【ラグビー】2025ジュニア選手権プレーオフトーナメント 帝京大B戦 展望記

ラグビー男子

関東大学ジュニア選手権 プレーオフトーナメント 11月29日 対帝京大B 早大・上井草グラウン

 関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)は、残すは決勝戦のみ。翌週に控える関東大学対抗戦(対抗戦)の優勝決定戦に向け、早大としては今週末、このタイトルを何としても獲得し、チームに勢いをつけたい。

円陣を組む早大Bフィフティーン

 

 早大Bは前節、プレーオフ準決勝で東海大Bと激突した。掲げたゲームテーマは「ドミネート」。その名の通り、試合開始直後から主導権を掌握。CTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)と金子礼人(法4=福岡・西南学院)が鋭いキャリーでディフェンスラインを切り裂き、次々と得点を重ねていった。しかし、試合中盤はお互いにディフェンスが機能し、こう着状態に陥る。12ー7とわずかなリードで前半を折り返した。勝負を分けた後半、SO田中大斗(教2=東京・早実)とFB島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)が巧みなキックでゲームを組み立て直すと、流れは再び早大Bへ。WTB西浦岳優(社2=東福岡)のトライを皮切りに、東海大Bを突き放しにかかる。前半の苦戦を乗り越え、後半圧倒的なパフォーマンスを見せた早大Bが見事に勝利を収め、決勝進出を決めた。

ゲームコントロールをするSO田中大

 

 決勝の相手である帝京大Bとは今月初めに対戦し、苦い経験を味わっている。早大Bはアグレッシブなアタックで相手のペナルティーを誘発。モールを起点に先制トライを奪う幸先の良いスタートを切った。しかし、帝京大Bが誇るフィジカルを生かした強烈なアタックを断ち切れず、前半だけで3トライを献上。スコアは7ー29と大きく引き離された。後半に入っても帝京大Bの勢いは衰えることなく、早大Bは連続失点を重ねてしまう。結局、12ー36と大差をつけられてノーサイド。ジュニア選手権で喫した初の黒星は、フィジカルの壁という大きな課題を残す結果となった。

相手ディフェンスに仕掛けるPR山口

 

 早大Bの勝敗の鍵を握るのは、フロントローの3人、両PRの山口湧太郎(スポ4=神奈川・桐蔭学園)、荒田明彦(商4=北海道・函館ラサール)、そしてHO杉村利朗(社2=東福岡)だ。帝京大Bは、その強力なFW陣によるセットプレーを起点に試合を組み立ててくるのは明白だ。前回対戦でセットプレーから流れを奪われただけに、今試合は早大Bのスクラムとモールの強度に注目が集まる。また、攻守の要であるCTB森田倫太朗(スポ3=兵庫・報徳)の働きも見逃せない。毎試合、攻守両面でチームを支え、上位カテゴリーへの争いに絡む活躍を見せている。帝京大Bの脅威的なフィジカルを前に試合がこう着し、苦しい時間帯こそ、森田の献身的なプレーと冷静さがチームを救う鍵となるだろう。さらに、リザーブにはPR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)が名を連ねる。今季、対抗戦デビューを果たした後、戦線離脱していたが、今試合から満を持して復帰する。強大な圧力を持つ帝京大Bに対し、4年生としての意地をグラウンドで示してくれることだろう。

ディフェンダーを振り切るCTB森田



 ジュニア選手権も残すは次なる一戦、決勝のみ。この大一番で勝敗を決するのは他ならぬFW陣の意地のぶつかり合いだ。早大Bは同じ相手に二度も屈するわけにはいかない。そして、翌週に迫る早明戦という大一番に向け、チーム全体に勢いをつけるためにも、このタイトルは絶対に譲れない。もう一つの熱き決戦が上井草で火蓋を切る。

(記事:大林祐太 写真:安藤香穂)

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