関東学生秋季リーグ戦 9月21日 アミノバイタルフィールド
TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 BIG BEARS | 7 | 21 | 0 | 7 | 35 |
東大 WARRIORS | 3 | 14 | 0 | 6 | 23 |
連日の猛暑から一転、秋の始まりを告げるような涼しさを感じられる中、関東学生秋季リーグ戦(リーグ戦)の第3節・東大戦が行われた。開幕2連勝を達成し、好調を維持してこの試合を迎えた両校。前半は得点の応酬となるも、攻撃陣の活躍により、早大リードで折り返す。後半も着実に得点を重ねた早大BIG BEARSが35-23で勝利を収めた。
前半終了間際、スペシャルプレーを決めたWR吉規(写真右)とWR中原
前半はレシーブで始まった早大。この試合で最初のドライブ、敵陣33ヤード地点まで進んだ攻撃陣はワイルドキャットのフォーメーションからスナップを受け取ったWR中原秀城(スポ4=愛知・南山)が自ら走ってタッチダウン(TD)し、先制する。その後、東大に次のドライブでフィールドゴール(FG)を決められ、第1クォーター(Q)終了。続く第2Qでは開始1分、3rdダウンの場面でQB船橋怜(政経4=東京・早大学院)が投じたボールをWR松野雄太朗(社4=東京・早大学院)が背走しながら、サイドライン際でジャンピングキャッチ。このスーパープレーで早大は36ヤードを獲得し、敵陣5ヤードまで迫った。この好機を生かし、直後のプレーでQB船橋がWR吉規颯真(政経4=東京・早大学院)にパスを通してTDし、14-3にリードを広げる。しかし、次のドライブでは早大守備陣が東大攻撃陣に苦戦を強いられる展開となり、この試合で初めて東大にTDを決められ、再び4点差に詰められる。その直後、東大のキックで試合が再開されたが、早大がボールをファンブル。リカバーをした東大がまたしても攻撃権を握り、そのドライブでTDを決める。2ドライブ連続でTDを決められ、この試合で初めて東大にリードを許した早大。守勢に回ったのも束の間、第2Qも残り時間が少ない中で再び攻撃陣が奮闘する。まず、QB船橋のボールをレシーブしたRB安藤慶太郎副将(社4=東京・早大学院)がランアフターキャッチでロングゲイン。その後、RB安藤慶が自ら作りだしたチャンスを生かし、QB船橋から受け取ったボールでランTDを決める。これでスコアを21-17とし、逆転に成功した早大。攻撃陣の勢いは止まらず、第2Qのラストプレーではスペシャルプレーが炸裂。QB船橋の正確なパスをレシーブしたWR中原が次の瞬間、WR吉規にラテラスパス。ボールを抱えたWR吉規は相手守備陣を振り払って、エンドゾーンに侵入しTDする。わずか1分間で2TDを決めた早大は28-17と2ポゼッションのリードで前半を終えた。
競り合いながらボールをキャッチするWR松野
第3Qは早大はリバースプレーでWR吉規がロングゲインする場面があったものの、得点を奪いきれず。代わりに守備陣が奮闘し、東大に得点を与えることなく第4Qに突入した。前半の汚名返上するべく早大守備陣の活躍は続く。東大の3rdダウンの攻撃の場面、DL鈴木衆和(政経4=東京・早実)が東大の安田鴻希(4年)に力強いタックルを決め、相手を9ヤード後退させることに成功した。このまま早大の流れに傾くかと思われたが、直後のプレーで東大のパントをファンブルしてしまい、リカバーされてしまう。東大に引き続き攻撃権を与えてしまい、このドライブでTDを許すこととなり、早大は1ポゼッション差に迫られる。ただ、この日好調の早大攻撃陣が東大との点差を突き放しにかかった。失点直後、WR吉規が55ヤードのリターンで1stダウンを迎える。このドライブで、QB船橋からボールを預かったRB安藤慶がこの試合2度目のTDを記録。再び2ポゼッションのリードを得た早大は試合終盤、守備陣が本領発揮をする。DL伊藤寛太郎副将(商4=東京・成蹊)のQBサックやLB原康介副将(法4=東京・早大学院)のファンブルリカバーなど守備陣の要が活躍を見せた。最終的に早大攻撃陣がニーダウンで時間が過ぎるのを待ち、試合終了。早大が35-23で勝利を飾った。
タックルを決めた直後のDL鈴木
この試合に勝利したことで無傷の開幕3連勝となり、単独首位に浮上した早大。攻撃面は以前と変わらず好調であるが、守備面では不安な要素も残る。次戦はオフェンスで圧倒し、勝利を積み重ねている明大が対戦相手。昨季は僅差で勝利した相手にどう立ち向かうのかが注目だ。
(記事 堤健翔 写真 沼澤泰平、丸山勝央、植村皓大)
得点経過
TEAM | Q | PLAY | PLAYER(S) | PAT | PLAYER | G/NG | スコア |
早大 | 1 | RUN | #1中原 | K | #11小林 | G | 7-0 |
東大 | 1 | FG | #21舟木 | 7-3 | |||
早大 | 2 | PASS | #15船橋→#14吉規 | K | #11小林 | G | 14-3 |
