【連載】競泳 インカレ前対談『燿』 第9回 松﨑りん×青木虹光×竹澤瑠珂

特集中面

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第9回に迎えるのは女子自由形長距離を支える、松﨑りん(人3=東京・日大二)、青木虹光(スポ2=群馬・明和県央)、竹澤瑠珂(スポ1=東京・武蔵野)。調子をあげてきている3人に、インカレに向けた胸の内を語ってもらった。

※この対談は8月14日に行われたものです。

お互いについて

――他己紹介をお願いします

松﨑 2年生の青木虹光ちゃんです。専門は400メートルと800メートルの自由形で、1500メートルも泳いでいます。1500メートルで今年のユニバーシアード(FISUワールドユニバーシティゲームズ)に出場して3位にもなった、1500メートルでも速い選手です。1500メートルや800メートルだけではなくて50メートルや100メートル、なんでも泳げる選手です。練習中など普段はすごく明るくて、毎日笑顔で。本当に一緒に練習していたり、ご飯とか食べている時もいつも明るく前向きなので、みんなすごくそれに励まされてると思います。

――青木さん、今のを聞いていかがですか

青木 結構恥ずかしいですが、自分的には明るくポジティブに色々取り組もうと努力しているというか、そういう風にしたいと考えてるので、それが皆さんに伝わっていてうれしいなと思います。

――では竹澤さんの紹介をお願いします

青木 1年生の竹澤瑠珂ちゃんです。彼女は専門が同じディスタンスの自由形で、彼女も50メートル、100メートルとか200メートルも本当に速くて。練習や大会の時にも、前向きにしっかり自信を持って大会に取り組めていますし、練習中も自分が何をするのかよくわかっている印象があります。すごくコツコツ頑張っているなという印象があります。普段の瑠珂ちゃんは結構可愛らしい感じです。私の初めての後輩なので可愛がらせてもらっています。彼女も結構明るくて、いつもたくさんお話してくれるのですごく楽しいです。

――竹澤さん、今のを聞いていかがですか

竹澤 虹光さんとは、結構色々な遠征を一緒に行かせてもらっています。今回のユニバーシアードも同室で2週間ぐらいずっとお世話になっていました。先輩の中では1番関わりがあるというか、たくさんお世話してもらっている先輩だと思っているのでこう言ってもらえてすごくうれしいです。

――では最後に松﨑さんの紹介をお願いします

竹澤 3年生の松﨑りんさんです。りんさんも同じ長距離自由形で400メートル、800メートルや200メートルを泳いでいる選手です。東京都で出身も同じなので国体とかも一緒に行かせてもらったりしています。りんさんは練習が強いイメージがあります。一緒に切磋琢磨して、すごく気にかけて声をかけてくださる先輩で、サポートしてもらっています。

――松﨑さん、後輩からうれしい言葉をいただきました

松﨑 そうですね。この1ヶ月、瑠珂ちゃんが学内練習に来てくれたのですごく話もできて。もっと仲良くなれたらいいなと思います。

対談での松﨑

――趣味やオフの過ごし方を教えてください

松﨑 私は最近ベーグルにハマりました。まだ2回しか行ったことがないですが、近くに美味しいベーグル屋さんがあって、そこに連れて行ってもらってからすごくハマって。自分たちでベーグルを作ることもあって、ベーグル界隈として楽しんでいます。

青木 私は趣味がたくさんあるんですけど、最近はドラマとかアニメを見る時間が結構できたので、動画鑑賞にハマっています。あとは、もともとk-popが好きなんですけど、少し前にりんさんを私の好きなグループの沼に引き込んだので、話ができるのがうれしいです。私も最近友達の影響を受けてベーグルが好きなので、部内でベーグルの話が話題になります。

――竹澤さんはいかがですか

竹澤 大学生になってすごく自分の時間が増えたので、友達と遊びに行くことが多くなった印象です。最近は、ドイツでヌテラにハマりました。食事を自分で作るのですが、その時にヌテラにヨーグルトを入れて食べることにすごくハマっています。

競技面について

――今シーズンはどのような目標を立てていますか

松﨑 今シーズンは、インカレでベストを出して表彰台に登るという目標を立ててトレーニングしてきました。課題であったスピードをつけるために、ウエイトトレーニングなどを取り入れてスピードが出せるように工夫しながら練習してきました。

――現在の手応えや印象に残っているレースはありますか

松﨑 印象に残っているのはやはり関カレ(関東学生選手権)の400メートル自由形のレースです。自分でもベストが出るとは思っていなかったのですごく驚きました。あとは自分が3月からやってきたことの成果が少し出たような気がしたので、とてもうれしかったです。

