【米式蹴球】ランで圧倒し東北大撃破! 準決勝で立命大と対戦へ

米式蹴球

全日本大学選手権 準々決勝 11月23日 ユアティックスタジアム仙台

TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 14 31
東北大 HORNETS

 関東制覇から日本一へ。早大BIG BEARSの戦いの舞台は仙台へと移り、負けたら終わりのトーナメント戦に突入した。準々決勝の相手は、東北王者の東北大。試合は、RB長内一航(文構3=東京・早実)のTDランで先制すると、その後もRB安藤慶太郎副将(社4=東京・早大学院)が貫禄の3TDを決める。安定した試合運びで準決勝へと駒を進めた。

大会MVPに選出されたRB安藤慶

 早大リターンで試合開始。最初のシリーズは両チーム共無得点に終わるが、その直後、RB長内がタックルを交わし、ビッグゲインでの独走TDを決める。K小林賢多(国教4=千葉・八千代松蔭)もポイントアフタータッチダウン(PAT)を的確に決め、早大が7点を先制した。しかし、その後のドライブでは、東北大がランとパスを織り交ぜながら着実に1stダウンを更新していく。なんとか得点を阻止したい早大だったが、RB植村祐斗(4年)から右サイドに攻め込まれ、TDを許す。オフェンスでは、ワイルドキャットなど多彩なフォーメーションでゲームを展開するものの、パスプレ-に苦戦しインターセプトを喫する。だが、ディフェンス陣の磨きのかかったラッシュで、相手の攻撃をスリーアンドアウトに抑えると、早大は敵陣45ヤード地点から攻撃を開始する。するとOL陣が開けた中央をRB安藤慶が抜け、1プレーでTDを奪う。第1クォーター(Q)終了間際には、早大の反則によりリズムが崩れる場面があったものの、DL田中一宇(文構3=東京・早大学院)やLB髙野力維(スポ1=東京・佼成学園)のロスタックルなどで相手に隙を与えなかった。

先制TDを決めたRB長内

 続く攻撃では、RB長内が再びランで大きくゲインすると、WR松野雄太朗(社4=東京・早大学院)へのパスも成功し着実にボールを前に進めていく。そして最後は、QB船橋怜(政経4=東京・早大学院)のハンドオフからRB安藤慶へボールが渡ると、そのまま加速しこの日2本目の独走TDで点数を重ねた。さらに、ルーキーLB髙野がボールをかき出し、早大が攻撃権を得ると、RB長内が9ヤードを進め敵陣深くに侵入し、RB安藤慶が試合を決定づけるTDを追加した。その後、DB折原陸(商3=東京・早大学院)のインターセプトでチャンスを得たが、ここはFGに失敗し得点には至らず。 28ー7で前半を終えた。

インターセプトを決めたDB折原

 第3Q、東北大がテンポ良く攻撃を進めるが、DL田中一がラッシュをかけ、DB妹尾泰成(人3=東京・佼成学園)がインターセプトを決めターンオーバーに。その後の攻撃はパントに抑え込まれたものの、再びディフェンスでは、LB髙野がカットしたボールをDB小笠原崇文(政経4=茨城・筑波大付)がインターセプトを決めるオフェンスでは、ロングパスを狙うものの、決め切ることができない時間が続いたが、QB船橋からQB木庭修克(国教2=東京・三田)に代わり、RB田中大晴(社4=埼玉・川越東)を中心にランプレーで時間をかけながらゲームを進めていく。第4Qでは、K出口弥生(人1=東京・本郷)がFGを決め、3点を追加。また、QB野田知樹(政経4=東京・早実)がランプレーを中心にゲームを展開し、スクランブルなどで1stダウンを更新させたものの追加点とはならなかった。試合終盤には、これまで欠場が続いていたLB功能誠也主将(教4=東京・西)やLB安藤龍生(法4=東京・早大学院)らも復帰しチームを鼓舞。最後はニーダウンで時間を流し31-7で試合が終了した。

この日、2タックルを記録したLB髙野

 スコアでは大きく東北大を上回ったものの、攻守ともにミスもあり「僕たちの甘いところがでた」とOL柳嶋将歩副将(政経4=東京・早大学院)は厳しく振り返った。次戦からはいよいよ関西勢との対決が始まる。準決勝の相手は、昨年も準決勝の舞台で敗れ、春にも完封負けを喫した立命大。雪辱を果たし、3年ぶりの甲子園へ。大一番が幕を開ける。

(記事 大村谷芳 写真 西本和宏、和田昇也)

得点経過

TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
早大 RUN #33長内 #11小林 7-0
東北大 RUN #20植村 #87横塚 7-7
早大 RUN #7安藤 #11小林 14-7
早大 RUN #7安藤 #11小林 21-7
早大 RUN #7安藤 #11小林 28-7
早大 FG #36出口       31-7

