第63回全日本学生個人選手権 9月20・21日 東京・夢の島公園アーチェリー場
全日本学生個人選手権(インカレ)が夢の島公園アーチェリー場で開幕した。曇り空で初秋の涼しさが感じられた20日の予選ラウンドに早大アーチェリー部女子から4人が出場。調子の悪い選手が多いなか、渋谷樹里(スポ4=エリートアカデミー)が72射638点の全体11位で予選通過するなど3選手が決勝進出。21日の決勝ラウンドでは五関晄子(スポ1=エリートアカデミー)が5位入賞と奮闘するも本来の実力を発揮しきれなかった。

最後のインカレ出場となった渋谷
20日の予選ラウンドでは72射の合計得点で順位を争い、上位64名が翌日の決勝ラウンドに進出する。前半36射終了時点で渋谷が321点で全体6位、五関も318点で13位につけるなど順調な滑り出しを見せた。後半、髙橋梨杏(スポ3=神奈川・横浜)が各エンドで50点超えの高得点を連発。自己ベストの36射323点をたたき出し、順位も前半38位から21位まで押し上げた。渋谷が早稲田トップの11位、関東学生個人選手権本戦(個選本戦)で優勝した五関が628点の19位で通過。インカレ制覇へ向け、着実に決勝ラウンドへ駒を進めた。

準々決勝で敗れるも5位入賞した五関
21日の決勝ラウンドはトーナメント形式で、各エンド3射で相手より点数が上回れば2ポイント、同点なら1ポイントで、先に6ポイント先取した方が勝利となる。個選本戦チャンピオンの五関を筆頭にインカレ優勝を期待できる実力者がそろったが、各選手の調子の悪さが結果に大きく響いた。渋谷は1回戦を6―2で勝利するも、2回戦は調整不足が仇となり2-6で敗北。「正直ちゃんと射てていれば勝てないような試合ではなかった」と最後のインカレでの敗北に悔しさをにじませた。髙橋も2回戦で相手にポイントを先制され、0―4から追い上げる苦しい展開に。3―5で迎えた第5エンドでは、10点に1本でも中ればシュートオフに持ち込める状況で惜しくも中てられず25―25の同点で敗北。「まだまだ未熟な面が見えたのかな」と振り返った。個選本戦では順調に決勝ラウンドを勝ち進んだ五関も、1回戦からシュートオフに持ち込まれ辛勝するなど厳しい立ち上がりに。2回戦は6―0と真価を発揮し圧勝するも、3回戦では第2エンド終了時点で0―4と相手に追い込まれてしまう。しかし第3エンドで25点を獲得し2―4で持ちこたえると、第4、第5エンドでは28点、27点と高得点を記録。6―4で華麗な逆転勝ちを決めた。準々決勝では「風にも流されましたし、相手の方もけっこう中ててきたのでプレッシャーは大きかった」と五関が語るように、今回のインカレで準優勝の相手に苦戦し2―6で敗北。5位入賞もインカレ優勝という目標を達成できず悔しい結果に終わった。

