【女子サッカー】決定機つくるも決めきれず、延長後半に失点 皇后杯1回戦敗退

ア式蹴球女子

第47回全日本女子サッカー選手権大会 皇后杯1回戦

2025年11月8日(土)10:30 Kickoff

@神原スポーツ公園多目的グラウンド <シャルムスタジアム>

試合結果

チーム 前半 後半 延長前半 延長後半 合計
早大 0 0 0 0 0
ディオッサ出雲FC 0 0 0 1 1

得点者

延長後半

117分 丸尾 梨菜(相手)

 今年で47回目を迎える全日本女子選手権(皇后杯)が開幕。ア式蹴球部女子(ア女)は1回戦、なでしこリーグ2部所属のディオッサ出雲FCと対戦した。2年ぶりに皇后杯本戦に出場したア女。前半の早い時間帯で窮地に立たされるが、そこを乗り越えると安定したプレーを披露。しかし相手の牙城を崩すことができず、得点を挙げられない。そのまま試合はスコアレスで延長戦に突入する。ア女が優位に立って試合を進める中、117分に相手が数少ないチャンスを得点に結びつけ、先制を許してしまう。ビハインドから追いつくことができないまま、試合は終了。120分の死闘はディオッサ出雲FCに軍配が上がった。 

パスを出すMF宗形みなみ主将(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)

 キックオフ後しばらく膠着状態が続いていたが、最初にピンチを迎えたのはア女だった。11分、自陣でボールを回していたア女は相手FWにボールをカットされ、枠内シュートを打たれたが、DF杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)がスライディングでクリア。その後もGK田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が立て続けにスーパーセーブを見せ、ゴールを死守する。連続でピンチを防いだ守備陣の活躍を契機に、ア女はボールを回しながら敵陣に攻め込む。20分にはFW生田七彩(スポ4=岡山・作陽学園)がシュートを放ち、その後FW﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)もゴールに迫るが、得点とはならなかった。その後も多くのチャンスがア女に訪れたが、決め切ることができずに前半を終える。

ボールを運ぶMF三宅万尋(スポ2=東京・十文字)

 後半もイニシアチブを握ったア女。ハーフタイム明け最初のチャンスは51分、途中出場となったMF三宅万尋(スポ2=東京・十文字)がピッチに投入されて早々にチャンスを演出する。右サイドからクロスを上げ、ターゲットのMF福岡結(スポ2=岡山・作陽学園)が直接合わせるも、ボールは枠外に飛ぶ。その8分後、今度は最終ラインの杉山がロングボールでチャンスメーク。生田にボールが渡り、シュートを打つが相手GKに止められた。それ以降もア女は多種多様な攻撃で敵陣のボックス内に侵入し、枠に目掛けてボールを蹴るもゴールネットを揺らせず。スコアレスのまま、90分を終えることとなった。

パスを出すMF千葉梨々花(スポ3=東京・十文字)

 15分ハーフで行われた延長戦もア女が試合をコントロールした。後半から出場するMF小島世里(スポ1=東京・十文字)や三宅らフレッシュな面々がサイドから状況の打開を画策。ビッグチャンスがやってきたのは100分。相手選手の背後に抜け出した三宅はドリブルで相手ゴールに迫る。数的優位の局面で三宅はシュートを選択したが、枠内に飛ぶことはなかった。わずか2分後、三宅が敵陣でボールを奪取。ターンから勢いよくシュートしたが、ボールはクロスバーに嫌われる。試合が動いたのは117分だった。相手にこの試合9本目のコーナーキックを与えたア女はボールをクリアすることができず、相手選手に押し込まれて痛恨の失点を喫する。後がなくなったア女は懸命にゴールを狙う。しかし残りの少ない時間で得点を挙げることはできず、主審の長いホイッスルが試合終了を告げた。

試合後に悔しい表情を浮かべる選手たち

 数多くのチャンスを作り出したがあと一歩のところでゴールが生まれず、0―1の完封負けとなったア女。関東予選を勝ち抜き、挑んだ皇后杯本戦は1回戦敗退という結果に終わった。しかし、今季のア女はまだ日本一の称号を諦めた訳ではない。12月に開幕する全日本大学女子選手権(インカレ)で優勝し、大学日本一の称号を目指す。4大会ぶりの王座奪還へ、下を向いている時間はない。チーム一丸となって、ア女は歩みを進める。

(記事 堤健翔、写真 荒川聡吾) 

スターティングメンバーの集合写真

スターティングメンバー(◎はキャプテン)

GK 1 田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
DF 2 新井みゆき(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
→三宅万尋(スポ2=東京・十文字)
→118分、川本美羽(社3=新潟・帝京長岡)
DF 3 杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)
DF 25 小林睦(スポ1=湘南ベルマーレU18ガールズ)
→80分、福島茉莉花(スポ1=東京・十文字)
DF 30 吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)
MF 6 千葉梨々花(スポ3=東京・十文字)
→72分、佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)
MF 7 﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 10◎ 宗形みなみ(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)
MF 19 福岡結(スポ2=岡山・作陽学園)
FW 9 生田七彩(スポ4=岡山・作陽学園)
→93分、小島世里(スポ1=東京・十文字)
FW 17 米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)

試合後インタビュー

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)
--今日の試合を振り返っていかがですか
 チャンスは多く作れてた中、勝ち切れなかったです。最後の失点は、今季セットプレーでやられてることが多いので、「またか」と思ってしまいますが、守備陣が(オープンプレーは)基本的にいつもゼロで崩されずに守ってるからこそ目立つ失点だと思っています。まず得点を決めきれなかったという部分をインカレ(全日本大学女子選手権)までに選手たちが自信を持てるように改善したいと思います。

--決定機を幾度とつくった一方、点が入りませんでした。攻撃はどの部分において修正がいると思いますか
 (試合を通して)優位な状況をつくることができました。スプリントをかけてシュートを打ち切るプレーやクロスをGKにキャッチされるのではなく、しっかりと中に上げるところがフィジカル面と技術的な面で今季の課題になっています。このまま今季は内容は良いけど、結果的に勝てなかったで終わらないように結果を出すことに改めて何が必要か突き詰めていきたいです。

--関カレを含めて、終盤に失点する試合が続いています。技術、精神面を合わせて選手たちにはどのようなことを求めていきたいですか
 精神的な観点で言うのであれば、それは試合だけで改善できることではないです。終盤のところで自分たちがやられてるというイメージが脳の中にあるのであれば、そこを払拭するには日頃の練習の中からどこまで試合に近い状況を再現できるかが重要です。ボールをはじき返すプレーや取り切るプレーなどそういう部分を突き詰めていくことが必要だなと。原因は精神面だけではないと思うので、多角的にしっかりと分析していきたいと思います。