【男子バレー】OB芳賀氏の活躍で会場も歓喜!全明大に46勝目を飾る

男子バレーボール

11月8日 第76回全早慶明定期戦 神奈川・慶應義塾大学日吉記念館

 第76回全早慶明定期戦第2試合は全明大との対戦。第1セット、中盤まで競った展開が続くも、終盤にかけて相手のミスや全早大(以下早大)のサーブで押しセットを取り切る。第2セット、全明大(以下明大)OBのサービスエースで勢いに乗り、相手に食らいつくものの多彩な攻撃を止めきることができずセットを落とす。第3セットは序盤から相手を突き放し、セットカウント2―1(25―22、23―25、25―15)で勝利し対全明大通算46勝目となった。

 第1セット、MBローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)のクイック得点からスタート。MB菅原啓(教3=山形南)がブロックでタッチを取り、OP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)のサイドへ伸ばしたトスをOH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)が打ち切りブレイク。しかし相手もブロックやサービスエースでブレイクし返し、11―13で先に早大がタイムアウトを取る形に。しかしここから早大が巻き返す。菅原のクイックで点を取り、セッター瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)のワンタッチからリベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)が2段トスを上げ、OH佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)がスパイクを決めきる。続けて相手のミスがあり4連続得点で前に出ると、終盤には小野のサーブで崩しローゼンがクイックで決め、さらに追撃のサービスエースで寄せつけない。最後は相手のサーブミスで25―22でセットを先取した。

レフトに二段トスをあげる布台

 第2セット、序盤から相手に先行されるかたちとなる。菅原のサーブを起点にサービスエースや切り返しの攻撃で得点し追いつくも、早大のミスや相手OBのサービスエースにより連続得点を許す。形勢不利な中チャンスボールがやってくると、小野が二段で打つと見せかけてフェイクセットで徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)にトスを上げ得点につなげるというプレーで会場を湧かせた。流れに乗りたい早大だったが、明大の硬い守備と多彩な攻撃により依然として追い越すことができず終盤へ。点差を詰めきることができず23―25でセットを落とした。

フェイクセットする小野

 第3セット、川野のブロックポイントや徳留のサービスエース、さらに布台や徳留のディグで粘り相手のミスを誘うなど6連続得点で序盤から11―5と突き放す。勢いは止まらず菅原のブロックや川野のサービスエースでブレイク。更に菅原のサービスエースと途中出場の芳賀雄治(令5商卒)がブロックシャットで畳みかける。伊東昌輝(商3=山梨・日本航空)が体を張ってフォローしたボールが相手コートに落ちて得点になるなど流れは完全に早大のものに。芳賀のサーブ時には観客から拍手でエールが送られるなど会場を味方につけ、最後はこのセットで大活躍を見せた芳賀のバックアタックで25―15で試合を締めくくった。

活躍を見せたOB芳賀と喜ぶ現役選手たち

 第1セットから慶大戦とスタートのメンバーを入れ替えて臨んだ今試合だったが、安定したプレーを発揮した。フェイクセットやサービスエース、交代で出場した選手の活躍などを通して会場を大いに盛り上げた早大。OBとの交流の場となる伝統の一戦は現役生たちにも刺激をもたらしたのではないだろうか。

全早大として戦いきった選手・スタッフ

早慶明の集合写真

(記事 井口そら、写真 井口瞳、上野沙織、中井遥音)

セットカウント
全早大

25-22
23-25
25ー15

全明大
スタメン
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)
ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南)
ミドルブロッカー ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)
オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
セッター 瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)
リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園)
途中出場

芳賀雄治氏(令5商卒)
板垣慧(政経4=京都・洛南)
梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園)
伊東昌輝(商4=山梨・日本航空)
徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)

※慶大戦、明大戦のコメントをまとめて掲載しております

コメント

OB代表・本間隆太コーチ(平24スポ卒=神奈川・弥栄)

