【男子バスケ】開幕戦から衝撃の大波乱 長距離砲がさく裂し、昨年準優勝の白鴎大を相手に18点差の快勝!

男子バスケットボール

第101回関東大学リーグ戦 8月27日 東京・大田区総合体育館

 厳しい残暑が日本を襲う中、大学バスケ界に待望の秋がやってきた。8月27日に開幕を迎えた101回目の関東大学リーグ戦(リーグ戦)。100回という節目の時を超え、新たな歴史への第一歩がここから始まる。今年から1部に復帰した早大は開幕戦から前回準優勝の白鴎大と激突。昨年の全日本大学選手権(インカレ)で敗れた強敵との一戦だ。試合は序盤にビハインドの展開が続くが、第2Q終盤から早大の長距離砲がさく裂。逆転して試合を折り返した。第3Qは競った展開が続くが、第4QはG高田和幸(商4=京都・洛南)が3本の3Pシュートを決めるなど早大の3Pシュートが止まらない。ここで一気に相手を突き放し、92-74で試合終了。18点差で強敵相手に勝利を収めた。

この日5本の3Pシュートを沈めた堀田

 3日前までアジア大学バスケットボールリーグを戦い抜き、エースの佐藤涼成(4年)がベンチを外れた白鴎大。対する早大も3x3U23日本代表のG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)とF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)はベンチスタートで試合が始まった。試合は早大が速攻と3Pシュートで得点を重ねるのに対し、白鴎大がゴール下を制圧し続ける拮抗(きっこう)した展開。相手の留学生、モンガ・バンザ・ジョエル(4年)に得点を許し続けるがなんとか食らいつき、21-24の3点ビハインドで第1Qを終えた。

 第2Qはいきなりバスケットカウントや速攻からの得点を許す苦しい幕開け。厳しいディフェンスを前に3Pシュートが入らず、この日最大となる9点のビハインドを背負った。しかしこの流れを変えたのはこの日スタメン起用のG嘉手川太智(商3=沖縄・開邦)。ハードなディフェンスで相手ハンドラーを苦しめると、相手の勢いを沈める値千金のコーナースリーを沈めてみせた。ここから流れに乗った早大はF三浦健一(スポ3=京都・洛南)、F松本秦(スポ1=京都・洛南)、G堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)が脅威の3連続3Pシュートで1点差に詰め寄る。さらに前半終了間際、白鴎大ボールで迎えたラストポゼッションでは堀田副将が渾身のスティール。残り時間わずかで岩屋主将にボールが回ると、逆転の3Pシュートがリングを捉えた。優勝候補を相手に46-44の2点リードで前半終了。早大が描く放物線の数々に会場は騒然となった。

ドライブを仕掛ける嘉手川

 第3Qはリードチェンジを繰り返すこう着状態。しかしここでも火を吹いたのは早大の長距離砲だった。松本、堀田副将の連続3Pシュートで一歩前に出ると、この日4スティールを記録した堀田副将がここでもパスカット。そのまま速攻で得点し、60-55となったところで白鴎大はたまらずタイムアウトを請求した。その後も簡単にオープンを作らせないローテーションディフェンスと、相手のキックアウトを読み切ったスティールで点差を縮めさせない早大。Q終了間際には岩屋主将のアンクルブレイクも飛び出し、71-65の6点リードで第3Qを終えた。

 第4Qは岩屋主将と堀副将の連続得点で幕を開けると、ディフェンスでは相手のエンドスロー時に5秒バイオレーションを獲得して流れをつかむ。そしてこの追撃の絶好機に立ち上がったのは高田。堀副将と下山のキックアウトからオープンでボールを受けると、点差を16点に広げる2本連続のビッグスリーを突き刺した。逃げ切りを図る早大はその後G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)が躍動。3Pシュートを沈めると、続けざまにモンガへのポストフィードをカットして相手の反撃の芽を摘んだ。試合終了間際にはダメ押しとなる高田と松本の3Pシュートが決まり、92-74で試合終了。大事なリーグ開幕戦をこれ以上ない白星で飾った。

