第101回関東大学リーグ戦 10月5日 東京・日本体育大学世田谷キャンパス
関東大学リーグ戦(リーグ戦)で首位を走り、現在10連勝中と旋風を巻き起こしている早大。迎えた第13戦目は中大と対戦した。試合は序盤から拮抗した展開。早大は得意のスリーを徹底マークされ、流れに乗れない。それでも、F堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)やF三浦健一(スポ3=京都・洛南)がドライブで得点を量産し、早大に勢いをもたらす。そして第4Q残り59秒、1対1から三浦が試合を決定づけるタフなレイアップを決め切り、89-84で早大が勝利。リーグ戦11連勝を飾った。
第1Q序盤はG堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)のスリーなどで早大が主導権を握る。しかし、中大の強度の高いディフェンスに苦戦。ターンオーバーから中大にスリーを立て続けに許すなど0-12のランをつくられ、逆転されてしまう。それでも、堀副将のバスケットカウントやG下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)の速攻で流れを引き戻し、22-24で第1Qを終えた。
第2Qは中大のペース。思うように得点が伸びない早大は、倉石平ヘッドコーチ(昭54教卒=東京・早実)から攻撃の試行回数を増やすよう「ペース早くして」とげきが飛ぶ。中大にリードを許す苦しい時間帯が続く中、三浦がオフェンスリバウンドから自らシュートを決め、チームを引っ張った。一時は10点をリードされていたが、堀副将がファールを受けながらスリーを決める4点プレーを成功させ、徐々に点差を縮めていく。早大が攻撃のテンポを上げ、両チームとも点を取り合う展開となり、43-45で前半を終える。堀副将は前半だけで16得点と躍動した。

第3Qは開始早々、三浦が華麗なロールで得点し、早大が流れをつかむ。また、堀田副将のスティールから下山が速攻を仕掛け、インサイドで合わせた三浦がバスケットカウントを決めるなど早大の高速バスケットがさく裂。しかし中大もスリーを高確率で決め、試合は一進一退の攻防になった。早大は堀副将、三浦の積極的なドライブが相手のファールを誘い、フリースローで着実に得点を積み重ねていく。しかし中大も粘り強く、67-63と早大の4点リードで勝負の第4Qへ。
第4Qは三浦が立ち上がりにスリーを決めると、続けて手先の器用さが光る巧みなレイアップを決め、連続得点で勢いをもたらす。さらに相手を突き放しにかかるが、粘り強い中大に残り5分40秒で74-74の同点に追いつかれた。試合はクラッチタイムに突入し、緊迫感が高まる中、先にリードを奪ったのは早大。G岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)が1対1からステップインでインサイドへ切り込み、シュートを決める。中大もスリーで応戦するが、堀副将がインサイドでロールから相手を上手くかわして得点する。7点リードで迎えた残り59秒、三浦が1対1からプルアップシュートを沈めて勝負あり。最終的には89-84で中大に競り勝ち、早大がリーグ戦12勝目を飾った。

堀副将が25得点と今日の試合でも獅子奮迅の活躍。相手のディフェンスは強固だったが、得意の1対1からドライブでシュートをねじ込んだ。今日はフリースローも好調で、11本打って外したのはわずか1本のみ。また、三浦が21得点と躍動。豪快にシュートを決める堀副将に対し、三浦はしなやかなステップと繊細なシュートタッチで得点を奪った。
今回の試合では、中大の徹底したスリーへの警戒に早大は苦戦した。それでも、早大が勝ち切れた要因は、選手一人ひとりの個の打開力の高さにある。スリーが封じられていても、1対1から個人技で得点を量産できる選手が揃っている。中大に勝ち、これでリーグ戦11連勝。早大旋風はまだまだ止まりそうにない。
(記事 村山諒 写真 石澤直幸)
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 | 22 | 21 | 24 | 22 | 89 |
中大 | 24 | 21 | 18 | 21 | 84 |
早大 スターティングメンバー
Pos. | # | 選手名 |
---|---|---|
G | 0 | 下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一) |
F | 5 | 堀陽稀(スポ4=京都・東山) | F | 6 | 三浦健一(スポ3=京都・洛南) |
G | 7 | 堀田尚秀(スポ4=京都・東山) |
G | 14 | 高田和幸(商4=京都・洛南) |
コメント
堀陽稀(スポ4=京都・東山)

