【男子バレー】苦闘の末、因縁の相手に勝ち星をあげた

男子バレーボール

秋季関東大学リーグ戦 10月11日 神奈川・小田原アリーナ

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)第7戦は中大との対戦。今年に入ってからプレシーズンマッチを含め2敗0勝と苦手意識のある相手だった。中大4年の坪谷、梅本を中心に強いサーブとブロックをうまく使いこなす相手の攻撃に苦戦を強いられた。しかし、冷静にレセプションから攻撃に繋げるプレーを積み重ね、セットカウント3ー2(23ー25、25ー23、26ー24、24ー26、15ー11)とフルセットの末、白星をあげた。

 第1セット。セッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)がトスをライトからレフトへと大きく振り、OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)が力強く決め切り先制点をあげる。そこから相手に何度かブレイクを取られ、思うように点差をつめられない厳しい展開となるが、中盤にMB板垣慧(政経4=京都・洛南)やMBローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)のAクイックが決まり始め、17点目でスコアが並んだ。その後小野のバックアタックやブロックで点数を稼ぐも、23-25で一歩届かずセットを奪われる。

クイック攻撃をする板垣

 取り返したい2セット目、序盤から早大の勢いが止まらない。1点目小野のスパイクが決まり、そのすぐ後の2点目、小野の強烈なサーブが相手レシーブを崩し、返ってきたボールをOH佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)がダイレクトアタックで叩き込みブレイクに成功した。その後もブレイクが続き、9-6の3点差の場面で中大はたまらずタイムアウトをとる。その直後、中大のブロックが決まり始め5連続失点を喫した。しかし板垣、OP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)、佐藤のブロックポイントや、板垣のサービスエースなどで着実にブレイクを重ね、最後は小野のバックアタックが決まり25-23で2セット目を奪取する。

 勢いそのままに進んだ第3セットは相手の粘り強い守備が際立ち、長いラリーが続く。しかし、小野や川野が決めきり終始リードを保つ。中盤に佐藤のブロックアウトや小野のサービスエースが決まりブレイクを重ねるも、相手にもサービスエースやブロックでブレイクを取られ、互いに譲らずデュースまでもつれ込む展開になったが、終盤相手のミスが増え26-24でセットを奪取した。

ライトスパイクを打つ川野

 ここで取りきりたい4セット目、序盤にスパイクのミスが重なり相手にリードを許す。川野のストレートや佐藤の足の長いクロスなど秀逸なプレーが飛び出すが、相手の守備が固く4連続失点。すかさず早大はタイムアウトをとると、それを受けて川野のスパイクやローゼンのブロックが決まり勢いが復活し、リベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)の圧巻のスパイクレシーブで完全に流れをものにする。その後も佐藤の器用なブロックアウトや途中出場のMB菅原啓(教3=山形南)のAクイックが連続で決まるなどプレーで魅せていく。またもデュースに持ち込まれたが、序盤のミスが響き24-25で第4セットを失う。 

 運命の最終セット。佐藤と小野を中心に3連続得点で序盤から早大のリズムを掴んでいく。その後も菅原のブロックや、小野のブロックを弾き飛ばす強打、佐藤のブロックアウト、ローゼンのAクイックが決まり、それぞれの役割を着実に果たして得点を重ねた。終盤にローゼンがサイドラインいっぱいにサービスエースを決めて4点差になると、流れを保ったまま15-11で5セット目を獲得し、セットカウント3-2で中大に勝利した。

喜びを表現する布台

 「秋季リーグ戦では勝たないといけない相手」(板垣)という通り、中大戦は今季の中で一番意識していた試合だったのではないか。秋季リーグ戦現在全勝中の明大を追いかける早大は今回も含め、この先1戦も落としてはいけない相手との試合が続いていく。今日の大きな収穫は強いサーブに対する日々の練習の成果が功を奏し、安定したレセプションからの攻撃を行うことができたこと。明日の対戦相手は東海大。先月行われた天皇杯全日本選手権大会ブロック予選(天皇杯ブロック予選)では勝利している相手だが、気を緩めず戦いきってほしい。

(記事 山口愛結、写真 町田知穂)

セットカウント
早大

23-25
25-23
26-24
24ー26
15ー11

中大
スタメン

アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)
ミドルブロッカー 板垣慧(政経4=京都・洛南)
ミドルブロッカー ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)
オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園)

