第37回 関東学生リーグ戦 FINAL
11月3日 東京・駒沢オリンピック公園第二球技場
| Team | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | EX1 | EX2 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 早稲田大学 | 1 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 5 |
| 明治学院大学 | 2 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 6 |
得点者
1Q
小川隼人
2Q
小川隼人
3Q
三戸優也、小川隼人
4Q
山﨑柚貴
ついに迎えた関東最終戦。チームにとってFINALの舞台は単なる通過点ではなく、全国で戦うための重要なステップだ。このFINALでの勝利こそ、全国に向けた追い風となることだろう。この日の相手は、今シーズン二回目の対戦となる明学大。FINAL4では昨年全国制覇を成し遂げた慶大を撃破し、乗りに乗っている。油断はならないが、早大も勢いでは負けていない。日体大戦で見せた圧巻の攻撃力を武器に、関東の頂上決戦に挑んだ。

この日のスターティングメンバ―
第1Q(クオーター)最初の攻撃権は、明学大が獲得する。DF野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)の活躍でボールを奪い返す場面もあったが、すぐさま相手に立て直されてしまう。DF島田和毅(商3=東京・早大学院)の強度の高いディフェンスがうまく機能するも、俄然厳しい状況が続く。タイムアウト明け、仕切り直したいところだったが相手に連続得点を入れられ、2点ビハインドの状況に。苦しい試合展開となるも、第1Q終了間際にAT小川が貴重な一点を生み出し、チームの流れを大きく変える。
第2Qでは、早大がフェイスオフから早い攻撃を作り出す。相手がマンダウンで絶好のチャンスとなると、AT山﨑柚貴(人4=東京教育大学付属中教)が華麗なアシストでボールをゴール付近まで運ぶ。AT山﨑からボールを受け取ったAT小川は間髪入れずに鋭いショットを放つ。さすがのオフェンス力で同点打を決めるが、今度は長めのショットを綺麗に打たれてしまい、2ー3で前半を折り返す。

攻めるAT吉田
第3Qは相手のポゼッションから試合が始まるも、すぐさま攻撃権を取り返す。勢いそのままにMF三戸優也(商3=東京・早実)が下からのショットに成功。再び試合を振り出しに戻す。その後は相手が何度も攻撃を仕掛けるが、G長田謙伸(政経3=埼玉・大宮開成)、DF野澤主将、DF福島颯太(社学2=東京・早実)など個の強さが光り、相手に一得点も許さない。残り一分では、AT小川が待望の勝ち越し点を決め、ついにリードを奪ってみせた。
このまま点差を広げたい第4Q。序盤、MF内田玲央(商3=東京・國學院久我山)が流れるようなフットワークで相手守備を翻弄するも、得点まではつながらない。スコアは4-3。一点も許されない緊迫した空気が会場内に漂うが、G長田はそのプレッシャーをものともしない。相手との1on1を確実に食い止めると、今度は明学大がタイムアウトを要求する。だが、ここから早大にとっては厳しい状況に。攻撃をさらに加速させた明学大に対し、早大がマンダウンを取られ、守備が一人少なくなる。なんとかゴール前だけは守ろうとするも、数的不利を対策することができず、相手に連続ゴールを入れられてしまう。相手の加速した攻撃によって4-5の一点ビハインド。残り時間も刻々と過ぎる中、この日チームを救ったのは背番号16番、AT山﨑柚貴だった。残り40秒。観客も息を呑んで見守る中、AT山﨑が執念の意地でボールを放つ。全員がその行く末を見守る中、ボールはゴールへと吸い込まれ、土壇場で明学大に追いついた。

喜ぶ選手たち
そのまま試合時間が終了。勝敗はサドンデスに持ち越された。前後半4分ずつ、決めたら終わりの一発勝負となる。前半最初のFOを任されたのはFO富田隼平(商3=神奈川・大和)。持ち前の強さで攻撃の糸口は作り出すも、得点までには一歩届かない。両チームともに固い守備を見せ、得点が動かないまま試合は延長戦後半に突入する。
後半は、終始明学大に主導権を握られる。ひたすら相手の攻撃を止める苦しい状況。だが、この日セーブ率70%と大活躍を見せるG長田が、チームを何度も救う。ディフェンス陣も一丸となってゴール前を守るが、相手の連続攻撃から一瞬のほころびが生まれてしまう。そのわずかな隙が勝敗を分けた。反応する間も無く放たれたボールは静かにネットを揺らし、その瞬間早大の敗北が決まる。最終スコア5-6。わずか一点差で勝敗を逃す形となり、この結果、早大は関東2位として全国大会に出場することが決定した。

勝ち越し点を決められ、悔しがる選手たち
歓喜に沸く明学大の横で、選手らは静かに悔しさを噛み締めた。去年のFINAL4で味わったサドンデスでの敗北。リーグ戦で一度はリベンジを果たしたものの、このFINALの舞台で再び敗北を喫する結果となった。しかし、日本一への道が途絶えたわけではない。むしろ、ここからが始まりだ。最後に勝つのは野澤組だと証明するために、早大は決勝の舞台を目指す。まずは初戦突破が絶対条件だ。一戦一戦、確実に歩みを進めていこう。その先にこそ、悲願である「学生日本一」の称号が待っている。
(記事 高津文音 写真 石澤直幸、林朋亜、小畑萌)
試合後インタビュー

小川隼人(政経4=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
とにかく悔しいです。去年もFINAL4のサドンデスで明学に負けていて、今年も結局サドンデスで勝ちきれなかったのはチームの詰めの甘さが素直に出たのかなと思います。
――明学大との対戦は今シーズン二回目だと思いますが、プレー面ではどんなことを意識していましたか
明学はFINAL4では慶應相手に2失点でディフェンスがかなり堅いチームなので、そこに対して徹底的に準備してきたんですけど、相手のゴーリーがかなり上手くて、得点を決めたいところでなかなか決めきれなかったことが悔しい限りです。
――今日の試合を通して見つかった課題を教えて下さい
細かいミスであったり、ブレイク状況、数的有利のシーンで上手く点を決めきれなかったことがもったいなかったです。逆にそこを決めきれば絶対に勝ちきれた試合だったと思うので、切り替えてもう一度細かい部分を詰めて全国では勝ち切っていきたいなと思います。
――これからは日本一をかけた全国の戦いが始まります。意気込みを教えて下さい
もちろん日本一を取ることは目標ですし、今までも負けて良かった試合というのはよく考えれば無かったので、今まで通り一戦一戦集中して臨んだ結果日本一に繋がるのかなと思っています。

山﨑柚貴(人4=東京教育大学付属中教)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
オフェンスとしてはやりたいことはできていたんですが、点を決め切るところがなかなかうまくいかなかったのでそこは修正していきたいです。あとは全体としても止めるべきところを止められなかったので、そこは全国に向けて改善していきたいと思いました。
――明学大との対戦は今シーズン二回目だと思いますが、プレー面ではどんなことを意識していましたか
戦術的なところで言うと、明学のディフェンスの形があまり自分たちが得意とする形ではないので、そこはしっかりと対策してこの前の試合の通りにできたらなと思っていました。
――ゴール前のアシストがうまく機能していましたが、ご自身の手応えとしてはいかがでしたか
自分自身アシストが多いプレイヤーなんですが、そこを今回は明治学院に対策されてしまいました。これからはアシストだけじゃなく、自分で点を取るプレーもしないといけないなと思います。
――これからは日本一をかけた全国の戦いが始まります。意気込みを教えて下さい
自分自身としても、チーム全体としてもしっかりレベルアップして、少しでも優勝できる確率を上げていけたらなと思います。