第37回 関東学生リーグ戦 1部Aブロック
7月27日 東京・駒沢オリンピック公園総合運動場第一球技場
Team | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
早稲田大学 | 1 | 0 | 3 | 3 | 7 |
獨協大学 | 2 | 2 | 1 | 1 | 6 |
得点者
1Q
小川隼人
2Q
なし
3Q
山田伊織、小川隼人、多田倫太郎
4Q
花井コルトンヘイズ、小川隼人、岡地慶人
初戦から拮抗する展開となった明大戦。無事勝利を収めた早大は、リーグ戦全勝に向け着実に歩みを進めた。2戦目の相手は獨協大。序盤から相手の巧みなディフェンスに翻弄され、得点差をじわじわと広げられてしまう。前半を1-4で折り返し、厳しい状況が選手らを襲う。それでも彼らの顔には点差とは裏腹に、勝利に対する強い覚悟が見て取れた。そこからは先ほどと打って変わって早大ペースに。第3Qだけで一気に3得点を入れ、一点差で勝負の第4Qにもつれ込む。取ってとられての接戦となったが、チームの攻撃の要であるAT小川隼人(政経4=東京・早実)が同点打を放ち見事追いつくと、ここで今日一番のプレーが飛び出す。残り数秒、試合最後の攻撃かと思われたこの場面。MF岡地慶人(政経4=愛知・滝)が気持ち溢れんばかりのショットを放ち、それが勝利を決定づける一点に。観客を沸かす圧巻のプレーで、激闘の試合に終止符を打った。

フェイスオフを成功させるFO富田
第1Qは相手の果敢な攻撃に苦しめられる。それでもG長田謙伸(政経3=埼玉・大宮開成)が目を見張る瞬発力で相手のオフェンス陣を封じ込め、DF島田和毅(商3=東京・早大学院)やMF松下晴紀(法4=埼玉・早大本庄)も激しいディフェンスを見せる。だが意表をついて放たれた相手のショットを食い止めることができず、2連続得点を奪われてしまう。このまま第1Q終了かと思われたが、負けじとAT小川も裏からのショットを成功させ1点差に縮める。
第2Q最初のフェイスオフ。FO富田隼平(商3=神奈川・県立大和)が安定感を見せ獨協大に勝ち切るも、攻撃権は両者を行き交う展開に。AT小川を筆頭にオフェンス陣が攻撃を作ろうとするも、相手の厳しいチェックに行く手を拒まれてしまう。その直後、相手の仕掛けた1on1を食い止めることができず、1-3の2点差に。最上級生のDF野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)やMF寺田颯一郎(商4=東京・攻玉社)も懸命なディフェンスで対抗するが、相手の勢いは止まらず1-4で前半を折り返す。

相手のオフェンスを交わすFO多田
第2Q終了時点で3点差。雲行きが怪しいかと思われたが思われたが、開始直後からMF山田伊織(国教3=早稲田佐賀)が1点を取り返す。流れが早大に来たかと思ったのも束の間、再び相手もショットを決め2-5に。窮地に立たされた野澤組。だが、ここから彼らの逆襲劇が始まる。DF野澤主将が安定感のあるディフェンスで相手ボールを奪うと、そのままAT花井コルトンヘイズ(国教4=アメリカ・マッキントッシュ)、AT小川へとボールが渡る。AT小川が受け取ったボールを鋭いショットへ変え、2点差に。今度はFO多田倫太郎(創理=埼玉・早大本庄)がフェイスオフに勝ち切り、そこから相手陣地へ攻め込む。仲間のパスを受けたFO多田が、ボールをすぐさま相手ゴールへ押し込み、4ー5の1点差まで詰め寄る。
最終第4Q、開始早々AT花井が相手との1on1を制し、同点に。常に先を走っていた獨協大を、ようやく捉えることができた。観客の誰もが早大に流れが来た、そう確信した次の瞬間。獨協大が右からのショットを成功させ、痛恨の失点に。体力も精神も削られる苦しい時間だったが、それでもこの男は諦めない。残り1分、攻撃権を獲得したAT小川がスティックを持ち替える巧みなプレーで相手を引き付け、貴重な同点打を決める。あと1点、そう誰もが思い、願う中、早大に最後のチャンスが到来。チームの思いを託されたMF岡地は一瞬の隙を見逃さない。ここで勝負を決めると言わんばかりの力強いショットで、チームに貴重な一点をもたらした。値千金のゴールを放ったMF岡地がこの接戦に決着をつけ、7-6で獨協大を打ち倒した。