途中出場

菅原啓(教3=山形南)
瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)

コメント

板垣慧(政経4=京都・洛南)

ーー試合を振り返って
 個人としては、今年に入ってプレシーズンから中大の試合は全試合負けていて、絶対に勝たないといけないというところと、4年生として出ていたので、しっかりとチームを鼓舞するっていう部分を意識しながら試合には入っていました。その中で、思ったよりはブロックとかで触れていたので、そこは良かったかなっていうのと、そこで中心になってチームを引っ張れたという部分で序盤は良かったと思います。(今年は)ずっと負けていたというのがあったので、4年生として絶対に秋リーグは勝たないといけない、一敗している状態だからこそ絶対勝たないといけないなと思っていました。チームとしては、チームとして向かっていくっていう部分だったりとか、中大はサーブがいいので、それに対して今週1週間というか練習してきたので、成果が出ていたというのと、2点差のゲームというところを取りきれたっていうところは自信にしていいのかなと思います。
ーー苦手意識が少し強いチームだと思うのですが、試合に臨むにあたって気をつけていたことはありますか

 最初からしっかり乗ってかないと絶対にやられるっていうところと、負けの意識が強かったので4年として入ってる自分だったりとか、軸にやっていきたいなってのは思ってて。相手の桝本(中大3年)と梅本(中大4年)のスパイクやパイプをまずはしっかり潰そうというのは意識していました。

ーー4セット目、5セット目の間の切り替えの部分ではいかがでしたか
 2セット目の2点差が取れなかったというところは自分たちの反省点でもあり、ただもう切り替えて、本当に1からもう1回向かっていく気持ち。4セット目の終盤も結構チームとしても結構下がっていっちゃったので、しっかりと攻めていくっていう部分を喋りながら、まず戦術的な部分でいくと、相手の攻撃に対してブロックやサーブをもう少し打とうというような指摘はあったかなと思います。
ーー全日本インカレに向けて秋季リーグ戦後半の中で、やっていきたいこと、伸ばしていきたいことはありますか

 個人としては、啓(菅原、教3=山形南)が戻ってきて、堅斗(麻野、スポ3=京都・東山)も怪我から復帰してというところで、多分ミドルの争いっていう部分は出てくるので、その中で遠慮せずに自分も切磋琢磨しながらミドルのレベルを上げれるようにっていうところがまず個人としての課題で、チームとしてはラリー中の攻撃の選択肢を増やすことと、被ブロックがまだ目立つので、スパイクのコースの打ち方や、トスの配給をもう1回見直したいです。
ーー次戦への意気込み
 天皇杯予選で快勝はしているものの、東海大もメンバーが変わってきて、自分たちも満身創痍という部分ではあるので、しっかりと1点1点最初から気を抜かずに点数を取っていきたいと思います。

菅原啓(教3=山形南)

ーー今日の試合を振り返って
 チームとしては中大は今年プレシーズンマッチだったり、春リーグだったりでも負けてる相手だったので、チーム全体としても少し緊張感があるようなところは感じていて、その中で2セット目を取られてしまい、厳しい状況だったのですが、粘り強く2点差のゲームを制することができたので、非常に良かったと思います。
ーーけがの調子はいかがですか
 8月の中旬ぐらいに捻挫してしまって、今徐々に足首の状態も上がってきていて、その中で今日は途中出場という形でしたけど、チームに貢献できたので良かったかなと思っています。
ーー途中出場されていましたが、出る前の心持ちはいかがでしたか
 あまり緊張するタイプではないので、外から見ての情報とかを活かした上でのブロックだったり、スパイクだったりを打てたかなとは思っています。
ーー久しぶりの出場で感じたことはありましたか
 今日出場して思ったのは、けがでバレーできない期間が長かったので、緊張感のあるようなゲームに出場できないっていう状況が続いたのですが、久しぶりにチームに入ってプレーして改めてバレーボール楽しいなと感じました。
ーー4セット目、5セット目のセット間の切り替えについては
 4セット目も終盤から流れ的には悪くはなかったです。出だしがいい時はセット取れていたというのを感じていたので5セット目は特に序盤を意識して戦おうというのはありました。
ーー次戦への意気込み
 明日、東海大学ということで、天皇杯予選で戦っている相手だとは思うのですが気を抜かず、今日のような緊張感のあるゲームを展開していければなと思います。