――ユニバーシアードを振り返って青木さんと竹澤さんはいかがですか

青木 先日行われた大会で2種目出たのですが、どちらともベストを出せたのでその点に関してはすごく良かったです。しっかりインカレに向けて自信になったかなと思っています。1500メートルはかなり久しぶりにベストを更新しましたが、800メートルは思ったよりタイムが上がらなくて。まだまだインカレでもタイムを上げないといけない状況です。今は800メートルでもっとタイムを出せるように練習しています。

竹澤 私は高校生の頃に比べて少し練習量が減ってしまった分、不安がありましたが、その中でもその時の自分に何が必要なのかをしっかり考えて行動することができました。その結果、良いタイムを出せたと思うので、そこは良かった点です。反省点としては、最終日に少し体調を壊してしまって、あまりいいパフォーマンスができなかったことです。今は最終日まで精神的にも体力的にも耐えられるように頑張っています。

――練習量が減ったとのことですが、大学生になって生活面や競技面で大きな変化はありましたか

竹澤 中高生の時は家とクラブと学校が近い場所に住んでいたのですが、大学生になってから通学時間が行き帰りで3時間かかるくらい遠くなってしまいました。その時間の使い方だったり練習時間の確保ができなかったりとあるので、そこは工夫してやっています。

対談での竹澤

――ユニバーシアードは全体的にどのような経験になりましたか

青木 遠征が久しぶりだったので不安はありました。でも同世代の方たちがたくさんいる遠征なので、チームで戦うことの良さや強み、楽しさを感じられました。インカレでは早稲田として一つのチームになって、士気を上げたりできるので、水泳は結構個人の試合にはなってしまいますが、その中でもチーム力というものを大事にして臨みたいなと感じました。

竹澤 私は同じ年齢の人が1人しかいなくてみなさん先輩方でしたが、その先輩方からレースの取り組み方や盛り上げ方とか、すごくたくさん学びました。あとは、大学生になってから、いつも以上に考えて行動をすることができたのではないかなと強く感じました。そこは引き続きインカレに向けてやっていきたいなと思っています。

――4年生との印象的なエピソードはありますか

松﨑 私が1番お世話になったのは、おそらく4年生の木崎京香(政経4=東京・早実)さんで、小学生か中学生の頃からの知り合いです。大会で会った時もすごく優しく話してくれて、大学に入ってもいつも明るく優しく話してくれるので、とてもうれしかったです。あと、今年の6月にオープンウォーターの大会があって京香さんと一緒に千葉の館山の方に遠征に行ったのですが、その時その大会は中止になってしまって。でもホテルの一緒の部屋に泊まって、ご飯も一緒に食べてすごく楽しかった思い出が印象的です。

青木 4年生とは1年生の頃から関わって、2年ほどお世話になっています。主将の亀井涼子(女子主将スポ4=東京・淑徳巣鴨)さんと、マネジャーの清家彩夏(人4=神奈川・横浜緑ヶ丘)さんに特にお世話になりました。主将の涼子さんは大学に入る前に群馬で行われた大会でお会いしたことがあります。その時にお話して、早稲田の話を聞いたりとか、あとは入ってからも結構気にかけてくださったりして、たくさんお話できました。やはりこのインカレが最後になると思うと寂しい気持ちがあります。彩夏さんは、昨年自分が早稲田に来てから初めて知り合った先輩なのですが、たくさん気にかけてくださいました。水泳の話だけではなく、プライベートの話もたくさんする先輩なので、彩夏さんのサポートがなくなると思うととても寂しいです。

対談での青木

竹澤 私はまだ入学してから半年しか経っていないですし、学外で練習してるということもあって、あまり4年生とは関わりがないです。でもその中でも主将の亀井涼子さんにはとてもたくさんのことを教えてもらったり、ご飯にも連れて行ってもらったり、すごく気にかけてくださる先輩です。あとは縦割り班が同じの林大輝(スポ4=大阪・同志社香里)さんです。大輝さんも入学した頃から気にかけて声をたくさんかけてくださったり、試合のこととかわからないことがあったらアドバイスしてくださったり、色々なところでお世話になりました。4年生ではその2人がすごく気にかけてくださった先輩です。

インカレについて

――インカレの出場種目と目標を教えてください

松﨑 私は400メートルと800メートルの自由形に出場させていただきます。800メートル自由形では昨年は4位だったので、今年は自己ベストを更新して、虹光ちゃんと一緒に表彰台に立てたらいいなと思います。400メートル自由形に関しては、結構周りのレベルも高いので決勝に残るのが難しい種目ではあると思います。ここにいる3人は400メートル自由形に出場するので絶対3枚残りを達成して、自己ベストも更新して、表彰台に登れるように頑張りたいと思います。

