関東学生選手権 6月26~28日 埼玉・所沢市民体育館
関東学生選手権は最終日を迎え、男女シングルスベスト8決定戦以降が行われた。最終日は7ゲームマッチ4ゲーム先取となる。早大男子からは徳田幹太(スポ3=山口・野田学園)、濵田尚人(社2=高知小津)が出場。徳田は先に2ゲームを奪うも、試合の流れが相手に渡り2-4で逆転負けを喫した。濵田尚は競り合う場面もあったが、相手の勢いを止めきれず0-4で敗北した。
女子からは司千莉(スポ2=大阪・香ヶ丘リベルテ)が最終日に勝ち残った。この日初戦となった6回戦を着実に勝ち進み、準々決勝でもフルゲームの激闘を制す。迎えた準決勝では相手の鉄壁のようなカットに苦しみ敗北したが、見事ベスト4に輝き強さを見せつけた。

3位入賞を果たした司
同世代の強敵を下し勝ち上がった徳田は、ベスト8決定戦で法大4年・原田と対戦。法大の守護神を相手に、鋭い両ハンドで幸先よく2ゲームを先取する。このまま押し切りたかったが、ゲームカウント2-0の1点を争う場面でチャンスボールを痛恨のミス。そこから流れが変わり第3、4ゲームをそれぞれ9本で落とすと、その後は「消極的になってしまった」と語るように精彩を欠いたプレーが目立つかたちに。最後まで突破口を見出すことはできず、2-4で悔しい逆転負けを喫した。

バックハンドを振り抜く徳田
濵田尚は明大のエース格・飯村(3年)と対戦。ベンチに入った兄・濵田一輝主将(スポ4=愛知・愛工大名電)と共に、全日本ダブルス王者の強敵に挑んだ。第1ゲームを3-11で奪われ迎えた第2ゲーム、持ち味の粘り強さを発揮し先にゲームポイントを握るが、デュースに持ち込まれ惜しくも落とす。続く第3ゲームもデュースの末敗れ、そのまま0-4で敗北。早大勢はベスト16敗退となったが、主軸の2人がともに初のランク入りを果たした。

サービスを繰り出す濵田尚
ランク決定戦をストレート勝ちで突破した司は、春季リーグ戦で敢闘賞を受賞した難敵・日体大の横田と対戦した。第1ゲームこそ相手の低いカットに合わせられず落とすが、その後は主導権を握る。見事なカット打ちを見せ、相手を打ち崩すことに成功。4ゲームを連取し、ベスト8入りを果たした。

カットを持ち上げる司
続く準々決勝、相手は春季リーグ戦優勝校・筑波大の牧野。個人では殊勲賞を獲得する活躍を見せた強敵だ。司から積極的に攻め込み、相手を下げる展開が続く。しかし、相手は下げられても粘り強く返球を続けドライブでの攻防戦となる。第1セットは相手の2連続サービスエースもあり先取されるが、第2・3セットを取り返す。ミドルを狙った攻撃に苦戦し、第4ゲームを落とすも「何とか返して粘りました」と語るように次のゲームを奪取。その後も互いに一歩も譲らない状況が続き、試合はフルゲームまでもつれた。最終ゲームは疲労が見え始めた相手のミスを引き出す。得意の両ハンドで相手を翻弄し、勝利した。

フォアドライブを振りぬく司
準々決勝の勝利から間もなく、準決勝が開始される。相手は今大会のダブルスで優勝した中大のスーパールーキー・兼吉だ。カットマンの相手の逆方向をつくドライブを打ち込み、得点を重ねる。しかし、相手の堅い守りは容易に打ち崩せず3ゲームを連取された。フォアドライブでの強い攻撃や緩急つけたラリーが相手のカットミスを誘い、第4ゲームを取るも、試合のリズムを作りきれない。第5ゲームは鋭いドライブを何本もねじ込むも返球されてしまい、最後は「相手が自分より1本多く返して来たのに対して体力がきれてしまった」と語ったように攻撃を決め切れず、1-4で敗戦する。試合後、司は「力強く打ちすぎてしまった」と振り返った。試合に敗れたが目標であった初のランキング入りを果たし、今大会を3位という好成績で終えた。

準決勝を終えた司
シングルスでは男子部から徳田、濵田尚の2人がランク入りし、女子部からは司が3位入賞を果たした今大会。各校の強力メンバーが集うハイレベルなトーナメントでも、早大勢が存在感を示した。部員たちは休む間もなく、学生卓球の夏の祭典、全日本大学総合選手権・団体の部(インカレ)に挑む。男子部の主軸を担う徳田、濵田尚らが迷うことなく口にしたのは「優勝」の2文字だ。今大会で得た自信、悔しさを胸に、全国の舞台でその底力を見せつける。
(記事・編集 三浦佑亮、大村谷芳、牧咲良 写真 三浦佑亮、牧咲良、石本遥希、川田真央、田邉桃子)
コメント
司千莉(スポ2=大阪・香ヶ丘リベルテ)

