【男子ゴルフ】優勝を目指した秋季リーグ戦 5位という無念の結果に

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関東大学秋季Aブロックリーグ戦 9月15日~19日 埼玉・こだまゴルフクラブ

 埼玉・こだまゴルフクラブを舞台に、5日間競技の関東大学秋季Aブロックリーグ戦(リーグ戦)が開催された。中野麟太朗主将(スポ4=東京・明大中野)率いる早大は21世紀に入ってから一度もAブロックの舞台では優勝しておらず、最高成績は今年の春季リーグ戦で記録した2位。今年6月に開催された全国大学ゴルフ対抗戦では準優勝しており、実力は折り紙付きの早大。そのため、今大会では悲願のAブロック制覇が期待されたが、現実は甘くなかった。1日2ラウンドを5日間プレーする過酷な大会ということもあって調子を崩す選手もおり、6校中5位という結果に終わった。

最終日のシングルスでティーショットを放つ中野主将

 今大会はコースのパーが70、マッチプレー方式で実施された。各校は毎日違う大学と対戦し、1日の午前にダブルスを4試合、午後にシングルスを8試合を行い、試合に勝利した大学にポイントが与えられる。1日の合計ポイントが多かった大学が勝ち点を得て、5日間を終えた時点での勝ち点の数によって最終順位が決定されるシステムとなっている今大会。各校が選手として登録できるのは12名までとなっており、必然的に多くの選手が5日間で10ラウンドを経験する。体力と精神性の両方が求められるのが今大会の特徴だ。

 早大が初日に対戦したのは中央学院大。スタートダッシュを決めたい早大であったが、午前に行われたダブルスではまさかの3敗1分。勝ち星なしで午後のシングルスに挑んだ。シングルスでは竹原佳吾副将(社4=東京・早実)と安保卓哉(商4=東京・早実)が共に6&5という圧倒した内容で相手に勝利する。また、松﨑泰知(人2=山口)はパー5の8番ホールでイーグルを出す活躍を見せるも18ホールを終えて、オールスクエア(AS)となり決着つかず。シングルスでは3勝3敗2分となり、イーブンで終えたものの、ダブルスの結果が響き、初日は勝ち点を得ることができなかった。

グリーン付近からアプローチを試みる竹原副将

 2日目に早大が挑んだ相手は今年の全国大学ゴルフ対抗戦の覇者である日大。国内屈指の強豪との対決となったが、午前のダブルスはASとなった小原力(国教4=東京・セント・メリーズ・インターナショナル・スクール)と福永未來(商2東京・早実)のペアの健闘むなしく、前日と同じく3敗1分の成績となった。午後のシングルスも3勝5敗となって、ダブルスとシングルスの両方で日大に負け越し、勝ち点を再び逃した早大。ただシングルスでは竹原副将が7&6で勝利する好調ぶりを発揮し、翌日に向けて明るい材料が残る。

 今大会の折り返しとなる3日目は専大戦。意地でも勝ち点が欲しい早大は金子佳矢(政経2=東京・早実)のバーディ奪取など良いプレーもあったが、ダブルスを1勝2敗1分で終える。しかし、安保と小原のペアによる今大会初ダブルス戦勝利があり、これをきっかけにシングルスでは竹原副将、中野主将、松﨑、安保、柏俣結生(教4=東京・早実)、平山幸作(法3=東京・早実)の6選手が勝利。これで専大相手に優位に立ち、3日目にして早大はようやく勝ち点1を手にした。

1番ホールでティーショットをする平山

 前日の勢いのまま連続で勝ち点を得たい早大は4日目の日体大戦、ダブルスで3勝1敗と幸先の良いスタートを切る。しかし、今までの流れがまるでなかったかのようにシングルスで大失速してしまう。早大の1年生から唯一出場した藤田悠太郎(スポ1=静岡・浜松日体)が最初の2ホールで2UPする場面や上野隼人副将(スポ4=兵庫・甲南)の2ホール連続バーディなど多くの選手の活躍があったものの、最終的にはシングルスでは1勝7敗の成績となり、勝ち点を取り逃がした。

 目標に掲げていたリーグ戦優勝の可能性が既に無くなって始まった最終日の早大。国内の大学ゴルフ界屈指の名門校である東北福祉大と対戦した。ダブルスでは3敗1分で負け越してしまう。前日の日体大のシングルス戦同様、僅差での負けが続いた最終日のダブルス戦であった。しかし最後に東北福祉大相手に一矢報いるべく、挑んだ秋季リーグ戦最後の18ホールとなる午後のシングルスでは中野主将、柏俣、安保が勝利。今大会初出場の末廣大地(スポ3=新潟・新発田)は今年の日本学生ゴルフ選手権覇者である古瀬幸一朗(4年)相手に善戦するも、4&3で敗戦。早大としてはシングルス3勝5敗で終えた。名門校の東北福祉大を撃破することも叶わず、勝ち点1のまま大会を終えた。

