ーー個人として、シーズンここまではどう振り返ってますか
スタートダッシュはうまく切れたかなと思ったんですけど、そこで自分もそうですしチームもこのまま行けば行けるんじゃないかというような感覚があって。少し停滞してしまったような、現状維持をずっとしてしまったような感覚がありました。それで前期の最後の方で勝ち点を落としてしまいました。だから後期はもう常に上目指してやっていかないといけないなっていうのは思いました。
ーープレシーズンは苦しい期間続いた中で、リーグ序盤は勝利を重ねましたが要因はどこだと考えてますか
ベースを徹底しようと目線を全員が揃えたのが良かったんじゃないかなとは思ってます。
ーーキャプテンとしての意識の変化はありましたか
やっぱ最初の方はやばい、俺がやんないといけないなという風に特に前期の最終の方ずっとそんな感じやってました。でもやっぱり一人でやってたら限界あるなっていうのは思ったので、うまくチームメイトや同期と連携してやっていかないといけないなと思いました。
ーープロ内定者として見られるシーズンですが心境の変化は
見られてるから変わるということはなく、いつもできることをやるだけですね。

昨年の早慶サッカー定期戦で得点を決めた本保(左)と山市
ーー今シーズン成長したと感じる部分は
3年間やってきた積み上げが4年目にして主に攻撃の部分でちょっと出てきてんのかなっていう風に思います。大学サッカーでやれててもプロの世界でやれなかったら意味ないと思うので、全然満足は全てのプレーにおいてしてないです。
ーー今期ここまで印象に残ってる試合ありますか
リーグの駒大戦ですね。自分が(ボールと)被っちゃって、入れ替わって失点して負けて。そこからチームの流れもなくなっちゃったなっていう風に思ってるので悔しさの大きいゲームになりました。
ーーチームとして良くなってきた部分、足りないなという部分はそれぞれどこですか
いや、全然まだまだ全てにおいて足りないなと思いますけど、球際・切り替え・運動量というベースを今年挙げてきた中で、そこは良くなってきてるんじゃないかなっていう風に思ってます。今中断期間で2ヶ月ぐらいありますけど、そこでビルドアップのところだったりとか、うまく兵藤さん(兵藤慎剛監督、平20スポ卒=長崎・国見)と、幹部中心にチームとしてやりたいことはみんなに対して伝えてるので、そこの目線が揃えばもっと良くなるんじゃないかなと思います。
ーー2部優勝という目標とチームの現在地の距離感はどう捉えてますか
距離感はわかんないですけど、もう自分たちは優勝するしかないです。もう自分たち次第だと思うんで、優勝するために一つ一つの練習だったり、チームとしてこうやっていこうっていうようなのはみんなで話してます。
ーー夏以降こだわっていきたい部分は
チームとしては、球際・切り替え・運動量のところ、ベースの部分は絶対に落としたくないので、それを上げつつ、今取り組んでるテンポのところだったりとか、ビルドアップのところだったりとか、ゴール目指すためにたくさん情報を入れないといけないですし、そのために周りを見ないといけないから、そういうところをチームとしてはこだわってやっているっていう感じですね。
個人としては、川崎(フロンターレ)の練習行って、自分のオフ・ザ・ボールでのポジショニングだったり、ボール持った時は人並み程度にはできたと思うんですけど、ボール持ってないところでのポジショニングが攻守において全然まだまだ足りないなと感じたのでそこはより大学サッカーの中でも意識して取り組んでいこうかなと思います。
ーーオフ・ザ・ボールを意識しようと思った具体的なきっかけはありましたか
色んな人にめちゃくちゃ聞きに行って、山本悠樹さんだったりとか、コーチングスタッフの方々と多く話す機会があって、そこで映像を見せ見せてもらいながら、特にオフ・ザ・ボールで気になるシーンが多かったので、そこが課題だなという風には自分で感じたので、プロいくまでに、まずはそこをやっていきたいです。
ーー練習参加は内定後が初だったと聞きましたが、実際に行ってみてどうでしたか
