【男子バスケ】死闘を制し、前回王者の日大を撃破! 23年ぶりのベスト4進出を果たす

男子バスケットボール

第77回全日本大学選手戦 12月5日 東京・代々木第二体育館

 前日に行われた神奈川大戦では逆転勝利を飾り、準々決勝へ駒を進めた早大。23年ぶりのベスト4進出をかけた一戦は、前回王者の日大と激突した。試合は中盤に劣勢の展開となるが、第2Q終盤に3P攻勢で逆転に成功。後半は日大の猛追を振り切り、96-87で勝利を収めた。チームの3Pシュートは17/34で、成功率50%を記録。2002年以来の全日本大学選手権(インカレ)ベスト4進出を決めた。

 第1Q、早大は1対1を軸としたオフェンスでペースをつかみ、主導権を握る。しかしQ終盤、日大の連続3Pで逆転され、21-22で第1Qを終えた。前日からの改善は果たしたが、やや硬さがみられる入りでもあった。

 第2Qは日大のピックを中心とした攻めを止められず、オフェンスでもターンオーバーが続く苦しい展開。連続失点を喫し、点差を8点に広げられた。さらにF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)が目の負傷でベンチに退き、F三浦健一(スポ3=京都・洛南)も3つ目のファウルを犯す危機的状況。ここで早大はG城戸賢心(スポ3=福岡第一)を起用し、ウイングプレイヤーはF松本秦(スポ1=京都・洛南)ただ1人といういつも以上のスモールラインナップで勝負に出た。

 すると、この采配が功を奏した。松本が連続3Pシュートで反撃ののろしを上げると、G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)が素早いボールプッシュでG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)、G堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)、城戸の3連続3Pシュートを演出。苦しい状況を一転させる17ー3のランをつくり、早大が逆転に成功した。

ボールをプッシュする下山

 6点リードで迎えた第3Qは、松本が積極的なドライブで存在感を発揮する。早大は岩屋主将、下山が3Pシュートを沈めたところで、リードをこの日最大の11点となった。しかしQ終盤からシュートが落ち始め、リードは3点差に縮小。前回覇者・日大の反撃に押し込まれていった。それでもQ残り7秒、下山がシュートを落としたものの、リバウンドに飛び込んだ松本が衝撃のプットバックで得点。流れを取り戻す貴重な2点を手にし、71ー66で第3Qを終えた

 第4Qは一進一退の攻防が続くが、試合を動かしたのは怪我から復帰した堀副将のビッグプレー。4ファウルの下地秀一郎(日大4年)にポストプレーを仕掛け、バスケットカウントを獲得した。相手の精神的支柱を退場に追い込み、残り5分で11点のリードを築いた早大。その後は下山、松本に3Pシュートが飛び出し、最後は三浦のバスケットカウントが決定打となった。粘る日大を振り切り、96ー87で試合終了。1対1、速攻、3Pシュートといった今年の早大を象徴するバスケットを展開し、「ベスト4の壁」を破った。

バスケットカウントを獲得し、ほえる三浦

 次戦の相手は今年の新人インカレで地方勢初のインカレ王者となった日本経済大。今大会では中大、明大といった関東勢を連続で撃破し、本日の準々決勝では関西王者の天理大を下したダークホースだ。早大とは今年の新人インカレで対決しており、その時は62ー85で日本経済大に軍配。これは1、2年生のみの試合ではあったが、早大としてはリベンジマッチとなる。

 「絶対優勝を取る気持ち」(松本)。指揮官が「無欲だった」と形容するリーグ戦から一転し、選手たちは自信をもって意気込みを口にした。57年ぶりインカレ優勝&二冠達成に向け、残されたピースはあと2つ。初秋から吹き荒れた早稲田旋風は、いまだ止まらない。

 

(記事 石澤直幸、写真 高津文音、北郷美結)

1Q2Q3Q4Q合計
早大2128222596
日大2221232187

早大 スターティングメンバー

Pos. # 選手名
下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)
三浦健一(スポ3=京都・洛南)
堀田尚秀(スポ4=京都・東山)
12 松本秦(スポ1=京都・洛南)
14 高田和幸(商4=京都・洛南)

コメント

岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)

――今日の試合を全体的に振り返ってみていかがでしたか

 最初はあまりうまくいかなくて、陽稀も一回抜けてしまって、健一もファールアウトというところで完全に4アウト、いつもは5アウトなんですけど190が一人で4アウトみたいな形になってしまいました。日大は結構全員大きい相手なので、苦労するかなとは思ったんですけど、そこでスピードのミスマッチを活かしたトランジションでうまいこといい展開に持っていけました。自分たちのいいバスケットができたことがこの点差で勝てた要因かなと思います。

――昨日の試合で課題とされた立ち上がりの部分はどうでしたか

 いつも戦っていた相手なのでふわっとした入りにはなってしまったんですけど、結果修正して自分たちのやりたいバスケットをすることができました。立ち上がりはもう少し修正できると思うんですけど、96点までいけたのは結果的によかったかなと思います。

