関東大学ラグビーオールスターゲーム2025 7月6日 対リーグ戦選抜 秩父宮ラグビー場
ラグビーの聖地、秩父宮ラグビー場に集まった大学ラグビーのオールスターたち。早大からはPR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)、NO・8城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)、SO服部亮太(スポ2=佐賀工)、CTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)、WTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)と池本晴人(社3=東京・早実)が選出された。バックスタンドには多くの大学ラガーマンが集い、大盛り上がりの中始まった今試合。試合開始早々から服部のパスを起点に対抗戦選抜がトライを奪うと、早大の選手たちは要所要所での活躍を見せる。池本の空中戦から黒川がパスを繋いでトライを奪うなど、対抗戦選抜優位の状態で前半を終えた。続く後半は立ち上がりからリーグ戦選抜ペース。序盤に2トライを許し、17ー19と逆転を許したが対抗戦選抜も負けじとトライを追加し、試合はシーソーゲームの展開に。得点を奪い合い、逆転を繰り返す試合の中勝負を決定づけたのは筑波大のWTB内田慎之甫。キックカウンターから一人でトライを生み出し、34ー33と1点差の厳しいゲームを対抗戦選抜が制し、オールスターゲーム2025は幕を閉じた。

試合後に集合写真を撮る選手たち
対抗戦選抜のキックオフから始まった試合は服部の巧みなキックによるゲームメイクで序盤から優位に立つ。3分、城がラインアウトで安定感のあるキャッチングを見せると、服部のパスからLO荒川真斗(青学大)がブレイク。WTB白井瑛人(明大)がゴールライン目前まで迫るものの、これは惜しくもノックフォワード。しかし対抗戦選抜の勢いは止まらず7分、BKラインで見事にパスを繋ぎ、最後はFL岡部義大(日体大)がインゴール右隅にトライした。9分、服部のハイパントキックを池本が競ると再獲得に成功。黒川を中心にパスを細かくつなぎ、またも対抗戦選抜が得点を重ねた。12ー0で迎えた26分、リーグ戦選抜のスクラムペナルティーからゴール前でのチャンスを得た対抗戦選抜はBKを含めた13人がラインアウトに参加するまさかの布陣を見せる。ボールがこぼれてしまうが、13人でプレッシャーをかけた対抗戦選抜がキックチャージに成功すると、CTB佐藤侃太郎(立教)がインゴールに抑えた。しかし32分、スクラムでコラプシングの反則を犯した対抗戦選抜はそのままリーグ戦選抜の勢いを止めることができず、ついに失点を許す。そのまま前半が終了し、17ー7で40分を終えた。

ゲインするCTB黒川
後半は前半と打って変わり、立ち上がりからリーグ戦選抜ペース。10分までに2トライを献上し、17ー19と逆転を許してしまう。悪い流れを断ち切ったのは16分、前半のようにBKも混ざった全員モールを形成した対抗戦選抜はそのままインゴールまで押し切った。高校時代のチームメイトである田中と白井(明大)が肩を組んで喜ぶ場面も見られ、22ー19と逆転に成功する。18分にまたもトライを許し、再逆転されてしまったが20分、右サイドを内田(筑波大)が駆け上がると、一気にゴール前へ。ラックサイドに走り込んだ勝矢がノットロールアウェイのアドバンテージを得ると、SO伊藤利江人(明大)のキックパスから高比良恭介(明大)がインゴールでグラウンディング。29ー26とシーソーゲームの試合展開となった。28分にはゴール前でアタックを継続したリーグ戦選抜が大外へのキックパスで点数を追加すると、勝敗は最終盤へともつれ込む。勝負を決めるトライが生まれたのは35分、内田(筑波大)がキックカウンターを仕掛け、一人で70メートル超を走り切ってトライ。34ー33と1点差の熾烈な争いを制した対抗戦選抜が勝利して試合を終えた。

