今回登場するのは、守備の要を担う渋谷泰生(スポ4=静岡)。春の東京六大学リーグ戦(リーグ戦)では、打率4割を超える活躍を見せ、存在感を示した。いよいよ大学最後となる秋季リーグ戦を迎える渋谷。夏のキャンプから今秋のリーグ戦にかけての思いを伺った。
※この取材は9月10日にオンラインで行われたものです。
基礎から固め直した守備

――春季リーグ戦を振り返っていかがですか
チーム一丸となった総力戦になるような試合が多かったのですが、粘り強く戦った結果、優勝できたので本当に良かったと思っています。 自分自身としては、途中ケガで離脱してなかなか悔しい思いをしたのですが、そこで大内(碧真、スポ3=浦和学院)が代わりに出て活躍してくれて、チームの勝利に貢献してくれたので、そこは本当に感謝してます。この秋はしっかりフル出場して、チームに迷惑をかけないようにしたいなと考えています。
――春リーグ後には全日本大学野球選手権大会がありました。そちらも振り返っていかがですか
東京ドームで初戦があって、東京ドームで試合するのが初めてだったので、とても嬉しかったですし、楽しむことができました。2回戦の東海大学の試合で負けてしまって、負けた後に周りの評価だったり、いろいろな声が聞こえてきて、やはり早大の野球部は負けちゃいけないんだなと、大学野球を引っ張っていかないといけないような存在なんだなというのを改めて感じました。
――次に夏のキャンプについてお聞きします。キャンプの中で印象に残っている練習はありますか
春のシーズンを通して守備の面が課題になったので、夏のキャンプでは守備を中心に強化しました。その中で、やはり特守が1番自分の中では印象に残っています。いつも自分たちは人工芝で練習しているのですが、土のグラウンドでは守備の基礎・基本を大切にしないと取れないような感じなので、そこで自分たちの足元見つめ直して、しっかり基礎から守備力を固めることができました。特守っていうのは結構長い時間、15分、20分を2セットとかやるのですが、暑い中でも体力強化して、球際の強さだったり、送球の精度だったりというところを強化できたと思います。
――特守を2セットやると全部で30分くらいになると思うのですが、本数としてはどのくらい受けることになるのですか
多分1人1箱ぐらい受けてるので100球以上は受けていると思います。
――ノックは学生コーチの方が打ってくれるのですか
学生コーチと、あと小宮山監督(悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)も打ってくれる時もあります。
――春季リーグ戦や全日本での改善点を通じて、打撃面では何を目標に取り組まれましたか
春はそこまで打撃に困ることはなくて、いい形で終えることができたかなと思ってい ました。夏のキャンプでも大きく何かを変えるわけではなくて、今までの自分のスイングを変えることなく継続していこうという気持ちで夏のキャンプに入りました。秋リーグが今週始まるのですが、キャンプ終わってから現在までの間の期間で自分が特に意識したのは、単に打つというのはそこまで自分は苦手ではなくて、結構得意なことなので、普通のバッティングではなくて、ランナーが出た時のバントだったり、バスターとか逆方向へのバッティングなどのつなぐバッティングというところの精度を上げられるように練習しました。
――走塁面はいかがですか
春からずっと継続して走塁の練習はずっと行ってきていて、練習の1番初めに走塁練習をするようにしています。意識としては、春の1番最初にチームの方針として走塁を頑張っていこうと決まった時から、初心を忘れずに行こう、また夏のキャンプや秋リーグの期間というのは初心を忘れずにやっていこうっていうことで、みんな意識高く持って取り組むことができているかなと思っています
――夏季オープン戦を振り返ってお聞きします。ここまでの戦いを振り返って、ご自身の完成度はどのくらいですか
やはり守備はまだまだ頑張っていかなきゃいけないところはあります。 夏のキャンプで基本・基礎から固め直していこうという風にやってきたのですが、守備を完璧にするってのはなかなか難しいです。自分の中で決めてるのは、取れるアウトは絶対に取ろうというところで、誰が見てもこのプレーは成立させなきゃいけないなというプレーをしっかりやれるように心がけています。その上で、体勢が悪いような、球際のプレーだったり、スライディングして取って投げるようなプレーといったところの練習も特守とかで行って、実際にそういう場面が来たらアウトにできるように練習していました。
