っていたと思います。サーブとブロックが本当に良かったと思います。ですが、サーブミスが昨日から増えてきてしまっているので、そこを無くして、ブロックリード、リードブロックからワンチャンスを仕掛けて、そこから展開していくというのをみんなで実現していければいいなと思います。
ーー初の全日本インカレ出場ですがどのような気持ちで挑まれていますか
試合前は少し、緊張することもあるのですが、1年生で試合に出させていただいてるので、元気を出して頑張っていきたいなと思います。
ーー秋リーグに比べると表情も明るく見えますが、気持ちやプレーに余裕は出てきましたか
秋リーグからあまり調子が上がっていなくて、少し不安な部分もあったのですが、この全日本インカレを通して、自分の状態も上がってきているので、よりいい状態になっていければいいなと思います。
ーー次戦への意気込み
明日もタフな試合になってくると思うので、早稲田のバレーボールというのを徹底して、勝てるようにもっていきたいなと思います。