【男子バレー】順大を倒し、秋季リーグ戦優勝で春秋2冠を果たした!

男子バレーボール

10月25日 秋季関東大学リーグ戦 神奈川・日体大健志台キャンパス

  秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)最終日は順大との対戦。前週に2位だった早大が1位の明大に勝利したため順位が入れ替わり、今回隣のコートで行われた明大対中大の試合を含め、優勝チームの決定は最終戦まで持ち込まれた。優勝には順大への勝利が必須となり、プレッシャーのかかる試合だった。2セット目は相手の力強いスパイクと粘りの守備で崩されるが、3、4セット目は苦戦する中でも全員の力を合わせて戦いぬき、セットカウント3ー1(25ー19、16ー25、25ー23、25ー21)で秋季リーグ戦優勝で今年の公式戦3冠目を獲得した!

 1セット目は早大の先制点から始まった。序盤からセッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)の采配でMBローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)がノーブロックの状態で速攻を決めるプレー、OP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)の3枚ブロックの上から放つ強烈なライトスパイクなどで7ー2と大幅にリードする。その後もOH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)がストレートコースに打ちこむスパイクなど点差を保ったまま攻撃を続ける。16ー11の場面ではリベロの布台聖(スポ3=東京・駿台学園)が順大の強烈なサーブをフライングレシーブで取りきって攻撃につなげ、守備での安定感も見せた。終盤にはOH佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)のノータッチサービスエースも飛び出し、セットポイントを獲得。最後は相手のミスで25ー19と余裕を持ってセットを先取した。

ガッツポーズで喜ぶ板垣

 続く2セット目はまさかの展開に。序盤から両者譲らぬ展開が続き、6ー6の場面で試合が動く。相手の強烈なスパイクが起点となり、4連続失点を喫する。たまらずタイムアウトをとった早大だったが、順大の村瀬仁巨良主クウェスィ(3年)を止めることができない。順大の攻撃だけでなく、守備にも苦しめられる。早大の攻撃は何度もブロックに阻まれチャンスを掴めない。そこで9ー16の場面でセッターを瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)に代え、流れを変えたいところで徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)の強気なサービスエースが飛びだす。しかし、依然として順大の攻撃を振りきることができず11ー18の場面ではまたも連続得点を許してしまう。その後も自分たちのミスもあり、さらに点差を離されて16ー25で第2セットを献上する。

パイプを打つ佐藤

 苦しい状況から早く抜け出したい3セット目。序盤は2セット目と変わらず拮抗した勝負になった。7ー7と同点の場面では順大にノータッチでサービスエースをとられ、流れを奪われそうになるも川野のライトスパイクでサイドアウトを着実に獲得。ローゼンの速攻で相手にプレッシャーを与えてミスを誘ったことで3連続ブレイクを獲得し、12ー10となり勢いにのる。中盤には順大に3連続ブレイクを許し17ー18と追う状況になるも、終盤まで取っては取られを繰り返し最後はローゼンの速攻、川野のライトスパイクと2連続得点でセットを奪取した。

 取りきりたい4セット目も序盤は2、3セット目と同じように試合が進んでいく。ブロックを強化したい早大は菅原啓(教3=山形南)を投入し、徳留、菅原、前田の3枚ブロックでの得点で11−11と同点に並ぶ。その次の得点でも菅原が相手ブロックをシャットし、順大の攻撃陣にプレッシャーをかける。中盤には相手のミスから小野のスパイク、徳留のサービスエース、3枚ブロックでのシャットと4連続ブレイクで一歩前へ出る。お互いにブレイクを重ねながら試合は終盤へ。決勝点となったのは小野のパイプで順大に勝利し、勝敗数で同率だった明大をセット率で抑え見事優勝を勝ち取った。

トスをあげる前田

 「3ー0で勝つ」ことを目標に挑んだ今試合。苦しい戦いが見込まれていたが、順大の村瀬仁巨良主クウェスィ(3年)が躍動し想定よりも厳しい展開が多かった。秋季リーグ戦終盤までは2位と明大を追いかける状況だったが、勝ちだけにこだわらず過程を意識して課題を克服していく彼らの姿が印象的だった。全日本大学選手権では関西からも有数のチームが参加する。それまでに全早慶明戦、早関戦と試合が続くが彼ららしく諦めずに戦い続ける姿を見届けたい。

(記事 井口瞳、写真 加藤涼音、指出華歩、山口愛結)

スタッフを含めた集合写真

表彰式での様子

セットカウント
早大

25-19
16-25
25-23
25ー21

順大
スタメン
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)
ミドルブロッカー 板垣慧(政経4=京都・洛南)
ミドルブロッカー ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)
オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園)
途中出場
梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園)
菅原啓(教3=山形南)
徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)
瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)
中上烈(スポ1=京都・洛南)
個人賞

優勝監督賞 松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)
最優秀選手賞 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
セッター賞 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
Best of support賞 早稲田大学