青木 私も松﨑さんと同じく、400メートルと800メートルの自由形に出場させていただきます。800メートルは昨年3位に入れたので、今年もベストを更新してさらにいい順位を取って、表彰台には必ずりんさんと一緒に並びたいなと思っています。400メートルは昨年9位で予選落ちしてしまったので、今年は絶対決勝に残りたい気持ちがあります。やはりりんさんがおっしゃっていたように、レベルが高くて接戦になると思うので、その中でも競り負けないように勝ちたいという強い気持ちを持って臨めたらなと思います。

竹澤 私は200メートルと400メートルの自由形に出場します。200メートルではユニバーシアードでいいタイムが出たので、それがまぐれではないことを証明して絶対に優勝を取りたいと思っています。400メートル自由形ではベストを更新するのと、あとはりんさん、虹光さんと一緒に1つでも高い順位でトリプル表彰台を目指して頑張りたいと思います。

――現在、重点的に取り組んでいることはありますか

松﨑 今シーズン意識していることに関しては、スピードがやはり自分には足りないと思っているので、ウエイトトレーニングを昨年の9月から取り入れています。少しずつですが重量も上がってきて、自分の中でも泳いでいる時に力を入れやすいように感じることが増えましたし、1ヶ月前に行われた関カレではその成果を持って200メートルと400メートルで自己ベストを更新しました。スピードがついてきていると思うので、このスピードを400メートル、800メートルにも生かしてインカレでも頑張りたいと思います。

青木 今までのベストタイムより少し速いラップで刻むことがベスト更新において大事だと思うのですが、スピードは結構出ていてもその少し高い位置で維持するところができていないです。3人で一緒に練習していますが、練習タイムも結構私が遅れをとっている状態なので、もう少しレベルの高い練習をできるように今は頑張ろうと思っています。

竹澤 私は体の使い方を大学生になってから結構気にしています。特にウエイトトレーニングを本格的にやり始めています。そこまで重い重量は持っていないのですが、この種目はどこを使っているのかとかを意識しながらウエイトしていて、それを泳ぎにつなげるということを今シーズンは取り組んでいます。キャッチの部分や体のローリング、胸の動かし方が少し分かってきたので、それをレースにつなげていくことに取り組んでいます。

早慶戦のレースを泳ぐ竹澤

――ご自身の注目ポイントはありますか

松﨑 私の注目ポイントとしては、やはり最後まで元気なキックです。それが私の強みだと思います。後半結構みんなが疲れてきた時も、1人だけ足が動いて水しぶきが上がっていると思うので、そこに注目して見ていただければいいなと思います。

――青木さんとても頷かれていますが、松﨑さんのキックはやはりすごいですか

青木 強いです。りんさんはキックのイメージなので。足が止まっているのを見たことがないです。

キックが武器だという松﨑

――青木さん、竹澤さんも注目ポイントをお願いします

青木 私は前半から突っ込んで後半まで耐えるレースプランが自分の強みだと思っています。あとは手のテンポが早い方なので、よく「前半からそこまで飛ばして大丈夫?」というようなイメージを持たれるのですが、しっかりそれを最後まで維持できるように頑張りたいと思いますので、見てくださるとうれしいです。

竹澤 私も結構キックが強みで、りんさんと同じようにずっと打ち続けられるというのは自分の武器でもあります。あとはラスト25メートルぐらいに呼吸の向きを変えてスピードを上げるのですが、そこも自分の中では追い上げるポイントなので、見てもらえるとうれしいです。

――早稲田で注目している選手を教えてください

松﨑 みなさん速くて絞りきれないので3人挙げます。1人目は同期の内田さくら(スポ3=和歌山・向陽)です。早慶戦から関カレも自己ベストを更新し続けています。この間の関カレでは50メートル自由形で、大学生の中でトップのレベルまで上がってきた選手です。日頃の練習からその調子の良さが見えますし、ウエイトトレーニングでは尋常ではないくらいの重量を扱っているので期待しかしてないです。もう1人は同じく同期の柴田菜摘(商3=東京・早実)さんです。柴田さんは今年の4月から学内に来てくれて一緒に練習しています。毎日飛び込みの練習をやって、練習では周りの先輩方に食らいついていく様子が印象的です。専門ではない200メートルの自由形に出場するのですが、200メートル自由形で爆発して、大量得点を取ってきてくれるのではないかと期待しています。3人目は2年生の水野柚希(先理2=埼玉・栄東)ちゃんです。柚希ちゃんは多分3月から苦しい試合が続いていたと思うのですが、それでも自分で工夫して、練習前に走ったり、バイクをこいだりする姿がすごく印象的です。後輩ですが尊敬しかないです。絶対にその努力がインカレで報われると思うので期待しています。

