【連載】ラクロス部 関東学生リーグ戦前特集『CHASE VICTORY』第2回 DF山田麻由×DF久野陽菜乃×G星井萌子

特集中面

 第2回は、ディフェンス陣の核として活躍しているDF山田麻由(商4=東京・国立)、DF久野陽菜乃(スポ3=奈良・西大和学園)、G星井萌子(スポ3=東京・駒場)の3選手。早稲田のゴールを守る3人にリーグ戦に向けた思いを伺った。

※この取材は6月12日に行われたものです。

対談中に笑顔を見せる3人

――まずは、左隣の方の他己紹介をお願いします

久野  山田麻由さんです。早稲田のディフェンスの一番上手な選手です。今は一緒に戦術幹部をやっていて、4年生として引っ張ってくださっています。練習中の様子は真剣に、締める時は締める、声を出してくれる存在です。特に麻由さんの強みは、練習中や試合中でチームの根本的な問題を見つけて、それを発信して解決に繋げることだと思っています。

山田 星井萌子です。3年生で、コートネームはとわです。1年生の時はフィールドをやってたんですけど、2年生からゴーリーに転向して、去年からチームの主力として戦ってくれています。私たちの代にゴーリーがいないってこともあって、今年は絶対的な守護神としてやっていくと思います。自分たちが危ないって思った時のセーブや、セーブからの攻撃の起点になるところが強みだと思っています。プライベートは友達がいっぱいいて、東伏見の人は全員友達みたいに挨拶していて、昨日もなんかバレーボールの先生とすごい楽しそうに話しながら歩いてたのが、年代問わずお友達なんだなと思いました(笑)。

星井 久野陽菜乃です。陽菜乃とは同期で、ずっと一緒にやってきた仲間でもあるんですけど、トップチームとしては去年一緒にプレーするようになって、そこからの成長の度合いが本当にすごいと思います。去年1年間で成長した人トップ3に入るぐらいめちゃめちゃ成長した人だと思っています。すごい努力家でもあるし、ラクロスへの熱量もすごいあるので、人間的な面でも、ラクロスの面でも尊敬できる同期かなと思います。

――3人で話す機会はありますか

星井 ディフェンス2人とゴーリーなので、チームの戦術的な面でゴールを守るっていう意味で一緒にプレーしてるので、そういう戦術の話だったりをするんですけど、よく脱線してくだらない話をたくさんしています(笑)。

――ラクロスを始めたきっかけは何ですか

久野 自分は高校の女の体育の先生が大学時代にラクロスをしていて、ラクロスって自分たちで作り上げる競技だから絶対好きだよみたいな感じで勧められました。早稲田に入った時に体験に行ったら、楽しそうだったので入りました。

山田 自分は家が近かったからっていうただそれだけにはなるんですけど、何かスポーツしたいなと思って、東伏見は家から近いなと思って、ラクロス初心者から始められるじゃんってなって入りました。

星井 私は元々お兄ちゃんとお姉ちゃんがラクロスをやっていて、それで競技自体は知ってたんですけど、体験に行った時に出会った今の同期とか、先輩とかの人柄に本当に惹かれて、それで始めました。

――今のポジションになった経緯を教えてください

久野 自分は元々ミディーをやっていたんですけど、去年の早慶戦くらいにトップチームにあげてもらいました。その時にアタックがちょっと弱かったのと、ディフェンスがちょっと良かったっていうので、知らないうちにディフェンスに移行した感じです。強みと弱みを考えた時にディフェンスに行ったという感じなんですけど、結果的には自分はディフェンスの方が好きだし、すごく楽しいと思うので、良かったなって思っています。

山田 私はディフェンスをやりたいということをずっと言っていたので、そこが一番大きなところかなと思います。それとやっぱり試合に出られるチャンスっていうところはすごい考えていて、そこが一番マッチしたっていうところで、1年生のサマー(新人戦サマーステージ)前ぐらいからディフェンスをやっています。

久野 早いなあ(笑)。

星井 私は大学1年の1月にミディーからゴーリーに転向しました。1月の中旬ぐらいに学生日本一と社会人日本一で戦う試合があって、その試合に出ていたゴーリーの人たちが本当にかっこよくて、そこでときめいちゃいました。それまでゴーリーへの気持ちは0に近かったんですけど、そっからバーンって100まで行って、1週間後ぐらいにゴーリーになりますって言って、なりました。

早慶戦でプレーする山田

――それぞれのポジションの魅力は何ですか

久野 ディフェンスセットに入るのは基本ディフェンス3人とミディー3人とゴーリー1人なんですけど、その7人で1つのゴールを守ることがディフェンスの魅力だなと思っています。みんなで考えて、戦略的にどうやったら守れるかということを体現できるのが、素敵だなって思います。