喜ぶ選手たち
灼熱の太陽が選手たちを照りつける中、それに負けじと意地を見せた選手たち。相手の勢いに押される場面も見られたが、それを弾き返し見事勝利を掴み取った。これで二連勝。FINAL4進出が選手たちの頭をかすめるが、気を抜いてはいられない。因縁の相手、明治学院や他の対戦校も4年間の思いを背負ってこのリーグ戦に臨んでいる。だが早大も気持ちでは負けていない。これまでの二連勝を自信に変え、正々堂々FINAL4進出の切符を掴もうじゃないか。
(記事 高津文音 写真 石澤直幸、高橋彗人)
試合後インタビュー

小川隼人(政経4=東京・早実)
――本日の試合全体を振り返っていかがですか
獨協大さんとしては初戦で、自分たちをかなり対策していると感じました。苦しい時間が続いてオフェンスの時間が取れない中で、より短い時間でシュートを決めなければいけないプレッシャーがありました。みんなが勝負どころでゴールを決めきってくれたおかげでなんとか勝てたので、勝負強さが出たのかなと思います。本当に嬉しいです。
――対策を練っていた相手のディフェンスはいかがでしたか
ディフェンスで大きな選手がたくさんいました。でもそこにビビっていると攻めあぐねてしまうので、シュートをガンガン打っていこうと思っていました。
――後半から修正した点はありますか
オフェンスの時間が取れていなかったので、1-4になっても焦らずいつも通りに自分たちのオフェンスをやろうと心がけていました。
――オフェンスリーダーとして見つけた収穫や課題はありますか
オフェンスの時間が取れないときにミスが起きてしまって、雰囲気が下がってしまう精神的な課題がありました。技術的な課題でも、もっとシュート精度を高められると思います。シュート本数が取れない中、精度はもっと高めていく必要があると思うので、相手がセーブしずらいシュートを研究したいと思っています。
――次戦、東大戦に向けた意気込みをお願いします
苦しい2試合を乗り越えて、チームとして成長出来たと思います。1年生のウィンターで負けた因縁の相手なので、東大戦ではそこのリベンジです。しっかり合宿でパワーアップして、圧勝できるように頑張ります。

岡地慶人(政経4=愛知・滝)
――本日の試合全体を振り返っていかがですか
前半でリードを取られて、第4Qの本当に最後まで負けていて。その中でもみんなが気落ちせずに声を出して、信じ続けた結果が自分のゴールにつながったと思います。
――最後の得点シーンを振り返っていかがですか
正直明確なイメージがあったわけではありませんが、今までずっとやってきたことへの信頼がありました。絶対に自分が決めると思っていました。
――後半から立て直すために意識していたことはありますか
チームで今できることを考えて、それを全力でやり続けることがみんなでできたと思います。
――今日の収穫や反省点はありますか
相手がボールを落とした時のグラウンドボール、ニュートラルの部分が課題だと思います。
――次戦、東大戦への意気込みをお願いします
これで満足せずに夏しっかりと練習を積んで、もっと強くなって圧勝できるように頑張ります。

長田謙信(政経3=埼玉・大宮開成)
――本日の試合全体を振り返っていかがですか
事前のスカウティングで、獨協のオフェンスがボールを持ってくると分かっていました。対策をしてそれほど失点はしなかったものの、なかなかボールを奪えず苦しかったという印象です。
――獨協大相手にどんなことを意識して試合に臨みましたか
相手オフェンスの時間が長くとも焦らず、自分たちのやれることをやるというのを意識して臨みました。
――実際に相手のオフェンス受けてみて、どうでしたか
個々のパスキャッチ能力などが高くてなかなか落とせませんでした。かなり近いところから速いショットが来ていて、手強いなと感じました。
――前半から後半にかけて修正した点はありますか
前半と守り方のシステムを少し変えました。それで相手が少しずつ焦ってきてくれたのが良かったです。
――次戦の東大戦に向けた意気込みをお願いします
2試合苦しい展開を勝ち切って、チームとしてどんどん底力がついて来ていると感じます。この勢いで東大戦も3連勝し、予選1位突破を目指して頑張りたいです。