【野球】絶対に負けられない一戦 天王山を制し4連覇へ望みをつなげ/明大戦展望

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 東京六大学秋季リーグ戦(リーグ戦)は、開幕から1ヶ月が経過した。ここまで、首位・明大は6勝0敗と絶好調。直前の試合では、早大が惜敗した法大に対し劇的な勝利を収めその強さを証明した。優勝への望みをつなぐため、早大にとっては絶対に落とせない試合となる。

4年生が活躍 ここまで無敗の明大

 明大は特に4年生の活躍が著しい。守備では、大学代表左腕でエース・毛利海大(4年)は19回を投げ防御率1.42と絶好調。法大1回戦では、苦しい試合展開になったものの粘りの投球でチームに勢いをもたらした。

 また、打撃も安定している。特に副将・小島大河(4年)は打率が4割5分と調子が良く、今大会の打撃成績で全体3位を保っている。特に二塁打3本、本塁打1本と長打が際立っている。また、その小島に続いて、宮田知弥(4年)も4割台で打率4位につけている。

 今シーズンはここまでの6試合中5試合で本塁打が出るなど安定した打撃が魅力的な明大。ラストシーズンを迎えた4年生を中心にここまで無傷の戦いを続けている。早大にとって今年も強力な相手になることは間違いない。守備の垣間をついた攻撃とピンチを最小失点で切り抜くことが必要不可欠となる。

早大打線は打率1位・石郷岡がけん引

 一方の早大は、ここまで5勝3敗と立大と共に2位につける。打撃では、石郷岡大成(社4=東京・早実)がリーグトップとなる打率5割2分2厘を記録。ここまで25打数13安打の大活躍で攻撃の要として今大会を引っ張る存在である。長打での活躍も著しく二塁打3本、三塁打1本、そして法大2回戦では自身リーグ戦初となる本塁打も記録。苦しい戦いとなる中で、大活躍を見せている。

法大2回戦で本塁打を放った石郷岡

 一方で守備ではプロ注目のエース・伊藤樹(スポ4=宮城・仙台育英)が厳しい状況。法大1回戦では5回3失点で降板となった。翌々日の3回戦では7回3失点と粘投したが、チームに勝利をもたらすことはできず。小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)の通算20勝を超え、21勝を挙げるなど、実力は誰もが知るところ。強敵・明大打線に対し、エースとして圧巻の投球を見せたいところだ。

辛い夏を乗り越えて

 早大打線では、田村康介(商4=東京・早大学院)に注目したい。昨季は全試合に出場をし、2本の本塁打を放つなど自身の力を遺憾なく発揮した田村であったが、今季は思うように調子が上がっていなかった。夏にはBチームでのプレーも経験。リーグ戦前の取材では、Aチームでいることが当然ではないと感じたと語った。夏を通しフォームを見直すなど、野球に対し真摯に取り組む姿がうかがえる。開幕スタメンは明け渡す形となったが、立大1回戦から返り咲くとここまでチーム2位の打率を記録するなど、頼もしい活躍をしている。明大戦でも、注目していきたい。

法大3回戦で安打を放った田村

8試合で先制したのは1試合のみ 序盤から攻勢をかけたいところ

 直近の法大戦では3試合中2敗しと負け越し、後味の悪い結果となってしまっている早大。3試合を振り返りってみるとどの試合においても接戦の試合であったといえる。2回戦では先制点を取られるものの猛追し10点を追加。途中追いつかれながらも勝ち越し点を挙げなんとか勝ち抜いた。

 しかし、敗北した1回戦、3回戦ではどちらでも先制を許し、力闘を見せるもののあと一本が出ず敗北となる試合展開となっている。明大戦での勝利のためにも同じような試合展開には持ち込みたくない。幸先よい先制点、さらに点を守り切る守備を念頭に試合を進めていくことが鍵となると予想される。

 6試合を通し未だ、白星を飾り続ける明大。一方の早大は中盤に入り、黒星が増えてきており、苦しい状況を迎えている。明大は早ければこのカードで優勝を決める可能性がある。早大の優勝へ望みをつなぐためにも、投手陣、野手陣共に奮起が求められる。

(記事 中川晏結美)