濵田一、徳田の単複2点取りで明大との大激戦を制す 4位で秋リーグを終えた

卓球男子

秋季関東学生リーグ戦 9月18日 東京・代々木第二体育館

各校が熾烈な戦いを展開してきた秋季関東学生リーグ戦も閉幕の日を迎えた。ここまで3勝3敗の早大男子の相手は、優勝候補の明大。春リーグに続き、最終戦で強敵明大を迎えた。厳しい戦いが予想される中、1番・3番のシングルスは落としたものの、濵田一輝主将(スポ4=愛知・愛工大名電)・徳田幹太(スポ3=山口・野田学園)の単複2点取りで勝利に王手をかける。6番のシングルスは敗戦し、7番・濵田尚人(社2=高知小津)まで回った。持ち味の粘り強いブロックで得点を奪い、フルゲームまでもつれた熱戦に勝利。団体戦スコア4-3で、明大との激闘を制す。秋リーグを4勝3敗、4位という順位で終えた。

前日の中大戦で7番まで回る死闘の末に勝利をつかんだ早大男子。秋リーグ最終戦となる明大戦もこの勢いのまま勝ち切りたいところだ。
1番には田村真吾副将(基理4=東京・早稲田)が起用される。4年生の田村にとってこの試合がリーグ戦最後の戦いに。第1ゲーム、幸先よく4連続ポイントを先制するもじわじわ点差を詰められ、惜しくも落とす。続く第2ゲームは先行して攻められ、思うようにラケットを振らせてもらえない。そのまま奪われ後がなくなった第3ゲーム、持ち味のパワーを活かして思い切り攻撃していくも、あと一歩及ばず、敗れる。今年の春に念願のリーグ戦初出場、そして初勝利をつかみ取った田村。これまでの悔しさや苦しさ、そして仲間の応援を力に変え、通算3勝という結果でチームに勢いを与え、リーグ戦という青春の1ページに幕を閉じた。
続く第2番手には、同じく最終学年の濵田一主将が登場した。ここまで秋リーグ無敗と勢いに乗る相手に対し、先手を取って攻め込み、長いラリー戦を優位に進めていく。第1ゲームは序盤こそリードを許したものの、要所でロングサーブを決めて追い上げ、逆転で先取。第2ゲームも圧巻の試合運びで連取した。しかし第3ゲームでは一転して押される展開に。それでも第4ゲームでは立て直し、相手を台後方に下げながら主導権を握ってラリーを展開し、見事勝利を収める。いずれのゲームも接戦となる熱戦だったが、「4年生の意地」で勝ちきり、チームに大きな勝ち点をもたらした。今大会では全試合に出場し、6勝1敗の結果を残し、優秀選手賞を、また4年間を通じてリーグ戦40勝14敗の好成績を収め、特別賞も授与された。

ガッツポーズをする濵田一主将。優秀選手賞、特別賞を受賞した

3番磯村拓夢(社3=福岡・希望が丘)は攻めの姿勢を崩さず、試合を進める。得意のフォアドライブを何本もねじ込むが、粘り強く返してくる相手にミスを誘われてしまう。2ゲーム先取され、迎えた第3ゲーム。3球目攻撃やバックハンドが冴え、デュースにもつれた。しかし、ゲーム後半から追い上げを見せた相手の勢いを止めきれず、このゲームを落とし、惜しくも敗れる。

バックハンドを振り抜く磯村

前半のシングルスを終え、団体戦スコア1-2で迎えたダブルスには濵田一主将・徳田組が登場した。相手は全日本選手権を制した強豪ペア。濵田一の全身で振り抜いたフォアドライブが決まる場面もあったが、最後に追い上げを許し第1ゲームを落とす。続く第2ゲームは抜群のコンビネーションで11-5と圧倒し、1-1に並んだ。しかし第3ゲームは接戦の末に惜敗し、再び追いかける展開となる。それでも第4ゲーム以降はサービスや徳田の鋭いフォアドライブが冴え、流れを完全に掌握。2ゲームを連取し、見事な逆転勝利を飾った。濵田一主将・徳田組として臨む最後のリーグ戦で、2人は見事4度目の最優秀ペアー賞を獲得。その実力と存在感を改めて証明した。