――今大会にはどのような目標を持って望まれましたか
去年がベスト16で負けてしまいベスト32だったので、ランキングに入ることを目標にしていました。ランキングに入ったら、そこからは1勝ずつ重ねていこうという気持ちで挑みました。
――ダブルスを振り返っていかがですか、
ペアの小野蒼彩さん(スポ1=広島・進徳女子)と練習ではうまくできていたことが、試合ではなかなかうまくできなくて、悔しい結果ではあったのですが、インカレまでに改善点を克服して、インカレの時には今までよりもう少しレベルアップしていきたいと思います。
――初日のシングルスを振り返っていかがですか
初日は自分がスーパーシードで1回戦が誰が上がってくるか分からない状況で、相手は2回くらい試合をしてきている中で自分は初戦だったので、1球目から気を抜かずに挑戦者の気持ちで頑張りました。
――ベスト4決定戦では過去に新人戦やリーグ戦でも対戦経験のある牧野選手との戦いでしたが、対策されたことや意識されたことはありましたか
試合の3ゲーム目以降、ラリー戦になったときに相手が自分のミドルを攻めてきて、最初はそれに対応できなかったのですがベンチの下山さんや自分の中でもミドルを狙われていることは分かっていたので、何とか返して粘りました。
――今日の試合では3戦中2戦がカットマンとの戦いでしたが、戦う上で心がけたことはありましたか
カットマンなので打ちすぎないようにする、打ちすぎて自滅して負けるということが一番だめだなと思っていたので、1回戦では頑張って打ちすぎないように我慢してラリーしていました。3回戦は相手の兼吉さん(優花、中大)も大阪の高校で、高校のときから対戦していたので相手の手のうちが分かっていたのですが、逆にそれで自信を持って力強く打ちすぎてしまいました。最終的に相手が自分より1本多く返して来たのに対して体力がきれてしまったので、体力不足であったり、相手が自分より1本粘られた時の対処法を考えていきたいと思いました。
――来週にはインカレがありますが、インカレに向けての意気込みを教えてください
インカレはリーグ戦と違って5番までしかないので、出してもらった試合は全部勝てるように頑張りたいと思います。
徳田幹太(スポ3=山口・野田学園)

ーー1日目のダブルスでは2年ぶり2度目の優勝を果たしました。濵田一主将と組む最後の関東学生選手権を振り返っていかがですか
濵田さんは大会前から3週間ほど教育実習に行っていて、全然練習ができていませんでした。それでも3回戦で2-2の4-8から国学院大のペアに逆転できて、そこからギアが上がり良い時の状態になってきました。ベスト4以降はお互いやることも分かってきて、負ける気がしなかったです。
ーーシングルスのランク(ベスト16)決定戦を振り返っていかがですか
シングルスは1年時も2年時もランクに入ったことがなく、今年はなんとしてもランク入りしたいという気持ちで戦っていました。最初から最後までギア全開で戦えたので、そこが勝利につながったと思います。
ーーベスト8決定戦を振り返っていかがですか
中盤までは自分のプレーもできていて良かったのですが、2-0の9-9あたりで自分のチャンスボールをミスしてしまい、そこから消極的になり流れを変えられてしまいました。もう少し早い段階で自分の流れに戻せていたら勝てていたのではないかと思います。
ーーインカレへの意気込みをお願いします
濵田さんにとっても最後のインカレで、今年はかなりメンバーも充実していると思います。最初からどのチームよりも優勝にふさわしい立ち振る舞いやプレーを心がけて、優勝目指して一戦一戦戦っていきたいです。
濵田尚人(社2=高知小津)

ーースーパーシードで5回戦からの出場でした。競り合いとなった6回戦を振り返っていかがですか
相手は駒澤のエースで自分は挑戦者の立場だったので、思い切ったプレーを最初から出せたのは良かったと思います。
ーーランク決定戦を振り返っていかがですか
相手の柳澤選手は一つ前の試合で大激戦を制して勝ち上がってきたので、向こうは乗ってきているなという印象でちょっと緊張しました。それでも自分らしいプレーで結果的に勝てて、ランクに初めて入れたのですごくうれしかったです。
ーーベスト8決定戦を振り返っていかがですか
相手は結構強くて自分が少し苦手なタイプの選手でしたが、何度かゲームポイントを握ることはできました。そこで最後取り切れなかったのはすごく悔しいですが、課題も見えたので次につなげていきたいと思います。
ーー最終日にはお兄さんの濵田一主将がベンチに入っていました
今日の朝知りました。初めて入ったので、新鮮でしたね。的確なアドバイスをもらえたんですけど、それを実行できる技術力がまだなかったので、そこをもうちょっと磨いていきたいと思います。

濵田尚(写真右)のベンチに入る兄・濵田一主将
ーーインカレへの意気込みをお願いします
優勝しか狙っていません。自分が確実に1点を取って、チームの優勝に貢献したいと思います。
試合結果
▽男子シングルス
徳田幹太(スポ3=山口・野田学園)

8回戦 ●2—4原田(法大)
濵田尚人(社2=高知小津)

8回戦 ●0—4飯村(明大)
▽女子シングルス
司千莉(スポ2=大阪・香ヶ丘リベルテ)

6回戦 〇4—1横田(日体大)
準々決勝 〇4—3牧野(筑波大)
準決勝 ●1—4兼吉(中大)