早稲田大学 1ー2 産業能率大学


試合記事
関東大学リーグ戦は残り2試合。自力での昇格、優勝をつかむために2連勝が必須のア式蹴球部(ア式)。今節の相手は産能大。昇格の可能性は潰えたが上位につけてるため警戒が必要な相手だ。
立ち上がり7分にいきなり試合が動く。相手の中盤からの突破に対して適切な対応を取れず先制を許してしまう。早い時間に追い付きたいア式は、16分にMF神田拓人(スポ2=福島・尚志)のロングボールをMF高橋作和(法3=東京・国学院久我山)が受けてチャンスを作るもゴールへは結びつかない。22分にはDF伊藤稜介(スポ2=ジュビロ磐田U18)がミドルシュートでゴールを狙ったが枠を捉えきれず。迎えた34分、相手にコーナーキックをヘディングで合わせられて追加点を与えてしまう。ここで早くも交代を決断した兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)。39分にDF西凜誓(社3=名古屋グランパスU18)とMF山市秀翔主将(スポ4=神奈川・桐光学園)を投入して事態の立て直しを図る。その後は山市中心にゴールへ迫ったア式だったが前半のうちに得点は奪えず。前半を2点ビハインドで折り返す。
後半の頭にMF久米遥太(政経2=東京・早実)を投入、さらに攻勢を強める。49分に久米の右サイドの突破からチャンスを作るも得点には至らない。その後も久米を中心にゴールへ迫ったア式、60分に久米の中への仕掛けから、パスを受けたMF本保奏希(スポ4=JFAアカデミー福島U18)が冷静にゴール隅に決めて1点差に迫る。73分に相手のミドルシュートでゴールを脅かされるも、GK海本慶太朗(スポ3=大宮アルディージャU18)が冷静に対応する。74分、山市がボールを奪いきり、そのボールを受けた本保がミドルシュートを打つがシュートは枠外へ。82分も本保にミドルシュートのチャンスが訪れるが惜しくも枠を捉えられず。90分に左サイド伊藤稜がグラウンダーのクロスを上げて、佐久間が合わせたがブロックされる。95分に西からのクロスをDF石井玲於奈(商4=FC東京U18)が頭で合わせるも叩きつけたボールは、枠を超えてそのまま試合終了の笛。優勝に向けて勝利必須の大一番を1ー2で落とした。
2連勝で自力昇格、自分たちで望んでいた運命を手繰り寄せる大きなチャンスを手放してしまった。「腰の引けた試合の入りだった」と振り返った兵藤監督。アミノ杯に早期敗退したことで全国の舞台に立てなかった今季のア式。独特の緊張感を持つ「大一番」に対しての経験値が少なく、硬さや重さが立ち上がりで顕著に出てしまった。それでも途中出場で出てきた選手たちを中心に徐々に流れを取り戻しチャンスを作り出せたところは、今シーズンのア式が取り組んできたものの成果だろう。自動昇格は他会場の結果に寄るところだが、最低条件はア式の最終節での勝ち点3だ。現チームで戦うのは最大でも2試合、これまでの長い積み上げで目指してきたサッカーは今日の前半のようなものではないはずだ。もう一度自分たちを信じよう。もう一度顔をあげて戦おう。4月から始まったリーグもついに最終節。選手、スタッフ、応援部員、サポーター、全員が一丸となって勝利を掴み、明日を切り開けるか。2025シーズンのグランドフィナーレはもうすぐそこだ。
(記事:和田昇也、写真:安田直樹、山口愛結)
| Pos. | 背番号 | 選手名 |
|---|---|---|
| GK | 21 | 海本慶太朗 |
| DF | 2 | 佐々木奈琉 |
| DF | 4 | 石井玲於奈 |
| DF | 27 | 伊藤稜介 |
| DF | 30 | 尾崎凱琉 |
| MF | 9 | 鈴木大翔 |
| MF | 11 | 本保奏希 |
| MF | 14 | 森田大智 |
| MF | 24 | 高橋作和 |
| MF | 28 | 神田拓人 |
| FW | 29 | 山田皓生 |
| Pos. | 背番号 | 選手名 |
|---|---|---|
| GK | 1 | 雨野颯真 |
| DF | 3 | 増田健昇 |
| DF | 5 | 佐久間真寛 |
| DF | 7 | 西凜誓 |
| MF | 8 | 谷村峻 |
| MF | 10 | 山市秀翔 |
| MF | 17 | 秋山虎之亮 |
| MF | 20 | 久米遥太 |
| MF | 29 | 山田皓生 |
インタビュー
兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
一一試合を振り返っていかがですか
