早慶明定期戦 7月6日 東京・東伏見スポーツホール
第63回早慶明定期戦が今年も開催された。昨年、早大は明大、慶大に見事勝利し優勝を奪還。そして今年、早大は初めに関東学生リーグ2部に所属する慶大、続いて関東学生リーグ1部で共に戦う明大と対戦した。慶大戦ではベンチ入りメンバー全員が出場し35ー26で勝利。明大戦では後半、一時逆転を許すも、33ー32で接戦を制した。早大が2年連続、早慶明定期戦優勝を果たした!

選手が得点を決め、喜びを見せる早大ハンド部
初戦、慶大を相手に、前半からリードを広げ、個人の高いスキル、チームとして強みの堅守速攻を生かしたプレーで勝利した。前半オフェンススタートの早大は、先制点を許すも、小柴創(スポ3=千葉・昭和学院)の牽制やアタックが相手の連携を乱し、守屋雄司主将(スポ4=神奈川・法政二)や外種子田崚汰副将(スポ4=鹿児島・国分)の速攻で連続得点を決め早大はペースをつかむ。その後も鍋島弘樹(スポ3=福井・北陸)の強烈なロングシュートがチームをさらに活気づける。結城颯太(スポ3=千葉・昭和学院)から今西央登(スポ2=奈良・郡山)へのロングパスによる速攻シュート、キーパー高橋伶至(政経1=東京・早大学院)の好セーブに続く雪野亮輔(文構2=神奈川・鎌倉学園)のシュートで応戦し、さらに前半終了間際には奥田理仁(人4=群馬・富岡)がミドルシュートを放ち得点。15ー8で前半を折り返す。後半、前半に続き攻撃の手を緩めることなくリードを広げていく早大。山口十瑳(スポ1=國學院栃木)の高身長を生かしたロングシュートの威力に会場がどよめく。そして坂下瑞紀(スポ2=鹿児島・鶴丸)の速攻シュート、河原龍成(スポ2=福井・北陸)がPKによりキーパーとの1対1を制し、さらなる早大ベンチの盛り上がりを見せる。西森脩登(教1=神奈川・桐光学園)のミドルシュート、井上元(教4=埼玉・大宮北)の好セーブに続いて速攻で点を決めるなど、早大ハンド部の圧巻の試合を見せつけ35ー26で勝利した。

好ディフェンスから速攻シュートを放つ小柴
慶大戦と同じスタメンで挑んだ明大戦は、前半、速く、安定したパス回しとともにコートを効果的に使い、プレーの幅を広げる。多種多様なきっかけから得点を決め、リードを広げる早大だったが、後半明大に徐々に点差を縮められ、一時逆転を許す。それでも慌てることなくプレーを続け、33ー32で接戦を制した。この試合、前半から所真大(社3=岡山・総社)の安定感あるサイドシュートが連発。19ー15で前半を折り返し、さらに突き放していきたい後半だったが、後半22分、相手に連続得点を許し29ー29の同点に持ち込まれる。その後、2点ビハインドまで追い込まれるも黒沼大幹(教3=東京・明星)と守屋主将のポストシュート、小柴の速攻、外種子田のロングシュートが決まり、後半28分に32ー31で再び逆転。直後、試合時間残り1分を切ったところで明大のオフェンス。明大が決めれば同点、早大が守り切れば勝利に近づく場面で、大武蓮(社4=神奈川・川和)の好セーブが光り、明大の得点を阻止する。その後、残り8秒の場面で早大はタイムアウトを取り、最後まで慎重な姿勢を見せる。タイムアウト明け、早大は明大のマンツーマンディフェンスに対して見事耐え抜き、33ー32で勝利した。

試合前の円陣
昨年に続き早慶明定期戦優勝となった早大。それでも試合後、守屋主将は慢心せず、冷静に課題点を述べていた。今年度の定期戦を終え夏の鍛練期に入る。現時点の個人として、チームとしての課題に取り組み、秋リーグでどのような成長を見せてくれるのか期待が高まる。
(記事 佐野真悠子、写真 片山和香 大竹瞭)
早慶明定期戦(慶大戦) | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | ○ | 35―26 | 慶大 | |
15―8 |
||||
スタメン | ||||
GK 大武蓮(社4=神奈川・川和) |
早慶明定期戦(明大戦) | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | ○ | 33―32 | 明大 | |
19―15 |
||||
スタメン | ||||
GK 大武蓮(社4=神奈川・川和) |
コメント
守屋雄司主将(スポ4=神奈川・法政二)