――1試合目は選手としての出場でしたが、振り返ってみて 

 1セット目終盤しか出ていないのですが、僕がプレーをして何かを伝えたいなという気持ちではいました。実際にプレーしたのは3点だけなのですが、今日の試合までのウォーミングアップだったり、何か1つでも学生のヒントになればいいなと思ってボールを扱っていました。布台(聖)もアップが終わった後にレシーブのフォームとかを見て、「もう少しこうした方がいいですか」とか質問もしてくれたので、僕としては選手として出ることは今年はやらないって断っていたのですが、選手としてやって少しは良かったかなと思いましたね。 

――2戦目は監督という立場でしたが、選手にどのような声かけを行いましたか 

 今日見た感じで多分1000人以上お客さんが入っていたと思うのですが、秋リーグで出番がない選手をなるべく、インカレが長期間になるので7人だけで勝つことはできないので、そういう意味で試合経験が少ない選手を中心に、「行くぞ」という声かけをしました。後はとにかく練習でやっていることを全部出すっていうところで、誰が出ても同じバレーができるっていうのが最終的にチームが目指すところだと思うので、そういうことを選手は言わなくても分かっていると思うのですが、そういう意味では今日は良かったかなと思います。プレーもそうですしベンチワークも良かったと思います。 

 ――OBという立場から現役の選手にメッセージをお願いします 

 4年間はあっという間で、例えばリーグ戦も春と秋ってありますけど、1年生から4年生で8回しかないので、1年1年、もっと言うと1日1日をどう過ごすかというのが大学生活において本当に大事だなと思っています。1年生で4月に入学した時と、4年生の3月に卒業する時で、バレーボール選手としても人間としても、ものすごく成長したなって自分でも分かるくらいのことができたと思うので、大学が終わると社会人だから悔いがないくらい努力をしてほしいですね。それは自分にとにかく負けないことだと思うのですが、一気に上手くなることもできないし、人として一気に成長することもできない。けれどコツコツやることで最終的に自分が気づいた時に、自分ってここまで来ていたんだということを感じることができると思うので、1日1日を大事にコツコツ努力することを頑張ってほしいなと思いますね。

OB代表・芳賀雄治氏(令和5商卒)

――慶大戦、明大戦をそれぞれ振り返っていかがでしたか
 まず慶應戦からお話させていただくと、早稲田と慶応って因縁のライバルで、早慶戦も含め過去リーグ戦でもたくさん当たっていますし、僕が学生時代の時も何回か対戦させていただいて、すごいいい勝負をさせていただいた経験もありますし、苦い思い出もした経験もありますし、そういう意味ではすごく感慨深い試合だったなというのを振り返って思っています。個人的には途中出場してあまり活躍できなかったというか、少しヘマをしてしまったとこあったのですけど、そういう意味でも色々な思い出ができた試合だったに思っています。
 明治戦については、今、関東1部1位、2位の対決ということで、非常に観客の皆さんも注目が集まる試合の中で、すごく1、2セット目も白熱した戦いで、見ていて鳥肌が止まらなかったっていうのは、正直言うとあるところでして。一方で選手として出させていただく機会もあったので、出場機会をもらったならしっかりやっていこうと。思い切って、OBとか関係なく、選手たちの、学生たちの皆さんの雰囲気を盛り上げられるように一生懸命やろうという気持ちで望んで、結果としてはあのようなかたちになったのですが、その結果どうこうというよりか、そこまでで皆さんが作ってくださった雰囲気とか、采配とかですごく感謝している部分もあるので、そういう意味では明治戦も思い出深い試合になったかなと思います。
――明大戦では終盤に大きく活躍されていましたが、ご自身のストロングポイントがあれば教えてください

どっちかというと一般人と比べると身長大きいのですが、バレー選手と比べると身長大きくないっていう、学生時代からずっとあったので、そういう意味ではサーブレシーブと、あとはブロックがついた時のスパイクの打ち方っていうのを大学の時もずっと練習していたので、それは社会人でバレーやっている今もすごく意識していて。個人的には他の人比べたらあれですけど、優れているポイントなのかなとは思っています。
――4年生の成長ぶりを感じた瞬間はありましたか