腰の引けた試合の入りからというところで、アップでちょっと動いてなかったというところも正直ありました。最初からいかないといけないというところは勇気を持ってというところは伝えたんですけど、固くなりすぎたというか、この緊張感のある中のゲームをしっかりと自分たちらしくできるかっていうところでは、厳しい試合を経験できてないっていうところの、経験値のところの差が出たかなと思います。こういう試合だと上級生の強みとか、上級生がどうするのかというのはかなりチームに大きく影響する中で、腰が引けてて、0-2になった瞬間に決断しないといけないなというところではありました。途中交代した選手からはしっかりとそのエネルギーを出して、チームを前向きにさせてくれたかなとは思います。ただ、全体的に一歩出足がいつもより遅いところだったり、戦うっていうところに対しての、ポイントを自分たちが見いだせなかったなかで、戦術的っていうよりもそこのベースがないと、何をやろうとも結局うまくいかないというところになってしまうので。自分たちがやるべきことをもう一回、リスクを背負わないといけないなという形です。全員がそれを遂行してくれるとしっかりとエネルギーが出て、実際後半は自分たちの流れには持ってこれたかなと思います。ただ、逆転して勝つっていうところまでは持っていけなかったので、決めるべき時に決めないと、難しいゲームになるっていうのはわかってたんで。そういう部分では、もったいないゲームだなとも思いますし、自分たちがまだまだ昇格ってそう簡単じゃないっていうのを突きつけられたゲームだったのかなと思いますね。
一一今日の試合は前半の2失点が結果的に決定づけてしまいました。どう振り返りますか
防げたと思います。出足のところで一個常に遅かったので、最初の出足っていうところは、外からもしっかりと発信してっていうところだったんですけど、中から行くっていうエネルギーを出し切れなかったというところでは、声がけの仕方だったり、最初のところのスイッチの入れ方というところが、もっと自分ができたことといったら、そういうところなのかなっていうところもあります。ただ、その中でやっぱりチームでやるべきことを遂行してくれないと、そこに対するエラーというのも見えにくいので、そこをこうやらずして、ふわっと入った三十分ちょっとになったのかなっていうのはあったんで、その中で修正できるところを、自分たちでというところです。それをやらずにってなると、準備してきたものが全部台無しになるんで、まずチョイスしたセンスが本当にベストだったのかというのは、あの監督としては、振り返らないといけないなというところです。ただ、チームとしてやるべきことをやってる時のエネルギーはちゃんと出せるというところはありながらも、やっぱりこの厳しいゲームを勝っていくのが、昇格するチームだと思ってるんで、そういうところでは最終戦また自分たちが試されると思います。どういう結果になるにしろ自分たちはしっかりとやるべきことをやったっていうところ、試合に向けての準備っていうところ。試合に向かうまでの姿勢と取り組みと、実際に試合の結果とというのは全てがつながってると思うので、今日から準備して、完璧な状態をどれだけ作り出して送り出せるかっていうところまでが、仕事だと思うので、僕の役割を全うする。で、プレイヤーはプレイヤーでしっかりと自分の役割を全うするっていうところでやりたいなと思います。
DF尾崎凱琉(スポ2=大阪桐蔭)
ーー試合振り返ってどうでしたか
前半の入りがチームとして悪くて、全員が大事な試合って分かってた中で、開始早々に失点してしまい、前半で2失点してしまうっていうのは、本当にチームの緩さというか、甘さが出たなと思います。でも後半はボール握ってた中で、ゴール前に迫れたシーンが何度もありましたし、チームとして積み上げてきたものっていうのは、出せたと思います。ただ、これを2失点してから気がついてやってるようじゃ多分遅いです。遅いし、1部昇格っていうのに繋がらないと思うので、次節は後半のようなサッカーをもっと前半からして、絶対勝って昇格したいなっていう思いです。
ーー前半は確かに緩さみたいな部分もあったとは思います。それが起こってしまった要因っていうのは、挙げるとしたらどこにあると思いますか
チームとして、球際、切り替え、運動量の三原則っていうところは、最初からやっていこうって話をしていた中で、球際のところが相手の方が勝っていて、自分たちなかなか球際のところで勝ててなかったっていうのが、相手に流れを持ってかれた大きな原因かなって思っています。
ーー次節に向けてどういうところを修正していきたいですか。
まずは球際のところです。今日は前半入りから相手に負けてしまっていたので、まあそこの切り替えと運動量と、切り替えの三原則というところをまずベースにしたいです。また、入りのところで全員が落ちてしまっていたと思いので、自分含めてそのチームを鼓舞する声というか、全体的に熱気が足りてなかったと思うから、次の試合は自分を中心に後ろの選手でもっと後ろからチームが良い方向に行くような声を入りから出していきたいなって思ってます。