青木 私も注目選手が結構いるのですが、まずはこのディスタンスのりんさんと瑠珂ちゃんです。理由はやはり一緒に練習していて、2人とも本当に練習が強い選手です。最近はりんさんも本当にスピードが出ていてこの間の関カレの400メートルでベストを出しましたし、瑠珂ちゃんももう何年も前からずっと速い選手で、今もまだベストを更新し続けて勢いが止まらない選手です。瑠珂ちゃんは勝ちたいという気持ちがすごく強くて、定めた種目で本当に勝ち取ってくれる選手なので、1年生ですが期待しています。最後はさっきりんさんがおっしゃっていた内田さくらさんです。3年生のさくらさんは短距離の選手なのですが、出るたびにベストを更新しています。短距離は本当にベストを出すのが難しいと思います。その中でも結構な更新をしているので、これはインカレで爆発してくれるのではないかと期待しています。

竹澤 学内選手と関わりが少なくてあまり詳しくないのですが、やはりこのディスタンスのりんさんと虹光さんは最近一緒に練習していますし、本当に虹光さんに関してはここ最近ずっと一緒にいます。りんさんに関しては練習もとても速くて、キックもプルも強いです。関カレでもベストを出しています。虹光さんもユニバーシアードから2種目ともベストを大幅に更新していたりとか、結構期待できるのではないかなと自分の中では思っています。

部員からの期待値の高い青木

――インカレの意気込みをお願いします

松﨑 個人種目では自己ベストを更新して表彰台に登ることが目標です。昨年も表彰台を目指していたのですが、あと1歩届かないところがありました。今年は昨年よりも力をつけてきたと思うので頑張りたいと思います。最終日に4×200メートルのリレーに出場させてもらえたら、多分ここにいる3人は出る可能性が高いと思うので、そこでは絶対に優勝して帰りたいと思います。お世話になった4年生と一緒に出場できる最後の大会となるので、4年生が掲げてくれた女子総合優勝という目標に1歩でも近づけるように、自分が予想以上の点を取って貢献したいと思います。

青木 私も800メートルでは必ず表彰台に立って、400メートルもいけるところまでタイムを上げたいです。2種目でベストと良い順位を取って得点を稼ぎたいなと思っています。やはりインカレはチームを感じられる大会で、すごく盛り上がって楽しかった印象が昨年はあるので、今年も最初から最後まで笑顔で楽しめるように結果を残していきたいです。りんさんもおっしゃっていたように、最終日はおそらく4×200のリレーがあると思います。そこで優勝の可能性が結構あるので、接戦にはなると思いますが初日から最後まで集中力を切らさず頑張っていきたいと思います。

竹澤 私は初めてのインカレでまだ何も分からない状況ですが、絶対に泣かないで笑顔で最終日まで突っ切るということが目標です。200メートル自由形では絶対に優勝を目指します。400メートル自由形では、すごく速い選手がいるのですが、食らいついていって最後競り勝てるようなレースをしたいです。最終日の4×200メートルリレーでも強いチームはあると思いますが、4人で力を合わせて優勝して盛り上がって終われるように、皆さんで力を合わせて頑張りたいと思います。

ーーありがとうございました!

(取材 大村谷芳、編集 河野紗矢)

◇松﨑りん(まつざき・りん)

2004(平16)年7月13日生まれ。159センチ。東京・日大二高出身。人間科学部3年。ベーグルにハマっているという松﨑選手。最近では、ほうれん草とベーコンとチーズのベーグルのおいしさに衝撃を受けたそうです!

◇青木虹光(あおき・にこ)

2005(平17)年5月15日生まれ。167センチ。群馬・明和県央高出身。スポーツ科学部2年。映画「鬼滅の刃」を鑑賞したという青木選手は、登場人物のポジティブさに影響を受けているそう。練習のモチベーションが上がったそうです!

◇竹澤瑠珂(たけざわ・るか)

2006(平18)年5月8日生まれ。161センチ。東京・武蔵野高出身。スポーツ科学部1年。自身でも武器と語るのは、呼吸の向きを変えてスパートをかける後半。期待のルーキーが笑顔で初インカレに臨みます!