【ラグビー】シーソーゲームを制した早大D 僅差で帝京大Dを撃破

ラグビー男子

秋季オープン戦 11月29日 対帝京大D 早大・上井草グラウンド

 11月の始めにチームとして帝京大に4連敗を喫した早大にリベンジの機会は訪れた。そのスタートを飾るのが早大Dと帝京大Dとの一戦だった。40分勝負というイレギュラーな形で行われた今試合。早大Dは開始早々からチャンスを作り出し、先制に成功。試合の流れを引き寄せた。しかし、実力を持つ帝京大Dとの一戦はそう上手くゲームを運ばせてもらえない。帝京大Dも得点を重ねて、試合はまさにシーソーゲームとなった。試合の終盤でスコアが振り出しに戻ると、勝利の行方はラストワンプレーに託される。勝利を諦めなかった早大Dにチャンスが訪れると、細かくパスを展開していき、最後はFB佐藤世那(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が勝利を決めて見せた。

ステップを踏むWTB肥後

 帝京大Dボールのキックオフで試合が幕を開けた。早大Dは自陣から果敢にボールをつなぐ。SO池山昂佑(商3=東京・早実)からCTB藤井雄士(社2=北海道・札幌山の手)、さらにWTB後藤洸輝(スポ1=大分・玖珠美山)へと大きく展開。後藤はライン際を駆け上がると、背後へキックを転がし自ら追う。相手に強烈なプレッシャーをかけてチャージし、ボールはタッチラインを割って敵陣22メートルまで前進した。そして2分、ラインアウトから藤井、池山、後藤、FB細田悠介(スポ2=福岡・修猷館)とテンポよくつなぎ、最後はWTB肥後直希(スポ1=早稲田佐賀)が持ち前のスピードで右隅へ飛び込む。5ー0と理想的な立ち上がりを見せた。しかし7分、自陣5メートルでのラインアウトモールから押し込まれ、同点トライを許す。スコアは5ー5。18分、LO荒木鷲摩(法1=北海道・函館ラサール)の鋭いタックルを起点に、PR遠藤直輝(教2=東京・早実)がジャッカル。池山のキックで一気に前進すると、SH中川空河(人1=福岡・修猷館)が素早い仕掛けでゲインし、相手の反則を誘う。24分、中川が速攻を仕掛けてグラウンディング。10ー5と再びリードを奪った。だが27分、自陣からのアタックでのミスから、細田のタックルで一度は止めたものの、テンポよく展開され、再び追いつかれる。35分、敵陣5メートルのスクラムで早大DのFWが強烈なプレッシャーをかけ、相手のノックフォワードを誘発。得たゴール前スクラムからペナルティーを奪うと、中川が素早くタップ。肥後がディフェンスの隙を突いてインゴールへ。SO古瀬莊(スポ1=静岡聖光学院)のコンバージョンも決まり17ー10と突き放した。しかし38分、反則から深く攻め込まれ、左右に揺さぶられて再び失点。キックも決まり17ー17と振り出しに戻る。迎えたラストワンプレー。帝京大Dに攻め込まれ万事休すかと思われたが、PR阿部翔汰(スポ1=東京・本郷)が相手からボールをもぎ取る。池山からCTB齋藤慧士郎(社1=宮城・仙台第三)、CTB山口滉太郎(教1=東京・早実)と素早くつなぎ、最後はライン際で待っていた佐藤が走り切ってインゴールへ。劇的な逆転トライで、早大Dが勝利を決定づけた。

インゴールへ突き進むFB佐藤世

 今月の始めに12ー35と大差で敗れてしまった早大D。しかし、今試合では最後まで粘りきり、勝利を奪い取ってみせた。これは選手とスタッフが積み上げてきた並々ならぬ努力の成果に他ならない。チーム野中で過ごす時間も残りわずか。早大はこれからも前進し続ける。最後に笑って終わるために。

(記事:大林祐太)

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