10月19日 秋季関東大学リーグ戦 神奈川・日体大健志台キャンパス
秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)第10戦の相手はリーグ全勝中で1位の明大。優勝のためには絶対に負けられない一戦だ。近藤蘭丸率いる明大の多彩な攻撃に苦戦を強いられたが、粘り強いプレーから流れを引き寄せることに成功。試合時間は約2時間半にもおよび、セットカウント3ー2(25ー23、37ー39、25ー16、23ー25、15ー12)とフルセットの激闘の末、勝利をつかんだ。
第1セットは序盤から相手の速攻やブロックが決まり、リードを奪われる。OH佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)やOH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)のバックアタックで得点するがあまり点差を詰められず苦しい展開となる。しかし、中盤にMBローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)の速攻から流れをつかむと、MB板垣慧(政経4=京都・洛南)が相手のスパイクを1枚でシャットするなど勢いに乗る。その後ローゼンの速攻やOP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)の鋭いスパイクで逆転し、そのまま25ー23でセットを先取した。
喜ぶローゼン
続く第2セット。早大は川野のサービスエース、OH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)のブロックアウト、小野のパイプなどで点数を重ねるが、相手の軟打や時間差攻撃が決まり、お互い一歩も譲らずデュースにもつれ込む。粘り強い守備で一進一退の攻防が続いた。どちらがとってもおかしくない状況で、最後は相手の強烈なスパイクが決まり長いデュースは37ー39で明大が制した。
激闘の影響も残る中で迎えた第3セットは中盤まで両者点差を付けられず接戦となるが、早大は川野のブロックから流れを引き寄せると5連続得点で明大を引き離す。小野のサービスエースもあり勢いのまま点差を広げると、最後は途中出場のMB菅原啓(教3=山形南)の速攻が決まり25ー16で第3セットを奪う。
速攻を打つ菅原
ここで決め切りたい第4セット。しかし、序盤はミスが重なりリードを奪われる展開に。早大は川野のクロススパイクや小野のブロックを弾き飛ばすスパイクなどで追い上げを見せる。終盤には相手のミドルブロッカーが負傷し、試合が一時中断するなどイレギュラーな状況もあったが、動揺せず前田も「行ける行ける」とメンバーに声をかけ、希望を持って臨んだ。しかし、最後は相手の速攻が決まり、23ー25で第4セットを奪われる。
運命の最終セット。スタートから長いラリーが続くが、徳留やローゼンがしっかり決めきり、リードを奪う。リベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)のスパイクレシーブから徳留のブロックを弾き飛ばす強打が決まると、セッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)や小野のブロックでもブレイクを重ね点差をつける。終盤には前田のワンハンドトスから菅原の速攻が決まるなど全員が活躍を見せた。最後は3枚ブロックで相手のスパイクをシャットし、明大に勝利した。
左から小野、菅原、前田の3枚ブロック
今回の明大戦で勝利を収めた早大はセット率で明大を抑え、1位に躍り出た。1セット目序盤は明大の勢いに押される部分もあったが、前田の采配や布台の粘りの守備など個人の力が掛けあわされることで揺るぎないチーム力を発揮し、見事長期戦を制した。来週の最終戦は春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)で早大に次ぐ2位の順大。かなり手強い相手だが、彼らなら乗り越えられるはずだ。来週の試合結果によっては順位が入れ替わる可能性もあるが、今回の試合の収穫を糧に、笑顔で、楽しんで、結果として優勝を掴むことを期待したい。
(記事 中井遥音、写真 井口瞳)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 3 |
25-23 |
2 | 明大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園) |
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途中出場 | ||||
梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園) |
コメント
前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)
――試合を振り返って
相手が全勝という中で、こっちは受けずに行く試合だったので、いつもよりはリラックスして個人的には臨めていました。ここまでタフな試合になると思ってなかったんですけど、だいぶタフな試合で、取って取られて、最終セットいい形で入れて取り切れたのは一つまたいいところもありました。
――明大のセッター近藤蘭丸選手はかなり意識していた相手だと思いますが
中学生から一緒にやっていたので、上手いのはもう分かっているしリスペクトは本当にしているので、そこじゃなくてやっぱり声出したりとか一点一点自分がチームまとめてやるっていうところにフォーカスしてやった結果がこういう結果になったかなと思います。
――追い込まれた場面で、主将としてどういう声かけを意識しましたか
今日負ける気が全くしなかったので、いけそうな気がしてたので、いけると思いながらやり続けた感じです。
――来週の順大戦への意気込み
勝ち負けじゃなくて、まず1週間自分たちがしっかり反省して、いい練習ができることが大事なので、しっかり頑張っていきたいなと思います。
徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)
――今日の試合を振り返って
今日の試合は、自分は途中出場で出て、自分が出た試合で日体戦など勝ちきれないところが最近あったので、それを払拭できるように途中で出たら絶対に流れを変えたいと思って臨みました。
――途中出場でしたが、準備して臨んでいたのですか
試合が始まって1セット目の0ー0の時からいつでも出られるように準備はしていました。
――今日のスパイクの調子は、いかがでしたか
マイナスです。自分が決めたという印象より、拾われたという印象が強かったです。大事なところで決めるというのは、その時の自分の気持ちの持ちようで変わってしまうので、今日は、レシーブは、良かったので、そこまで大崩れはしなかったですが、スパイクも得意ですと言えるぐらいにしたいと思います。
――苦しい場面で、決めなければいけないというプレッシャーはありましたか
全然なかったです。その場を楽しむという感じでした。フルセットで、応援してくれる観客の方々の前で早稲田と明治という優勝決定戦みたいな試合の中、そこでしか味わえないような雰囲気でした。それをプレッシャーに感じて焦りを感じるよりは、これがバレーの醍醐味なんだという感じで、他の人からは集中しているように見えたと思いますが、心の中ではポジティブな考え方で点差が縮まった場面でも焦ることはなかったです。
――来週の順大戦への意気込み
春もフルセットで戦って、きつい相手です。相手も順位が関わる試合になるのでがむしゃらに向かってくると思いますが、もし出場したら、1点を100パーセントで向かっていき、チームに貢献できるようにしたいです。
ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)
――試合を振り返って
1セット目から自分のクイックで流れを作ることができて、第5セットまで足つらずにクイックを打ち続けられて決定率も良かったので、個人的には良かったかなと思います。しかし、サーブトスがうまくいかなくてサーブミスが多くなってしまったのでそこだけ改善していければと思います。チームとしては慧さん(板垣、政経4=京都・洛南)と変わって菅原さん(啓、教3=山形南)が入っているんですけど、菅原さんが入った後でもチームの流れを変えずにみんなでガツンといけたので、そこが良かったところかなと思います。
――速攻の決定率が高かったと思いますが、調子はいかがですか
調子はもうバッチリです。
――苦しい場面が多かったと思いますが、意識していたことはありますか
チームで話していたのはとりあえず自分たちのミスをなくそうと話していました。自分たちのミスを出してしまうと相手に流れも持っていかれてしまうので、相手のミスを待つじゃないですけど、自分たちがミスをなくしていったら勝手に相手がミスしていくというのがみんな頭に入っていたと思うのでそこを意識していました。
――来週の順大戦への意気込み
変わらずスタートで入ると思うんですけど、自分のクイックというのが一つ鍵になってくると思うので、そこの決定率を上げていって順天堂にストレートで勝てるよう頑張っていきたいと思います。