東大 | 2 | RUN | #24米田 | K | #21舟木 | G | 14-10 |
東大 | 2 | RUN | #34太田 | K | #21舟木 | G | 14-17 |
早大 | 2 | RUN | #7安藤慶 | K | #11小林 | G | 21-17 |
早大 | 2 | PASS | #15船橋→#1中原→#14吉規 | K | #11小林 | G | 28-17 |
東大 | 4 | RUN | #3田中 | K | #3田中 | NG | 28-23 |
早大 | 4 | RUN | #7安藤慶 | K | #11小林 | G | 35-23 |
コメント
DL伊藤寛太郎副将(商4=東京・成蹊)
ーーディフェンスとしてのテーマはありましたか
自分の責任を全うすること、タックルミスをしないことがゲームプランとしてありました。
ーー試合の前半を振り返って
東大のオフェンスが脅威であると分かっていたため試合まで多くの準備をしてきましたが、試合になってみると一筋縄にはいかないなと感じました。
ーー後半は前半に比べ、東大のオフェンスを封じられていましたが、その要因を教えてください
試合中のアジャストがだんだんハマってきたことにより、徐々に(相手の)中のランやオープンのランが止まり始めたことが要因だと思います。
ーーご自身もQBサックなどを決めていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
まだまだ昨年のケガのブランクを感じます。これからの試合を通じて試合感覚を取り戻してもっと良いプレーを量産したいです。
ーー明大戦への意気込みをお願いします
明治は良いラインと良いバックがいるのでしっかり対策して、ディフェンスで勝ちたいと思います。
QB船橋怜(政経4=東京・早大学院)
――試合を振り返って
オフェンスとしては合格点をあげられるかなと思います。今までの課題は前半最初のシリーズで得点ができないことでした。しかし、今回は最初のシリーズで点を取れて、その後も得点を重ねられたのが良かったかなと思います。
ーーオフェンス陣が好調の要因は
春のシーズンではあまり点が取れなかったので、全てのプレーを一から見直して、夏の間にプレーの細かい部分まで精度を高められたことです。これが得点力につながったのかなと思います。
ーー3連勝した中で、チームの雰囲気はいかがですか
3連勝したことは良いことではありますが、直近2試合は苦戦しました。ここから対戦する相手はさらに強いと思うので、このままではいけないと思います。チーム全体としてギアをもう一段上げないと、負けることも起こりかねないと思います。3連勝できたことは良いことですが、また一からやっていきたいです。
ーーオフェンス陣の課題は
2シリーズ連続でパントになってしまった後半の最初です。前半が終わった段階で流れが切れてしまったのが、課題かなと思います。
ーー次戦への意気込みをお願いします
明大もオフェンスが強いチームで、また点の取り合いになると思います。オフェンス陣が点を取れないと早大は苦しくなると思うので、課題である前半の最初と後半の最初に点を取れるようにプレーの精度をさらに高めて、勝ちたいです。
WR吉規颯真(政経4=東京・早大学院)
ーー試合を振り返って
東大のオフェンスがすごく良くて、時間を使いながらTDを決められるというかたちでした。僕たちオフェンスは、自分たちのシリーズ全てでスコアを記録しようという話をしていましたが、なかなかスコアできない場面があったり、ディフェンスで点数を取られてしまったりしてしまいました。最後まで分からない展開でしたが、最後は勝ち切れて良かったと思います。
ーー全勝同士の対決となりました。意識していたことは
オフェンスでは、毎シリーズTDでスコアということはチームの目標としていました。僕自身としても、飛んできたボールは絶対に落としてはいけませんし、相手にボールを渡してはいけないという思いでやっていました。ただ、KRでミスをしてしまったのでまずいなと思っていました。
ーー前半終了間際のTDを振り返って
タイムアウトを取って、オフェンスシリーズが回ってきたので、あのプレーをしようということになっていました。(決まったときは)結構うれしかったです。
ーー後半、リターンでも活躍を見せました
KRのミスをなんとか取り返さないといけないというところで、TDに持っていきたかったですが、ラインを出てしまってすごく悔しいです。
ーーQB船橋さんとの連携はいかがですか
(対談などで)すごくそこに触れていましたが、第2節まで全くと言っていいほどボールが飛んできませんでした。今日もあまり飛んできたわけではないので、連携プレーはしばしお待ちをというところです。
ーー次戦に向けて意気込みをお願いします
明大は、法大にも勝ってすごく今勢いのある、良いチームだと思います。どんな展開になってもオフェンスが点を取り続ければ、勝てると思うのでパスユニットからチームを引っ張っていければと思います。