第37回 関東学生リーグ戦 1部Aブロック
9月28日 東京・中央大学多摩キャンパスラグビー場
Team | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
早稲田大学 | 1 | 1 | 2 | 3 | 7 |
中央大学 | 0 | 1 | 1 | 2 | 4 |
得点者
1Q
小川隼人
2Q
吉田宗一郎
3Q
小川隼人、吉田宗一郎
4Q
吉田宗一郎、小川隼人、花井コルトンヘイズ
前回の明学戦でFINAL4進出を確定させた野澤組。連勝記録をまた一つ伸ばせるか。ついにリーグ最終節、中大戦の幕が切って落とされた。グラウンドボールの取り合いが加速する中、AT小川隼人(政経4=東京・早実)がその流れを大きく動かし先制点をもぎ取る。第2Q(クオーター)で同点に追いつかれるも、AT吉田宗一郎(教3=東京・早実)の得点で再び相手を引き離す。第3Qは安定したプレーで2点リードを保ち、そのまま勝負の第4Qへ。点差を一度は広げたものの、今度は相手に2連続得点を決められ、一気に同点まで追い付かれてしまう。それでもその嫌な流れを払拭したのはこの試合3得点をマークしたAT吉田。その後に続くかのようにAT小川、AT花井コルトンヘイズ(国教4=アメリカ・マッキントッシュ)も得点を重ね、試合は早大ペースに傾く。疲労が見え始める試合終盤の守備も相手に一切の隙を与えない。決死の思いで最後まで守り切り、見事中大を撃破。リーグ戦全勝を成し遂げた。

攻めるAT平山
第1Qは互いにグラウンドボールを取るため、凌きを削ったフィジカル勝負が展開される。序盤はなかなか得点が動かなかったが、AT小川が持ち前の技術力でボールをかっさらい、この試合初得点を決めてみせた。
第2Qでは最初のフェイスオフを相手に勝ち切られ、そのまま同点打を決められてしまう。一瞬悪い流れになりかけるもDF中原健太副将(商4=東京・早大学院)がプレーでチームを鼓舞し、勢いを再び取り戻す。ゴール裏からタイミングを見計らいここぞという瞬間にショットを放ったAT吉田。ボールは華麗にネットを揺らし、再度相手からリードを奪ってみせた。

軽快なオフェンスを見せるAT山﨑
第3Qは序盤、中大ペースで試合が進む。相手の連続攻撃を食い止めることができず、一点を献上してしまうも、その後はG長田謙伸(政経3=埼玉・大宮開成)がゴール前を守り抜く。DF新井創太(創理4=東京・早実)も相手に果敢に食らいつく堅実的なプレーで、チームに貢献。この回を一点に抑えてみせた。対する攻撃陣も負けていない。AT小川、AT吉田が互いにこの日2得点目を挙げ、リードを掴み取ることに成功。4-2の2点差で最終第4Qに突入した。
全てが決まる第4Q。2点リードとはいえ油断してはいけないと思った矢先、相手の連続得点で同点に追いつかれてしまう。MF成瀬壮真(商2=東京・早実)がグラウンドボールを上手くすくい取り、自陣まで運ぶも得点にまではつながらない。残り8分を迎え、このクオーターも折り返し地点に近づく中、早稲田ラクロスがもう一度活気を取り戻す。AT山﨑柚貴(人4=東京教育大学付属中教)のナイスアシストからAT吉田がこの日3得点目を決め、5-4に。FO多田倫太郎(創理4=埼玉・早大本庄)がフェイスオフの勝負を制しボールの主導権を奪うと、AT小川も追加点を奪う。極め付けはこの男。コート中央からクロスを振りかざすという誰もが予想だにしないような攻撃で、一気に相手とのリードを3点にまで広げる。最後の最後まで相手の積極的な攻撃に押し込まれそうになるも、DF野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)を筆頭に守り切り、7-4でリーグ最終戦を勝利で飾った。

試合後挨拶をする野澤主将
この日をもってリーグ戦全五試合が終了した。残り1分で2点をひっくり返し、見事な逆転劇を見せた獨協戦。昨年の悔しさをバネに8-3の快勝を成し遂げた明学戦。楽な試合はひとつもなかった。4年間をかけて戦うことの重みを肌で感じた。FINAL4進出の喜びと負けたら終わりの緊張感。これからはそんな命懸けの戦いが始まる。本当の勝負は始まったばかり。いざ、大学界の頂点へ。執念の意地と熱い思いで戦い抜く彼らの勇姿を最後まで見届けたい。
(記事 高津文音 写真 永吉梨々子)
試合後インタビュー