 Aブロック優勝を目指した早大は5位という屈辱的な結果で今大会は閉幕した。個人の要素が強いゴルフというスポーツで、団体戦がいかに難しいかが伝わった秋季リーグ戦となった。苦汁を舐めた今大会の早大だが、今年度中にこれらの対戦校相手にリベンジする機会はまだ残されている。秋の全国大会である常陸宮杯だ。今年は常陸宮杯関東地区予選会(常陸宮杯予選)から挑むことになるが、是非とも常陸宮杯に出場し、再び日本一を掴み取って欲しい。

 

コメント

中野麟太朗主将(スポ4=東京・明大中野)

ーー5日間を振り返っていかがですか

 早大の主将方針であるリーグ戦優勝を意気込んで、戦った5日間でしたが、とても喜べるような結果で終わることはできなかったです。初戦で出鼻をくじいてしまって、特に最終日では優勝の可能性がなかったので、気持ちがなかなか乗りずらい状況でしたが、レギュラーと応援組が5日間お互いを励まし合いました。やり切れなさを残す5日間でした。

ーー長期戦でしたが、疲労感はありましたか

 もちろん、かなりありました。1日2ラウンドを5日間で計10ラウンドありましたが、この10ラウンド全てをプレーする選手がほとんどでした。レベルの高いAブロックでの戦いなので、最初に調子が上がらなかった選手も多かったですが、最後まで良いゴルフをしていたので、戦い抜いたのかなと思いました。

ーー最後の秋季リーグ戦での戦いでしたが、今大会に対する思いはありますか

 主将としてチームを引っ張れていないと感じた5日間だったので、その部分で悔いが残りますね。選手は頑張っていたと思います。

ーーマッチプレーならではの難しさはありましたか

 自分はマッチプレー形式が多いのですが、他の選手は自分ほどマッチプレーの機会は多くないと思います。自分のスコアよりは他人のスコアの方に意識が向きやすいのがマッチプレーの特徴で、その部分に対して強い選手もいれば、コースと戦うストロークプレーの方が向いている選手もいます。早大は最終ホールでの逆転負けも多かったので、そこで耐えきれるように今後の後輩たちには頑張ってもらいたいなと思います。

ーー過去4年間を振り返っていかがですか

 入学当初はBブロックで、今までの最高順位は今年の春季リーグ戦で記録したAブロック2位でした。優勝まであと一歩届かなかったでしたが、全国大学ゴルフ対抗戦では昨年優勝し、今年は準優勝となりました。これらは素晴らしい経験となりましたし、二度と経験できないような4年間だったと思います。とても晴れやかで、やりきったなという気持ちです。

ーー個人の要素が強いゴルフという競技で、団体を率いる難しさはありましたか

 僕が主将になってチームを引っ張ったという感覚はあまりないのですが、1年生から一緒に育った選手たちが自分と一緒に上手くなって、強豪校がひしめく中で昨年の全国大学ゴルフ対抗戦で優勝しました。ここまで成りあがったことが早大の強さで、その中に自分がいると感じているので、これからの早大ゴルフ部が今の中高生に入りたいと思ってもらえるように、早大卒の選手として僕が活躍しているところを見せて、これからの発展に寄与したいと思います。

ーー次戦の常陸宮杯予選に向けて意気込みをお願いします

 常陸宮杯予選で常陸宮杯出場権を獲得して、後輩に常陸宮杯のチケットを託したいなと思います。これからは3年生が引っ張っていくチームなので、楽しみにしています。

 

上野隼人副将(スポ4=兵庫・甲南)

ーー5日間を振り返っていかがですか

 個人競技でも1日18ホールだけですし、4日間が最長です。それに比べて1日36ホールを5日間プレーするのは今大会しかないと思います。なので、他の大会にはない緊張感があって、忍耐力と精神力が求められました。かつ、大学の名前を背負うことの重みを自分は結構感じるので、やはりそのプレッシャーの中でどのように勝ち抜くのか、自分のことをコントロールするかというところはすごく難しかったなと改めて実感した5日間でした。