大学サッカーとは、一つ一つにおいてのレベルが格段に違うなという印象がありました。このままま行くとやばいなという印象は最初行った時あったんですけど、でもそういう風に思った中でも自分の中で消えない自信はあるので、自分のやれることを日々やり続ければ大丈夫だなっていう風には思っております。
ポジショニング、ほんとにオフザボールのところだったりとか、味方助ける動きだったりとか、ラストパスの精度だったり、練習に対する姿勢だったりとか、すごい多くのものを学ばせてもらったので、自分が早稲田帰って、それを下級生だったり同期に対して示していっていいチーム作っていきたいなって思ってます。

駒大戦の山市
ーー慶大に対する印象は
いや、やっぱ全員がハードワークするいいチームだなっていうようなのは思ってます。
ーー去年国立競技場のピッチでの試合でしたが振り返ってどうでしたか
最高っすよ。久しぶりにというか、最高だなって感じましたね。応援だったりとか、それまで早慶戦を盛り上げてくださってたメディアの取材の方だったりとか、スタッフの人だったりとか、本当に集大成の舞台だったなと思いました。
ーー早慶クラシコとはどういう舞台ですか
もうラストですし、しかも3大会連続で勝ってるので、すごいプレッシャーはあります。
どういう舞台か。けど、俺はもう1回「祭」にします。いろんな人が見に来てくれると思うんで、その人たちも盛り上げられるように。選手、部員、関わってくれた人全員盛り上げられるように、やりたいなと思ってます。
ーー今年の開催地が等々力であるということに意識はありますか
いや、恥ずかしいっすよ。恥ずかしい。
ーー恥ずかしいという言葉にはどんな意味が
フロンターレのサポーターの方も、ちょっと見に来てくれるかもしんないので少し恥ずかしいっていうか、もちろんワクワクの方が勝ってはいるんですけど、いつも以上に気合い入れて、中途半端にプレイできないなという気持ちはあります。
ーー自分の見て欲しいプレーは
左足のキックですね。そこを見てほしいです。
ーー注目選手や注目ポイントを教えてください
今まで毎回こういう話は本保(奏希、スポ4=JFAアカデミー福島U18)と奈琉(佐々木副将、社4=新潟・帝京長岡)って答えて来ましたけど、今回は増田(健昇、スポ4=横浜FCユース)にします。あいつ自身、今までの3年間早慶戦ベンチ外でめちゃくちゃ悔しい思いしたと思うんすけど、けどあいつは腐ることなく、しかもポジティブに前向きに練習だったりとか試合に取り組んできて、今となってはもうめちゃめちゃ信頼できる、みんなが信頼してるようなセンターバックにも成長してるので、積み上げてきた来たものを出してほしいなという期待とか色々込めて増田にします。
ーー大学ラストシーズン、ここから成し遂げたいことを教えてください
もう2部優勝ですね。チームとしても、個人としても2部優勝。必ず早稲田を1部の舞台にあげないといけないなっていうのは、100周年の記念式典だったり、色々なOBの方だったりとかと携わらせてもらって感じましたし、今まで早稲田に対して何か恩返しできてたかと言ったら、恩返しはまだできてないと思ってます。それを形にできるチャンスはもう自分に残ってるのは2部優勝して1部に上げることだけだと思うので、それは絶対に達成したいです。あとは後輩のために置き土産しっかり残して、かっこいい先輩で大学を卒業したいです。
ーー早慶クラシコから始まる後半戦の意気込みをお願いします
勝ち続ける強い集団にうん、したいなっていう風に思ってます。前期は最初勝てていて、心のどこかに慢心があったと思うので、同じこと起きないようにチーム全員で引き締めて、常に変化を怖がらずに、かつ根本にある勝利のためという部分はぶらす事なく勝ち続けます。
◆山市秀翔(やまいち・しゅうと)
2004(平16)年1月20日生まれ。170センチ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部4年。早大の10番にして主将、さらには全日本大学選抜でも主将を務めた大学年代を代表するプレイヤー。ピッチ内外問わずどこからでも存在感を放つ。