ーー慶大戦を振り返っていかがですか
全員が試合に出れたことがよかったことかなと思います。内容はもうちょっと点差を離せるところは離せたのかなと思いました。
ーー明大戦を振り返っていかがですか
正直やっぱりひどい試合なのかなと思います。(明大の)キーパーがいない中でこういう1点差の試合をしてしまったのはやっぱり反省すべき点は多くありますし、オフェンス面は特に反省点が多い、ディフェンス面は逆に春に比べて収穫が多かった試合なのかなという風に感じています。
ーーご自身のプレーを振り返っていかがですか
今日はディフェンスがメインだったんですけど、ディフェンスの感触はよかったかなという風に思います。今までやってきた2枚目の高さを出すことが上手くできたのかなと思うので、あとはフリースロー切り切ること、クロスアタックの本数だけ減っているのでそこをもう少し増やせればベストかなと思います。
ーー春リーグを終えてから、練習ではチームでどんなことを意識していましたか
常に日々のクオリティを上げるということを意識しています。練習的には鍛練期なのでラントレがメインですけどそのラントレしていない1時間半とか、そういう短い時間の中でいかに高いクオリティで練習できるかというのを大切にしながらやっています。
ーー夏に強化していきたいことは何ですか
全部強化していかないとやっぱり目標は達成できないと思うので、全部強化して夏を乗り切っていこうかなと思います。
井上元(教4=埼玉・大宮北)

ーーご自身のプレーを振り返っていかがですか
私個人としては、慶大戦に出て、後半のラスト15分というところだったので、相手も疲れている中でのプレーだと思って、自分としてはやっぱりもっとセーブ率が上がったキーピングができたらなと思っていました。1番手、2番手、3番手、4番手という中で、前の3人が結構いい形で繋いでくれたので最後の試合を締めくくる中で10点差以上をつけるというのが目標でした。最後の結果9点差だったと思うのでそこが少し、自分のところで10点差から1点詰められちゃったという部分が心残りではあるんですけど、ただその中で相手を見て、自分のキーピングを発揮するというところでは、自分の思い通りのプレーも何個かあったので、70点くらいかなと自己採点しています。
ーー後ろから見ていて、ディフェンスはいかがでしたか
少しふわふわしていた部分はありました。やっぱりこういう観客の前でプレーするのが初めてな1年生もいたりするので少しディフェンス同士の間が広くなってしまったりとか、本当はハンドボールは2人でフォローしあってディフェンスで詰めなければいけないのですが、そこができていない部分もありました。それは外から見ていてもわかっていたので、自分が交代して入ったときにはそこを締められるような声かけができればなと思って臨みました。
ーー先週の早関西定期戦に続き、早慶明定期戦でも優勝を飾れましたが、練習から振り返ってみてこの結果はいかがですか
先週の(関学との)試合は関西の強豪校との試合だったので、かなりチームとしてそこに向けて高めていっていき、それを踏まえて春リーグで大敗していた明大との試合が今日に控えていたというところで、やはりチームとしては、選手それぞれが明大に対する意気込みを強く持って挑んでいたので、かなり意識して練習できたと思います。反対に出場機会が得づらい下級生だったりとか、僕だったり、出場機会が少ない選手にとっては、けが人も多い中で慶大との試合でどれだけ出場時間を得て、その得た出場時間の中でどれだけいいプレーができるか、自分のプレーを出せるかといったところにフォーカスして練習に取り組んでいた選手が多かったと思います。明大に向けての意気込みと慶大に向けての意気込みを持った選手がそれぞれかみ合って上手く練習ができていたんだなという風には思います。チームの練習の雰囲気としては、この1週間はかなり試合を意識したいい時間になってきたなと思います。