インカレに出場した早大の選手たち
「個選本戦あたりから調子が悪くて、(調子を)上げきれずに挑んだ」渋谷のように、本領発揮しきれなかった選手が多かった早大アーチェリー部女子。今回の悔しさを糧に練習を積み、これから始まるインドアのシーズンでも勝利を重ね、新たなタイトルをつかみ取る。
(記事 飛田悠那、写真 加藤涼音、飛田悠那)
結果
▽リカーブ女子
5位 五関晄子 628点
17位 渋谷樹里 638点
17位 髙橋梨杏 626点
100位 浅田陽香 510点
コメント
渋谷樹里(スポ4=エリートアカデミー)
――最後のインカレを振り返って
個選本戦あたりから調子が悪くて、(調子を)上げきれずに挑んだんですけど、予選は思った以上に点数を出せて良かったかなと思います。決勝ラウンドは練習で出た悪いミスが全部出ちゃったので、そこは反省点ですし、来月の全日本までに直さなきゃいけないところが見えたのかなと思います。これから練習をもっと頑張ろうと思います。
――予選を早稲田1位の成績で通過しましたが、その際に意識していたこと
正直練習では全然調子が良くなくて、ここ2,3日でちょっとましになってきたかなというところで、公式練習でけっこう良い感覚をつかめていたので、自分の中て勘というのを信じながら強気で射てたのが良かったのかなと思います。
――決勝ラウンド2回戦で敗れた時の心境
正直ちゃんと射てていれば勝てないような試合ではなかったですし、本当に自分のミスが原因でしかないので、もちろん悔しいですけど、力不足というか調整不足というかという感じです。
――大学4年間を振り返って
もうちょっとでアーチェリーを引退することになるんですけど、1,2年生の時はうまくいかなかったし、3,4年生ではけっこう試合で結果を残せることも増えてきて、4年生の最後になるんですけど後悔のないように全日本に臨んで満足して引退できるよう頑張ります。
髙橋梨杏(スポ3=神奈川・横浜)
――今回のインカレを振り返って
1日目は後半の36射が自己ベストだったので、最近インカレ前に寝込んだりして練習できていなかったのですが、結果的に良かったのかなと思います。今日のトーナメントの方は、最後まで決めきれなかった、というか2回戦を通して中てきれなかったという面があって、まだまだ未熟な面が見えたのかなと思います。
――自己ベストを出すために工夫したこと
夏練を通して押手が弱いという部分が自分の中で課題だったので、最近もずっと押手を最後まで残すことを目標に日ごろの練習からやってきました。それがちゃんとできたんじゃないかなというふうに思います。国体の関東ブロック大会で、取りかけの力の入り具合のことを高校の頃の顧問の先生に言われていたので、それもちゃんと意識しながら自信を持って射てたのが良かったところかなと思います。
――決勝ラウンド2回戦で敗れた時の心境
10点に1本でも噛んでいれば同点でシュートオフだったんですけど、それがギリギリ噛んでいなかったので、「最後10点決めればワンチャンある」と思っていたため悔しいなというのがひとつです。1回戦も2回戦も先に点数を取られてから追い上げる形だったので、最初からちゃんと自分のペースでポイントを取っていたらもうちょっと違かったかなというところが多く、そこが課題かなと思います。
――インドアのシーズンに向けての意気込み
去年はインカレインドアに行ったんですけど、予選を通らなかったので、まずインカレインドアにしっかり出場して、予選を通ることと、まだ全日本インドアに出たことがないので、全日本の方も出られるように、しっかりインドアの練習もしようと思います。
五関晄子(スポ1=エリートアカデミー)
――個選本戦優勝で迎えたインカレで意識していたこと
前回の個選本戦で優勝したので、もちろんインカレでも優勝したいという気持ちでいました。予選の時もトーナメントを意識して、リズムだったりとかのイメージを持ちながらインカレに臨みました。
――決勝ラウンド3回戦で0―4から逆転勝ちした際に心がけていたこと
正直0―4は逆転することがけっこう多いと色んな人を見てきて自分のなかで思っていたので、ここで気持ちを緩めず自分のやりたいことをしっかり発揮できたから、流れを自分に持ってこれて逆転勝ちできたのかなと思います。
――準々決勝で敗れた時の心境
準々決勝も感覚的にあんまり自分でも納得いくゲームじゃなかったので、風にも流されましたし、相手の方もけっこう中ててきたのでプレッシャーは大きかったです。そんななかでも、何本か10点に決まることもあったので、そこは良かった点ではありますが、やはり悔しいという気持ちが大きいです。
――入学後、王座優勝や個選本戦優勝などたくさんの経験を積んできたことを振り返って
大学入ってすぐ色んな大会で良い結果を出させていただき、先輩方も応援してくれてありがたかったです。この先も国体やナショナルチームの選考会もあるので、国体優勝とナショナルチームに入ることを目標に頑張って取り組んでいきたいと思います。