山田 似てる部分にはなると思うんですけど、1人でも欠けたら成り立たない、全員がしっかり役割を全うできるっていうところはディフェンスの魅力だと思います。自分自身はオフェンスに何か嫌がらせであったりとか、守備をして奪えた時とかの達成感であったりとか、あとは相手の嫌な顔とかを見られるのはすごい好きです(笑)。

星井 ゴーリーの魅力は2人も言ってくれた通り、ディフェンスとの一体感があって、やっぱり奪えた時の高揚感があるので、それがすごいテンションが上がるし、嬉しいです。ゴーリーはチームで試合に出れるのが1人しかいないから、大切なポジションではあるんですけど、その責任感とそれを達成できた時の嬉しさが自分的にはスリルがあってすごく楽しいなって思います。

――ご自身の強みはなんだと思いますか

久野 声を結構出せるていうところと、体は小さい方なんですけど、ちょこまかずっと付いていくディフェンスは相手にとっては嫌かなって思います。

山田 年々変わってきてるかなと思っています。下級生の時は1on1の対峙力というところを評価してもらって試合に出させてもらっていたんですけど、去年は戦術幹部をやって、今年はそれに最上級生というのが加わって、多くの下級性が試合に出ていく中で、冷静さや分析力、全体を俯瞰して見るみたいなところがはすごく強みになってきてるなと思います。そこは自分がやっていかなければいけないと思っているので、強みに繋がっているのかなと思っています。

星井 私はセーブとクリアを今の強みだなと思っていてます。まずゴーリーなので、ゴーリーの1番の仕事であるセーブ力というところと、セーブした後の早い切り替えからのクリアで、攻撃の起点になるようなプレーが強みだと思っています。

――山田選手、久野選手は戦術幹部としても活動されていますが、どのような役割なのですか

山田 今年はポジションレスというか、ディフェンスはディフェンス、ライドはライドというのを大きく決めていないので、戦術幹部6人全員でチームを作っていくみたいな形にはなっています。自分たちがディフェンスやライドで中心となって、どういう戦術を組み立てていくか、どういう練習をしていくかというのを常に話し合って、チームが日本一になるためにっていうところを常に考えて動いています。

――昨シーズンは創部史上初の全国制覇を果たしましたが、率直にどんな1年間でしたか

久野 昨シーズンは、自分は2年生だったっていうところもあって、先輩たちにとにかく必死につい食らいついていくのと、先輩に何でも聞いて吸収しまくるシーズンだったなって思います。その中で日本一に少しでも貢献できたというのは、自分にとって今年に繋がる大きな経験だったなと思います。

山田 本当に激動というか、色々あった1年間だったなっていう風に思っています。悔しかったこととか苦しいことはどんどん抜け落ちて、日本一を取った瞬間とか、勝ち進んでいく過程とか、嬉しかったことを覚えています。その中でも自分が初めて戦術幹部をやって、試合を作っていく難しさだったり、自分のプレーで負ける責任を感じた試合だったり本当に色々なことがあった1年だったので、総じて激動の1年だったかなと思っています。

星井 自分は挑戦し続けた1年だったかなと思っています。やっぱりゴーリーを始めた年だったので、そのやること全てが本当に新鮮で、今日はこれを試してみようみたいな感じで、毎日試行錯誤をして進んでいったシーズンでした。あとは2個上に主将でゴーリーの柏原陽菜乃さん(令7創理卒)がいて、ずっと追い越したいって思ってプレーしていたので、その主将の存在がすごい大きい1年だったかなって思います。

早慶戦で入場する久野

――新チームが始動してから個人で目標などは立てられましたか

久野 今年度の目標は自分がやるというところで、去年は先輩についていくとか、マイナスがなければ良いというイメージが多かったです。今年は自分でボールを奪わなきゃいけないし、自分で考えていかなきゃいけないと思っていて、麻由さんとかがいても、その中でも自分がやるんだということを体現するのが今年の目標です。

山田 去年は日本一を取って嬉しかった反面、全日本選手権で世界でプレーするような方々と対戦して、自分の力不足を感じました。今シーズンは連覇という目標に向かって自分が俯瞰して見るだけではなく、自分の実力向上にしっかり向き合おうと思います。そこに対して変化し続ける、常にそのままの自分ではなくて、変化を楽しんでいくような1年になればいいかなと思って、そういった目標を立ててやっています。

星井 今シーズンは貪欲ということを目標にしています。ゴーリーとしての最上級生になったんですけど、あぐらをかくのではなくて、常に自分が成長し続けて、変化し続ける。ちゃんと上を目指し続けるっていうのを目標にしてます。

――ここまでのシーズンについてお聞きします。六大戦をチーム全体やディフェンス面で振り返っていかがですか

山田 勝ち切れなかった試合が多かったなという風に思っています。最近の練習試合もそうですが、後半に行くにつれてギアは上がってくけど、なんか勝ち切れないとか、そういったところが課題として出た六大戦だったかなと思っています。今シーズンは私たちの代が少ないっていうところもあって、下級生がしっかり戦っていかないといけないんですけど、他大に比べてシーズンスタートが遅かった中でも下級生がしっかり頑張ってくれたので、良いシーズンスタートというか、希望が見えた試合ではあったかなと思っています。

