関東大学女子サッカーリーグ 後期第10節
2025年10月25日(土)18:00 Kickoff
@東洋大学
試合結果
| チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 早大 | 0 | 0 | 0 |
| 東洋大 | 1 | 0 | 1 |
得点者
前半
5分 松浦 加奈(相手)
大詰めを迎えている関東大学女子リーグ(関カレ)は後期第10節、ア式蹴球部女子(ア女)が首位の東洋大と対戦した。前節のホーム最終戦では途中出場のMF小島世里(スポ1=東京・十文字)によるゴールによって勝利を収めたア女。敵地に乗り込んだ今節は、序盤から相手に得点を許す。その後は形勢逆転すべく、敵陣で多くのチャンスをつくるが、相手ゴールのネットを揺らすことができなかった。結果は前期の対戦と同じく、0-1での敗戦。関カレでは東洋大相手に屈辱の3連敗となった。

苦しい立ち上がりとなったのはアウェーチームだった。試合が開始してわずか5分で試合が動く。相手がサイドを使った攻撃を仕掛けている中、放たれたミドルシュートをGK田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)がスーパーセーブ。弾かれたボールはゴールラインを割って、東洋大のコーナーキックとなる。ペナルティーエリアに入ってきた浮き球をヘディングシュートで沈められ、相手に先制点を献上してしまった。意地でもゴールが欲しいア女は、12分の守護神田村によるファインプレーをきっかけに徐々に試合の主導権を握るようになる。攻撃のテンポが良くなってきていた21分、前半最大のチャンスが訪れた。敵陣でボールを回していたア女はDF新井みゆき(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)がクロスを上げ、一度は相手にヘディングでクリアされるも、ボックス内でMF米村歩夏(スポ2=宮城・聖和学園)が回収。米村はフェイントを入れて、左足でシュートするがボールは惜しくもポストに当たって、相手GKが抑えた。その後も両サイドを使って、相手を揺さぶったア女だが得点には至らずに前半を終える。

ア女は後半に入り、さらに攻めの姿勢を見せるようになる。55分、相手選手がGKに出したパスをFW生田七彩(スポ4=岡山・作陽学園)がボックス内でカット。反転してシュートを試みたが、相手DFに阻まれる。ア女守備陣が落ち着いた対応で相手のオフェンスを防ぐ中、59分にはゲームキャプテンの生田が再びチャンスメイク。中盤で相手をいなしながら、ボールを収め、持ち運んだストライカーは自らシュートを打つ選択をしたが、相手DFにブロックされた。こぼれ球を拾ったMF三宅万尋(スポ2=東京・十文字)が放ったシュートも枠外へ。その後、攻撃面にさらなる厚みを持たせるためにチームは前節の立役者である小島をピッチに投入する。その効果が際立ったのは84分の局面、小島が遠距離からシュートをする。ボールは相手GKに正面でキャッチされたが、この場面を契機に試合終盤、ア女は怒涛の攻撃を繰り広げた。しかし、あと一歩ゴールに及ばず。無得点のまま、試合終了の笛が鳴った。

首位の東洋大はこの試合で勝利を収めたことで、今季の関カレ優勝を本拠地で決めた。その一方で、ア女は計12本のシュートを放つも、無得点に終わり敗北。今季6敗目となったが、そのうち4試合が0-1での黒星だ。現状の課題は点を取り切れないところにあるだろう。関カレの今季最終戦となる次節は、敵地で大東文化大と対戦する。前期で快勝している相手だけに、ア女は次節も白星を挙げて、今季を終えたい。皇后杯もまもなく開幕する中、ア女が今季をどのようにまとめ上げるのか注目だ。
(記事 堤健翔、写真 熊谷桃花、高橋彗人)
スターティングメンバー
GK 1 田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
DF 2 新井みゆき(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
DF 3 杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)
DF 13 佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)
DF 30 吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)
MF 6 千葉梨々花(スポ3=東京・十文字)
MF 7 﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 11 三宅万尋(スポ2=東京・十文字)
→64分、小島世里(スポ1=東京・十文字)
MF 17 米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)
MF 19 福岡結(スポ2=岡山・作陽学園)
→HT、福島茉莉花(スポ1=東京・十文字)
FW 9◎ 生田七彩(スポ4=岡山・作陽学園)
試合後インタビュー
後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)
ーー今日の試合を振り返っていかがですか
目の前で優勝を決められて悔しいです。
ーー立ち上がりに失点し、中々決定機をつくることができませんでした
お互いに決定機が少ない中、セットプレーで東洋大さんの方が良かったです。最初の15分から20分までが相手のペースになってしまったところで、前半は耐える時間が長くなってしまいました。
ーー立ち上がりに押し込まれた原因は何だと思いますか
事前に東洋大さんのビルドアップからの攻撃でボールを回される部分がありました。まずそもそもの奪われ方が悪かったりと、そういうところが自分たちの流れに持っていくことができなかった原因かなと。
ーー後半は決定機をつくることができました。どのような修正を行いましたか
前半の途中から守備のところは安定してきていた中、自分たちで主導権を握りながらやれる部分が見えてきたので、攻撃の部分でテコ入れをしたくて福島を投入したりと動きました。福島は間で受けて、自分でドリブル打開もできますし、ラストパスも出せる選手なので、点を取りに行くために入れました。
ーー決定機をつくることができたことへの手ごたえはありますか
出ていた選手がしっかりと自信にしてほしい部分はありますが、10月なのでポジティブに受け止める部分と、なぜ勝ち切れなかったのかっていうところを、やはり真摯に向き合っていかなければいけないという両面があると思います。
MF福島茉莉花(スポ1=東京・十文字)
ーー試合を振り返っていかがですか
まず入りからしっかり締めなきゃいけないところで失点してしまいました。いい形も見えていましたが、決めきるところで決めきれませんでした。前半でシュート数が少なかったので、しっかりシュートをイメージして積極的に打っていこうと意識して自分も試合に入りましたが、決めきるところで決めきれなかったです。そういうところで決めないと、こういった結果にもつながってくるという印象です。悔しいです。
ーー試合に入る時はどのようなことを意識していましたか
とにかく自分は消極的なプレーでなくて、自分が変えてやるんだという気持ちで、どんどん前を狙って、自分の得意なドリブルを仕掛けていこうという気持ちで入りました。
ーーライン間でパスを受けるプレーで攻撃の起点になりました
自分の得意なプレーはライン間でボールを受けて、ターンしてシュートとかドリブルとか色々な選択肢を持って積極的に攻撃に参加することなので、意識していました。
ーー東洋大というレベルの高い相手でしたが、手ごたえはいかがですか
自分の武器であるボールを持った時に自分で仕掛けて相手をかわしてシュートすることまではできていましたが、最後に決めきるところが自分の課題だと感じました。