関東学生秋季リーグ 9月7日 埼玉・立教大学新座体育館
前日に今季初勝利をつかんだ早大は、「チャレンジャーの気持ちで」(小柴創、スポ3=千葉・昭和学院)昨季優勝校の国士舘大と対戦した。クロスを交えスピードある攻撃を展開する国士舘大に対し、早大は相手ディフェンスの裏を使いシュートまで持ち込んで応戦。しかし得点を決め切れない展開が続き、15―23で前半を折り返す。追いかける後半、ディフェンスに修正を加えそこからリズムをつくると、一時は4点差まで追い上げを見せる早大。じわじわと詰めよったが前半についた差は大きくスコアは34―41。反撃及ばず、連勝とはならなかった。
1―5のディフェンスを敷く国士舘大に対して、早大は立ち上がりから対策の成果を発揮する。この秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)、スタメン起用が続いているPV黒沼大幹(教3=東京・明星)を使ったり、バック陣とサイド陣はポストインを試みたりと、これまで苦戦してきた立体ディフェンスに対し積極的に攻め込んだ。しかしシュートが決め切れないシーンが続くと、国士舘大に逆速攻を展開されてしまう。勢いに乗る国士舘大に徐々に点差を離されるも、前半終了間際には早大らしいプレーも見られた。外種子田崚汰副将(スポ4=鹿児島・国分)が体制を崩しながらも気迫あふれるシュートでゴールネットを揺らすと、同プレーで相手選手の退場を誘う。得点とともに数的有利な展開をつくった外種子田副将からはガッツポーズが飛び出た。反撃の糸口をつかんだかと思われたが、直後に早大ベンチで不正入場があり早大も1人退場すると、このチャンスを生かすことはできず。反対に国士舘大に複数得点を許し、前半を15―23で折り返した。

ポストシュートを放つ黒沼
ディフェンス面から流れをつかもうと修正を加えた後半。立ち上がりの主導権は早大が握った。守屋雄司主将(スポ4=神奈川・法政二)や外種子田副将、尾上悠利(スポ2=大阪・大体大浪商)など、右2枚目に入った選手が高めにけん制に出て、国士舘大オフェンスにスピードをつけさせない。ディフェンスからリズムをつくった早大は、オフェンスでも躍動。今試合9得点の河原龍成(スポ2=福井・北陸)のミドルを中心に得点を重ねると、じわじわと国士舘大に詰め寄り、後半14分半にはビハインドを4点にまで縮めた。しかし国士舘大も黙ってはいない。強烈なミドルやサイドシュートを叩き込み、簡単には追いつかせてくれなかった。その後も大武蓮(社4=神奈川・川和)のファインセーブ、所真大(社3=岡山・総社)の速攻や狭い角度からのサイドシュートなどで粘りを見せた早大だったが、前半についた差は大きく反撃及ばず。34―41でゲームセットとなった。

PTを打つ河原
「勝てる試合だった」と河原が振り返る今試合。外種子田副将も「1個のミスでも試合を大きく左右してくる」と、ミスで流れをつかみ切れなかった敗戦を悔やんだ。しかし「ダブルポストを使うと相手に読まれていても綺麗にシュートまでいけている場面があった」と外種子田副将が言うように、大きな収穫も得られたのではないだろうか。週末に控える次戦の相手は日大。国士舘大と同様に立体ディフェンスを駆使する強敵だ。選手スタッフ一丸となって行ってきた対策や練習に対する自信を胸に、「一戦一戦を大事に」(河原)、試合の流れを我が物にして勝利をつかみ取りたい。
(記事 片山和香、写真 丸山勝央)
関東学生秋季リーグ(秋季リーグ) | ||||
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早大 | ● | 34―41 | 国士舘大 | |
15―23 |
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スタメン | ||||
GK 大武蓮(社4=神奈川・川和) |
コメント
外種子田崚汰副将(スポ4=鹿児島・国分)

――試合を振り返っていかがですか
前半(国士舘大の)速いパス回しに対して早めに対応できていれば、少し違った結果になっていたのかなと思います。
――ポストを使ったりポストインをしたりと、前半から積極的に中を狙っていた印象です。オフェンスで意識したことは
ミーティングの時からダブルポストで攻めていこうという話をしていましたし、2枚目の裏が空いていることも確認していました。春リーグ(関東学生春季リーグ)が終わってからも1-5に対する攻めをしっかり練習してきて、それは今日の試合で出せていたと思いますし、自分たちがダブルポストを使うということを相手に読まれていても綺麗にシュートまでいけている場面があったので、そこは評価すべきだと思います。ですがやはり最後のシュートを当たり前のように決め切らないといけないなとも感じました。
――後半2枚目でけん制に出て運動量多くプレーされていましたが、後半のディフェンスを振り返っていかがですか
後半の出だしから縦の動きを増やしていきました。センターにボールが回った時に前に出て、(相手に)ドリブルから攻撃を始めさせてオフザボールでやらせないことを意識していました。けん制をかわされることもあったのですが、運動量で補って相手のシュートが枠外にいくこともあったのでそれは良かったのかなと思います。ただ運動量で補っていた分、最後のシューターにもっと強く当たらないといけないと思いました。
――勝ち切れなかった要因は
ノーマークシュートの決定力といらないミスだと思います。エンプティーのミスだったりもったいない退場だったり。早稲田は流れを持っていかれやすいチームで、1本1本を大事にしている分、1個のミスでも試合を大きく左右してくると思います。練習の時から、例えば攻撃の時ならテクニカルミスをなくそうなどというように声をかけているつもりなのですが、現状そのような連携ミスやテクニカルミス、エンプティー狙うかどうかといった判断ミスもあるので、そういうところから全員で意思を統一していかないといけないと思います。
――来週への意気込みをお願いします
日大は立体と最後はフィジカルで守ってきますし、中大は個人技ディフェンスのような形で守ってくる相手です。それに負けていたらシュートまでいけないので、オフェンスの強度はなにより大事にしていかないといけないと思います。ディフェンスは今日の良いディフェンスができていた時間帯をもっと増やすことができれば勝ちが見えてくると思うので、その2点を徹底していきたいです。
河原龍成(スポ2=福井・北陸)

――試合を振り返っていかがですか
勝てた試合だったと思います。だんだんオフェンス、ディフェンスが上手くいったんですけど、最後の最後にシュートミスで自分たちを苦しめる試合になってしまいました。
――9得点を果たしたご自身のプレーを振り返っていかがですか
勝てなかったので悔しいです。
――けがから復帰した今季、ご自身の活躍ぶりはいかがですか
思っているより動けていますが、勝てていないので。勝てるようにもっと頑張らないといけないと思います。
――次戦へ向けて意気込みをお願いします
一戦一戦大事にして、勝てるように頑張りたいです。