【馬術】圧巻 細野が総合馬術個人3連覇!

馬術

全日本学生馬術大会2025 10月29日~11月3日 三木ホースランドパーク

 早大からは6月の関東学生競技大会(関東学生)を突破した4名が出場。個人では細野光(スポ3=東京・桐朋)が総合馬術で優勝し、3連覇を果たした。

 試合日程は最初の2日で章典障害馬術競技大会(障害馬術)が行われ、次の2日間で章典馬場馬術競技大会(馬場馬術)と章典総合馬術競技大会(総合馬術)の馬場馬術競技が行われ、最終日に総合馬術のクロスカントリー競技と障害馬術競技が行われた。

 障害馬術には中山颯慈(教2=東京・早実)とジョルジオ・アルマーニ、中島妃香留副主将(スポ3=茨城・水戸葵陵)と稲叶、細野とTHムーシェの3組が出場。中山とジョルジオが早大の先陣を切るも2反抗で失権。中島副将と稲叶が11位、細野とムーシェが17位でこの種目を終えた。これにより、各大学上位3名の総減点数でポイントを競う団体の結果は7位となった。

 続く馬場馬術には舩田大翔主将(商4=広島・広島城北)とココドロ、細野とブリタニア7の2組が出場。前回大会の優勝者である細野とブリタニア7が安定感のある演技で決勝へ駒を進めた。決勝では技術点に加え、芸術点が加味される。最終合計得点率67%越えの演技を披露するも、一歩及ばず結果は4位入賞。本競技連覇は逃した。

 残るは総合馬術。中島副将とデクスター、細野とムーシェの2組が出場。前回大会ではこの二人がそれぞれ準優勝と優勝を飾った。さらに細野は1年のころからこの種目を連覇しており、もし今年も勝てば3連覇という試合。当初乗る予定だったバートエルJRAがインペクションに引っかかり、急遽ムーシェに変わるというアクシデントがあるも細野は落ち着いていた。馬場馬術で最終得点70%をたたき出し3位の好位置につける。中島副将とデクスターは「馬のテンションが異常に高かった」と苦しみ22位で馬場を終えた。続くクロスカントリーでは2ペアともにタイム減点・障害減点0の好走を見せる。中島副将とデクスターは10位と大きく順位を伸ばした。細野とムーシェは2位につけ、1位の選手との減点差はわずか3.2。最終競技の障害に勝負の行方は託された。先に中島副将とデクスターが飛び、一つ障害を落として結果は10位。本来の実力を考えれば悔しい順位となった。そして優勝決定戦。障害はこれまでの競技順位から逆順で飛ぶことになっている。先に2位の細野とムーシェが総減点0の完璧な走行を見せ、1位の選手にプレッシャーをかけた。そして相手ペアの最終障害が落下。この瞬間、細野とムーシェの逆転優勝が決まった。

 

総合馬術の馬場競技で演技をする細野とムーシェ

 1週間に及ぶ大会を戦い抜いた早大馬術部。結果に抱く思いは様々だろうが、次を見据え悔いなく走りぬいてほしい。

                                          (記事、写真 井深真菜)

 

 

結果

▽第75回全日本学生賞典障害飛越競技大会(障害馬術)

7位 早稲田大学 25ポイント

個人11位 中島、稲叶 合計総減点8 合計総タイム150.59、60ポイント

個人17位 細野、THムーシェ 合計総減点12 合計総タイム162.05 42ポイント

失権 中山、ジョルジオ・アルマーニ 合計減点WD 2ポイント

 

▽第68回全日本学生賞典馬場馬術競技大会(馬場馬術)

個人4位 細野、ブリタニア7 最終得点率合計67.460%、 81ポイント

個人26位 舩田、ココドロ 最終得点率56.593% 23ポイント

 

▽第68回全日本学生賞典総合馬術競技大会(総合馬術、最終結果)

個人優勝 細野、THムーシェ 3種目総減点29.7 100ポイント

個人10位 中島、デクスター 3種目総減点39.2 63ポイント

 

コメント
中島妃香留副主将(スポ3=茨城・水戸葵陵)                                             

