第37回 関東学生リーグ戦 FINAL4
10月19日 東京・大井ホッケー競技場メインピッチ
Team | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
早稲田大学 | 4 | 4 | 2 | 0 | 10 |
日本体育大学 | 0 | 2 | 3 | 2 | 7 |
得点者
1Q
花井コルトンヘイズ、山口遼真、岡地慶人、山田伊織
2Q
山口遼真、三戸優也、山田伊織、花井コルトンヘイズ
3Q
花井コルトンヘイズ2
4Q
なし
関東学戦リーグ戦では見事な戦いっぷりを見せた野澤組。次はいよいよ関東4強、FINAL4の戦いだ。勝ったら全国、負けたら終わりの一発勝負。野澤組の真価が試されるこの大一番、早大はBブロック2位の日体大と激突した。大勢の観衆が固唾を飲んで見守る中、早大が最初の攻撃を仕掛ける。第1Q(クオーター)のフェイスオフに競り勝つとそのままボールを巧みに回し、1分もたたずに先制点を決める。その後もオフェンス陣の勢いは止まらず、前半だけで8得点。これまでにない大幅リードを広げるが、後半は前半と打って変わって日体大のペースとなる。第3Qでじわじわと点差を詰められるも、ここでAT花井コルトンヘイズ(国教4=アメリカ・マッキントッシュ)の連続攻撃が炸裂。力強いボールでネットを揺らし、チーム得点を目標とする10点台に乗せた。最終第4Qでは相手も追い上げを見せ、10-7まで点差を縮められる。それでも残り5分からは得点を許さず、チーム一丸となって相手の攻撃を阻止する。最後は張り詰めた空気を包み込むかのように試合終了のホイッスルが鳴り響き、チーム全員で勝利の喜びを分かち合った。

ゴールまで突き進むAT山田
第1Q(クオーター)最初のフェイスオフを任されたのはFO多田倫太郎(創理4=埼玉・早大本庄)。緊張感を微塵も感じさせない落ち着いたプレーでボールを奪い取ると、そこからAT山田伊織(国教3=早稲田佐賀)、AT花井とパスが渡る。いけると確信したAT花井はすぐさまクロスを振りかざし、開始1分もたたずに先制点を決める。観客が大いに沸いたその数分後、AT山口遼真(政経4=東京・成城)も追加点を挙げ、一気に主導権を奪う。その後もMF岡地慶人(政経4=愛知・滝)、AT山田が個の強さを見せつけ、4点リードで第1Qを終える。
好発進かと思われた矢先、第2Q序盤で早くも相手に2点を取られてしまう。4-2と緊迫した守りの時間が続く中、G長田謙伸(政経3=埼玉・大宮開成)の懸命なセーブから再び攻撃権を取り返す。その思いをボールに託し、AT山口が本日2点目を決めると、そこからオフェンス陣が再度活気を取り戻す。AT小川隼人(政経4=東京・早実)のナイスアシストからMF三戸優也(商3=東京・早実)、フィジカルで勝ち切ったAT山田が連続得点を決め、7-2の5点差に。残り1分半では相手がマンダウンで、ディフェンスが一人減る状態となる。数的有利な状況を存分に活かしたAT花井が見事にゴール前を奪い、8-2で前半を折り返す。

チームを引っ張るDF中原副将
順調な試合運びを見せる早大だったが、またしても第3Q開始直後に相手の連続得点を許してしまう。先ほどとは打って変わって我慢の時間が続くも、野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)、中原健太副将(商4=東京・早大学院)を始めとするディフェンス陣がその苦しい状況を救う。チーム全員でボールを奪い返し、再び攻撃の体制を整えると、そこからはAT花井の独壇場。相手ディフェンスをものともせず、追加得点を挙げ、チームの目標である10点台に乗せてみせた。
第3Q終盤間際に1点を返され、10ー5の5点差で突入した最終第4Q。FO多田やFO富田隼平(商3=神奈川・大和)がフェイスオフから攻撃の切り口を作り出すも、思うようにショットが決まらない。一方の日体大はショット数を増やし、決定率を上げてくる。残り5分時点で10ー7。3点差まで詰め寄られるも、早大ディフェンス陣の決死の守りは崩れない。観客も息をのんでその状況を見守る中、ついに歓喜の瞬間が訪れる。最後の最後まで力を振り絞り、ゴール前を守った選手たち。彼らの必死の努力はこの大一番で報われ、ついに夢にまで見ていたFINAL4での勝利を手繰り寄せた。

喜び合う選手たち
待ち望んでいた全国がついに現実となった。去年はサドンデスの末、あと一歩届かなかった。一昨年はリーグ戦で敗れ、ここに立つことすら許されなかった。チームで掴んだ全国の舞台。さらにはFINALに進む権利。悔しさだってたくさん経験した。それでも選手らは腐らず、その思いを見事に勝利への原動力にしてみせた。ここからは、また新たな戦いが始まる。日本一への歩みはまだ踏み出したばかり。いざ、FINALの舞台へ。関東一の称号を掴み、笑顔で全国に足を踏み入れよう。
(記事 高津文音 写真 石澤直幸、永吉梨々子)
試合後インタビュー

