攻守に優れたバレーを展開し勝利へ 優勝に向けて望みをつなぐ

男子バレーボール

春季関東大学リーグ戦 5月18日 神奈川・日本体育大学健志台キャンパス

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)第10戦、優勝に向けて後がない早大は東海大と対戦した。第1セット、立ち上がりから東海大にリードを許し、相手のクイックや力強いサイドの攻撃によりセットを落とす。第2セットから攻守ともに切り替えに成功し、相手に流れを渡さずセットを取り切る。精度の高い粘りの守備と高い攻撃力でそのまま3、4セットと連取し、セットカウント3―1(22―25、25―17、25―19、25―17)で勝利した。

 第1セット、序盤から相手に2本のブロックポイントが出るなど、苦しいスタートとなる。リベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)が相手のクイックを上げOH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)が切り返して決め切るなど早大も応戦。しかし、相手のクイックやサイドの攻撃に対応できず、点差を詰め切れないまま22―25でセットを落とした。

 第2セット、徳留のスパイクでスタートすると、このセットからスタメン起用となったセッター瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)のブロックタッチから再び徳留が得点を決めブレイクし、第1セットの流れを払拭する立ち上がりに成功する。このセットから攻守ともにギアが上がった早大。相手の攻撃に切り返すことができるようになる中、OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)がブロック、スパイクともに躍動。さらに中盤、布台がディグでつなぎ相手からチャンスボールの返球が来ると、MB麻野堅斗(スポ3=京都・東山)がクイックをしっかりと合わせ、5連続得点で一気に前に出る。勢い衰えず最後は小野のバックアタックで得点を重ね25―17と大差でセットを取った。

レシーブをする布台

 第3セット、徳留の得点から始まると、OP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)のバックアタック、MB菅原啓(教3=山形南)のシャットやサービスエースでブレイク。布台がベンチまでボールを追いかけてつなぐなど、直接得点につながらない面でも粘りのバレーを展開する。相手のサービスエースとブロックによる連続得点で一時11―13と先行されるも、タイムアウト明けには菅原が2本のブロックで相手の流れを止めると、小野のサーブから早大の勢いが爆発。布台のディグから川野のスパイク、ブロックタッチから菅原のクイックなど、長いラリーを粘り勝ちで取り切る。小野がサーブで崩すとそのまま自分でバックアタックを決め、さらにサービスエースで追撃し、驚異の8連続得点で突き放す。その後も徳留のブロックをかわした華麗なストレートコースへのスパイクや、川野のサービスエースと流れは止まらない。川野のディグから小野がバックアタックを決めこのセット大活躍を見せると、最後は相手のサーブミスで25―19でセットを取り切った。

ガッツポーズで喜ぶ菅原

 第4セット、後がない東海大のブレイクからスタートすると、サービスエースを取られ2―5と流れが変わってしまったかのように思えたが、ここから早大が巻き返す。菅原のブロックや、布台や徳留が拾ったボールを小野が決め、菅原のタッチから川野が得点するなど一挙5連続得点。小野が相手のクイックを上げ瀬川が返球すると、相手の攻撃を今度は徳留が拾い、小野がバックアタックで決めラリーを制すると会場は大きく盛り上がった。流れを手繰り寄せた早大は洗練された守備を見せ、さらに徳留のサービスエースで16―11と差を広げると、相手はタイムアウトを使い切る。なおも勢いは止まらず、小野が打てば決まるほどの高い決定力のスパイクで得点を続ける。後衛に下がった麻野がつなぎ、相手を崩したボールを菅原がクイックで仕留めるなど着実に点を重ねる。相手の強烈なサーブで返球が乱れても、川野がブロックを弾き飛ばすスパイクで相手を詰め寄らせない。最後は布台のレセプションから、終盤に投入されたMB板垣慧(政経4=京都・洛南)のクイックで25―17でセットを取り、勝利した。

クイックを打つ麻野

 攻守ともに高いレベルの早大らしいバレーが2セット目以降見られ勝利した今試合。中大戦の敗戦から切り替える対応力と、2セット目以降スタメン出場していた瀬川の活躍により層の厚さも示すことができたのではないだろうか。最終戦のみを残す現在、9勝1敗で並んでいる大学は早大、順大、明治大の3つだ。優勝できるかは次戦の結果次第となる。優勝に向け力を出し切ってプレーをすることができるよう祈りたい。