ラックサイドに走り込むPR勝矢
「今までと違うメンバーでラグビーができることの刺激はとても大きかった」(勝矢)。「良い選手がいっぱいいて刺激される部分もあったので帰って磨きをかけたい」(城)。「同じポジションの人でも、パスの1つ1つの違いだったり、仕掛けのところも変わってくるのでかなり勉強になった」(服部)。「今まで早稲田の中でしかプレーしてなく、他大学の選手との交流などは全くなかったので、上手いプレーヤーと一緒にラグビーできて新鮮だった」(黒川)。「レベルが高くて、練習期間は長くはなかったが良い経験になった」(池本)。「強い高校だったりそうでもない高校でも、大学に上がって同じレベルのステージで一緒にやれていることは本当に楽しくて刺激になった」(田中)。
試合に出場した選手たちは以上のように振り返った。他大学の選手たちの交流の中で自分たちの強みを再発見したことは間違いない。大学ラグビー全体を盛り上げ、大観衆の中で『荒ぶる』を歌うために、灼熱の夏が幕を開ける。
(記事 村上結太、写真 安藤香穂、吉田さとみ)
コメント
◆PR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)
ーーオールスターのメンバーに選ばれた思いを率直にお聞かせください
貴重な機会を頂けたなという思いです。関東大学対抗戦の名に恥じないプレーをするために、しっかり準備して挑めました。
ーー他大学の選手たちとともに練習、試合をすることで刺激になりましたか
色んな人と仲良くなれましたし、今までと違うメンバーでラグビーができることの刺激はとても大きかったかなと思います。
ーーこの経験でどんなことを得ましたか
いつもやってるメンバーではない難しさ、盛り上がっている会場でのコミュニケーションの難しさなど、日頃では感じられないことを楽しめたかなと思います。
ーー試合中はどんなプレーを意識していましたか
なかなか合わせてないメンバーだったので、コミュニケーションを取っていくこととか、スクラムは上手くいかない時間もあったんですけどスクラムで存在感を示せるように戦いました。
ーー夏への意気込みをお願いします
夏に向けて厳しい練習、苦しい時間は多くなると思うのですが体づくりに一番大事な時期だと思うので身体張って頑張ります。
◆NO・8城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
ーーオールスターのメンバーに選ばれた思いを率直にお聞かせください
率直に嬉しかったです。
ーー他大学の選手たちとともに練習、試合をすることで刺激になりましたか
オールスターなので、いい選手がいっぱいいて刺激される部分もあったので帰ってまた磨きをかけたいと思います。
ーーこの経験でどんなことを得ましたか
すぐ集まって試合をする難しさということと、それから自分たちがそこで何をするかといったフォーカスを当てるところが難しかったですけど、そういう状況はこれからもあると思うのでこの経験を活かしたいです。
ーー試合中はどんなプレーを意識していましたか
難しいことはせず体当ててしっかりエリアをとって、シンプルなことをとにかくやり続けました。
ーー夏への意気込みをお願いします
これからまた暑くなってしんどくなると思うんですけど、しっかり夏を乗り越えて冬に優勝できるように頑張りたいと思います。
◆SO服部亮太(スポ2=佐賀工)
ーーオールスターのメンバーに選ばれた思いを率直にお聞かせください
昨年見てて対抗戦の選抜チームを作るという中で、選ばれたことは嬉しく思いました。
ーー他大学の選手たちとともに練習、試合をすることで刺激になりましたか
同じポジションの人だったり、同じバックスの人だったり、走るコースだったり、パスの1つ1つの違いだったり、仕掛けのところも変わってくるので、そこはかなり勉強になりました。
ーーこの経験でどんなことを得ましたか
チームが即席で作られた中で、ぜんぜん上手くいかないこともあるとは思うのですが、その中で立て直すことが、この経験で得られたことかなと思います。
ーーチームの司令塔として試合中はどんなプレーを意識していましたか
アタックになるとテンポを出したり、ディフェンスではボールを取り返したらエリアを取るなどにフォーカスをして、そこに関してはよくできたかなと思います。
ーー夏への意気込みをお願いします
これからまた気温も上がって、練習もハードになって菅平入るって中で、まだまだフィットネスだったり、フィジカルとかが足りないと思うので、しっかり秋に向けてこの夏を乗り越えられるように、また1からがんばろうと思います。
◆CTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)
ーーオールスターのメンバーに選ばれた思いを率直にお聞かせください
めっちゃビックリしました。今までは観戦するものだと思っていたので、実際に自分がこの舞台に立てることに率直に嬉しさと喜びがありました。
ーー他大学の選手たちとともに練習、試合をすることで刺激になりましたか
今まで早稲田の中でしかプレーしてなく、他大学の選手との交流などは全くなかったので、上手いプレーヤーと一緒にラグビーできることは新鮮でした。また、2日間でラグビーの形を作り上げるということも初めての経験でしたし、自分は副キャプテンを努めさせていただいてとても成長できたかなと思います
ーー試合中はどんなプレーを意識していましたか
オールスターだから派手なプレーするとか変に意識するのではなく、今までの練習で積み重ねてきた身体を当てる部分でチームを牽引できるようにプレーしていました。
ーー夏への意気込みをお願いします
個人としても赤黒を着るために勝負になると思いますし、チームとしても帝京に勝つための勝負のシーズンになると思うので、日本一という目標に立ち返って成長していきたいです。
◆WTB池本晴人(社3=東京・早実)
ーーオールスターのメンバーに選ばれた思いを率直にお聞かせください
めちゃくちゃ驚きました。みんな事前に言われてたのに、僕だけ他のみんなと一緒にインスタで公表されたタイミングで知らされたのでびっくりしました。その中でも選ばれたのはすごい嬉しかったです。
ーー他大学の選手たちとともに練習、試合をすることで刺激になりましたか
すごいみんなレベルが高くて、そんなに練習期間は長くはなかったのですが、いい経験になりました。
ーーこの経験でどんなことを得ましたか
他のリーグ戦とそんなに試合ができない中で、今日は体を当てることができて、また対抗戦のレベルの高いプレーヤーと一緒にやることができたので、スピード感とかいい経験になりました。
ーー試合中はどんなプレーを意識していましたか
楽しむプレーをしようと思って。このジャージに恥じないプレーをするっていうのはあったのですが、お祭りなので、自分は楽しむようにプレーすることを意識しました。
ーー夏への意気込みをお願いします
ここから秋に向けてもう一段上げていかないといけないと思うので、厳しい練習を耐えて、もっとレベルアップしていけるようにがんばります。
◆WTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)
ーーオールスターのメンバーに選ばれた思いを率直にお聞かせください
こんないろんな大学がある中で数少ない選手として選ばれたのは素直にうれしいです。
ーー他大学の選手たちとともに練習、試合をすることで刺激になりましたか
本当にいろいろな選手がいる中で強い高校だったりそうでもない高校でも、それぞれ大学に上がって同じレベルのステージで一緒にやれていることは、本当に楽しくて刺激になりました。
ーーこの経験でどんなことを得ましたか
短い期間の中ではじめましての方も多かったのですが、一つのチームとして勝利を目指して、ラグビー以外の会話でもコミュニケーションをしっかりとり、最後勝利に結びつけることができたのは本当に貴重な経験だったかなと思います。
ーー試合中はどんなプレーを意識していましたか
監督からもあったようにジャージの価値を高めるということで、しっかり早稲田の看板を背負って、いつも通りのプレーができました。
ーー夏への意気込みをお願いします
しっかり怪我無く、秋の対抗戦に向けて頑張っていこうと思います。