ーー今大会の結果を振り返っていかがですか

 今年の主将方針では今大会で勝つことを挙げていた中で、個人スポーツが故にチームで勝つことの難しさを改めて実感しました。個人的にも全然調子を持ってこれなかったという悔いも残りますし、チームにも良い刺激を今大会が始まるまでに与えられなかったことも副将としての責任を感じています。やはり早大の強みは組織力だと思っていて、次の代に良い形で受け継ぎたいなと思っていましたが、結果として難しかったので、別の形で最後に支えてあげたいなと思います。

 

竹原佳吾副将(社4=東京・早実)

ーー5日間を振り返っていかがですか

 自分は4年生で最後のリーグ戦となりましたが、初めての優勝を目指す中で、不完全燃焼で終わってしまったのが心苦しいです。

ーー今大会の結果を振り返っていかがですか

 春季リーグ戦では準優勝で終わって、秋季リーグ戦ではみんなで絶対に優勝することを目標にずっと取り組んできました。ですが、こういう結果になってしまい、4年生である自分が結果でみんなを引っ張ることができなくて、不甲斐ない気持ちでいっぱいです。

ーー次戦の常陸宮杯予選への意気込みをお願いします

 今までは秋季リーグ戦で3位以内で常陸宮杯のシードを確保していたので、今回は4年間で初めて常陸宮杯予選に出場します。常陸宮杯予選ではしっかり出場権を確保して、後輩にしっかりバトンを渡したいなと思います。

 

安保卓哉(商4=東京・早実)

ーー5日間を振り返っていかがですか

 自分は秋季リーグ戦が大学で一番楽しい試合だなと思ってるので、シンプルに楽しかったです。ですが、苦しくもありましたね。タフでした。

ーー今大会の結果を振り返っていかがですか

 自分は良い代に恵まれて、この代で絶対にリーグ戦優勝できると思ってやってきたので、やはり難しいなと思ったのと、素直に悔しいなという部分があります。全国大学ゴルフ対抗戦で優勝した時も自分はメンバーになれなくて悔しい思いしてたので、今大会は力を入れて頑張ってきたので本当に悔しいです。

 

小原力(国教4=東京・セント・メリーズ・インターナショナル・スクール)

ーー5日間を振り返っていかがですか

 自分も4年生で最後のリーグ戦でしたけど、やはり悔しい結果になってしまって、実力不足のところもありました。それにAブロックにいる大学はみんな強くて学べることが多かったです。この5日間で経験したことを次のステップに役に立てればなと思います。

ーー今大会の結果を振り返っていかがですか

 春季リーグは2位で優勝にはあと少し届かなかったです。今大会に向けてはチーム一丸となって、みんなでマッチプレーの練習もやりましたが、秋季リーグ戦で優勝し続けている東北福祉大の大きい壁に4年間勝つことができなくて、もちろん悔しいです。それに加えて、この代は史上最強の早大だと自分は思っているので、自分たちの実力を発揮できなくて、このメンバーで勝てなかったことも含めて、もう一度やりたいという気持ちです。

 

柏俣結生(教4=東京・早実)

ーー5日間を振り返っていかがですか

 自分も4年生でこれが最後のリーグ戦でしたが、10戦の成績が3勝6敗1分となりました。個人的には負け越したので、悔しい思いが一番強いです。チームの力になれなかったということも悔しいです。今後の自分の人生について、まだ確定はしていませんが、間違いなくこの5日間で得られた収穫もあったので、それを今後に生かせるように頑張りたいなと思います。

ーー今大会の結果を振り返っていかがですか

 春の全国大学ゴルフ対抗戦で優勝できなかったことがこれまでのゴルフ人生で一番悔しかったです。今大会ではそのリベンジを果たすことを目標に夏の期間は取り組んできたので、その目標を達成できずに、なおかつ個人の成績でもいまいちな結果に終わってしまいました。なので、このまま終わりたくないですし、もう一度チャレンジしたいなという気持ちが強いです。

 

平山幸作(法3=東京・早実)

ーー5日間を振り返っていかがですか

 今回10ラウンドを戦って、体力不足を痛感しました。来年の優勝に向けてみんなで体力をつけて、5日間10ラウンドできる身体を目指そうと思います。

 

松﨑泰知(人2=山口)

ーー今大会の結果を振り返っていかがですか

 今回はレベルの高い先輩方がたくさんいる中で、優勝を狙えるチームでした。そこで自分が優勝に貢献できたらなという思いで今回挑みましたが、なかなか貢献できなくて、悔しいという気持ちでですね。

 

(記事・写真 堤健翔)

※掲載が遅れてしまい、大変申し訳ありません。