春季オープン戦 5月31日 対慶大C 早大・上井草グラウンド
ルーキーたちによる新人早慶戦が行われた後に実施された今試合。1年生チームが慶大に敗れ、先輩として後輩たちに早稲田としての姿を見せるためにも、このまま負けたままでは終われないと臨んだ早大Cだったが雨の影響もあり、両者チャンスの場面を作り出すもなかなか得点に結びつかない。それでも前半終了間際、何とかSO池山昂佑(商3=東京・早実)が意地のトライで5-0と勝ち越して折り返す。しかし後半開始早々、逆転を狙う慶大Cの素早い攻撃に翻弄され、トライを許してしまう。このまま慶大Cのペースに呑まれるかと思われたが早大Cは抜群の修正力で立て続けにトライを挙げてリードを保ち、最終的には24-10で慶大Cを下した。

力強くゲインするWTB山下
大粒の雨が地面を打ち付ける上井草グラウンドで、開始の笛が鳴った今試合。ボールが滑りやすい中、両チームはポゼッションを意識しながらアタックを仕掛けるを繰り広げる。しばらく拮抗した時間が続いたが、先手を打ったのは早大C。蹴られたハイパントキックをキャッチしたWTB高栁壮史(創理4=東京・早大学院)が抜け出し、ゲイン。さらに慶大Cがペナルティーを犯し、敵陣深くでマイボールラインアウトを得る。立ち上がりでトライを奪いたい早大Cだったが、ここはボールをこぼしてしまう。また20分には強い風の影響で慶大Cがキックをミス。再度敵陣深くでのラインアウトを獲得するが、今度は慶大Cの堅い守備でたまらずモールパイルアップ、チャンスをものにできない。一方、早大Cもディフェンスで魅せる。25分、ハーフライン付近での慶大Cボールスクラム。ボールを繋がれるが、FL髙橋松大郎(スポ3=愛媛・松山東)が鋭いタックルで前進を許さない。ラインアウトでも慶大Cにプレッシャーをかけ続け、お互いにトライの芽を摘みあう展開となったが、これを打ち破ったのは今試合キャプテンを任されたWTB山下一吹(教4=東京・早実)。ライン際でボールをもらうとランではなく、キックを選択。ダイレクトにタッチラインを割るかと思われたが、内側でバウンドしてからタッチとなり、50-22を成功させた。敵陣深くまで攻め込んだ早大Cはボールを保持するとピックゴーで前進。最後はSH渡邊晃樹(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が右に展開すると池山に渡り、インゴールに飛び込んで均衡を破った。ゴールキックは外れるも5-0とリードして後半につなげた。

インゴールに飛び込むSO池山
続く後半、前半からの良い流れを維持したい早大Cだったが、開始早々に慶大Cが50-22でチャンスを作ると早大Cのディフェンスを突破し、パスを繋がれてトライを許してしまう。束の間のリードもすぐに振り出しに戻された早大Cは攻撃のテンポを上げる。19分にはディフェンスラインのギャップをついた池山が大きくゲイン。その勢いを殺さず、CTB平野仁(スポ2=神奈川・法政二)がボールを受けると相手を押しのけ、中央にグラウンディングし逆転した。さらに24分にはラックから左に展開すると、ここも池山が完璧なグラバーキックでトライの糸口を作り出す。3,4回跳ねたボールは走りこんできたWTB小澤アンディ(法4=千葉・流経大柏)の胸に収まり、バランスを崩しながらも腕を伸ばしてトライラインをたたき割った。対する慶大Cもインターセプトから5点を返し、スコアは19-0。しかしFW、BKそれぞれが守備の手を緩めず、最後は交代で入ったWTB小澤ジョージィ(スポ4=千葉・流経大柏)が持ち前のスピードを見せ、ダメ押しのトライ。24-10で慶大Cに打ち勝った。

タックラーを引きずりながらゲインするFL紀伊
強い雨と風というバッドコンディションの中、FWはセットプレー、BKはトライを取りきる力でそれぞれの役割を果たし、総合力で慶大Cを上回った。特にFL紀伊龍二(商4=東京・早実)は終始献身的なディフェンスを見せ、池山は多彩なプレーは何度も好機を創出した。勝利という形で1年生に先輩の背中を見せつけた早大C。学年の垣根を越え、互いに作用しあう環境を通して、確実に成長を遂げる選手たちの活躍に目が離せない。
(記事 髙木颯人、写真 村上結太、伊藤文音)
コメント
◆WTB山下一吹(教4=東京・早実)
ーー今日のチームコンセプトを教えてください
「遂行」ということを意識していました。一人一人が役割を遂行することを目標にしていました。アタックだったらボールをキャリーしてリリーするところまで、ディフェンスだったら連携しながらタックルをするというところをテーマにしていました。
ーーゲームキャプテンとして意識していた点はありましたか
チームの誰よりも、どんな状況でも声を出して盛り上げていこうと思っていたのですが、平野がチームの中で一番声を出していたので、助けられたところもありました
ーー前半は風上ながらもトライを取り切れないシーンがいくつかありましたが、後半どのように修正しましたか
前半はボールを持つことはできたのですが、慶応のディフェンスの形にはまってしまって、強いプレーをできなかった印象です。後半は風下だったので、ボールを積極的に保持して、なにより我慢してアタックすることを意識するようにしました。
ーー今後の意気込みをお願いします
春シーズンも残りわずかとなってきたので、ラストのターゲットである帝京大にA、B、C、Dで4連勝できるように頑張ります。
◆FL紀伊龍二(商4=東京・早実)
ーー今日のFWのコンセプトを教えてください
「遂行」というテーマを基にやっていて一人ひとりが自分の役割をしっかり全うするということを意識していました。
ーー個人のコンセプトを教えてください
僕のコンセプトに関しては迷わないということを意識しました。相手がブレイクダウンが激しかったり、一歩でも引いたら負けてしまうところだったので迷わずに自分のプレーをやり切るようにしました。
ーーセットプレーの手応えはいかがでしたか
ラインアウトに関してはしっかりボールキープできたのもよかったですし、相手のラインアウトにもプレッシャーをかけられたのでメンタル的にはいい部分がありましたが、スクラムに関しては何度かプレッシャー受けたりとかレフェリーのにアジャストするのに時間がかかってしまったのでもう少し早く修正できるようにしたいです。
ーー今後の意気込みお願いします
春シーズンの一個大きなターゲットが帝京なのでそこに向けてあと3週間いい準備して頑張っていきたいと思います。
◆CTB平野仁(スポ2=神奈川・法政二)
ーー今日のBKのコンセプトを教えてください
ゲームテーマとしては遂行力だったり、今年重視している早稲田プライド、ルーズボールに対する反応だったりですね。相手が慶應さんということもあり、雨の中の試合でコリジョンバトルになるのはわかっていたので、早稲田のプライドを持って試合に臨みました。
ーー個人のコンセプトを教えてください
同じですね。相手に対して一つ一つのプレーに負けない、プライド持ってやること。自分は力強いゲインを求められていると思うので、そこを重視していました。
ーー今日の試合にはどういう思いで臨みましたか
早慶戦で負けていい試合は無いと思ってるので早稲田のプライドを持って、声掛けなどからチームを鼓舞して自分に求められているものを発揮しようと思っていました。
ーー滑りやすい状況でどう戦いましたか
ボールを大切にですね。ルーズボールに対する反応だったり、短いパスやポジションのところでゲインして我慢して、最終的にスコアで優ればいいなと思っていたので丁寧にプレーしました。
ーー今後の意気込みをお願いします
今日の試合で課題が多く出たので今後に活かしていきたいと思います。