ーー今日の試合振り返っていかがでしたか。
松本がいない中で、少ない人数で、きつい中、粘り勝てて良かったです。
ーー今日の試合で堀選手は25得点、試合終盤には華麗なロールからのレイアップを決め切りましたが、手応えはいかがですか。
相手も(早大が)スリーポイントを打ってくるとわかってて、カバーが寄らない。もうスリー打てる人についているから、自分のドライブが結構空いたかなっていう印象ですね。
ーー日大戦のインタビューの際にフリースローもう少し決めきれればとおっしゃっていましたが、今日の試合で11分の10でした。高確率でしたがいかがですか。
入ってくれてラッキーで、よかったです。
ーー今日の試合でも岩屋選手との見事な連携が見られましたが、意識されていることはありますか?
空いてたらパス出すし、向こうも空いてたらパス出してくれるんで、四年目なんで、いい感じだと思います。
ーー今日の試合ではスリーポイント成功率がチーム全体で29パーセントとあまり高くありませんでしたが、それでも勝ちきりました。要因は何だと思いますか。
その分ドライブアタックして相手のファール詰ましてフリースローを決めきれたってところなんじゃないかなと思います。
ーー今日の試合で勝って、早大は11連勝です。最後に次の試合に向けての意気込みをお願いします。
ここまで来たら、もう優勝もしたいですし、優勝と言いつつも、しっかり一戦一戦戦って、来週、多分来週日体ですか? 唯一負けてる相手なので、そこでリベンジしたいと思います。
三浦健一(スポ3=京都・洛南)

――見事勝利し11連勝となりました。今のお気持ちを聞かせてください
接戦をものにできて本当に良かったと思います。
――ずっと接戦の展開でした。心境はいかがでしたか
相手のディフェンスが少し特殊で、自分たちのドライブにヘルプが寄ってきませんでした。それによりシューター陣が生きず、オフェンスが重くなってしまったと思います。そこを後半はポストアップから崩していこうと倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54教卒=東京・早実)から指示があったので、後半は自分が遂行して点を取れて良かったと思います。
――2巡目が始まっていますが相手の早稲田対策は感じますか
そうですね。自分たちのバスケットスタイルが確立されている分、相手がそれなりに対策を練ってくることは分かっていました。けれどどんな対策をされても自分たちのやることは変わらないので、リードされてもディフェンス頑張ったり、逆に自分たちがリードしている時にできる限り突き放そうと思っています。そこが突き放しきれなかったのは今日の課題ですね。
――本日は2ポイントを中心に21得点を挙げました。自身のオフェンス面を振り返っていかがですか
スリーポイントの確率が上がってこないこともありますが、今まではスリーへの意識が大きすぎて自分のオフェンスのリズムが止まってしまうことがありました。ドライブやミスマッチのポストアップからターンアラウンドのシュートというのは常に練習していて、そこで点を取れるのは自分の強みでもあるので。もちろん一番最初はスリーを狙うんですけど、それ以外のプレーもしていこうと意識しています。
――3Pシュートを武器とする中大にスイッチを多用して対応していました。ディフェンス面は振り返っていかがですか
最後はちょっと疲れてしまってガード陣に抜かれてしまいましたが、自分が積極的に声をかけてスイッチの有無をガード陣に伝えることができました。自分も外を守ることができるので、早めに意識して声をかけるようにしています。
――来週は日体大とのリベンジを含む3連戦です。意気込みをお願いします
しっかりと準備して、3連戦ですが1勝1勝つかんでいきたいです。神奈川大はしつこい相手なので、相手がリーグ戦で負けているとかも関係なく目の前のことと向き合って、目の前の1勝をつかみ取りたいと思います。そして日体大へのリベンジを果たせるように頑張りたいと思います。