【米式蹴球】勢いに乗る明大を下し開幕4連勝 試合後半にモメンタムを引き寄せる

米式蹴球

関東学生秋季リーグ戦 10月5日 FUJITSUスタジアム川崎

TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 10 34
明大 GRIFFINS 10 20

 8月に開幕した関東学生秋季リーグ戦もいよいよ折り返し。早大BIG BEARSはこの日、第3節で法大に勝利し勢いに乗る明大GRIFFINSと対戦した。前半は、両チームのオフェンスが躍動し、17ー17の同点に終わるも、後半に入り、RB安藤慶太郎副将(社4=東京・早大学院)のタッチダウン(TD)ランでリードを奪う。その後は両チームとも無得点の時間が続いたが、4Q残り6分にRB安藤慶副将の今日3つ目となる62ヤードのTDランでリードを広げ、無傷の4連勝を達成した。

この試合、3TDを決めたRB安藤慶

 前半は早大レシーブから試合開始。QB船橋怜(政経4=東京・早大学院)からWR吉規颯真(政経4=東京・早大学院)へのパスが決まり1stダウンを奪うも、攻撃が続かずパントに終わる。続く明大の攻撃は、スクリーンパスを受け取ったRB高橋周平(4年)が、ランアフターキャッチ(RAC)で一気に早大陣内へ侵入する。最後は、43ヤードのフィールドゴール(FG)が決まり、0ー3とリードを許す。反撃したい早大オフェンスは、短いパスを中心にドライブを進めるが、エンドゾーン手前で止められ、FGで同点に追いつく。しかし、第1クオーター(Q)終了間際に、明大のRB高橋にOLが開けた中央の穴を抜けられ、75ヤードのTDランで3ー10と再びリードを許す。続く早大オフェンスは、ビックプレーを重ねる明大とは異なり、ランと短いパスを用いて着実に進んでいく。その後、QB船橋からWR鳴島煌斗(政経3=東京・早大学院)へのパスが決まり、ゴール前10ヤードへ進むと、エンドゾーン右奥へと走り込んだWR吉規へのTDパスが決まり同点。次の明大の攻撃をすぐさまスリーアンドアウトに抑えると、早大は再び時間を使いながら着実に相手陣内へと侵入する。エンドゾーンまで残り1ヤードの地点まで進むと、前半残り2分でRB安藤慶のTDランによってリードを奪う。ただ、明大も素早い攻撃でロングゲインを重ねると、RB高橋のこの日2つ目となるTDランで、即座に同点に戻される。前半終了までの残り1分で得点を取りたい早大だったが、パスが連続して決まらず、前半を17ー17の同点で終えた。

パスカット後のDB宮下

 後半は早大キックで試合再開。明大の攻撃をスリーアンドアウトに抑えると、パス成功を重ねて相手レッドゾーンまで進む。すると、ハンドオフを受けたRB安藤慶が、一度相手ディフェンダーに止められたと思われたが、そこから何とか抜け出し、そのままエンドゾーンまで走り抜けてTD。これで24ー17とリードを奪う。その後の明大の攻撃を再びパントに抑えると、早大はQB船橋とRB安藤慶のランで、敵陣まで快調に攻撃を進める。しかし、第4Qに入った直後の3rdダウンで、QB船橋がパスラッシュを交わしながら投げたパスがインターセプトとなり、ターンオーバーを喫する。攻撃権を得た明大は、その流れのままに、RB高橋がタックルを巧みにかわし、この試合3度目となるビックゲインで早大陣内の奥深くまで侵入する。しかし、早大ディフェンスが踏ん張り、何とかFGに抑える。ディフェンスの奮闘に報いたい早大オフェンスは、キックオフがアウトオブバウンズに出る反則によって自陣35ヤードからの攻撃権を得る。すると、RB安藤慶副将が左サイドに流れながらタックルをかわし、62ヤードを走り抜け、この試合3つ目となるTDランを決めた。これでリードをこの試合で初めて2ポゼッション差へと広げた。試合残り5分、是が非でも得点を取りたい明大だったが、4thダウンに追い込められると、サイドライン際へのパスをDB宮下拓(創理3=神奈川・鎌倉学園)がカットし、早大が攻撃権を奪い返す。早大オフェンスは、ランで時間を使いながら、試合残り2分でFGを決め、リードをさらに広げる。続く明大の攻撃は、苦し紛れに投じられたパスをDB宮澤源(文構2=東京・麻布)がインターセプト。最後は、早大がランで時間を潰して試合終了。34ー20で早大が勝利した。

試合終盤にインターセプトを決めたDB宮澤

 この勝利で、見事4連勝を挙げた早大。オフェンスは、ここまでの3試合とは異なり、ランを中心に時間を使いながら進める展開だったが、開幕からの30得点以上を維持した。しかし、RB安藤慶は「細かいところで自分たちの合格点に達していないプレーがある」と語る。この4連勝の勢いのまま、最後まで連勝を止めずに勝利を重ねていきたいところだ。

(記事 吉川柊真 写真 大村谷芳、大竹暸)

得点経過

TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
明大 FG #10田村       0-3
早大 FG #11小林       3-3
明大 RUN #21高橋 #10田村 3-10
早大 PASS #15船橋→#14吉規 #11小林 10-10
早大 RUN #7安藤 #11小林 17-10
明大 RUN #21高橋 #10田村 17-17
早大 RUN #7安藤 #11小林 24-17
明大 FG #10田村       24-20
早大 RUN #7安藤 #11小林 31-20
早大 FG #11小林       34-20

コメント

LB功能誠也主将(教4=東京・西)