――第3Qで詰められましたが そこに関してはどうお考えですか

 相手のエースがしっかり点を決めてきて点数が詰まってきたので、僕もやったろかなと思っていました。得点を重ねながらも、ずっと同じ点数をキープして、我慢しながらプレーすることができたかなと思います。

――次戦は日経大か天理大と当たりますがどちらと対戦したいとかはありますか

 どっちもあまりわからないチームなので、見てはいるんですけどあまり肌感がわからないという感じです。天理は関西でディフェンスのチームと言われているのに対して、僕らはオフェンスのチームなのでそこは戦ってみたいなという思いはあります。

――準決勝に向けた意気込みをお願いします

 どちらも関西の相手で今まで試合したことがないチームなので、まずはスカウティングをしっかりしたいと思っています。あとは今日昨日とで見つかった反省点というのをこの1週間で改善して、もっと強い早稲田に仕上げていきたいです。

下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)

――今日のご自身のプレーを振り返って
 流れが悪いときにもっと速い展開でいけたところはあったので、そこは自分が気をきかせるじゃないですけど。チームの悪い雰囲気を自分が引っ張ってもっと良い雰囲気に持っていけたと思います。

――昨日は出場機会が多くなかった分、今日に対する思いは
 昨日は半分ちょっとしかでれなくて、やりきれないところがあったので。その分しっかり自分が活躍しようと思っていました。

――相手のディフェンス戦術にもにも対応してオフェンスを組み立てていました
 自分らの武器であるスリーポイントは相手も警戒していると思うので、自分が中心にどんどん切って流れを作っていけばもっと楽に点を取れると思います。そこはもうちょっと修正していかないといけないと思います。

――優勝まであと2つですがいかがですか
 ここ2試合はあまり思うようなプレーはできてないので。でも勝ててあと2試合あるので、そこは思いっきり楽しみたいと思います。

 

松本秦(スポ1=京都・洛南)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

昨日は点数が前半止まってしまっていたのがキツイ試合になってしまった原因だったので、今日は点数を伸ばしていこうと言う話をしていて、結果的に90点とれたのでそこで今日の勝ちに繋がったと思います。

――チームとしてどこが良くて今日は早稲田らしい点数を取るゲームができたのですか

最初の入り硬かったんですけど、2Qあたりから自分達の流れで速攻からのスリーポイントを出せていったことが良かった点かと思います。

――松本選手自身、ここ1番っていう時に3Pを決めて1年生とは思えない落ち着いたプレーぶりだと思います。あまり緊張とかもせずいつも通りですか

昨日は初戦ということもあって緊張してしまったんですけど、今日は2試合目ということだったので最初の入りは良くなかったんですけど2Qからいつも通りのプレーができたと思います。

――チームとして3Pはちょうど50%ですが、そのくらいでいきたいですか

そうですね昨日が30%切ったくらいだったので、50%超えてくると点数も90超えて伸びてくると思うのでそうしたら自分達のゲームができるかなと思います。

――改めてリーグ戦とは違った緊張感がありますか?逆にそこは全然意識せずにプレーできていますか

トーナメントってことで負けたら終わりっていう緊張感がある中でプレーするのでやっぱいつもと違う雰囲気もありますし、まぁインカレっていうことで僕自身初めての舞台なので緊張はしていたんですけどいつものプレーができてたかなと思います。

―― 1年生ですがこちらからみると落ち着いているようにみえます。以前、チームの主力として引っ張っていくとインタビューで言ってましたが

そうですねリーグ戦も初戦から出させてもらってましたし出ていく中で最初に比べて自信がついてきたのでそこは落ち着いてプレーできてるのかなと思います。

――リーグ戦の時はみんな勝つと思わなかったと言っていまし。インカレは優勝への自信を持って臨めいるのか、それともまだ自分達勝てるのかなという思い、どちらの方が大きいですか

僕は22試合あって20勝できたっていうのがすごく自信になっているので、インカレは絶対に優勝を取るっていう気持ちでやっています。

―― 第3Q最後のプットバックを振り返って

そこまで自分自身チームに貢献できてなかったので、ああいう泥臭いプレーをしないとチームが勝てないと思っているのでそこで最後まで諦めずリバウンドに参加したからあの2点が取れたのかなと思います。

――自身が要所で3P決めてましたがそのあたりは先輩たちに任せてはいけないという思いがあったのか

自分がチーム勝たせるくらいの強い気持ちを持ってずっとやってるので大事なとこで決めるっていう気持ちはずっとあります。

――次の試合から戦ったことのない相手になりますが自分達のリズムを崩さないためにどういうことを意識しますか

自分たちがやることは変わらないのでDFからの速攻をして、どんどん攻撃的にプレーするっていうスタイルを貫けば勝ちにつながってくるかなと思います。