わずか5人でつかみ取った歓喜の勝利 スリーポイントの雨を降らし、5位決定戦に進出した!

男子バスケットボール

第65回関東大学新人戦 6月7日 東京・代々木第二体育館

 中大に惜敗し、本日から順位決定戦を戦う早大。F南川陸斗(文1=京都・東山)の手術、F今村優志(スポ1=東京・東海大高輪台)のケガ、そしてF松本秦(スポ1=京都・洛南)が日本代表の活動に参加したことにより、この試合からはわずか5人での戦いを強いられる。5位決定戦への進出を懸けた一戦の相手は山学大。昨年の入れ替え戦以来となる因縁の対決となった。

 ここまでの戦いで平均40得点を超える活躍を見せた松本の穴。これを埋めたのはF藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)とG木佐貫凌汰(社1=東京・早実)だった。2人連続3Pシュートで序盤のビハインドを取り返すと、その後も藤山と木佐貫が止まらない。藤山は3Pシュート、木佐貫は速攻で得点を重ね、試合開始から早大がいきなり主導権を握った。しかし第1Q残り1分、木佐貫が早くも2つ目のファウルを犯す危機。それでもラストプレーでG羽鳥景親(創理2=東京・早実) のスティールからG小泉広翔(商2=京都・東山) が速攻を決め、第1Qから早大が8点のリードを奪った。

 第2Qは序盤にターンオーバーから連続失点するものの、藤山が2本の3Pシュートを決めて流れを取り戻す。第2Q残り5分には堅守から連続で速攻から得点し、点差を14点に広げた。これに相手はタイムアウトで修正を図ったが、すぐさま小泉がドライブから得点。藤山のこの日6本目となる3Pシュートも飛び出し、さらに早大がリードを広げた。しかし第2Q終了間際、木佐貫が痛恨の3ファウル。47-30の17点リードで前半を終えたが、ファウルトラブルと体力に対する不安はぬぐえなかった。

3Pシュートを放つ藤山(早稲田大学男子バスケットボール部提供)

 第3Qは相手のハードなディフェンスを前にターンオーバーを連発してしまうものの、木佐貫、羽鳥が3Pシュートで対抗。一時は得点が止まり、点差を縮められる時間もあったが、今度はG木村魁斗(スポ1=茨城・下妻第一)が3Pシュートを沈めて再度17点差に戻した。しかし第3Q終盤、相手のエース・菅野(2年)を前に3連続得点を許す。点差を10点に縮められた早大は、さらに羽鳥が3つ目のファウルを犯してしまった。10点のリードを保ちつつも、一切の予断は許されない状況。緊迫した試合の行方は最終Qまでもつれた。

 嫌な空気のまま迎えた第4Qはいきなり試練の時間を迎えた。立ち上がりから連続失点を喫し、ついに点差は5点。第2Q以降最小のリードにまで縮められた。一気に窮地に陥った早大。しかしここからフル出場を続ける5人が意地を見せる。羽鳥がドライブで敵陣に切り込み藤山の得点をアシストすると、直後には再度二桁点差に広げる3Pシュート。流れを一気につかんだ早大はさらに木村の連続3Pシュートが突き刺さり21点にリードを広げた。その後は着実に逃げ切り、76-63で試合終了。わずか5人で勝利を収めた選手たちの顔には、試合への充実感と満足感があふれていた。

3Pシュートを放つ羽鳥(早稲田大学男子バスケットボール部提供)

 チームの大半の得点を生み出していたエース・松本の離脱。元々数少ない部員を襲ったケガ。5人での出場を余儀なくされる最大級の困難の中、出場選手全員が二桁得点を記録する文字通りの「全員バスケット」で勝利をつかみ取った。勝因を挙げるとするなら、間違いなく3Pシュートだろう。山学大の3Pシュートは2/26で成功率7.7%だったことに対し、早大は14/34で成功率41.1%。どんな状況でもオープンができれば積極的に打っていく姿勢が代々木第二体育館にスリーポイントの雨を呼び込んだ。5位決定戦の相手は専大。今日のようなアグレッシブな戦いをくり広げ、数多くの収穫を得た新人戦を笑顔で締めくくりたい。

(記事:石澤直幸 写真提供:早稲田大学男子バスケットボール部)

 1Q2Q3Q4Q合計
早大2225111876
山学大1416181563

◇早大スターティングメンバー◇

#8 G小泉広翔(商2=京都・東山)

#9 F藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)

#24 G木佐貫凌汰(社1=東京・早実)

#26 G羽鳥景親(創理2=東京・早実)

#32 G木村魁斗(スポ1=茨城・下妻第一)