フリースローを放つ下山

 白鴎大相手に起こした衝撃のアップセット。その勝因は間違いなく早大が誇る最大の武器、3Pシュートだろう。チーム全体で18本もの3Pシュートを沈め、その確率は48%。7アシストの下山、4アシストの岩屋主将が作ったチャンスを松本、堀田、高田らが確実にものにし続けた。また、チーム全体で意識し続けたボックスアウトも勝因の一つ。その成果はPGの下山が記録した12個のディフェンスリバウンドに現れていた。チーム全員でインサイドを守り切り、素早い展開から3Pシュートを積極的に狙う。今年の早大が目指すバスケットを余すところなく40分間体現し続け、大金星をたぐり寄せた。その姿はまさに見る者を魅了したと言えるだろう。

 次なる相手は前回王者の日体大。早大にとっては関東大学選手権で辛酸を舐めた相手だ。速攻を武器に「6秒オフェンス」で名の知られる攻撃的なバスケットを展開する日体大だが、攻撃的なスタイルなら早大も負けていない。自分たちのバスケットを貫き、目指すは開幕2連勝。秋の訪れを彩る嵐がまたも吹き荒れるだろうか。

(記事 石澤直幸 写真 高津文音、村山諒)

 

第101回関東大学リーグ戦 8月27日(VS白鴎大)

1Q2Q3Q4Q合計
早大2125252192
白鴎大24202174

◇早大スターティングメンバー◇

#0 G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)

#3 G嘉手川太智(商3=沖縄・開邦)

#6 F三浦健一(スポ3=京都・洛南)

#7 G堀田尚秀(スポ4=京都・東山)

#12 F松本秦(スポ1=京都・洛南)

コメント

G高田和幸(商4=京都・洛南)

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

 白鴎大が中国の試合から帰ってきたばかりで主力メンバーが何人か欠いてて、向こうが本調子ではないことは分かっていました。その中で自分たちのやりたいバスケというものを、リーグ戦の最初の試合から表現できて、一つ勝ち取れたことは、すごく安心というか、良かったなと思います。

ーー第4Qに3本の3Pシュートを決めましたが調子はいかがでしたか

 早関戦あたりから調子を落としてて、リーグ戦でどうなるか不安ではありました。しっかりこの初戦に向けて準備をして、チームのリズムで打つということはシューターとしての役割だと思うので、自分が打てるリズムだったら打とうと決めていました。それが入ってくれて、試合の流れが良いリズムになったので、本当に良かったなと思います。

ーーチーム全体でローテーションディフェンスがさえ渡っていたと思いますが、チームとしてディフェンスで意識したことはありますか?

 相手の留学生が大きく、留学生以外も日本人が大きくて。ソフトなディフェンスをしていたら簡単にどこでもやられてしまう、ミスマッチになってるので、ディフェンスの強度を上げて、ローテーションを速くして、相手を焦らせるようということを練習から話していました。それをこのように表現できたのは良かったと思います。それでもローテーションをする中でももう少しボックスアウトを頑張ってリバウンドを取らないといけないなというのが今日の課題として出たのでそこは修正して、次の日体大にもまた留学生いるので、改善をできたらなと思います。

ーー最高の形でのリーグ開幕となりました。今後の意気込みを教えてください。

1部リーグで1勝目を挙げることができたのは本当に安心したので、勢いのままこう、素晴らしいバスケをして、今日みたいにたくさん点を取って、早稲田はこういうチームなんだということを表現し続けていきたいなと思います。

 

F松本秦(スポ1=京都・洛南)

松本秦(スポ1=京都・洛南)

――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか

 相手のことを何もわかっていない中でも思い切ってプレーすることを意識していました。

――白鴎大戦はどのような気持ちで臨みましたか

 相手はもうずっと上位にいるチームで自分たちよりもはるかに強いということはチームとしてもわかっていました。試合前に相手は体調不良で何人かいないということは聞いていましたが、それでも強いチームであることに変わりはないので気持ちの面では絶対に負けないと思ってプレーしていました。

―― 3Pを中心にチーム最多得点の24点をマークしました。そこは振り返ってみてどうでしたか

 そういうチーム相手に24点を取れたことは自分の自信にもつながると思います。それでもターンオーバーや速攻の流れの良いところでミスをしてしまったので、そこは今後課題として改善していきたいと思います。

――オフェンスで相手留学生とマッチアップした時には何を意識していましたか

 サイズでは負けていますがスピードでは絶対に自分が勝っているので、そこをどう活かすかということを考えてプレーしました。

――今後の意気込みをお願いします

 今日一勝できたことは素直に嬉しいですし、ホッとした部分もあります。あと21試合あるのでそこは気を抜かず、どんどんチームとして良くなっていけたらと思います。