――春に比べて球際のプレーにおいて、自分で強くなったなという印象はありますか
夏のキャンプで土のグラウンドで練習していたので、技術的なことになると、やはり体勢が高かったり、体が流れたりすると取れなかったり、後の送球に繋がらなかったりするので、そこは土のグラウンドでしっかり鍛えられたかなと思っています。
――印象に残っている試合はありますか
あまり試合のことは覚えてないです(笑)。
リーグ戦4連覇に向けて

――秋季リーグ戦に向けてお聞きします。秋リーグに向かっていく中で、早大の強みは何だと考えていますか
伊藤樹(スポ4=宮城・仙台育英)はとても素晴らしいピッチャーですが、誰かが突出してすごいという選手はあまりいなくて、みんなの力を結集して、総力戦で戦って、粘り強く勝っていくっていうチームなので、自分たちの強みとしてはチームの方針として、一度決めたことはみんなやり抜くというところが強いかなと思っています。 現在も指示があった時の返事だったり、間の行動をダッシュするなどの決め事というのは、やはり4年生が中心になってちゃんとやることができるので、そういう団結力はあるかなと思っています。
――秋リーグに向けて重点的に取り組まれていることはありますか
自分はショートなので、求められるのは守備面だと思っています。そこで現在もノックは多く受けるようにしてますし、自分の中で技術的に意識を持ってやらなきゃいけないというところはずっと頭に入れながら、日々日々ノックを受けるようにしています。
――渋谷選手にとっては秋が最後のシーズンになると思います。最後のリーグ戦を控えた今の心境を教えてください
秋のシーズンは今週の土日から始まるのですが、春が終わってから早かったなという印象です。春のリーグ戦も始まってから終わるまで一瞬のように感じましたし、この秋も始まってしまったら一瞬で終わると思うので、その短い期間の中で悔いのないように自分のプレーを発揮できたらなと思っています。
――リーグ戦の中で、対戦が楽しみなピッチャーが他大学でいらっしゃいますか
明大に髙須(大雅、4年)というピッチャーがいるのですが、彼は一緒の高校で一緒にプレーしていたので、対戦したいです。大学に入ってから1度も対戦していないので、戦えたらいいなと思っています。
――秋リーグの個人の目標はいかがですか
個人としては守備の面でエラーを0で終えたいなと思っています。 なかなか難しいことではあると思うのですが、目標は高く持ってエラー0で終われるように頑張ります。
粘り強いバッティングに注目してほしい
――ご自身の注目してほしいところはありますか
自分の注目してほしいところはやはりバッティング面です。守備もそうなのですが、特に粘り強いバッティングというか、勝負強いバッティングというのを見てもらいたいなと思っています。
――チームとしての目標も教えてください
チームとしてはこの秋リーグ戦で優勝して4連覇というのを目標に掲げています。 あまりみんな言ってないのですが、自分としてはやはり日本一になりたいという思いが強いです。この春負けて、いろいろな世間の声というか、早稲田は負けちゃいけないんだなというのはとても感じたので、今回、最後の全国大会で優勝して、日本一で終わりたいなという風には個人的には思っています。
――最後に秋リーグに向けて意気込みをお願いします
秋は絶対優勝したいのです。優勝するためにずっと練習してきて、この夏もキャンプでいろいろな練習をしてきましたし、自分たち4年生としては最後のシーズンなので、みんなの力を合わせて優勝して、絶対に4連覇したいと思っています。
ーーありがとうございました!
(取材 西本和宏、編集 牧咲良)
◆渋谷泰生(しぶや・たいせい)
2003(平15)年12月2日生まれ。172センチ、70キロ。静岡・静岡高出身。スポーツ科学部4年。春のシーズンを通して、守備の面で課題が残ると語った渋谷選手。強い早大を証明すべく、キャンプで鍛え直した守備と得意の打撃でチームを勝利に導きます!