【女子ハンドボール】インカレ初戦 前半シュートに苦戦するもディフェンスで粘り勝利!

女子ハンドボール

全日本学生選手権 11月2日 いしかわ総合スポーツセンター

 学生ハンドボールの頂点を決める全日本学生選手権(インカレ)が開幕した。目標のメダル獲得に向け、早大は中京大との一戦に臨んだ。試合は、前半から両チーム共シュートが入らない時間が続き9-11とロースコアの展開となる。しかし後半の立ち上がりから、エース山野紗由(スポ4=北海道・釧路江南)らの気迫のこもったプレーが続き逆転に成功。その後も手に汗握る展開が続いたが、集中力を切らさなかった早大が勝ち切り、まずは初戦を突破した。

3枚目を守る山野(右)と杉浦亜優(スポ4=愛知・名経大市邨)

 インカレならではの緊張感ある雰囲気が漂う中、早大ディフェンスで試合が始まった。「試合に出ている以上は自分のプレーにしっかり自覚と責任を持って」と話すルーキー・倉持愛泉(スポ1=千葉・昭和学院)がロングステップシュートを打ち込むものの決まらず、相手に先制を許す。しかしすぐさま早大も反撃。井橋萌奈(スポ3=東京・白梅学園)がディフェンスの1、2枚目間を割ったシュートで1得点目を決めると、倉持が獲得した7メートルスローで連続得点。流れがこちらに傾くかと思われたが、サイドに寄せたシュートがなかなか決まらない時間が続く。それでも大野蒔絵(スポ3=埼玉・市立浦和)や江頭理紗(スポ3=東京・ICU)が苦しみながらも得点を重ねた。前半25分までに6-9とロースコアな展開となっていたが、ついにエース山野が目覚める。持ち前のミドルシュートやスカイプレーでチームを鼓舞し9-11で前半を終えた。

シュートを放つ倉持

 2点ビハインドで迎えた後半は、倉持のカットインシュートで幕を開けた。前半終了間際からの山野の奮闘によりチームの流れが変わる。倉持が獲得した7メートルスローで井橋が逆転に成功すると、後半16分には山野がロングシュートで3連続得点を決め、点差を広げた。またこの日はサイドシュートに苦しんだ大野だったが、積極的にクロスカットを仕掛け、ディフェンス面からチームに貢献。試合終了間際には倉持がダメ押しの速攻で得点し、23-21で競り勝った。

終了後安堵の表情を見せるワセダセブン

 インカレ初戦は流れをうまくつかみ切ることができず、2点差での勝利となった早大。しかし井橋が「チームの中で『オフェンスがうまくいかなくてもディフェンスしっかり守ろう』ということを話していた」と語るように、オフェンス面で苦しむ時間に、ディフェンスでしっかりと力を出し切り、相手に大量リードを許さなかった。次戦は関東学生リーグでも対戦経験がある日体大との対戦。今年の対戦成績は2戦全勝とだけあり、勝機をつかみたいところだ。

(記事 大村谷芳、写真 片山和香)

全日本学生選手権(インカレ)
早大 23―21 中京大

9―11
14―10

スタメン

GK 作本夕莉(スポ3=福岡・明光学園)
CP 倉持愛泉(スポ1=千葉・昭和学院)
CP 大野蒔絵(スポ3=埼玉・市立浦和)
CP 山野紗由(スポ4=北海道・釧路江南)
CP 杉浦亜優主将(スポ4=愛知・名経大市邨)
CP 山田梨央副将(スポ4=千葉・昭和学院)
CP 井橋萌奈(スポ3=東京・白梅学園)

コメント
山野紗由(スポ4=北海道・釧路)

――初戦を突破されて、今の率直な思いを聞かせてください

 勝って良かったという気持ちがまず一番です。流れが良い試合ではなかったので、とにかく明日もまた試合ができることがうれしいですし安心しています。

――前半を2点ビハインドで終えましたが、ハーフタイムにはどんなことを話していましたか

 みんなポジティブな声かけが多くて、ディフェンスで守り切ることと、オフェンスでシュートが入らなくてもしっかり勝ち込んでいこうということを話して、みんな思い切り気持ちを入れていました。

――苦しい場面の連続得点が印象的でしたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 もっと序盤から自分の得意なミドルシュートを打っていたら良かったという反省はあるのですが、後半は自分のシュートを相手のキーパーをしっかり見て打つことでもができたので良かったと思います。

――最後に次戦へ向けて意気込みをお願いします

 明後日も明明後日も、みんなと一緒に試合したいので、絶対絶対絶対勝ちます!


井橋萌奈(スポ3=東京・白梅学園)

――試合を振り返っていかがですか

 前半はうまくいかないことも多くて、自分たちの流れに持っていけなかったのですが、チームの中で「オフェンスがうまくいかなくてもディフェンスしっかり守ろう」ということを話していた中で、後半はディフェンスしっかり粘って、シュートも1本1本しっかり決めて、最後に勝ち切れたので今はとにかく安心したというか、良かったという気持ちでいっぱいです。

――チームの1得点目は井橋選手のゴールでした。ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 1点目を取れたのは、相手チームの分析をしっかりしていたからかなと思います。自分の前のディフェンスは1対1がウィークポイントだと分析していたので、絶対合うとカットインしてやろうという気持ちがずっとありました。ちょうどあみが良いパスをくれましたし、そういう部分があの1点につながったのかなと思います。あとはチームで今日はサイドシュートがなかなか決まらなかったりとシュートミスが多かった中で、せっかくみんなが取ってくれた7メートルだけは絶対に決めないといけないという気持ちでプレーしていました。

――試合後の集合ではどんなお話がありましたか

 インカレは負けたら終わり、勝ったら次へ進めるという大会なので、とにかく勝ち切れたことがよかったという話をしました。リーグとは違って毎日違う相手と戦うので、今日からはまた切り替えて、明日からまた新しい気持ちで戦えるようにしようという話もありました。

――次戦に向けて意気込みをお願いします
 
 明日はリーグでずっと戦ってきた日体大との試合なので、春と秋の改善点をインカレの場で全部発揮できたらいいなと思います。絶対勝ちます!