コメント

RB安藤慶太郎副将(社4=東京・早大学院

ーー試合を振り返って

 やはり自分たちが今まで積み重ねてきたことをしっかりと出し切って勝ち切るということが本来のあり方だと思いますが、今日はすごく自分たちのミスが出て、結構自滅してしまう場合も多かったので、すごく反省の多い試合だったかなと思います。

ーーコンディションはいかがでしたか

 法大戦で一回傷んでから、割と順調にリハビリも重ねてきて、今日だけで言ったらものすごく万全なコンディションでした。

ーー秋季リーグの最終戦からは後輩の活躍も目立っています

  単純に同じチームメートとして、先輩としてすごくうれしいです。あとはすごく頼もしいので、僕がうまくいっていない時でも良いプレーをしてくれるだろうなという安心感がすごくあります。ユニット全体で今後もうまくなっていけたらなと思っています。

ーー戦術面で意識していたことは

  特に変わったことはせず、自分たちの準備していたシンプルなプレーをやりたいようにできたら勝てる相手だと思っていたので、そういった準備でした。

ーー来週には立命大戦を控えています。どのようなことに力を入れて取り組んでいきたいですか

 今日少し振り出しに戻ってしまった感じで、自分たちのやりたいことをできないまま、自滅してしまう場面がありました。なのでそこはまずなくして、本来の自分たちの力を100パーセント出せるように、春での49点差を返せるように、とにかく一戦必勝で頑張りたいと思います。

OL柳嶋将歩副将(政経4=東京・早大学院)

ーー試合を振り返って

 結果的には勝てましたが、オフェンスでは、ランのパスのような決め切るところで決められていませんでした。ディフェンスで止めるべきところも全くできていなくて、もう少し早い段階で試合を決めて、2本目の下級生などにチャンスを回してあげたかったのですが、それが遅くなってしまいました。僕たちの甘いところがでたと思いますし、立命大戦は本当にそれでは勝てないと思っています。

ーーランプレーが続きましたが、チームではどのような戦略を話し合っていましたか

 特に決めてはいませんでしたが、ランプレーが割と出ましたし、このような試合はやはり相手がどのように仕掛けてくるのか分からないので、投げてインターセプトを取られるよりも、しっかり1対1に勝ちたいという思いがありました。ただ、まだまだ1対1に勝ち切れなくて、ランが出ない場面があったので1週間で修正したいと思います。

ーー対戦歴が少ないチームでしたが、やりづらさはありましたか

 僕自身はそこまでやりづらさはありませんでしたが、多分普段入らないブリッツやスタンツが入ったのでそこに対応できていなかった部分もあったと思います。準備しきれていない部分もあり、特に序盤にそれが出たのかなと思います。

ーーOLユニットの出来はいかがですか

 OLとしてもう少し走らせられたかなという思いがあります。ランで取りきれなかったり、ラッシュを行かれたりした部分がユニットとしてあったので、立命大戦はこれでは本当に勝てないと思っています。

ーー次戦へ向けて意気込みをお願いします

  春に49対0で負けた相手で、本当にすごく強い相手ですが、僕たちも春から夏合宿経て積み上げて、このチームで勝てるのかと思う時期がありながらも、こうやってしっかり監督たちと作り上げたチームです。僕たちが甲子園を経験した最後の代で、僕たちが甲子園に行かないと下級生がまだ経験できずに次の代を迎えてしまうので、絶対に立命大に勝って、その後も上を目指してやっていきたいと思います。

LB安藤龍生(法4=東京・早大学院)

ーー試合を振り返って

 色々なメンバーを出して勝てたということはすごく良かったと思います。ただ、やはりファンダメンタルの部分でタックルミスが多く出てしまって、そういったとこは立命大戦に向けて改善するべきところだと思っています。

ーーご自身のコンディションは

 自分はけがから復帰して久しぶりの試合だったので、何プレーが出してもらえましたが、自分なりにベストは尽くせたと思います。

ーーディフェンスで成長を感じた部分はありますか

 作戦のミーティングをすごく増やして、全員が他のポジションについても理解するという部分は力を入れてきました。例えばDBの選手がDLやLBのフロントの動きをしっかりと理解するというようなことで、そのような点は例年に比べてしっかりとできていると思います。

ーー課題はありますか

 やはり1対1の部分がまだまだかなと思っています。立命大にはすごく良い選手がたくさんいて、やはり個の力でしっかりと勝たなければ、なかなか良い試合にはならないと思います。まずは1対1でしっかり相手に勝つ、相手と勝負するというところがすごく大事かなと思います。

ーー次戦へ向けて意気込みをお願いします

 次の立命大戦のために今まで全員でやってきました。この試合に負けたら引退ですし、この試合で勝ってこそ、昨年の雪辱、春の雪辱を果たせると思っています。特に4年生が中心となってチームを勝たせられるように、あと残り5日間、徹底した準備をしていきたいと思います。