――早慶戦を個人やチームで振り返っていかがですか

久野 個人的には実力不足を感じた試合で、4クオーターの大事なところになって、自分の判断力とか、1on1のとかの実力不足でしっかりやられて負けたイメージが強いです。ああしたら良かったなっていうよりは、しっかりリーグまでに実力をつけないと勝てないなっていう風に思いました。

星井 チームの課題だった雰囲気作りは、六大戦と比べたらすごく成長したなと思っています。それまでは自分たちのせいで雰囲気を下げてしまうことが多かったですが、早慶戦ではそれが結構なくなったと思います。しっかりいい雰囲気を保ちながら、勢いをプレーに持っていくところは良かったなと思います。でも終盤は私たちの爪の甘さがすごい出た試合だったと感じています。ディフェンス面は単純な1on1などの基本的なところでやられた場面が多く、アタック面でも決めないといけないところで決めきれないことが続いてしまいました。自分たちの本当に基本的なところが出来ていなくて、勝てなかったのかなと思います。

早慶戦で声を出す星井

――リーグ戦のキーマンを挙げるとしたらはどなたですか

久野 私はとわ(星井)をあげます。とわは昨シーズンからゴーリーになったのにも関わらず、今年は1枚目として信頼できるゴーリーになっている事が当たり前のことではないし、今シーズンもに大きな成長を遂げる選手だと思います。リーグを通してセーブに関しても、クリアに関してもまだまだ成長してくれると思いますし、一緒にゴールを守る人として尊敬しているので、とわがキーマンだと思います。

山田 私は、今年のチームは下級生の力が必要だし、下級生がのびのびプレー出来るようにしたい思っているんですけど、その中でもあげるとしたらミディーの野田千裕(政経2=埼玉・早大本庄)かなと思います。物怖じしない強さとか、決めてくれる強さは、本当に彼女のポテンシャルだと思います。2年生になんかやってくれそうと思うのは、すごく申し訳ない気持ちはありますが、本当に彼女なら何かやってくれそうだと思います。そこに得点や、1on1の守備力とか、何も考えずに思いっきりプレーしてくれてるところがあるので、本当にちい(野田)には期待してるし、ちいがのびのびプレーできるように自分たちが支えていけたらいいなと思っています。

星井 私はアタックの八澤百子選手(スポ4=東京女学館)をキーマンだと思っています。練習ではショット練みたいなのをアタックの選手にしてもらいますが、その中でもショットが上手くなってるなというのを肌で感じています。早慶戦でもしっかり得点を決めていた選手なので、彼女のショット力やフィードとか、すごい色々な面でアタックに貢献している姿に注目していただけたらなと思います。

――最後にリーグ戦での目標を教えてください

久野 自分がやるというところで、まだ誰かにやってもらえば良いって思ってしまう時があって、そこが課題だと思います。そこは自分起点で奪えるようになったり、自分から状況を発信したり、自分がディフェンスを作るんだと思って、しっかりそれを体現していきたいです。

山田 ワンプレーワンプレーにしっかり自分の気持ちを100パーセントを出し切って、しっかり1個1個に懸けるっていうところを目標にしています。戦術幹部として、あとはずっと試合に出ていた選手として、最後は自分がやらなきゃいけないと思っているので、全ての失点に対して自分がしっかりどういうことができたのか、少しでも失点を減らすために自分が何ができるかっていうのを常に考え続けていきたいなと思います。

星井 私は攻撃の起点になるっていうのを目標にしています。守備の局面ではあるんですけど、自分がこうセーブしたり、ディフェンスと連携して奪うことで、攻めの第1歩に自分がなりたいなって思っています。攻撃の起点というものは普通はアタックとかだと思うんですけど、ゴーリーから攻撃をなんか始められるようにしていきたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 辻岡真波 写真 高津文音)

◆山田麻由(やまだ・まゆ)(※写真中央)

東京・国立高等学校出身。商学部4年。友達と美味しいものを食べに行くことが趣味だという山田選手。最近は新大久保で食べたサムギョプサルが特に美味しかったそうです!

◆久野陽菜乃(くの・ひなの)(※写真左)

奈良・西大和学園高等学校出身。スポーツ科学部3年。対談中も素敵な笑顔が印象的だった久野選手。コートネームの「いる」は高校時代の先生につけてもらったもので、スマイルから来ているそうです!

◆星井萌子(ほしい・もえこ)

東京・駒場高等学校出身。スポーツ科学部3年。ワンピースが好きだという星井選手。定期購読をしている毎週月曜日のジャンプ発売が楽しみになっているそうです!