【連載】ハンドボール部 インカレ前対談「Rise Beyond」第2回 後藤来実×江澤彩夏×今西央登×増井浩介

特集中面

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第2回は、後藤来実マネジャー(法3=東京・早実)、江澤彩夏トレーナー(スポ3=長野)、今西央登(スポ2=奈良・郡山)、増井浩介(スポ2=愛知)の4人。チームを様々な立場から支える皆さんに、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)を振り返り、インカレへの意気込みを語っていただきました。

※この取材は10月26日に行われたものです。

――自己紹介をお願いします。

後藤 法学部3年の後藤来実です。ハンドボール部ではマネジャーを務めています。

江澤 3年の学生トレーナーをしています。江澤彩夏です。

今西 2年の今西央登です。

増井 2年の増井浩介です。

――右隣の方を紹介する形で、他己紹介をお願いします。

後藤 江澤さんはトレーナーとして、選手のけがを見ていたり協賛活動であったり、早慶戦の紹介の活動を行っている方です。今年から協賛活動が始まったんですが、この方のおかげで300万円くらい集まり、部に貢献してくださっています。

江澤 サウスポーでサイドをやっている今西くんです。昨年まではほとんどベンチに入ったことがなくて、練習はすごく頑張っているけれど試合に出る機会はあまりなかったかなと思うんですけど、今年から急に活躍してリーグ戦もずっとスタメンで出ていて。時にはチームのMVPでチームの中の得点王になるくらい早稲田ハンドには欠かせない存在に今年1年で成長してくれたなと思っています。

今西 2年の増井くんで、僕と同じポジションで確率の高いサイドシュートを打てて。尊敬しています。

増井 後藤さんはマネジャーで細かいところまで気が利いてすごく一生懸命働くシゴデキな感じです。あと生粋のいじられキャラで、上からも下からもいじられるので。とてもいい雰囲気を作ってくださる方です。

対談中の後藤

――次は左隣の方の初めて会った時の第1印象と、一緒に活動してきてその印象が変わったエピソードがあれば教えてください。

増井 第1印象と今はあまり変わらないのですが、最初は何を考えているのかわからなくて(笑)。その部分は今も変わらず、でもその中でも彼なりに考えていて。聞いたらそんなところまで考えていたんだみたいな。第1印象と変わらないところが多いのですが、意外と考えているんだなという風に思いました。

今西 (江澤は)トレーナーの人という印象しかなかったのですが、今はチームを考えてくれているのかなと思ったり。そんな感じです(笑)。

江澤 第一印象は仲良くなれるかなって不安で(笑)。初対面の時は、私が今まで関わることがないような感じのオーラ、外見だったので。会ってすぐ話すことができなくて、どうしよう同級生なのにと、これから良い関係築けるか不安だったんですけど、話してみれば全然話しやすくて。ふざけるノリも割とあるし(笑)。今まで辛い時もすごい相談にのってくれて悩みも聞いてくれたので、今となっては最強の相方です。

後藤 増井くんは、最初はすごい真面目でしっかりしているなというイメージだったのですが、今は私に対してすごいいじってきて、ため口なので(笑)。

増井 そんなことないですよ。

後藤 良い意味では話しやすくなったし、悪い意味ではなめられているなという印象です(笑)。

増井 本当にそんなことないです。

――秋リーグ全体を振り返ってご自身で成長できたところを教えてください。

後藤 秋リーグは私にとっては4回目のリーグだったのですが、後輩のマネジャーもできた2回目のリーグだったので、自分の成長もそうですけど、後輩の子がどれだけ自分で動けるのかなということが自分がどれだけ教えられていたかを見直す機会になりました。ただまたマネジャーが1人になってしまったので、リーグの最後の方では自分1人で動けるように練習、想像しつつ動いていました。

江澤 今回の秋リーグは、私がこの部活に入って1番辛い厳しい夏のトレーニングを積んできた後のリーグだったので、なんとかその努力が実を結べばいいなと思って期待していた部分が大きかったのですが、そんなに結果に表れることもなく試合が続いて、その分チームの雰囲気も下がっていました。それを外から見守ることしかできなくて自分でも苦しかったのですが、そんな中でもけが人の選手を中心にリハビリ以外のところでコミュニケーションをとって、みんなの心の支えになればいいなと思いながらやっていました。結果としてチームの望んだ優勝には届かなかったのですが、今回の結果を踏まえて改めてチームの課題を再認識できましたし、インカレに向けて何が足りないかが明確になったので、外から見ていてもチームとして成長しているなと実感できて良かったなと思います。