(記事 井口そら、写真 井口瞳、加藤涼音)

セットカウント
早大 22-25
25-17
25-19
25-17
東海大
スタメン
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)
アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ3=京都・東山)
ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南)
オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園)
途中出場
梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園)
板垣慧(政経4=京都・洛南)
瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)
中上烈(スポ1=京都・洛南)

コメント

菅原啓(教3=山形南)

ーー試合を振り返って

 昨日初めてリーグ戦(春季リーグ戦)で負けてしまい、今日切り替えてやっていこうという中での立ち上がり1セット目は、自分たちの雰囲気があまり良くない状況でした。ですが、サーブで攻めてブロックやディフェンスからの切り返しという自分たちのスタイルが、セットを追うごとにできるようになったことがよかったと思います。

ーー2セット目以降で試合の流れが変わりましたが、意識した点や改善した点はありますか

 1セット目に比べてサーブで攻めた結果、ブロックの的が絞りやすくなり、クイックなどの相手の攻撃も封じて使えなくさせるという状況を作り出せたことが良かった点だと思います。

ーーサーブも緩急がついていて調子が上がってましたが、昨日の試合からの修正点はありますか

 サーブは先週から決め切れていて、キープしてそこからのディフェンスという状況を作り出せていたのですが、昨日と今日はサーブを入れても相手に返されてサイドアウトで取られてしまうという場面が多く見られました。自分の中では攻めて打つことを意識しながら、自分の得意とする前に打つサーブを活かしてプレーしていました。

ーー次戦への意気込みをお願いします

 最後の試合ということで、現在1敗で並んでいるという状況ではありますが、そこはあまり気にせず、自分たちのパフォーマンスをこの1週間でコンディションを整えて発揮できたらいいなと思います。

 

小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)

――試合を振り返って

 昨日の中大戦は負けていたので、1セット目を取られてしまって、悪い展開が続いてしまうかなと思ったのですが、無事に勝てたので良かったです。

――サービスエースや連続得点など、サーブが好調にみえましたがいかがですか

 チームとしてサーブが弱くてきれいに切り返されてしまうというのが話で出たので、しっかり自分の中で攻めて、それが効果として出たので良かったと思います。

――試合後半にスパイクの決定率が非常に高かったように思えましたが、スパイクについて振り返ってみて

 序盤はそんなに良くはなかったのですが、後半は打つコースを考えながら打ったり、そういったことからどんどん調子が上がっていったので良かったなと思います。

――2セット目以降、守備面でブロックタッチやディグがよく上がるようになった印象があるのですが、何か切り替えた点はありますか

 特にはないです。頑張ろうっていう感じで。1セット目からやっていてまだ把握できていなかった部分を1、2セット目で相手が打つコースを自分の中で見て考えたので、それが上手くいった感じです。

――中大戦から修正した点はありますか

 プレーは中大戦から変わらずやってきていて、チームの雰囲気がどうしても落ちてしまっていたので、まずは声の部分で中大戦よりももっと引っ張っていくようにやりました。

――次戦への意気込み

 最終戦かつ、去年の春リーグは最終戦で負けてしまっているので、最後しっかり自分たちがいいかたちで勝って、結果には捉われず自分たちがやってきたことを出すようにしていきたいと思います。

 

瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)

ーー試合を振り返って

 チームで振り返ると、フルセットで負けた次の日のゲームだったので、気持ちの部分で一人一人切り替え切れないところがあったと思うのですが、2セット目から全員で修正して、2、3、4セットを取ることができたので、しっかりと修正できたのではないかなと思います。個人としては、1セット目終盤からの出場で最後までというかたちでした。春季リーグ戦は自分はまだ出場機会が少なくて、あまり活躍できていないところがあったのですが、できる準備はしっかりとしてきたと思っているので、その準備の成果が出たのかなと思いました。

ーー前田凌吾選手(スポ4=大阪・清風)に代わって出ることも増えてきましたが心境はいかがですか

 早稲田という名前を背負うこともそうですし、凌吾さんと交代しているというプレッシャーを大きく感じる部分ではあるのですが、自分にできることをやろうと思っています。

ーー次戦への意気込み

 昨日、一つ負けというかたちになってしまったのですが、まだあと一戦明治戦が残っているので、一人一人が何をすればいいのかということをしっかりと考えて今週一週間でしっかりと準備して来週に臨みたいと思います。