コメント

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

――試合を振り返っていかがでしょうか

 (選手たちには)今日は3対0で勝つというプレッシャーを与えた中でやっていました。本人たちは頑張ってはいたけれども、バレーで3ー0というのは相当な力の差がないと勝てないスコアです。その中で、僕らのいいところと、頑張ってはいたけれど少しうまくいかないところの両方が出たので、今日はいいところでは勝てたし、ダメなところではセットをとられてしまいました。これが今のチームの現状かなと思うので、(全日本)インカレに向けての課題が出たいい試合だったと思っています。

――秋季リーグ戦全体を振り返っていかがでしょうか

 夏にミドルが2人怪我をして、そんな中、板垣(慧、政経4=京都・洛南)とローゼン(マーク有廉ジュニア、スポ2=茨城・土浦日大)が急成長しました。彼らを最後まで使い切るということを目標にはしていたのですが、板垣にしてもローゼンにしても、これから伸びる部分がまだあります。そこで今まで入っていた菅原(啓、教3=山形南)も復帰してきたので、今日も大事な部分で出しました。チーム力としては、上がってきているのではないかなと思います。

――2セット目の中盤に前田選手(凌吾、スポ4=大阪・清風)に声をかけられていたと思いますが、何と声をかけられていたのですか

 攻撃が少し単調になってしまったりしていて、ローゼンにだいぶブロックがついてしまっていたので、そこの攻撃の仕方を教えていました。

――2セット目、焦りがみられたところでメンバーを数人変えていた理由は

 流れを変えたいということや、誰が出ても変わらないチームを作っていたので1回外から見て気持ちを落ち着かせてもう1回やってくれたらなという思いで1回外しました。

――3セット目で立て直せた理由は

 僕らは基礎基本を本当に丁寧に練習してきたので、もう1回そこをやってみようという話をしたところ、大学生ですから勝ち負けを意識してしまい、そういう部分で自分たちらしさが出せていなかったというのを選手に伝えたところ、普通にできたのでそういう部分ではよく学生たちが自分たちのすべきことを理解できたのではないかと思います。

――劣勢からの立て直しが春季リーグ戦や東日本インカレに比べて上達したように思います。その要因は

 やってきた基礎基本が定着してきて、無駄な失点や予想もしないことが起きなくなったことが大崩れしなかった原因だと思います。

――最後に、残り1ヶ月どのようなチームになってほしいですか

 「全て出す」というところで、最後の4年生の大会になるので、その中で自分たちがどこまでできるかということを毎日しっかりトレーニングしてやってもらいたいと思います。

前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)

――試合を振り返って

 チーム全体として、今週「3ー0で勝とう」と言ってたのですが、それができなかったという弱さも見えたし、最後3ー1で勝ち切るというところの良さも見えたので、チームとしては良かったと思います。個人としては全然パフォーマンスが上がっていなかったので、そこは反省してもっともっとメンタルを鍛え直してやらないとなと思います。

――秋季リーグ戦全体を振り返って

 結構厳しいところで負けて、順位は気にしていなかったと言ったら嘘になると思うのですが、下からというところで、最後どうなるかというところで、本当に明治との試合は勝ててよかったです。今日は僕がもっともっとやるべきだったのですが、まだできていなかったので、反省して帰りたいと思います。

――2セット目、交代されていたときの外から見たチームの状況は

 自分のトス回しがうまくいっていなかったので、1回外から見れたというところは大きかったのですが、最後までコート立つということができなかったので、全然まだまだだなと思います。

――3セット目でチーム全体で立て直しができた理由は

 今日なんで勝ったか1回映像見ないとわからないのですが、皆のやるんだ、という気持ちが出たんじゃないかなと思います。

――残り1ヶ月となりましたがどのように過ごしたいか、そして最後どのようなチームで終えたいか教えてください

 自分がもっとやらないといけないので、もっともっと誰よりもやるというところと、こういう相手が仕掛けてきた時にどう対処するかというところはもう1回考え直さないといけないかなと思います。しっかり対応する力をもう少しつけるために、自分の技術向上に向けて頑張っていきたいなと思います。

小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)

――今日の試合を振り返って

 序盤は、あまり良い調子ではなかったのですが、試合終盤になって、自分らしさをしっかり出せました。チームとしては、2セット目で、雰囲気が悪くなってしまい、セットを落としてしまったので、反省点として直していきたいです。

――秋季リーグ戦全体を振り返って

 自分にとってすごく成長できたと思っています。初戦は、世界選手権終わりで出られなかったのですが、そこから、サーブレシーブだったりと成長できた部分が多かったと思います。

――3セット目で立て直せた理由を教えてください

 松井先生からの熱もあったり、チームとしても最後の秋リーグということでやってきたことを出し切ろうとチームが再起したのかなと思います。

――残りの1ヶ月間、どのように過ごしたいか、どのようなチームにしたいかを教えてください

 技術の向上という部分は難しいと思うので、自分たちの自信をつけるために練習を怠らず精神面で向上させていきたいなと思います。