今西 まず春リーグまで全然ベンチに入っていなかった中で急に試合に出ることになって、自分の中で緊張とか不安がありました。ですがシュートを外しても先輩が優しい声をかけをしてくれたこともあって、試合が始まってからはあまり緊張することもなく、キーパーを見てシュートを打てたと思います。最初のシュート1本決めたらその後も決まるなという感覚が自分の中にあったので、とにかく最初のシュート1本を集中して打つことを意識していました。チームとしてはあまり勝てなかったのですが、個人的にはディフェンスもシュートもある程度完成度を持ってリーグを締めくくることができたと思うので、個人的には良かったかなと思います。

増井 僕はとにかくしんどかったです。まず(今西は)同じポジションで、とにかくとても調子が良くて。その時の心境としては、自分に出番が回ってこなくても今西が活躍すればチームのためになる、勝てそうだなという思いで割り切れたというか、切り替えられました。ですがリーグ後半になるにつれて明らかに僕の出場時間は伸びなくて、5分くらいしか試合に出られなくてシュート1本も打っていないしディフェンスも1回しかしてない。そういう部分で自分がこれまでやってきたことを何も試すことができず、結果を出したら試合に出られると思うのですがそもそも普段の練習でも結果が出なくなって。シュートを外したら結構落ち込んだし、毎日の練習でシュート練習1つでも心にくるというか。それが1か月くらい続いたのがしんどかったです。でもそういうしんどい時に央登が、「お前おってくれたら気楽にできるわ」「お前おらんとやりづらいわ」と言ってくれてそれがすごい助かりました。なんとか耐えられました。

対談中の江澤

―4年生として戦う最後の公式戦となりますが、これまで4年生同士で印象に残っているエピソードや思い出があったら教えてください。

今西 春合宿です。同期と2人部屋になるという話で、僕は尾上(悠利、スポ2=大阪・大体大浪商)と同じになる予定だったのですが、そこでキャプテンの守屋さん(雄司主将、スポ4=神奈川・法政二)が「お前俺の部屋な」と。冗談だろうなと思ったら本当っぽくて、僕もそれなら全然おごってもらおうくらいの感じで(笑)。全く嫌とかはなかったので同じ部屋になったのは思い出です。

江澤 今の4年生とは良い意味でも悪い意味でもとても距離が近くて。チームで何か私が悩みを抱える度に相談させてもらいましたし、それこそ合宿や遠征の時は4年生の部屋に行ってケアしに行って。4年生の専属トレーナーかってくらい、こき使われたのですが(笑)。その分近い距離で悩みや相談事を聞いてくれたので今考えたらありがたいなと思いますし、これから4年生がいなくなると考えると、心の拠り所が1個なくなるというか、どこか不安な部分はあります。頑張っている姿を身近に見てきた分、最後望んでいるインカレ日本一という結果を残して、かっこいい形で引退してほしいなと思います。

後藤 マネジャーの仕事は選手と直接関わることがあまりないので、仕事をするうえで4年生と関わったことたくさんはないのでプライベートの話をします。合宿の夜は毎日、西村さん(悠吾副将、人4=千葉・市川)と奥田さん(理仁、人4=群馬・富岡)の部屋に行って毎日ゲームしていたり、井上さん(元、教4=埼玉・大宮北)や村松さん(涼雅、商4=岩手・不来方)に悩み相談をしたり。あと思い出のあるシーンがあって、秋リーグ最後の筑波戦でなんとか勝った時、初めて理仁さんが号泣したところを見て、それで私ももらい泣きして一緒に泣いて。とても印象深い思い出です。

増井 4年生で言うと個人的に悠吾さんが好きで。悠吾さんみたいに自由人というか、自分に軸があって自分が必要だと思ったことはとことんやるし、いらないと思ったらやらないし。そういう切り替えの部分が自分にはなくて、大学で初めて会ったような人でした。こういう生き方いいなと1年生の時から思っていて、たまに話して仲良くなれたかなと今は思っています。サイドシュートのことや他大のキーパーについて話すとすらすらってしゃべってくれるので練習中に話すの結構好きですね。