中原健太(商4=東京・早大学院)
――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか
リーグ戦予選の最終戦ということでFINAL4につながるような試合をできればと思っていましたが、守備でいらない失点がかさんでしまい、最後の最後まで苦しい試合になってしまいました。そういうところですごく反省が残る試合になったかなと思います。
――第4Qで同点に追いつかれてから相手を引き離した要因はなんだと思いますか
常にチームで「どんな得点差の中でもやることは変えずに行こう」というのが浸透しているというところが引き離せた要因なのではないかと思っています。
――全五試合を通して一番印象に残っている試合を教えてください
一番印象に残っているのは獨協戦だと思っています。今年のチームの特徴として後半にしっかりと修正して勝ち切るというところにチームの強みがあると思っていて、最後の最後に逆転できた獨協戦が一番チームの強みが出たと思っています。
――副将、そして最上級生としてこのリーグ戦はどんな気持ちで望みましたか
今年で優勝するという強い思いを持って取り組んでいます。去年一昨年,リーグ戦に出ている中でチームの勝利に貢献できなかったというところが悔やんでいる点なので今年はしっかり勝ち切るということに強い気持ちを持って取り組んでいます。それと後輩たちが来年にいい結果を出せるように、何かを残せるように取り組むというところも強く意識しています。
――FINAL4での対戦相手は日体大に決まっています。チーム、そして個人としての意気込みを教えて下さい。
チームとしては昨年FINAL4で負けています。先輩たちも見に来てくれると思うので絶対勝ち切りたいです。個人としては絶対に勝ち切る、そしてFINALに行くというところに全てを賭けたいと思っています。

新井創太(創理4=東京・早実)
――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか
FINAL4と一位通過が決まった中での試合でしたが、今後の日本一へのステップとして自分たちの目標としている10-4の試合はできませんでした。内容としてはまだまだだったので今後改善の余地があるなと思っていますし、FINAL4までの3週間で詰めていきたいです。
――第4Qで同点に追いつかれてから相手を引き離した要因はなんだと思いますか
今シーズンを通して、チームとして走るラクロスを体現しようとやってきました。日々のランメニューやそういうところで他大学と差をつけられているかなと思います。
――全五試合を通して一番印象に残っている試合を教えてください
去年FINAL4で負けた明学はこちらとしてもすごくライバル視している相手でした。去年の借りを返すためにも負けられないとは思っていたので、チームとしていい準備をして勝ちきれたのでとても良かったです。
――主務として、そして最上級生としてこのリーグ戦はどんな気持ちで望みましたか
今季はVECTORというスローガンを掲げていて、選手スタッフ一体となって日本一を目指せる組織を作っていきたいと考えています。まだまだ改善の余地はありますがなんとかチームとして一体となってそれぞれの目標に進めているかなという印象です。
――FINAL4での対戦相手は日体大に決まっています。チーム、そして個人としての意気込みを教えて下さい
今年はやっぱり点を取るラクロスを目指しているので、フルフィールドで相手を圧倒するところであったり、ディフェンスからも攻める意識であったりは今後の日本一に向けて完成度を高めていけたらと思います。

吉田宗一郎(教3=東京・早実)
――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか
次のステージのFINAL4に進出することは決まっていたのですが、今日の試合を次に向けて全員でちゃんと勝ち切ろうという話をしていたので、まずは勝ててよかったです
――第4Qで同点に追いつかれてから相手を引き離した要因はなんだと思いますか
試合前から技術の部分ではないところ、声やちゃんと走り切るといった技術じゃなく誰でもできるニュートラルな部分は徹底しようと言っていました。そこが最後の最後ちゃん出し切れたのがよかったのではないかなと思います。
――全五試合を通して一番印象に残っている試合を教えてください
前回の明治学院戦が印象に残っています。去年のFINAL4で負けた相手でもありますし、今回のブロックの中でも山場になると全員思っていたのでそこで勝ち切れたのがとても嬉しかったです。個人的には前回の試合がすごく課題の残る、後悔のある試合だったのでちゃんと勝って今回の試合につなげられたのはよかったと思います。
――このリーグ戦を通して成長できた部分はありましたか
ここまでの4試合ではショットの決定率があまり良くなかったんですけどこの試合は割とよかったと思っています。そういう意味ではリーグ戦を通して良くなってきた部分なのかなと思っています。
――FINAL4での対戦相手は日体大に決まっています。意気込みの方を教えてください
早稲田はここ何年もFINAL4で阻まれているのでまた強い早稲田を取り戻すために、このFINAL4を全員で必ず勝ちたいと思います。