野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)
――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか
勝ったら全国、負けたら引退ということでみんな緊張していたと思います。それでもとにかく目の前のプレーに集中するということを意識していたので、いい入りができたかなと思います。
――主将として、気持ち面ではどんなことを意識していましたか
初めての舞台という人が多かったので、気持ちを見せないといけないなと思っていました。最初から周りを鼓舞するプレーができたらなと思って試合に臨みました。
――リーグ戦始まって初の10点ゲームです。チームとしてどんな部分が良かったと思いますか
常に攻め続ける姿勢というのはシーズンが始まってから意識していました。10点というのもシーズン当初から目標にしていたので、FINAL4の舞台でも臆することなく攻められた点は良かったかなと思います。
――今日はたくさんの観客の応援がありました。その中でプレーする感覚はいかがでしたか
大勢の前でプレーするのはこれまで早慶戦の2回と去年のFINAL4です。やっぱり人がいればいるほど力が出るので、いい舞台だったかなと思います。
――次はFINALです。関東一をかけた戦いに向けての意気込みをお願いします
ここからは自分が見たことのない景色です。とにかく今までと変わらず一戦ずつ勝つことで、日本一まで駆け抜けたいと思います。

花井コルトンヘイズ(国教4=アメリカ・マッキントッシュ)
――試合を終えた今の気持ちを教えてください
嬉しいです。みんながハードワークをした結果、勝利をつかみ取れたと思います。
――チーム最多の4得点でしたが自身のパフォーマンスに点数をつけるなら何点ですか
正直、80点くらい。点は決めたんですけど、その他のところがあんまり上手くいかなかったです。次の試合のために振り返って切り替えたいと思います。
――本日はたくさんの応援を受けながらプレーしました。試合中はどのような気持ちでしたか
みんなが応援に来てくれて嬉しいですし、この部活は人数が多くて、みんなが声をかけてくれて、本当に感謝しかないです。
――次戦のFINALに向けて意気込みをお願いします
みんなでたくさん点を決めて、最後まで勝って終わります!

山口遼真(政経4=東京・成城)
――今日の試合を振り返って
序盤で点差を結構つけられたのでこのままどんどん点を取りたいなと思っていました。でも終盤オフェンスが点を取れなくて厳しい試合だったなという風に思います。前半は割と楽に行くかなと思ったのですが、やっぱり厳しい試合でした。
――第1Qで得点を決め、大きく流れを作り出しました。その時の気持ちを教えて下さい
今までリーグ戦が5試合あって、2点しか取れてなかったのでこの試合はたくさん点を取ってチームに勢いをつけたいなと思っていたのでよかったと思います。
――精度の高いパスプレーも見られましたが、そこは重点的に取り組みましたか
壁あてという練習をいっぱいやりました。普段は結構パスのミスをしてるんですけれど今日はミスがないように頑張りました。
――今日はたくさんの観客の応援がありました その中でプレーする感覚はいかがでしたか
試合に集中出来ていたのもあってあまり観客の声とかは気になりませんでしたが、点を取った時などの歓声はめちゃくちゃ気持ちよかったですね。
――次はFINALです。関東一をかけた戦いに向けての意気込みをお願いします
慶應には早慶戦で負けていて、この前の練習試合も負けているので、その雪辱を晴らすために頑張りたいと思います。

長田謙伸(政経3=埼玉・大宮開成)
――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか
想定してた展開とはだいぶ違って、オフェンスがかなり序盤で点を取ってくれました。楽に試合を進めたかったんですけど、やっぱりFINAL4なのでそう上手くはいかず、結構押されたなという印象です。
――一年越しのFINALの舞台はどうでしたか
二度とやりたくないですね(笑)本当に雰囲気も違いますし、緊張感とか、見ている観客の数も違うので、緊張したけどやっぱり楽しい舞台だなと思います。
――後半苦しい場面もありましたが、どんな気持ちでプレーしていましたか
チームでもずっと言っていることなんですけど、いかなる状況でも必ず今自分でできることを最大限やるというのが浸透しているので、それを意識してやりました。
――今日はたくさんの観客の応援がありました。その中でプレーする感覚はいかがでしたか
僕は観客を見るとあがってしまうタイプなのであまり見ないで、観客の人たちをじゃがいもだと思ってプレーしていました(笑)。
――次はFINALです。関東一をかけた戦いに向けての意気込みをお願いします
去年の負けた仮はこれで返せたと思います。もうあとは決勝だけなので、全力で臨んで絶対勝ちたいと思います。