東京六大学野球秋季リーグ戦 9月28日 明治神宮野球場
1回戦を完封負けで落とした早大。何度もやってきたチャンスを生かすことができなかった試合だった。早大応援部は全体集合などで昨日の課題や意識すべきことを全体で共有し、この2回戦に臨んだ。この日もプロ併用日であったため、観客誘導は第1試合終了前から円滑に進められ、あっという間にエール交換が行われた。

守備イニングにコールを行う吹奏楽団
試合前には野口航太郎(国教3=埼玉・熊谷)によって、「呼びかけコール」など様々なコールの練習が行われた。試合前から応援部部員によるコールの統一感や一体感が印象的だった。この日の先発投手は、昨季の立大2回戦で完封勝利を挙げている宮城誇南(スポ3=埼玉・浦和学院)。1回表、その宮城の立ち上がりを立大打線に攻め立てられる。連続で四球を与えピンチを招くと、村本勇海(立大2年)に適時打を許すが、初回からいきなり先制を許す展開でも、早大応援席は焦りを見せない。

学生注目を行う豊島悠代表委員主将兼連盟常任委員(教4=神奈川・桐蔭学園)
その裏の攻撃で『取り返す準備はできているか』という学生注目(学注)を豊島が披露し、勢いに乗った状態で回曲の『紺碧の空』に入る。先頭打者の尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)が四球で出塁すると、『大進撃』、『F6〜SUNRISE』、『暴れん坊早稲田』といった応援曲と共にチャンスを拡大。1死二、三塁とすると暴投間に同点、打席の寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)の二ゴロ間にもう1点を追加。昨日は遠かった得点時の『紺碧の空』が2度流れ、一気に逆転に成功した。

『コンバットマーチ』で選手を後押しする
しかし早大は2回表に1点を失い、再び同点となる。ビデオ判定でアウトコールが覆り、立大に1点が入るといったものであったため、立大側に流れが傾きかけた場面だった。勝ち越したい早大は、石郷岡大成(社4=東京・早実)の二塁打もあり、無死二、三塁というチャンスを作る。この状況になった瞬間に応援部は間髪入れずに『F1〜コンバットマーチ』を響かせる。このチャンスに吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)の二ゴロ、代打・黒﨑将太(文4=東京・国学院久我山)の適時打で2度目の逆転に成功した。特に4年間苦労を重ねてきた黒﨑のリーグ戦初安打となった適時打には、野球部の大きな歓声が聞こえてきた。

テクを振る鈴木凜太朗(文構3=兵庫・三田学園)
4回裏にはセンターリーダーの豊島の下で、回曲『いざ青春の生命のしるし』が演奏される。その後、文字切り『かっせ健伸』で前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)へエールを送ると、前田健副将のバットから二塁打が飛び出る。その後、2死一、二塁となるも打席に入った髙橋煌稀(スポ2=宮城・仙台育英)が仙台育英の同級生、田中優飛(立大2年)から痛烈な二塁打を放ち2点を追加した。応援席では『紺碧の空』が2番まで斉唱され、皆が得点を祝った。

笑顔でパフォーマンスを行うチアリーダーズ4年生たち
5回には髙橋煌が1点を失うも、応援席では様々なフレーズを合わせたシェイクコールなどが応援席全体を包んだ。また、この回の冒頭にはバンド演奏曲『希望の轍』が演奏され、チアリーダーズがパフォーマンスを披露した。この日のチアリーダーズの衣装は輝かしい黄色が印象的な「ダイヤモンドセット」である。立大の紫に対抗するようなこの色は、応援席を明るく照らした。

『紺碧の空』で得点を祝う
その後は互いが譲らずに2点差で迎えた7回裏。走者を三塁に置くと、4番の寺尾が内角のストレートを引っ張り、超特大の2点本塁打を放った。打った瞬間の当たりに、早大応援席は歓喜に湧いた。終盤を4点差で迎えた早大は、投手陣がギアを上げた投球を見せ、そのまま逃げ切り勝利を飾った。
1回戦とは打って変わり、チャンスを何度も生かして得点を重ねた早大。応援部は終盤まで気を抜かず全力でエールを送る姿を見せ続けた。試合後のエール交換が終わると豊島は応援席の観客に「明日は優勝へ欠かせません。ぜひとも明日も応援席へ足を運んで下されば幸いです」と口にした。勝ち点獲得に向けた3回戦に期待である。
(記事 土橋俊介、写真 森若葉)
1回戦の記事はこちらから
小﨑塁副将兼応援企画責任者(社4=埼玉・県立浦和)
ーー1回戦での敗戦を踏まえて、今日の応援で力を入れた点は何ですか
立教戦は苦労するということはわかっていたので、昨日は昨日今日は今日というふうに考えて臨みました。昨日はチャンスであと一歩で届かなかったので、今日はチャンスを絶対ものにするということと、ピンチを断ち切るというところを意識して応援をやりました。
ーー試合前までに全体集合で共有されたことはどのようなことですか
先ほどと同じようなことに加えて、昨日はヒットが出ていた中でいかに応援であと一歩、選手を後押しするかだったと思うのでそこを共有しました。
ーーサイン出しをする中で意識したことはありますか
最初から押せ押せで行こうかなと。自分は前半担当だったので、特に初回はテンポ早めにして、曲のサインから雰囲気を作っていくといったような形でやりました。
ーー守備回でのコールの手応えなどはありましたか
新鮮な感じでできたと思います。ですが、最初に提示してから実際にやるまでの間が短すぎたために、お客様に浸透しきっていなかったためにそこは大きな紙を作ったりだとか、部員全員で観客の皆様全員に伝達する時間を作ってからやれたら、もっと効果的なのかなと思いました。そこは今後に向けて整えていきたいです。
ーー明日の意気込みを教えてください
立教は月曜日まで来るかもしれないと身構えていたので、やるしかないです。絶対勝ちます。