ーー試合を振り返って

 前半は結構苦しいシチュエーションになるかなと思っていて、後半が勝負だなと思っていました。その後半でしっかりオフェンスは、勝負どころで進めましたし、ディフェンスも、点は取られましたが、勝負どころでしっかり止められたということがいちばん大きかったと思います。そういう意味では、後半に対するアジャストは良かったです。

ーーハーフタイムでは、攻める姿勢でチャンスを作ろうと話されていました。後半変えた部分はありますか

 オフェンスは特に変えることはありませんでしたが、ディフェンスは相手のRBにやられていました。そこに対して違うコンセプトのスキームを準備はしていたので、ある程度準備してきたものをしっかり出せば大丈夫だということをみんなに伝えていました。そのアジャストの部分は準備でしっかり勝てたかなと思います。

ーーディフェンスは苦戦する試合もありました。現在のディフェンス陣の状態はいかがですか

 全然まだまだかなと思います。前半特にランも止まりませんでしたし、責任を全うできていないプレーが今日も多かったです。そこを詰めるミーティングはずっとしていますが、まだまだゲームライクにそういうミーティングの内容とかを含めてできてないので。次の慶大戦に向けて、しっかり準備してやりたいなと思います。

ーーここまでの戦い、活躍を感じた選手は

 オフェンスは、QB船橋(怜、政経4=東京・早大学院)かなと思っています。今日も大事なところでパスを決めましたし、ディフェンスで点を取られて苦しい場面でしたが、しっかりとボールをつないでくれる確実なQBなので、彼はキーマンかなと思います。ディフェンスに関しては、あえて挙げるならDL伊藤(寛太郎副将、商4=東京・成蹊)です。コンディションが良い時も悪い時も、すごくレベルの高いフットボールをずっと続けてくれているので、そこはフロントで、今年結構強みを持っている部分を引っ張ってくれた存在かなと感じでいます。

ーーチーム、個人としてそれぞれ意気込みをお願いします

 個人としては、今フィールドを離れていますが、ディフェンスの中心にいるべき人間なので、戻ってまず僕の責任を全うしたいです。チームとしては常にレベルアップし続けるということを考えてほしいです。明大に勝つとか慶大に勝つということではなくて、日本一のための視座をずっと続けることがすごく大事なので。別に4連勝しようが5連勝しようが、そこはあまり関係なくて、しっかり詰めるところを詰め切って、まだまだ結果が出せる準備をやり切りたいと思っています。

RB安藤慶太郎副将(社4=東京・早大学院)

ーー試合を振り返って

 この試合をしっかり勝てたことが何よりかなと思います。

ーーランを中心に時間を使って攻める場面多かったですが、どのようなことを心がけてプレーしていましたか

 オフェンスが出ないと負けるということを自分たちに言い聞かせていた試合だったので、全てのプレーで1ヤードでも前に倒れることを意識しました。

ーー後半4点差まで詰められて点が欲しい場面、ロングゲインでのTDでした。振り返って

 オフェンスラインが本当に良くブロックしてくれたプレーで、一瞬の開いたタイミングで走ってTDにつなげられたので、みんなで取れた最高の1プレーかなと思います。

ーーチームとしては4連勝になります。特にオフェンス陣のここまで好調の要因は

 自分たちとしては好調とは思っていなくて、点は取れているものの、細かいところで自分たちの合格点に達していないプレーがあるので、より上のレベルに持っていきたいなと思います。

ーー次戦に向けて意気込みをお願いします

 あと1週間しかないですが、しっかりとコンディションを整えて、今日出た課題をしっかり潰して、次の試合も勝ちたいと思います。

OL丸山皓士朗(法4=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

 オフェンスとしては後半は良かったですが、前半もっとアジャストできたかなと思っている部分があります。誰かが押せていても、どこかが押せていなくてタックルされているという場面があったので、そこのアジャスト力が今の課題かなと思います。

――この試合、OLユニットの連携はいかがでしたか

 100点満点で言うなら60点くらいかなと思っています。アジャストの部分もそうですし、もっと早い段階でどのコミュニケーションが良いかとかを気付けたらなと思っています。パスプロテクションなどに関しては、結構連携が取れていたかなと思います。

――ここまでOLユニットの奮闘で好調なオフェンスを見せてきました。4戦を振り返って

 春の試合で立命大に負けて、オフェンスユニットの課題としてフィジカルが全然足りていないということになりました。フィジカルにこだわって夏などを過ごしてきて、フィジカルの部分は良くなっていますが、IQの部分だとか、フィジカルもまだまだ伸ばせると思うので、立命大さん関西大さんなどのもっと大きい相手と戦う時に負けないようなフィジカルをつくっていきたいと思っています。前半1試合目、3試合目はOLとしてすごく良かったなと思っていますが、相手に経験者が増えてくるとやられてしまうのでそこはまだまだこれからもやっていきたいです。

――ここまでを振り返って、チームや個人として修正したい課題はありますか

 チームとしては、時間が空いてしまうと今まで課題だったところを忘れてしまうので、しっかり積み重ねが大事だと思っています。それができればもっと楽に点数を取って、ディフェンスで抑えて勝てると思うので、楽に勝つために積み重ねるところと、細かい部分を突き詰めるところはまだまだ課題なのかなと思っています。個人としては、自分自身フィジカルに全然満足していないですし、IQの部分もまだまだできるなと思っているので、ミーティングとか後輩の意見とか色々聞きながら圧倒できるOLになりたいです。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

 慶大さんは春に早慶戦をやっていて、DLもLBも多いので、OL次第で試合が決まると思います。次戦は、OLに注目してほしいですし、OLでチームを勝たせたいと思います。