――後藤マネジャーと江澤トレーナーにお伺いします。やりがいを感じる場面を教えてください。

後藤 直接感謝されることがあまりないので、インカレ、新幹線や宿泊の手配から計画をいろいろ作って1人で色々やっているので、インカレが何もなく無事に終わったときにやりがいを感じるのかなと思います。あとはポカリ美味しいと言われたら嬉しい気がする(笑)。

増井 最近ずっと美味いんですよ。

後藤 うれしい。

江澤 私は毎日選手のテーピングを巻いていて、注文をつけられたりきつかったなどと感想を教えてくれたりするのですが、上手く巻けた時には今日のテーピング良かったって言ってくれるのが純粋にうれしいです。あとけがした時とかコンディションが悪い時に相談してくれたり、悩んでいる時とかに気軽に「こういうところどうしたらいいんですかね」と相談してきてくれると頼ってくれているなと。そういうところは小さなやりがいではあります。

対談中の今西

――増井選手、今西選手はスタッフの存在をどう感じていますか

今西 さっきの(テーピングについて)注文してくるとか、きついとかは僕がよく言っているのですが

江澤 逆に言ってくれた方がいいです。きついテーピングや動きづらいテーピング巻くをよりかは、注文してくれて選手のパフォーマンスが上がるテーピング巻けたらいいなと1番思っているので言ってくれると結構ありがたいです。

今西 わかりました(笑)。僕にはできないようなことをやるのがすごいなと思いますし、実際プレーしているわけではないのに、熱くなってくれて勝ったときはたくさん喜んでいますし。チームのことを考えてくれてるんだなと感じて、その部分はすごいなと思います。

増井 昨年は広報が自分のモチベーションになるという話をしたと思いますが、トレーナーで言うと僕は彩夏さんよりも駿さん(菅原駿、教3=岩手・盛岡第四)の方に頼っている部分が多いです。ですがトレーナーは自分の調子が悪いなと思った時、1番に相談できる人たちで、とにかく相談しやすい相手なので、支えてくれるといったら単純すぎるかもしれないのですが相談しやすい人たちです。マネジャーの来実さんは、最近ポカリ美味しくなったんですけど、前はめっちゃ濃いやつは濃くて薄いやつは薄くて(笑)。最近本当に美味しくなって成長したなって。

江澤 すごい上から(笑)。

――上手くポカリを作れるようになったきっかけはありますか

後藤 コーチング研修というのでみんなそれぞれ目標を1個立てようとなった時に私はポカリの黄金比を極めるというのを決めて、そこから感覚をつかんでいって。目標を立てることは大事だなと思いました。

増井 僕はポカリを練習中飲みたい人なので、それをやってくださるのはありがたいです。

――次にインカレについてお伺いします。インカレのキープレーヤーを教えてください。

江澤 4年の外種子田さん(崚汰副将、スポ4=鹿児島・国分)。3年の春リーグからずっとけがを抱えながらプレーしていて自分の中でも納得のいくプレーができていない状態で。ここ調子悪いんだよねとかコミュニケーションを取ってきて4年生の中だったら1番関わりが深いかなと思うので、単純に頑張ってほしいなという気持ちがあります。崚汰さんの性格的にチームに対して思っていることがあってもあれしてほしいこれしてほしいと表立って言うタイプではなかったのですが、最近はリーダーシップを発揮して練習中も積極的に意見するようになってて頼もしいなと思っています。います。このままインカレでもチームを引っ張る存在であってほしいなと思うのでキープレーヤーとして選ばせていただきました。

今西 守屋さん。4年生の中で仲良くさせてもらっていて、さっき浩介が悠吾さんがこれまで出会ったことのない人と言ってたのですが、僕にとっては雄司さんが今まで周りにいなかったような人で。中高とハンドボールやってきて僕自身はキャプテンはできない人なので、できる人はすごいなと思うんですけど、雄司さんはまさに僕の理想のキャプテンというか。みんなとコミュニケーションを取れる人だし、下からの意見もそのまま汲み取ってくれる人だし、すごく尊敬しています。なんと表現していいか分からないのですが監督のような存在です。すごい選手がたくさん集まっているチームに雄司さんがいたらもっと良いチームになるんだろうなというか。今まで僕が強いチームでプレーしてなかったのでそういう人が周りにいなかったのかもしれないのですが、強いチームには絶対ああいう人間が1人必要だなと思います。