総合馬術の馬場馬術で演技をする中島とデクスター

――章典障害と総合馬術それぞれの結果を振り返っていかがですか

 章典障害、賞典総合共に、今回の結果は全く納得のいくものではありませんでした。
賞典障害では、昨年と同じく稲叶とコンビを組みましたが、今年は馬の体調の関係でトレーニングが一切できずに大会を迎えました。結果を残すことはできませんでしたが、2日間ともゴールを切ることができたことに満足しています。
賞典総合でコンビを組んだデクスターとは、折り合いが着いてきていたため今年は上位を狙っていました。しかし、大会期間中馬のテンションが普段と異なり、ベストをつくすことができませんでした。今年こそはデクスターを輝かせたいと思っていたので、とても悔しい気持ちです。

――稲叶とデクスターそれぞれ馬との折り合いなどはいかがでしたか

 稲叶は、3ヶ月前に脚を負傷し運動ができず、大会に出場できるかも怪しい状況でした。馬の能力、状態が結果に大きく関わる馬術競技において馬のトレーニングはとても重要で、今の稲叶は勝負できる状況ではありませんでした。そんな中で、入厩してから毎日少しずつ調子を戻していき、本番2走行目(障害馬術)では減点0でゴールを切ることができました。稲叶の頑張りに感動させられました。
デクスターとは1年次にもコンビを組んでおり、1年ぶりに共に全日本学生に参加しました。コンビ歴も3年目となり、関東学生では入賞、普段の練習ではとても手応えを感じていました。しかし、今大会で競技場に入厩してから毎日テンションが異常に高く、普段通りの運動をできないまま競技当日を迎えました。案の定、初日の馬場馬術競技で馬のテンションを抑えることしかできず、点数をとる事ができなかったため、順位をあげることができませんでした。入厩前の練習が良い状態だったために、とても悔しく馬術の難しさを改めて感じました。

――今後の大会への意気込みをお願いします

 3年目の全日本学生が終わり、とうとう最後の1年が近づいてきています。残された学生としての時間を無駄にせず、同期や後輩、馬たちと先を見据えた練習に取り組み、4年生では個人、団体共にタイトルを取ることを目標に尽力してまいります。

 

細野光(スポ3=東京・桐朋)

――総合馬術での3連覇を達成しました。振り返っていかがですか

3連覇できたことは素直に嬉しいです。馬も頑張ってくれていたし、ひとつひとつ準備してきたことがつながったかなと思います。

――障害での逆転優勝となりました。満点で走行しましたが、その時の心境を教えてください

それまで2位だったので、自分にできることは満点で走行して1位の選手にプレッシャーをかけることだと思いました。やることはできたので、あとは待つだけだなと思っていました。

――今後の大会への意気込みをお願いします

今年はあと一つ全日本総合馬術選手権というシニアの日本一を決める大きな試合があるので、そこで良い結果を残すことが直近の目標です。そして、来年4連覇を目指して馬と一緒に頑張ります。

 

舩田大翔主将(商4=広島・広島城北)

今年からココドロとコンビを組み、関東学生を突破して全日本学生に出場した。そんな主将に引退試合となる早慶戦に向けての意気込みを聞く。

――早慶戦でのチーム目標について

 もちろん慶応には勝ちたいです。いつも馬場も障害もギリギリの試合になって、OBが勝った方が最終的に勝つということになりがちで。なので学生の初日で勝ちに近づけるようにしたいです。

――ココドロとも最後の演技です。個人としての目標は

 来てくれる皆さん、目標としては(馬場馬術で)60%を超えたいと思っています。今年からコンビを組ませていただいて、なんとか全日本学生まで来られました。ただ、まだ会心の演技ができていない。要所要所でいい点もあったんですが、やはり最後なので会心の演技を見せられるように頑張りたいと思っています。

――今年は東伏見・ホームでの開催です。応援してくれる人たちに一言お願いします

来てくれる皆さん、応援してくれる皆さんの力があって馬術部は継続していけると思います。その人たちに早稲田の価値を見せられるように頑張ります。