 プレイは言わずもがなずっと彼らも一生懸命練習していますし、頭使って苦労してやって成長しているので割愛させていただくのですが、どっちかというとやっぱり僕が見ていた4年生って1年生だったので、一生懸命仕事やるとか、先輩に怒られないみたいなところに重きを置いてやっていて。で、何度か叱ったこともあったりした中で、こうやって4年生になるとリーダーシップとか出てきますし、最上級生の自覚みたいなのが、発言の1つ1つとか、考え方とか、全体を見ている感じひしひしと伝わってきていて、そういう意味では人間って責任が伴うと深くなるのだなというのをしみじみと感じましたね。ベンチにいた時いつ絡んだらいいんやろうと思っていました。

――芳賀さんがいることによってチームの雰囲気が明るくなっていましたが、意識していることはありましたか

 もう少し現役の時は真面目でした(笑)真面目側で僕みたいなやついたらなんだこいつと思ったのですが、せっかく呼んでいただいたので、僕にできること何かなって考えたら、僕なりのエッセンスをこう入れることを松井先生と話していたので、その辺は少し意識してやっていましたが彼も真剣にやっているので、そこはもちろん距離取りながら。うまくバランス取っているって感じですかね。

――全日本インカレに向けて頑張っている後輩へのメッセージをお願いします。

 全部出せ!

ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)

――慶大戦、明大戦をそれぞれ振り返っていかがでしたか

 個人的には良いプレーができたんじゃないかと思うんですけど、チーム的にブロックのシステムがバラバラな時があったので、まだそこに課題があるかなという感じがあります。

――サーブポイントやサーブで崩すシーンが多かったですが、サーブに関してはいかがですか

 1試合目の慶応戦はサーブは自分的には良かったなというところがあったんですけど、明治戦になって前のサーブの駿太(小野、スポ2=静岡・聖隷クリストファー)がサーブミスで、前ミスという状況でミスをしてしまったので、そこはチームルール的にダメだなというところがあるので、改善できればなと思います。

v明大戦ではコミットでブロックが寄るなどマークされていましたがターン方向にうまくかわしていました、どのような意識でしたか

 1試合目の慶応戦では凌吾さんがいつも通り良いトスを上げてくれたんですけど、2試合目の瀬川(桜輝、スポ1=宮城・東北)は(トスを)あまり合わせてないという状況でもトスでカバーしてくれて打ちたいところでちゃんと打てたのでポイントにつながったのかなと思います。

――全日本インカレに向けて

 このままいけばスタメンを取れると思うので、スタメンで出た時には自分らしさを出して、チームを鼓舞できるように頑張っていきたいと思います。

瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)

――慶大戦、明大戦をそれぞれ振り返っていかがでしたか

  秋リーグはあまり出番が多くなかったのですが、こういった定期戦で出していただいて非常に貴重な機会だったと思いますし、自分の良さを少しずつ出せてきたので、良かったと思います。

――明大戦はスタートから出場でしたがどのようなことを心がけていましたか

  明治さんは守備がいいと思うので、その守備をどうやってかいくぐるか、攻撃の組み立てを考えていました。特に、真ん中のクイックとパイプの攻撃をしっかり使うことを心がけてやっていました。

――明大戦終盤、芳賀さんにトスを上げていた時の心境は

  早稲田のOBとして一緒にプレイさせていただいて、感謝の気持ちもありますし、こういった定期戦の機会ですので、最後は先輩に決めてもらえたらなと思いました。ラスト(トス)をあげて、しっかり決めていただいたので、自分も非常に嬉しく思っています。

――全日本インカレに向けて

  4年生と一緒に戦える最後の大学の大会になるので、自分がもしコートに入ってプレーすることになったら、自分の出せる力を全部出すというところを意識して行いたいと思います。プレー以外の部分でも、4年生や先輩方がしっかりプレーできるように、サポート面でも貢献できたらなと思ってます。