増井 僕は大武蓮さん(社4=神奈川・川和)です。雄司さんは目に見えて熱い男、崚汰さんは内に秘めたものが大きすぎて外にちょっと見えている感じ。ですが蓮さんは実際はとても熱いのにそれを表に出していないので、インカレでは試合で吠えてるところなど自分の熱さを前面に出す姿を見たいです。

後藤 今西くんと鍋島くん(弘樹、スポ3=福井・北陸)です。今西くんに関しては秋リーグがとても良かったことと、筑波大戦の最後の点を決めたシーンが頭から離れなくて、もう一度お願いしたいなと(笑)。鍋島くんに関しては最近調子が良くはなくて、だからインカレで巻き返してほしいなというのと、チームアンケートで「叫ぶ」と書いていたし鍋島といったら叫んでいる姿なのでそれを見たいなと思います。

対談中の増井

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

増井 (今西くんと)2人で頑張りたいなと思っています。彼が調子悪かったら僕が出るし、僕が調子悪かったら央登が出るみたいな。2人で最高の結果を目指したいなという気持ちと、その中でもスタートは最近ずっと央登なので、そ時の僕の役割は央登の調子が悪くて代えられたときに僕が一発決める、ワンチャンスをものにする。そこのプレーに対してとにかく準備し続けようかなと思います。

一同 かっこいい!

今西 ここ最近の練習試合は全然調子が上がらなくてシュートが全然入らないのですが、本番に強いかなと思っているのでそれを信じてスタートから出たら盛り上げられる、、、ちょっと今のなしで。

一同 えー!(笑)

今西 シュートは増井の方が上手いのですが僕はディフェンスが1番好きだし得意だと思うので、1枚目からしっかり締めていけるようなディフェンスをして勝ち進んでいきたいなと思います。

江澤 インカレ1週間前になったのですが、今のところベンチに入る予定の25人は全員けがなしでコンディションもいいかなと思うので、この1週間けがなく過ごせるようにいつも以上に配慮したいです。インカレ始まってからけがを理由に試合に出られなかったとかパフォーマンスが上がらなかったとかいうような後悔が選手に残らないようにいつも以上に気を配ってあげて、適当にあしらうことも多かったのですがインカレまでの残りの期間はもう最大限に選手に寄り添ってあげられるようにしたいなと思います。

後藤 意気込みとしては、選手のために走り回ろうと思います。インカレもそうですしリーグも、これまでの先輩たちの代もマネジャー1人で大会に参加することがなかったので、大変になるかなとは思うのですが、選手たちに勝ってもらうためにもサポートする人たちが頑張らなきゃいけないなと思うので、走り回りたいです。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 佐野真悠子、片山和香)

後藤来実(ごとう・くるみ)(※写真右)

2004年9月10日生まれ。東京・早実出身。法学部3年。早スポ取材班にいつも丁寧に連絡を取り接してくださる後藤マネジャー。Netflixを見ることにハマっており、最近では特に「涙の女王」が好きだそうです。インカレでも後藤マネジャー手作りの美味しいポカリを、選手たちが沢山飲む姿を見られるでしょう!

江澤彩夏(えざわ・あやか)(※写真右から2人目)

2004年8月14日生まれ。スポーツ科学部3年。対談前日に何を話すか考えてくださっていた江澤トレーナー。周りを気遣う様子や対談中の笑顔が場を和ませてくれました。マイブームは麻婆豆腐で、辛い食べ物が大好きだそうです!

今西央登(いまにし・おと)(※写真右から3人目)

2006年3月26日生まれ。奈良・郡山高校出身。スポーツ科学部2年。マイブームは帰省で、直近で実家に帰ったのは3週間前だそうです!取材後も早スポや取材に関して沢山質問してくださり、ハンドボール能力だけでなくコミュニケーション力の高い今西選手でした!

増井浩介(ますい・こうすけ)(※写真右から4人目)

2005年10月30日生まれ。愛知高校出身。スポーツ科学部2年。マイブームは、映画館で映画を観ることだそうです。「映画館だとめっちゃ集中できていい」と語る増井選手は最近、「秒速5センチメートル」という作品を観たとのことです。インカレでも巧みなサイドシュートでワンチャンスをものにしてくれるでしょう!