抜群のコンビネーションで4度目の最優秀ペア―賞を受賞した濵田一主将・徳田組

続く5番手の徳田は、序盤こそ相手の堅いブロックに苦しみ第1ゲームを落とすも、そこから一気にギアを上げる。意表を突く巧みな攻撃や威力あるショットでラリーを封じ込み、主導権を握った。最後は3-1で振り切り、勝ち点をチームにもたらした。あと1勝が欲しい早大。6番にはルーキー浦田景太朗(商1=兵庫・三田学園)が登場する。相手の強烈なドライブに対応しきれない。第2ゲームでデュースにもつれこませるが、健闘むなしく敗れた。
団体戦スコア3-3、勝敗の行方は7番に託された。重圧のかかる大一番を任されたのは濵田尚だ。昨日の中大戦でも7番に起用され、値千金の勝利でチームを救った立役者である。ラリー戦が続く中、濵田尚は持ち前の守備力を発揮。相手の力強いフォアドライブを冷静に受け止め、鉄壁のブロックで応戦した。第1ゲームを落とすも、第2ゲームを取り返し、その後は互いに譲らず1ゲームずつを分け合い、勝負は最終ゲームへ。デュースにもつれる激戦の中、濵田尚は守りに徹するだけでなく、要所で攻めの姿勢を貫いた。最後まで集中を切らさず、一球でも多く返し続けた濵田尚に、軍配が上がった。

中大・明大戦でチームを勝利に導いた濵田尚

前半戦は苦戦し、2部降格まで見えたところから立て直しを見せ、後半戦では強敵中大・明大を倒した早大男子。優勝を掲げて挑んだ中でのこの結果を振り返り、濵田一主将は「悔しさというよりはやりきった」と語ったように、4年生全員が充実感を口にした。秋リーグが終わり、濵田一主将、田村副将、玉田隼大副将(人4=兵庫・滝川)、中島爽太主務(スポ4=茨城・茗渓学園)の4人が引っ張ってきたチームでの戦いは終了。強みであるチーム力で苦しい試合でも戦い抜いてきた。「チーム力をもっと磨き上げて強い大学にも勝っていって優勝を目指してほしい」と玉田副将は語り、自分たちが最上級生の代では達成できなかった優勝を後輩へと託した。今年度の団体戦で数々の激闘を繰り広げ、観る者を魅了する卓球を見せてくれた早大男子。その中心となり、チームを力強く牽引してきた4年生4人に、心からの感謝を伝えたい。

試合後の集合写真。秋リーグお疲れ様でした!

※掲載が遅くなり申し訳ございません。
(記事 牧咲良 写真 上田浩誠、上野沙織、牧咲良) 

濵田一輝主将(スポ4=愛知・愛工大名電)

――本日のシングルス、ダブルスはどちらも最後まで大変な戦いでしたが、何が勝ちに繋がったと思いますか

最後の執念というか、4年生の意地を少し出すことができたのかなと思います。あとは仲間の応援が本当に背中を押してくれましたし、苦しい状況だったのですが必死になって応援してくれている後ろからの応援がとても力になりました。

――最後のリーグ戦4位という結果を振り返っていかがですか

優勝を目指していたので、4位というのは悔しい結果ではあります。でも、最後代々木に来て中大、明大という強豪2つに勝って終われたというところで悔しさというよりはやりきったなと個人的には思っています。

――前半戦ではあと1本が取れずに苦しむ場面が多かったですが、後半戦の中大・明大戦では勝ち切りました。主将として戦いを振り返っていかがですか

負けた試合は全部4-3でやられていて、あと一本というところでした。中断期間に「最後は攻めたもの勝ちなので、自分たちの卓球を最後までやり切ろう」という話はしていたので、尚人がラストまで振り切ってくれて勝てたので彼はこの大会ですごく成長したなと思っています。

――シングルス、ダブルスともに6勝1敗という成績ですが、いかがですか

筑波大戦でどちらも落としてしまっていたので、そこの勝利があったら結果は変わっていたのかなと思うので、7勝0敗は4年間で一度はしたかったなという思いです。

――4年間のリーグ戦を振り返っていかがですか

これほど熱くなれる大会があるのかなという感じでこの先多分もうないでしょうし、苦しい時の方が多かったのですが、仲間にこれだけ応援されてコートに立てるというのは選手として誇らしいことです。終わってしまうのが悲しいな、と昨日からあと一日で終わりか、とずっと思っていました。でも、終わりがあるからみんな魂込めて頑張れるのかなと思うのでリーグ戦を経験できたということは僕のキャリアの中でも非常に大きなものになると思います。

田村真吾副将(基理4=東京・早稲田)

――本日の試合を振り返っていかがですか

後半戦1、2戦とも活躍できなくて不甲斐なかったです。

――個人では秋リーグ合計6試合に出場され、2勝4敗の結果となりましたが、振り返っていかがですか

できすぎですね(笑)できすぎだと思います。

――最後の団体戦、チームは4位という結果ですが、どのように受け止めていますか

Aクラスに入れたので良かったと思います。

――リーグ戦の中で1番印象に残っている試合はなんですか 

最後、尚人(濵田尚人、社2=高知小津)が2本取った試合です。前半戦で取り切れなくて、悔しいだろうなと思っていたのですが、最後取れて良かったです。

――卓球部で過ごした4年間を振り返っていかがですか

3年間出られなくて、しんどかったのですが、3年生の秋で優勝できてやりきったかなと思います。

玉田隼大副将(人4=兵庫・滝川)

――最後のリーグ戦を4位で終えました。今の気持ちを聞かせてください

前半戦は苦しい試合が多く、3-4で負けてしまってなかなか勝てなくて、最下位や入れ替え戦も見えてたのですが、最後の方に勝てて、4-3とかも濵田一の弟がしっかり勝ってくれて、最終的にはAクラスというところ、自分たちも想像してなかった4位だと言われて嬉しいという気持ちがいちばん強いです。

――リーグ戦ではベンチから試合を見ていましたが、どのような思いで声援を送っていましたか

新入生の頃に1回だけ出してもらって、もう1回出られたらいいなと思ったんですけど、周りの選手が強くて出場機会はなかったんですけど、どの選手もいつも練習を頑張ってやっているので、そういう選手の背中を少しでも応援席から押してあげたいなという気持ちで応援していました。

――今季は副将としてチームを支えていましたが、意識していたことはありますか

キャプテンは濵田一という偉大な人で、背中で見せるところがすごくて、田村もプレーでみんなを背負っていくところがあったので、自分はみんなとコミュニケーションをとってチーム全体のまとまりを保てるようにということを意識していました。

――玉田さんにとって、同期はどのような存在ですか

全員欠かせない存在というのが1番強くて、卓球でも日常生活でも、この4人じゃないと乗り越えられなかったことがたくさんあったなという風に感じています。

――最後に、後輩たちへのメッセージをお願いします

来年から濵田一という1番強い存在がいなくなって苦しいと思うのですが、やっぱりチーム力が早稲田の魅力なので、今後はそのチーム力をもっと磨き上げて強い大学にも勝っていって優勝を目指してほしいなと思います。

中島爽太主務(スポ4=茨城・茗渓学園)

――最後のリーグ戦を4位で終えました。今の気持ちを聞かせてください

優勝を目指してきたので悔しいという気持ちもあるのですが、中大、明大という強豪校に勝てたので優勝に近い4位かなと思っています。

――リーグ戦ではベンチから試合を見ていましたが、どのような思いで声援を送っていましたか

選手と同じ気持ちで、同じくらいのモチベーションで応援していました。選手がきついときには同じくらい自分もきつくて、選手が勝利で喜んでいる時には同じ気持ちになって応援させてもらいました。また、選手を少しでも勇気づけられるような応援を心掛けました。

――今季は主務としてチームを支えていましたが、意識していたことはありますか

チームの最後の砦となるくらいの気持ちで、チームにハプニングが起きたり、チームの裏方の部分では中心的な存在となるので裏の大黒柱としてチームを支えていければいいなという気持ちで頑張りました。

――中島さんにとって、同期はどのような存在ですか

玉田はずっと隣にいて、個人的に遊びに行ったりもしていたのでずっ友みたいな感じでずっと一緒にいました。濵田一は同じスポーツ科学部で主将と主務は両輪的な感じで、表の仕事を主将がやって裏の仕事を主務がやると教わったので、濵田一とうまく協力して全日本大学総合選手権・団体の部(インカレ)や春リーグ、秋リーグを戦い抜きました。田村はご意見番みたいな感じで自分が質問したことだったり、田村が聞きたいことがあったら僕に聞いてきたり、一人一人が競技面やチームの運営面、メンタル面でみんなで協力しあってきた4人なので歯車みたいな、卓球部には欠かせないかけがえのない存在です。

――最後に、卓球部で過ごした4年間を振り返っていかがですか

いろいろ悔しい経験もしたのですが、それや去年の秋リーグ優勝を含めて一生できないような貴重なものでした。

▼試合結果

 

秋季関東学生リーグ第7戦
早大 ○4-3 明大
田村 ●0-3 石井
濵田一 ○3-1 木方
磯村 ●0-3
濵田一・徳田 ○3-2 飯村・木方
徳田 ○3ー1 柳澤
浦田 ●0ー3 飯村
濵田尚 ○3-2 水谷